裏サイバー同士の対決   作:シューティング☆

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それでは後編となります。どうぞ。


後編ー決着

杏子 手札2(化石融合ーフォッシル・フュージョン、サイバー・ダーク・キメラ) LP2000

モンスター

比翼レンリン×1(守)、鎧皇竜ーサイバー・ダーク・エンド・ドラゴン×1(攻)

魔法・罠 永続魔法「サイバー・ダーク・ワールド」×1、装備カード「サイバー・ダーク・カノン」、セットカード×1

 

再び現れた巨大な機械竜、その威圧感を前に彩葉は目の前の相手のほうが余程気になっている。

 

「お姉さん必死⋯ねえ本当に大丈夫?」

 

カノンを渡す際に近づいた彩葉には、杏子は汗を多くかき、苦痛を耐えて無理に笑顔になっているように見えた。それに対して杏子はといえば⋯。

 

 「心配するっう、なら、自分にしなさい。私、苦しいのも、痛いのもっ、好きなのよ」

「ま、マゾだ⋯じゃ、じゃあ、続けるよ」

「あの、炭刃さん、本当に大丈夫ですか?」

「平気よ。だから⋯そこで見届けなさい」

 

距離があるため少し気づくのが遅くなったが、花梨も気づき始める。だが、杏子は苦痛混じりの笑みで続行を告げる。

 

「私のターン、ドロー!墓地のコアの効果!自分フィールドにモンスターが存在しない時に墓地のこのカードを除外して、デッキからサイバー・ドラゴンを召喚!」

 

サイバー・ドラゴン ATK2100

 

「手札から、サイバー・ダーク・キールを召喚!効果で墓地から、アタッチメント・サイバーンを装備!キール自身の効果で1600、さらにアタッチメント・サイバーンはら装備しているモンスターの攻撃力を600アップさせる!これで合計2200、攻撃力アップ!」

 

サイバー・ダーク・キール ATK 800→ATK 3000

 

金色の翼に白い体の機械にしか見えないドラゴンをキールが装備する。機械にしか見えないがドラゴンである。

 

「バトル!サイバー・ダーク・キールで、サイバー・ダーク・エンドを攻撃!」

「リミッター解除っ!」

「そー言うこと。手札から速攻魔法、リミッター解除発動!キールの攻撃力を2倍にする!」

 

サイバー・ダーク・キール ATK 3000→6000

 

サイバー・ドラゴン ATK2100→4200

 

「いっけー!」

「ぐっ⋯」

「そしてキールがモンスターを破壊した時、相手に300のダメージを与える!」

 

杏子 LP2000→1000→700

 

あの巨体を元は攻撃力800のモンスターが打ち破る。その光景に花梨は思わず目を輝かせる。

 

「そしてサイバー・ドラゴンで、レンリンを攻撃!これでターンエンド!そしてリミッター解除の効果でキール、ドラゴンは破壊される」

 

限界以上の力を出された2体の機械は爆散し破壊される。

 

彩葉 手札0 LP1000

モンスター

なし

魔法・罠 セットカード×1

 

「私のターン、ドロー!サイバーダーク・ワールドの効果発動、1ターンに1度、手札のサイバー・ダークを召喚できる。サイバー・ダーク・キメラを召喚!」

 

サイバー・ダーク・キメラ ATK 800

 

「そしてキメラの効果発動!手札から魔法カードを墓地へ送り、デッキからパワー・ボンドを手札に加える!そしてこのターン、ドラゴン族か機械族のサイバーモンスターしか融合召喚召喚出来なくなる代わりに、1度だけ墓地のモンスターを除外し、融合素材にできる!」

 

墓地へ送ったカード

化石融合ーフォッシル・フュージョン

 

「まさか、オーバー・ドラゴン?」

「いいえ。トラップ発動!闇霊術ー「欲」!自分フィールドの闇属性をリリースし、2枚ドローする!相手は手札の魔法カードを見せることで無効に出来るけど⋯」

「手札のない相手に無理言わないでよ」

「そう言うこと。キメラをリリース、2枚ドロー!そして墓地へ送られたサイバー・ダーク・キメラの効果!墓地に同名のいないサイバー・ダークを墓地へ送る!ホーンを墓地へ!」

 

複数のサイバー・ダークの特徴を併せ持ちながら纏まった形の機械の獣が現れ、すぐに後ろに浮かんだ欲の文字に吸収される。

 

「⋯リミッター解除、使わされちゃったかな」

「結果論よ。まあ、サイバー・ダーク相手に、パワー・ボンドだけじゃ安心できないからラッキーね。そして魔法カード、貪欲な壺!墓地のスカルキング、フォートレス、サイバー・ダーク・エンド、サイバー・ドラゴン、キメラをデッキに戻し、2枚ドローする!

そして速攻魔法、異次元からの埋葬!除外されているモンスター3枚を墓地に置く!私のサイバー・ダーク・ドラゴン、サイバー・ダーク・カノン、サイバー・ダーク・クローを墓地へ!」

「「来るっ!」」

 

タイミング良く彩葉と花梨の言葉が重なる。そして、杏子の手札から最強の一角たる融合召喚カードが、パワー・ボンドが発動される。

 

「そして手札から、パワー・ボンドを発動!キメラの効果によって、墓地のサイバー・ダーク・ドラゴン、サイバー・エンド・ドラゴンをっ、融合!三度現れろ!鎧皇竜ーサイバー・ダーク・エンド・ドラゴン!!」

 

鎧皇竜ーサイバー・ダーク・エンド・ドラゴン

ATK 5000→10000

 

本日3度目の巨体が呼び出される。その巨体はパワー・ボンドの効果により、さらに威容が増している。

 

「っぐああぁ!」

「!だ、大丈夫!?」

「デュエルは中止です!いくらなんでも普通じゃありません!」

「ぐっ、パワー・ボンドの、効果で、サイバー・ダークっ、エンドの、攻撃力は、2倍になる!」

「炭刃さん!」

「⋯続けるの?」

 

続ける気のある言葉に、彩葉は訝しげに聞いた。その言葉に杏子は、乾いた声で笑う。

 

「ハハハ。こんな、いいデュエル⋯決着つけないで、終わらせるなんてっ!ぐぅ⋯絶対、お断りよ!ダーク・エンドの効果っ!そっちの墓地から、カノンを装備!」

「うわー、徹底的だね⋯」

「バトル!サイバー・ダーク・エンド!ダイレクト、アタック!カノンの効果っ、デッキから、風化戦士を墓地へ!風化戦士の効果で、奇跡の穿孔を手札に、ぐ、うぐ、エターナル・エヴォリューションっ、ダークネス!フルバーストォ!」

「トラップ発動!パワー・ウォール!ダメージ500につき1枚、デッキの上から墓地へ送って、ダメージを0にする!」

「ダメージは10000!」

「20枚を墓地へ!」

 

墓地へ送られたカード

サイバー・ダーク・ホーン×2

サイバー・ダーク・エッジ

サイバー・ダーク・キメラ

表裏一体

パワー・ボンド

決闘融合ーバトル・フュージョン

サイバー・ダーク・ヴルム

サイバー・ドラゴン

混沌領域

サイバーダーク・ワールド×2

サイバネティック・ホライゾン

シャッフル・リボーン

比翼レンリン

サイバー・ダーク・クロー×2

サイバーダーク・インフェルノ

サイバー・ダーク・カノン

死者蘇生

 

「手札から、奇跡の穿孔を発動。デッキから、リバイ、バルゴーレムを墓地へ送り、ドロー!リバイバル、ゴーレムの効果!このカードを特殊召喚!そし、ってぇ!リバイバルゴーレムを生け贄に!マテリアル・ドラゴンを召喚!」

 

リバイバル・ゴーレム DEF2100

 

マテリアル・ドラゴン ATK2400

 

泥人形が現れ、すぐに消えて金色の体を持つドラゴンが現れる。

 

「そして装備魔法、磁力の指輪を、ダーク・エンドに装備!」

 

鎧皇竜ーサイバー・ダーク・エンド・ドラゴン

ATK 10000→9500

 

「これでそっちは、ダーク・エンド以外の私のモンスターを攻撃できないっぐうぅ、カードを、2枚伏せて、ターンエンド!パワー・ボンドの効果でダーク・エンドの倍になった、攻撃力分、5000のダメージを、受ける。けど、マテリアルドラゴンの効果でその分回復するぅ゙!」

 

杏子 LP700→5700

 

杏子 手札1 LP5700

モンスター

鎧皇竜ーサイバー・ダーク・エンド・ドラゴン×1(攻)、マテリアルドラゴン×1(攻)

魔法・罠 装備カード「サイバー・ダーク・カノン」×1、装備魔法「磁力の指輪」×1、セットカード×2

 

「⋯さーてと。もう、終わらせないとね。私のターン、ドロー!墓地の表裏一体と混沌領域の順番で効果発動!それぞれ自身を除外して、表裏一体は光と闇属性モンスターそれぞれ1体ずつ、混沌領域は通常召喚出来ない光か闇属性モンスターをそれぞれデッキに戻して、それぞれ1枚ドローする!表裏一体でサイバー・ドラゴンとサイバー・ダーク・エッジをデッキに、混沌領域でサイバー・ダーク・ドラゴンを融合デッキにそれぞれ戻して1枚ずつ、合計2枚ドロー!」

「シャッフル・リボーンが、あるからっ、もう1枚いける訳ね」

「そーいうこと。手札から、サイバー・ダーク・エッジを召喚!効果で墓地のサイバー・ダーク・カノンを装備!」

 

サイバー・ダーク・エッジ ATK800→2400

 

「そして墓地のシャッフル・リボーンの効果!このカードを除外して、エッジに装備されているカノンをデッキに戻して、1枚ドローする!」

 

サイバー・ダーク・エッジ ATK2400→800

 

エッジがカノンを装備し、すぐにカノンが消える。その次にエッジが消え、金色の機械竜が現れる。

 

「自分フィールドのモンスターをリリースすることで、カイザー・グライダー―ゴールデン・バーストは特殊召喚できる。サイバー・ダーク・エッジをリリースして特殊召喚!」

「っ!そのカードは⋯」

「ゴールデン・バーストは召喚、特殊召喚されたら、相手モンスター1体の攻撃力と、同じ攻撃力になる!対象は、サイバー・ダーク・エンド!」

 

カイザー・グライダー―ゴールデン・バースト ATK2400→9500

 

金色の機械竜が赤色のオーラを纏い、その威容をサイバー・ダーク・エンドと同じにする。

 

「まさか、そんな隠し札を、用意してた、なんてっ、ね」

「用意しておいたおかげで助かっちゃった〜。さらに!サイバーダーク・インパクト発動!墓地のホーン、エッジ、キールをデッキに戻して、鎧黒竜ーサイバー・ダーク・ドラゴンを融合召喚!そして効果で比翼レンリンを装備!そして墓地には23枚のカードがあるから、2300アップ!」

 

鎧黒竜ーサイバー・ダーク・ドラゴン ATK 1000→2500→4800

 

「バトル!ガイザー・グライダー―ゴールデン・バーストで、サイバー・ダーク・エンドを攻撃ー!」

「迎え撃て!エターナル、エヴォリューション!フル・ダークネスッ!バースト!」

 

巨大な機械竜と同じ攻撃力になった金色の機械竜、それぞれの頭から放たれる光線が激突、大きな爆発を引き起こし2体を破壊する。

 

「サイバー・ダーク・ドラゴンでマテリアル・ドラゴンを攻撃!フル・ダークネス・バースト!」

「ぐっ」

 

杏子 LP5700→3300

 

サイバー・ダーク・ドラゴンが衝撃波を放ち、マテリアル・ドラゴンが迎撃としてブレスを放ったが、倍の差の攻撃力を止めることが出来ず破壊される。

 

「比翼レンリンを装備したモンスターは、2回攻撃できる!ダイレクトアタック!フル・ダークネス・バースト!」

「永続トラップ、リビングデッドの呼び声!墓地のモンスター1体を、攻撃表示で特殊召喚する!甦れ、鎧獄竜ーサイバー・ダークネス・ドラゴン!特殊召喚されたことで、墓地のサイバー・ダーク・エンドを装備!」

「うげっ!」

「なっ!」

 

鎧獄竜ーサイバー・ダークネス・ドラゴン ATK 2000→7000

 

巨大な闇の機械竜が再び現れ、さらに巨大な機械竜を装備、合計5つの頭が威嚇のように咆哮をあげる。

 

「⋯攻撃を中止、カードを1枚伏せて、ターン、エンド」

 

彩葉 手札0 LP1000

モンスター

鎧黒竜ーサイバー・ダーク・ドラゴン×1(攻)

魔法・罠 装備カード「比翼レンリン」×1、セットカード×1

 

「私の、ターン!⋯バトル!サイバー・ダークネス・ドラゴンで、サイバー・ダーク・ドラゴンを攻撃!フル・オーバー・ダークネス・バースト!」

「攻撃宣言時にトラップ発動!魂の一撃!ライフを半分にして、自分のライフが4000を下回っている分、私のモンスター1体の攻撃力をアップさせる!1000の半分は500、よってサイバー・ダーク・ドラゴンの攻撃力は、3500アップする!」

 

鎧黒竜ーサイバー・ダーク・ドラゴン ATK4800→8300

 

「残念だったね〜お姉さん。ねえねえ悔しい?」

「悔しいからこうする。バトルステップにトラップ発動!決戦融合ーファイナル・フュージョン!」

「へ⋯」

「確かそのカードは、戦闘を行う融合モンスター2体の攻撃力合計分のダメージを互いに与えるカード、ですよね」

「こいつで引き分けよ!」

「爆発オチなんてサイテーー!」

 

彩葉 LP500→0

 

杏子 LP3300→0

 

ダメージ15300分の爆発は強く、デュエルをしていた2人に加え花梨も軽く吹っ飛ぶ。意識が飛ぶようなことにはならなかったため、彩葉と花梨はすぐ立ち上がる。

 

「イタタタ⋯まさか、自爆して強引に引き分けに持ち込むなんて⋯」

「なんか最後まで踊らされてた気分⋯あれ?お姉さん?」

「?炭刃さん?炭刃さん!?」

「とりあえず大丈夫よ、でも⋯しばらく横にさせて」

 

すぐ立ち上がった2人に対し、杏子は倒れたままで、心配した花梨は慌てるが、すぐ杏子から返答が来て一安心⋯出来る訳ではない。

 

「⋯それなら、回復してからでいいですが、デュエル中のあの苦しみ様はなんですか?」

「私も気になる。私はあんなことなかったけど?」

「⋯すぐに聞きたいなら、このままでこっちに来て。まだちょっと動けそうにないや⋯」

 

倒れたままそう言う杏子に従い、2人は側に来て座り込む。それを確認してから、杏子は弱々しい声で語り始める。

 

「⋯まあ、どうして苦しんでいたかっていうと、まあ、サイバー・ダーク達の抗議よ、アレ」

「⋯はい?」

 

いきなり何を言っていると言わんばかりに花梨が声を漏らす。彩葉は心当たりがあるのか納得している様子。

 

「そー言えばそんな感じだったね」

「さすが、サイバー・ダークを託されただけはあるね。サイバー・ダークは不思議なカードで、何故かはともかく、停滞を嫌い、変化を求めるカード達。だからあまりにも変化がなければ、使うデュエリストの心臓に負荷をかけ、抗議するの」

「そんなことが⋯」

「起きるから、こうなってるの⋯ふぅ⋯そして、サイバー・ダーク達が一番嫌っているのが⋯サイバー・ダーク・エンドよ」

「⋯そういえば確かに、あのモンスターを出した時だけ、苦しんでいましたね」

 

1回目も様子がおかしく、2回目から明らかに苦しんでいたことから、1回目は苦しんでいることをまだ隠せる状態だったようだ。だが、実際の様子を考えても少し解せないことがある。

 

「どうしてそんな、切り札を嫌うようなことを」

「まー、終着が答えじゃない?間にどれだけ変化を持たせても、最終的にでてくるモンスターが変わらないんじゃ、変化味も薄いよ」

「⋯なるほど」

「そういうこと。そして、サイバー・ダーク達が、変化を求めることが⋯リスペクトに反するデュエルを、する理由よ。人間、私みたいに稀な人を除けば、苦しみたくなんて、ないからね。変わらないままじゃ、抗議が強くなっていく。そうして⋯変化に詰まるほど、リスペクトを手放し、反していく。苦しみから、逃れるように」

 

そういうと、杏子はカードケースから2枚のカードを取り出し、彩葉に差し出す。

 

「私は、ちょっとガタが来ててね。ここに来てもらったのは、この2枚を託すための試験よ。わざわざサイバー・ダーク・エンドを、3回も出したのもそれが理由。どうせならあの攻撃力を前に、諦めないで倒す手段を見出だせるくらい、強くないと。まあ、あなたは、私みたいにならないでね」

「私、勝ってないけど?」

「引き分けって選択を、私が選んだ時点で、私の勝利じゃない。それに、私にそう選択させるくらい、柳里彩葉、あなたは強い。でも、強いからこそ、こうなったらダメよ」

 

弱々しい声に対し、その言葉は強い想いが込められている。それを聴いて少し悩んだ後、彩葉は2枚を⋯サイバー・エンド・ドラゴンと、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを手に取る。

 

「そっちが託したんだから、返してって言っても返さないよーだ」

「安心して⋯私はもう、ギリギリだから。さて⋯芒ちゃん、ちょっと肩貸して⋯もう少し楽なところで、休みたい⋯」

「は、はい。あの、救急車呼んだほうが⋯」

「いいのいいの。しばらく休めば、なんとかなるから。だから家までお願い」

「⋯分かりました」

 

そうして一同、杏子の家へと向かう。そこまで距離は離れていないためすぐの道程、その途中でふと、花梨は気になった。

 

「そういえば、炭刃さんってお仕事は何を?」

「元プロデュエリストの現在無職、せいぜいが家事手伝いと畑仕事」

「元プロ、それであんなに強いんですね⋯これから炭刃さんは、どうされるんですか?」

「仕事なら、大学の後輩から、研究チームに参加してほしいって誘いが来ててね。一先ずそこかな」

「研究って、なんの?」

「新エネルギーの研究。何故か腕のいいとデュエリストが必要らしいの」

 

なんだそりゃと2人の頭に疑問符が浮かぶものの、花梨はすぐ微笑む。

 

「案外、意外なところから発見があるかも、ですね」

「まあ⋯そうね、そういうこともあるかもね」

 

 

 

それから数十年の月日が流れる。とある街にて、女性が1人電話中だ。

 

「ええ、あなたに同行した際の分は赤裸々に語りましたよ。あの頃はほんと、生意気でしたね。よくあれからこうまでなりましたね」

 

電話先の相手が困りそうな話題を振りながらも、女性は楽しげに喋っている。

 

「でも、感謝していますよ。こうして、カードデザイナーになったのも、ドラグニティを考えられたのも、杏子さんの話しやあなたについていったことが切っ掛けなんですなら。サイバー・ダークに、さらなる可能性を与えることが出来たのは、あなた達のおかげです。ありがとう」

 

そうお礼の言葉を口にし、少しすると小さく笑い始める。おそらく電話先の相手が照れたのだろう。

 

「フフフ。それじゃあ今度はいつ会いましょうか。私もこっちで仕事がありますから、いつでも会える訳ではないですからね」

 

そうして会話が弾み、しばらくして電話を終える。そうして女性は、花梨は物思いにふける。

 

「あれからもうすぐ、30年近く⋯過ぎると、あっという間ですね」

 

あれから花梨は、彩葉のデュエルを見るために彼女と共に行動して学び、しばらくしてサイバー流をやめた。サイバー流という1つの流れの中では、自身が得たカードデザイナーの夢は叶わないと感じたからだ。

そうしてアメリカの大学へ留学し、そこからインダストリアル・イリュージョン社に入社、現在は夢を叶えカードデザイナーとして働いている。新たな可能性を模索して。

 

「次会うのが楽しみね、彩葉」

 

そうして、数十年来の友達のことを想い、歩き始める。新たな可能性を求めて。




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