本作アクアのコンセプト(ダウナー・強い・デレると可愛い)の元ネタはアークナイツのスカジ。
スカジを見てて『もしアクアがスカジみたいにダウナーで強かったら?』みたいな妄想を膨らませた結果、ダウナー女神が誕生した。
■ ■
主人公とヒロインのイチャイチャがようやっと落ち着いたのを見計らって、めぐみんは頼もー! と、ノックもせずにドアを開いた。
「カズマ、アクア、お願いがあるのですが!」
「入る時はちゃんとノックしなさい」
「あ、はい……」
「お母さんですか?」
「何度も言ってるけど違うわよ」
カズマはつくづく思う。
だって、なんか基本的に叱る所がお母さんのそれと何ら変わらないんだもの。カズマも幼少の頃、ノックもせずに扉を開けて母に叱られた事が何度かあるのでよく分かるのだ。
帰ってきたら手洗いうがい、人にはちゃんと挨拶をする、襟は立てない様にする……色んな事を叱られ、その都度にやかましいと鬱陶しく感じていたが、今こうして母から物理的―――世界規模―――に離れてみると、何だかそれが懐かしく感じる。
めぐみんは妹も居て、尚且つ貧しい暮らしだったとの事だ。頭が爆裂魔法に支配されていない時は基本的に礼儀正しいので、おそらく親の教育の賜物だろう。
「まぁまぁ。で、何の用だ? 手頃なクエストでも入ったか?」
「いえ、クエストという訳ではないのです。私の爆裂日課に、いえ、爆裂道の極めにお二人に付き合っていただきたくて」
「ば、爆裂日課…? 爆裂道? なにそれ」
「要は爆裂魔法を撃ちたいのです。紅魔族は、爆裂魔法を一日に一回は必ず撃たないと死んでしまうので」
「お前ら紅魔族は残念な生き物みたいな性質でも持ってんの?」
まぁ、あながち間違いではない。紅魔族はその残念極まるネーミングセンスと、種族としての根底とすら言っても過言ではない厨二病発症率の高さは、確かに残念ではあるだろう。
尚更タチの悪い事に、紅魔族はそれを残念だとは微塵も思っていない。寧ろそれこそが当たり前だと思っているくらいだ。
酷い厨二病は、もはや思春期特有の一時的な妄想癖では片付けられない。なんせ現実の視点を自分の世界に塗り替えてしまっているからだ。こうなると、もう手が付けられない。
大体の紅魔族はこうなるから面倒臭いのだ。
「今、誰かから紅魔族を貶された様な……」
「恥ずかしいという意味じゃ間違いじゃないな」
「何をぅ! 紅魔族の何処が恥ずかしいと言うんですかっ!? 作家に負けず劣らずのネーミングセンス、高い魔力と魔法技術、どれをとっても完成された種族としか言いようがありませんが!?」
「それを本気で言ってるのなら、あたしが医者に貴方の頭の中を見せてあげるわ」
「アクアまで!? なんですか二人して! 紅魔族をバカにして楽しいですか!?」
「まぁ、それはさておくとして。結局、どういう事なんだ? 爆裂魔法が撃ちたいなら、撃ってくればいいじゃないか。なんで俺たちを誘うんだ?」
別に爆裂魔法を撃つなとは言わないけれど、なんだって俺ら巻き込むん? と、カズマは言外に『行きたくないんだが?』という意思を伝える。
が、どうやらめぐみんには汲み取られなかったらしい。
「だって爆裂魔法撃ったら、私は倒れちゃいますから。カズマは仲間をモンスターが来るかもしれない場所に放置するおつもりですか?」
「コイツ……自業自得をまるで人が鬼畜であるかの様に言いやがって」
「まぁ、理由は分かったけど……なんであたしとカズマが一緒なの? それなら、あたしかカズマの一人だけでも十分じゃない」
「え?」
「え?って何よ。どうしてそんなに驚いてるの?」
この人はいったい何を言っているのでしょうか? という言葉を一身に曝け出すかの様な驚愕具合に、アクアは若干の戸惑いを覚える。
別にそんなおかしな事なんて言っていない筈なのに、何故めぐみんはこんなにも驚いてるのだろうか? カズマも疑問だった。
が、我々の様に外から彼と彼女を見ている存在からしてみれば、めぐみんの驚きは至極当然と言えよう。なんせ彼女……ひいては、我々ですら―――
「お二人は、常に一緒じゃないんですか?」
カズマとアクアが、しっかりとした別行動を取っている所を見た事がないのだから。
「……………………………………………………」
沈黙が訪れ、カズマとアクアの思考は必然的に一致した。そんな事はないと否定しようとして、いざ思い返してみた結果である。
このアクセルに来て暫くも経っていない頃、アクアが一人の老人の仕事を手伝い、路銀を渡された時を除いて―――この二人、離れて行動した事が今の今まで一度もないのだ。
モンスター討伐の際は勿論、ご覧の通り同室なので日常生活も殆ど一緒。そして当然、めぐみんが二人と出会うのは基本的にクエストに赴く時ぐらい。そうなると必然的に、カズマとアクアはセットで居る。
めぐみんは一度だって二人が別れて行動している所を見た事はない。ならば、そういう考えに至るのも不思議ではないだろう。
「言われてみれば、確かに……別行動した事ないわね。別れて行動するなんて、まったく考えてなかったわ……」
「あの時はアクセルに来たばっかだったしな。まぁ、それにしたって、確かに別行動してなさ過ぎだな」
「てっきり、私は二人が意図的にそうしているものだと…」
「いやいや、する訳ないだろ、そんなこと。こうやって同室になってるのも、その方が金が浮くっていうアクアの意見があったからだぞ。俺は元々、二人で別部屋取る予定だったんだ」
「カズマから申し出た訳じゃないんですかっ!?」
「おいなんでそこで驚く??? 節操なしの変態野郎か何かだと思われてる俺????」
「めぐみん、カズマにそんな意気地ないわよ?」
「ねぇフォローして? 刺してないでフォローしてくれない? カズマさん傷付いてるよ?????」
内一人からは変態だと思われ、内一人からは意気地無しだと罵られ、散々な言われようである。だがしかし残念かな、どちらも当てはまっていると言えば当てはまっている。
一応弁明という訳ではないが、カズマくらいの年頃なら、そりゃ性欲だってあるだろう。破廉恥な妄想だってしない事はない。だがしかし、こと彼女―――もとい、アクアに関しては違った。
カズマはアクアの様々な仕草や表情を『可愛い』と思う事こそあれ、そこに欲情した事は一度もない。断じて、絶対に、だ。これだけは確証を以て言える事である。
だが、アクアに対して緊張した際は頭撫でてくれと普通に申し出るのは傍から見れば、確かに変態のそれだと思われるだろう。激励してくれとかじゃなくて、頭撫でてくれと直球なのだから。
アクアの意気地無しという意見も、またその通り。現在進行形で、惚れた相手と同室になっているという状況であろうと、カズマは一切の行動を見せていない。
勿論、行動に出ていたらそれは普通に処刑案件ではあるので、これに関してはカズマは至って誠実であり無実である。とは言え、意気地無しであるというのは否めないのだが。
「てかさ、本題逸れてるぞ。……どうする? 行くか?」
「そうね…まぁ、放ってはおけないし、あたしは行くつもりよ。カズマはどうする?」
「んー……特段やる事もないし、行く」
「結局一緒ね」
「仕方ないだろ、退屈は誰にとっても毒なんだよ」
「そうね……嫌という程、実感してるわ」
―――あの退屈な日々は、まさに地獄の様だった。
『全能の可能性』。水というたった一つの概念を司るだけで、それはアクア自身ですら恐ろしいと思う程に、多くの権能へと手を伸ばしていった。
水分によって構成される雲は天空を覆い、雨と呼ばれる事象によって大地を潤し、植物という
水、天候、豊穣、生命。たった一つの概念が、幾つもの自然へと繋がり、それが神としての格を不本意に引き上げ、遂には頂の寸前にまで到達してしまった。ただの水神でしかない筈の女神が、
唯一手が伸ばせないのは、『全能』という言葉ですら表現し得ない、『超越』の具現。
即ち
水を司るから―――そんな言葉から始まる連想によって獲得した神格は、アクアにしてみれば鬱陶しい事この上ないものであった。
それがもたらした退屈な日々は、今も頭に直接刻み込まれて、忘れられそうにない。
(でも今の生活から、思い返してみると……)
自分を笑わせてくれる人が居る生活の中で、それをよく思い返してみる。
何もする事がなかった。
何もさせてもらえなかった。
尊敬故に。畏怖故に。羨望故に。
神たるアクアは偉いから。全能の可能性を秘めたるアクアは恐ろしいから。だから何もしなくていい、何もしないでください。
くだらない。嗚呼、実にくだらない。いっそのこと、この退屈で死んでしまえたなら―――そんな事を考えた事すらあった。
だが、今となっては。
「よし、では行きましょうすぐに行きましょう! レッツ爆裂!」
「それだけ聞くと犯行予告だな……」
退屈とは程遠い日々を味わえている今ならば。
あんなにも長く感じた退屈が―――さっぱりと消え去っている様な、そんな気がした。
◆
「マジいい加減にしろよもォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
晴れ晴れとした空の下、それはもう劈く様な怒号が広々とした城の中―――穴だらけで壊滅寸前―――に虚しく響き渡った。
ベルディアは激怒した。必ずかの邪智暴虐なアークウィザードをぶち殺さねばならぬと決意した。
ベルディアには政治が分からぬ。しかし人の悪意には、人一倍敏感であった。
ベルディアは魔王軍の幹部である。それはもう随分と前からであり、魔王軍の中ではそれなりの古株に当たるくらいには、長い間幹部としてやってきた。
彼は魔王軍の幹部として、多くの勇者を屠ってきた。それ故に付いた異名は、『勇者殺しのベルディア』。
数十年程前、リッチーへと堕ちた凄腕の冒険者によって氷漬けにされるという敗北を喫してからというもの、彼に敗北は無かった。その分だけ、多くの勇者を殺してきたのだ。
だがしかし、そんな彼でも―――毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、欠かす事なく自分が住んでいる場所に爆裂魔法を撃ち込まれるのは流石に堪えるものがあった。
「え、なに!? マジで何なの!? そりゃあさ、俺は魔王軍の幹部だよ? 勇者殺しのベルディアとか大層な異名付けられちゃうくらいには、勇者殺してきたよ? 恨まれるくらいは別にいいさ、元は俺だって騎士だったし?
「ベルディア様荒れてんなー……」
「さらっと自慢入ってたな。というかベルディア様、もしかしなくてもやってるのウィズさんでは?」
「えっ!? なんで!?」
「いやアンタ日々のモチベーションとか言ってセクハラしまくってたでしょうが何言ってんの?????」
本当にこれさえ無ければなぁ……褐色肌の人間の姿をした部下の一人が、肩を竦めながら溜息を吐く。
ベルディアは至って真面目な武人である。今は魔王軍の幹部であり、デュラハンという魔性の類に堕ちた身でこそあるが、かつては一人の騎士であったのだ。
騎士の誉と誇りはデュラハンとなった今でも胸に刻み込まれており、弱者を甚振る事はしないし、決闘には正々堂々と挑む、魔王軍の幹部とは思えぬ生真面目さが伺える。
が―――それら全部を台無しにしてしまうくらいの変態具合があるのも、また事実である。
しかもその相手が自分を氷漬けにした元冒険者であるのだから、尚のこと気持ち悪い。デュラハンである事を良いことに、手が滑ったとか言ってスカートの中を覗き込んだり、胸に首をぶん投げてダイブしたり、首だけ風呂場のバスチェアに忍ばせておくなど、マジで悪辣なことしかしてないのである。
「幾らウィズさんが優しいとは言え、普通に恨まれても文句は言えない所業ですよ? 痺れを切らせて今になってから仕返し!って線もあるとは思いますがね」
「いや、それはないな。俺のセクハラにも怒るだけで済ませたウィズだ、断じてない」
「なに信頼関係があるみたいな風に言ってんすか? 全然そういうのじゃありませんよね? なんなら因縁ありまくりの関係ですよね?」
「寧ろそれが関係値構築には良いとは思わんか?」
「マジで何言ってんのこの人……」
呆れてものも言えないとは、まさにこの事だろう。頭を抱えざるを得ない。
戦闘になれば頼りになるし、部下に対しても無駄に偉そうにしないし、対等に話してくれるから悪い人ではないのに、何故こうも残念になるのか。全く不思議なものである。
「はぁ…それより、どうするんです? アクセルまで行きますか?」
話題を切り上げ、部下は問う。
撃っている人間が誰であるかは兎も角として、このまま撃たれ放題という訳にはいかないだろう。ベルディア的にも部下的にも、この爆裂魔法が撃ち込まれる日々が続くのは本格的に御免被る。
アクセルは駆け出しの街だ。駆け出しが習得するには些か面倒な爆裂魔法を使える魔法使いなど、それこそ数えるまでもないだろう。
「下手人は簡単に見付かるとは思いますが、その後はどうします? 殺しますか?」
「ん…そこまでは行かん限り分からんな。アクセルの冒険者となれば、大体は駆け出しだろう。無駄に弱者を殺す趣味はない。まずは警告だけで済ませるとしよう」
「お優しいですねぇ…本当に幹部ですか?」
「やかましいわ。言ったろう、無駄に弱者を殺す趣味はない。そもそも俺達がアクセルに来た目的は、あくまでも調査だ。戦闘を仕掛けろとは言われていない」
魔王曰く、アクセルに流星の様なものが落ちたから、その調査をしてくれ、との事だ。
魔王はこれが『常識を無視した強さを持つ、妙な名前の人間』の兆しではないかと読んでいるらしく、その存在がどの様な姿か、どんな力を持っているのかを報告しろと、ベルディアに命を下した。
「今のところ、目ぼしい発見があるとすれば……」
「変異個体のジャイアントトードを討伐した、二人の冒険者…ですね?」
「あぁ。あそこまでの巨体を持ったジャイアントトードは、俺でも見た事がない。それがほんの数分で討伐……いや、あれは浄化と言った方が正しいな。おそらく、内側から強力な神聖属性を放たれたんだろう。それも、最高司祭、或いは枢機卿クラスの。余程信仰に厚いと見える」
「―――案外、そうでもないかもしれませんよ?」
「……なに?」
含む様な物言いに、ベルディアは無い首を傾げた。
「どういう事だ」
「よく考えてくださいよ。仮に最高司祭、枢機卿クラスのアークプリーストだとしましょう。ですが、そうであるかと言って、あのジャイアントトードを内から破裂させる程の神聖属性を放てるものでしょうか? いやそもそも、神聖属性にその様な効果があるのか?という所です」
「ふむ……言われてみれば、確かに。神聖属性はアンデッドや悪魔といった、魔性の類に特効がある属性だ。ジャイアントトードは魔性の類には当てはまらん……と、すると、だ。つまりお前は、あれは全く別の魔法―――俺たちが知り得ない力である、と言いたいのか?」
「具体的には、それを使ったのが人間ではない可能性を考慮すべき、という事ですかね」
「はぁ?」
人間ではない可能性? 何を言ってるんだコイツは。
―――空気が、揺らいだ様な気がした。
「つまりは何か? 天使か神が降りてきて、力を行使したと? そんな馬鹿げた話があるか」
「いえいえ、馬鹿げてなどいませんよ? というか、誰も疑問に思わないのが逆に不思議なくらいです―――なんの突拍子もなく、常識から乖離した力を持った人間が現れたなんて奇跡が、そう都合よく起こるなんて、不自然も良い所では?」
「………」
「人の世の常識とは、ある種の監獄です。皆が揃いも揃ってそれが真実だと思って疑う事がない、だから視点がどんどん狭くなって遂には思考を放棄する。しかもそれが、魔族ですら同じだとなると、まったく嘆かわしい事この上ない。もっと思考の幅を拡げましょうよ、ベルディア様。奇跡とは、起こるものではなく起こすものです。そしてそれは、人の手だけで成されるものではなく、誰もが知っている――――――人も、魔族も、悪魔も、天使も、それら全てを超越した存在が創り出すもの。誰もがそう祈り、信じているではありませんか!」
いやはや、滑稽滑稽。ソレは嗤う。せせら嗤う。
この時、ベルディアは既に目の前の存在が己の部下でない事を理解していた。その笑みが、その顔が、人間のそれとも、魔族のそれとも、かけ離れたものであったからだ。
まるで―――まるで、この世の全てを嘲笑い、己すらもが玩具である事を愉しんでいるかの様な、そんな悪辣な。
「いやぁ、もうこの際、神格が降臨したかどうかなんてはどうでもいい! 何故なら今、
「―――貴様、何者だ」
「なにもの? えー? それ本当に聞きます? 聞いちゃう? 聞いてしまう? 尋ねちゃうんですか? 困ったなぁ、何者だとか正体だとか実態だとかそういうの一番答えられないん」
ひゅん、と空を切る音がした。
片手で握られた身の丈以上の大剣を軽々と掲げ、その凶刃を一切の迷いなくソレの首目掛けて振り抜いた。
首は切り飛ばされ、身体がそれに追い付く様に倒れ込む。どくどくと流れる血には―――色なんてものが、存在していなかった。
「おやおや酷い扱い。部下を殺すとか人の心ないんか?」
「貴様は俺の部下ではない。いったい何時、何処で貴様の様な魑魅魍魎の類が入り込んだのかは知らんが、俺の部下を騙ったその罪は重い―――貴様はここで殺す」
「殺すって……
背の高い浅く黒い男の様な体は、変貌を遂げ、変化し、変態し、また変貌する。
子供の様に。青年の様に。大人の様に。
男の様に。女の様に。両者の様に。
人の様に。動物の様に。植物の様に。機械の様に。事象の様に。悪魔の様に。怪物の様に。神の様に。
変わり、変わり、変わり、変わり、変わり、変わり、変わり、変わり、変わり、変わり。一切の特定を持たずして、それは黒と化していく。
「無貌の神、千の貌を持つ者、這い寄る混沌、夜に吠える者、
まぁ、もう出会うことはありませんがねぇ?
―――腐臭が漂った。
ベルディアが握る剣の切っ先、即ち
「な」
「別の作品に中々興味深いのが居てね? そいつは元々、魂とやらに溜め込まれる業によって断罪を行う不死者だったんだが、後になるとライバルとして出てくるんだ。いやぁアレは面白かった、創られたものとは言えども
それは常に飢え、自分達が持たない『何か』を追い求め、時間をすら渡って追い掛ける猟犬。
腐臭と共に顕現したそれは、遂に身体ごと現世に自らをさらけ出し、
『Grrrraaaaaaaaaaaaaaaaaaa―――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
首無しの騎士へと、我が身ごと牙を突き立てた。
だが―――それだけでは、
「うんうん、じゃあ
■■!!
■■■■!!!!!
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