100カノ短編集   作:ゾネサー

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Xに#お花高文芸部のタグで投稿している文庫ページメーカー4ページ分までのss(ショートショート)をまとめました。

ただいまXにて#小説合作SWSのタグで、素敵な「恋太郎×彼女」の小説が投稿されていますので、よろしければ是非!


1月分ssまとめ

 

〜何者かがお正月料理で女性をたぶらかす夢を見ました!この事件……名探偵端須蓮葉が絶対に推理してみせます!〜

 

「ほうら胡桃ちゃん。タラバガニを食べたくば、ママに好きって言って♡」

 

「好き!!」

 

「プライドを食欲で上書きすな」

 

 今宵の舞台は花園家。いい匂いに釣られてキッチンに潜入したところ、犯人がいました。さすが私! 四ページ制限に優しい高速名推理です!

 

 するとお二人はもちろん、なぜか私も追い出されました。ああ、なるほど。お料理する人のためにスペースを確保しないといけませんよね。これは失敬。

 

「そんな殺生な! 人をくるくるにしておいて、お預けなんてっ……!」

 

「落ち着いてください胡桃さん。妹がお餅を焼いていますから」

 

「きゃーッ!! お餅は喉に詰まったら物理じゃ倒せない」

 

「なんと絵に描いたように柔らかそうなお餅。もちもちなのです……!」

 

「ダメよっ……。焼きたてのお餅にいきなり触るなんて……あちっ」

 

「オー、ジャンプマグマダイブサマースパイダーマン」

 

「ひっ……! 火だど!?」

 

「ご安心を! お泊まり会のために全てIHにしてもらいました!」

 

「”愛””叡智”『ならオイラでも楽勝でやんす』」

 

「待ってっ……! 好本静の細胞は僅かな熱でも耐えられない可能性が高い。恐らく容易く死滅する」

 

「先輩のアタイに任せなっ! ……うわっちゃああー!? し、死んじゃうっ!」

 

(ゴク……!)

 

「大丈夫ですよぉ〜。火傷は先生が治しちゃいますからねえ〜」

 

「ぐーぐー♪ ぐー!」

 

「じゅーじゅー焼けて、はい出来上がり——とも言えるね」

 

「焼き跡がとってもバイオレンすわ〜!!♡」

 

「へいおまち! あてい流おせちでい!」

 

「焼きそば……! 奇おせちね……!」

 

「他にもたくさん入ってる……! ギチギチ〜!!♡」

 

(わたくし)は黒豆をいただきますわ。黒豆はポリフェノールやビタミンEが豊富で、お肌によろしいんですのよ!」

 

「ふ〜ん。エビうめー」

 

「おせちにはそれぞれ願いが込められていてのう。黒豆は『マメにはたらく』という意味があるんじゃよ」

 

「タマの黒豆は美々美にやるにゃん……」

 

「私は(かず)の子を。(かず)の子は多くの卵が並んでいるので『子孫繁栄』を。また二親(ニシン)にかけられて、両親の健康(メルヘン)長寿(メルヘン)が祈願されているんですよ」

 

「えっ……!? ”二”が恋太郎と(すう)の子供ってこと……? そんなっ。急に言われても……!」

 

「大切に育てて、俺たちも長生きしよう……!」

 

「私たちともいっぱい子作りしよーな♡」

 

「……きちかが二ちゃいになったら、なでなでしてくれる……?」

 

「マジヤバーい」

 

 はすはすはす……はあぁ〜♡ これは伊達巻の甘い匂い♡ ほのかな磯の香りはフカヒレ……♡ どれもこれもいい匂いれす!!♡♡♡ ……! 名探偵注意報発令! 一際匂い立つ料理がこちらに向かってきています!

 

「お待たせいたしました。お鍋様のご用意が整いました」

 

 エプロン姿の芽衣さんと知与さんがキッチンから出てくると、知与さんに言われて私たちはスペースを確保しました。そして置かれた鍋の蓋を芽衣さんが開くと、えも言われぬ匂いが広がっていきましたぁ〜! 

 

「美味しいわ……! 特にこのつみれ、それぞれチーズや生姜が入っていて二面性を感じられるわ。そうね……ツインテールつみれってところね!」

 

「私がツインテールを摘んで作ったみたいになるので、謹んでお断りしますね」

 

 山女さんのお野菜を始めとして魅力的な匂いの数々が誘惑してきましたが、メインはなんといってもタラバガニでした。すると愛々さんが殻の一部を折って、中身を露出させると胡桃さんに食べさせていました。なんとお優しい……! 

 

 愛々さんが次のカニに手をかけると、香ばしい匂いが鼻腔をくすぐって……♡ 気づけば吸い寄せられていました。

 

「可愛い……。……! 蓮葉さんも食べますか……?」

 

「食べましゅっ!」

 

 辛抱たまらず私は胡桃さんと一緒に愛々さんの腕に抱かれると、最高の一口をいただきました。これぞ正に夢にまで見た光景でした!

 

〜初詣デートはやや効率的に〜

 

 「倫理」とは。盆能寺百八曰く、”正しい答え”のない問題について短絡的に答えを出さず、他者の視点になってみたり、気持ちを想像してみたりして、”よく考える事”。

 

「にしても凪乃から誘うなんて珍しいよなー」

 

「以前は独りよがりなスケジュールに付き合わせてしまった。だから今の(わたし)なりに、考えたくなった。愛城恋太郎を含めた四人での初詣デートを」

 

(わたくし)も賛成でございます。ただあの時のデートも楽しゅうございました」

 

「ええ。盆能寺百八のおかげで。私もあなたのように人を楽しませる存在でありたい」

 

 そして愛城恋太郎のように、人の幸せを願える存在でもありたい。

 

「私めもでございます」

 

「あたしみたいにだけはなんなっつってんだろ!!」

 

 盆能寺百八が酒を見せつけるように呑むと、不意に銘戸芽衣が首を傾けた。

 

「しかし恋太郎様を呼ばなかったのは何故なのでしょう?」

 

「私が考えるに……愛城恋太郎は神社や神様を好まない傾向がある。彼が気を遣わなくてすみ、かつ喜んでもらえる場所を探りたい」

 

「そういえば聞いたことがございます。仏様は最高に限りなく近いと」

 

「確かに愛城恋太郎は昔、本気寺で修行していた経歴がある……!」

 

「それでは早速四人分予約して参ります」

 

「そうはならなくない?」

 

 私と銘戸芽衣が吟味した結果、本気参拝コースが最適という結論に至ったが、盆能寺百八の必死の説得によって今回は見送られた。そして相談を重ねた余韻をよそに、当日を迎えた。四ページ制限で余計な情報を挟むのは無意義。

 

「みんなおはよう! って、うわ!? 世界遺産が三つも!」

 

「落ち着いて。人は文化遺産・自然遺産いずれにも当てはまらない」

 

 私たちは計画を立てた後、共に選んだ着物に身を包んでいた。行動に難がある格好だったけれど、頬を赤らめる彼に心臓の鼓動が速くなる。彼も私たちに合わせて着物を着ていた。美しさがより引き出され、ちらりと覗く鎖骨が色っぽい。……人も世界遺産に登録されるべきなのかもしれない。

 

「こちらの寺社は酒類の持ち込みが禁じられている。効率良くいきましょう」

 

「早速いくぞっ!!」

 

 着物ながら大股で歩く彼女の真似をしてみたら、つっかえて転びそうになった。

 

「大丈夫か?」

 

「え、ええ」

 

「最近凪乃は色んな人のことを考えて、真似しているよね。それはとても良いことだと思うんだ。でも全部じゃなくて、自分に合うことを選んでいくともっといいと思うよ」

 

「なるほど。そうしてみる」

 

 これもまた倫理なのだろうか。彼も私に寄り添って考え、その上で自分の意見を述べた。確かに誰かのようになりたい、そんな気持ちが先んじていたのかもしれない。

 

 お清めをすまし、参拝する。合掌しながら私は祈った。かつて過去の生き方で傷つけてしまった人を、それよりも多く幸福にすること。その人の中に、私自身も含めようと。

 

「また負けたーッ!!」

 

 混雑した授与所は後に回しおみくじを引くと、盆能寺百八が大凶の結果に泣いていた。

 

「私は吉だった。期待値通り」

 

「あ……お揃いでございますね」

 

 私と銘戸芽衣は顔を見合わせる。静謐なひとときがとても温かく感じられた。

 

「ってことは恋太郎が大吉ってオチかー?」

 

「いえ大大大大大吉でした」

 

「その幅で大凶を出したあたしって一体……」

 

 彼女を宥めておみくじを結ぶのを見届け、私たちは甘酒を堪能する。

 

「酒うめ〜!! ん? どわっ!?」

 

 すると美味しそうに呑む彼女に釣られ、授与所が空いた。計画通り。

 

「なんでも叶うお守り……って、はちゃめちゃにお高い円!?」

 

「ご安心ください。内臓を売ってでもプレゼントいたします」

 

「どこもご安心できないですよ……!?」

 

「ふふっ。冗談でございます」

 

 火保エイラと親密になった辺りからか、銘戸芽衣は冗談を言う機会が増えた。

 

「私どもが相談して決めたのはこちらでございます」

 

 私たちは四体のお守りを受け取ると、その一つを愛城恋太郎に手渡した。

 

「家内安全? あっ。恋太郎ファミリー……それなら全員分!」

 

「待った! 確かに数は四つしかないけど——」

 

「それぞれが人の気持ち、自分の気持ちを考えることで——」

 

「皆が楽しみ、幸せになることの象徴として持ちたい。それが——私たちのわがまま」

 

「俺にはできた彼女たちすぎる……ッ!?」

 

 いいえ。これは私たちのことを考え、恋太郎ファミリーという繋がりをあなたが与えてくれたから。私は彼の否定を遮るように、効率的に口付けをかわした。

 

〜薫る恋は静かに咲く(リクエスト作品)〜

 

 最近はよく図書室で執筆に励んでいた。けれど根を詰めすぎてしまい、筆が止まってしまっていた。そんな事情を見抜いたかのように恋太郎君は気分転換に誘ってくれた。

 

「雰囲気のある本屋さんだね」

 

「『そなたも気にいると良いのだが』」

 

 やってきたのは昔は毎日のように通っていた本屋さん。今でも入り口が手動で、新しい本との出会いを自ら求めている感覚がして、心地良い。

 

「本当にすごい読書量だよね。ここにある小説を全部網羅してるなんて」

 

「『オイラの手にかかれば楽勝でやんす』」

 

「だから今日は恋愛漫画をお互いに勧めてみない?」

 

 思わず目を見張った。以前は自作の本を書いてくれて、今度はまた別の形で本との出会いを提案してくれた。恋太郎君はいつも私の知らない世界を広げてくれる。

 

「『望むところだ』」

 

 小説に比べると漫画はあまり読む機会はない。タイトルや表紙、帯の宣伝文句だけで判断するのは中々に難しかった。それでも恋太郎君のことを考えて探す時間は冒険のような高揚感があった。他の人と本の出会いを助ける感覚も、また心地良かった。

 

「『100等分の花嫁』?」

 

「『そなたはむしろ』"嬢さん(乗算)"『だがな』」

 

「いや! この漫画も無限の愛を分けてるに違いないよ。楽しませてもらうね」

 

 悩んで出した答えに彼はとても嬉しそうに笑ってくれた。彼もまた全ての本を調べる勢いで悩んでくれた。というより事前に全て調べて、三日三晩悩んで決めてくれていたらしい。それがとても嬉しかった。

 

「”帰還した”」

 

「おじゃまします……!」

 

「ゆっくりしていってちょうだいね」

 

 家に帰ってきた私達はお母さんに挨拶してから、自室で二人きりになった。以前は我慢できずに途中で沢山のキスを浴びせてしまったから、気を付けよう。

 

 お互いに本を渡し合って、クッションに座る。ベッドを背にして肩を並べ合うと、目が合った。それがなんだかおかしくて——

 

「”高らかに笑った”」

 

「ふふっ。俺もだよ」

 

 最初は自分が勧めた本が楽しんでもらえているのか気になり、時折顔を覗いてしまった。その度に恋太郎君は穏やかに笑いかけてくれた。私達は何か言葉を発することなく、ページをめくる音だけがこの場を支配していた。だけど決して気まずい無言ではなかった。静謐な空間とはこのことを言うのだろう。

 

 そんな空間に後押しされるように、私も物語に没頭していく。恋太郎君が勧めてくれたジャンルはボーイミーツガール。最初は恋太郎君に似た名前の主人公に彼を重ねていたが、次第に私自身を重ねるようになった。偏見を持たずに接してくれるヒロインの優しさが、コンプレックスを抱えた主人公を次第に変えていく。漫画という形だからこその発見もあった。”相手の目を見て”話をすることで、機敏に表情の変化に気付くことができているのだと。

 

 本を閉じた時には充足感に満たされていた。読む速度は私の方が速くて、恋太郎君は物語に没頭していた。楽しんでもらえているようで、思わずホッとする。読み終えるまで表情の変化を追っていると、色々なことが分かった気がした。人の心理というのは思ったより顔に出るらしい。ようやく私にも分かった。恋太郎君が連れ出してくれたのは、表情をよく観察しているからこそなんだって。

 

「……ぁ……ああありが……とう……」

 

 読み終えたのを確認して、私なりに精一杯高らかに笑ってみた。

 

「えっ!? こ、こちらこそ! 静ちゃんの抱きしめたくなるような可愛さにはいつも癒されてるし、本を読んでいる時の顔は美しすぎて目が浄化されるし、こんな俺を好きになってくれて本当に感謝してるし、それに——」

 

「『まあ落ち着けって』」

 

 全てを語らずとも、恋太郎君が抱いた嬉しさと感謝は表情にこれ以上なく顕れていた。彼の真っ直ぐな肯定があったからこそ、私は私でいられて幸せなのだとはっきり言うことができた。それでもお母さんの言うように全く問題を抱えていないわけじゃない。私は先ほどまで読んでいた漫画に目を落とす。彼はいつも私に新しい世界を見せてくれる。この物語の主人公のようにコンプレックスを抱えていても、私は恋太郎君がいれば少しずつ変わっていける。そう思えた。

 

「——その上ここまで俺の心を読んだような漫画を勧め……!?」

 

 未だ詠唱を続ける彼の唇をキスで塞いでしまった。恋太郎君の目が次第に幸せそうに蕩けてゆく。きっと私もそう見えているよね。多くは語れないけど、恋太郎君のことを私も同じくらい好きだって伝えたいから。そんな理由を言い訳に、我慢できずに沢山のキスを浴びせてしまったのだった。

 

〜ちっくとっく?を買いたいのじゃ〜

 

「お店に無いならどこに売っとるのかのう……」

 

「いやそもそも売ってねーのだ」

 

「……!?」

 

 自分でも驚くような速さで振り向いていたのじゃ。すると楠莉が板を取り出して、人が踊る様子を見せてくれたのじゃ。

 

「おお……! 本当に箱の中の出来事のように動いておるのう」

 

「なんでおばあちゃんがこんなもん探してんのだ?」

 

「んー? そうじゃのう。楠莉には話しておくべきかのう……。楠莉が大人になった日に、わしも何かを形にして残したくなったのじゃよ」

 

 今日は一月の第二月曜日。成人の日じゃった。楠莉は見た目こそ八歳じゃが、実年齢は十八歳。孫娘が大人になったことが感慨深くもあり、わしもそれだけ歳をとったと感じられたのじゃ。

 

「わっ。くすぐったいのだ〜」

 

 抱き寄せた楠莉の頭に手を乗せて左右に揺らすと、くすりくすりと無邪気に笑ってくれた。わしの孫可愛すぎん? こんな日々がずっと続けばいいのにのう。

 

「楠莉。辛いことを聞くよ」

 

「えっ……」

 

 聞かれる覚悟ができるまで撫で続けたのじゃ。果たしてわしは千優のように安心させる笑顔を浮かべられておるかのう。

 

「『不老不死の薬』が切れた時のことを覚えておるかい?」

 

「……忘れたくても忘れられないのだ。けど、思い出したくないのだ」

 

「ありがとう。それだけ聞ければ十分じゃよ」

 

 今日は成人の日であると同時に、遺言の意味を考える日。かつてわしは事切れそうになった時、若さを与えてくれた楠莉に感謝を伝えた。けど楠莉は受け入れられなかった。今思えば当然じゃのう。

 

「こっちに来てくれるかい?」

 

 立ち上がって楠莉を手招きすると、彼が作ってくれた壺の裏を見せたのじゃ。

 

「見えるかい? これはじーちゃんが残してくれたのじゃよ。英語で……いつもありがとう、とな」

 

「えー! 死んじゃったおじいちゃん(いき)なのだー!」

 

 話題に出すことを忌み嫌われる死を、躊躇わず口にする楠莉を見て、改めて思ったのじゃ。遺言は残す側じゃなく、残される側のためにあるのじゃと。

 

「わしものう。残したいのじゃ。いつかその時が来ても、楠莉や恋太郎ファミリー(はみりー)が笑って受け止められるようなものを」

 

「おばあちゃん……。正直なところ楠莉はいつまでも一緒にいたいのだ」

 

「ありがとう。わしもじゃよ」

 

 今度は楠莉の方から引き寄せられ、頭を預けたのじゃ。力一杯抱きつかれるのがなんだか心地よくて、気づけばわしもくすりくすりと笑っていたのじゃ。

 

「そんでどんな動画を撮りたいのだ?」

 

「どうが……? 過去に楽しかったことで共有したいのう。ほれ、楠莉が『一ふきだしにつき、二文字分しか発せなくなる薬』を作ってきた時の」

 

「四ページ制限で二文字縛りする気なのだ?」

 

 やりたいことを伝えると楠莉が手筈を整えてくれたのじゃ。

 

「YO! YO!」

 

「ん? ん?」

 

 以前夜の水場で遊んだ時の機械を楠莉が触ると、軽妙な音楽が鳴り出したのじゃ。

 

「楠莉たちが届ける最高のハーモニー! 聞き逃すなよ恋太郎ファミリー!」

 

「いつもありがとうねみんな♪ 若さ溢れる最高の団欒(だんらん)♪」

 

「恋太郎にまずはお届け! 乙女の恋心、天まで羽ばたけ!」

 

「気づけばさせられていた本気♪ 溢れ出たのは恋太郎への大好き♪」

 

 音楽に乗せてファミリー(はみりー)全員への想いを残していく。慣れなくて大変じゃったが、きっと楠莉に達筆すぎて読めないと言われた遺言状よりも、思い出して貰えるものになったじゃろう。

 

「最後に聞くぜラス一! 誰の肩もみが世界一?」

 

「いつも力加減がいい感じ♪ 天まで昇る心地のも……もちろん楠莉じゃよ」

 

「ぜってー紅葉って言おうとしたのだ! 楠莉の方が気持ち良いのだーっ!」

 

 音楽に乗ってつい口が滑ってしまったのじゃ。やきもちを焼いた楠莉が肩を揉み出す。ふふ……世界一大好きじゃよ。楠莉も、恋太郎もみんな……のう♪

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