ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
「それじゃ、れっつふぁいと。」
合図と同時に、ガッチャード(アルテ)がガッチャージガンを引き抜いて、カードの弾丸を発射。
「こっちも、銃なら――!」
【『メモリアライドシューターU』!!!】
メモリアはクロステラノベルを押し込み、武器を召喚。反撃として銃撃を返す。
「そっちも銃かぁ。二人で一人の戦士って時点で十分驚きだけど……まだ何か隠してそうだね。じゃあ次は、接近戦で勝負……!!」
【ベロソル!】
カードを一枚切ると、和傘が召喚される。アルテはそれを盾のように構え、銃弾を弾きながら一気に距離を詰めてきた。
「えいっ!」
突進はかわされたが、アルテは和傘を放り捨て、そのままクロステライザーを振り降ろす。
メモリアも咄嗟にクロステライザーを斜め上へ振り上げて防御。剣同士がぶつかり合い、金属音が美術館に響く。
「GIAAAAAAAA!!!!」
「ジキッ!?」
その直後。ケンチク世怪がツタの拘束を強引に引きちぎり、咆哮を上げる。そしてその声でウォークロック達が一斉に起き上がった。
【『プリズマアックスセイバーU』!!!】
「こっちは私が引き受ける!」
「私もいるわよっ!!」
「ギッ!!?」
咄嗟にプリズマが割り込み、斧へと変形させた武器を大きく振り下ろす。ケンチク世怪と正面から交戦を開始。凛も踏み込み、格闘で次々と叩き伏せていく。
【ガッツショベル!】
ガッチャード(アルテ)が新たなカードを切る。ショベルカーのアームが展開され、横薙ぎの一撃が放たれた。
ガードは間に合ったものの、凄まじい衝撃に襲われる。メモリアの身体は、そのまま美術館の外へと吹き飛ばされた。
「いっててて……!
だったら、これ――試してみよっと!!」
体勢を立て直し、メモリアはメモリアライドシューターUの前輪部分を展開。すると全体が大型化し、 乗用可能なバイク形態へと変形した。
メモリアはそのまま跨り、周囲を走りながら相手の動きを探っていく。
「武器がバイクに……やっぱり、まだ何かあるよね。」
【ゴルドダッシュ!】
金色を基調としたバイクを召喚し、即座に搭乗。外へ出てメモリアを追走する。
「来たわね……!!」
「カーチェイスならぬバイクチェイスのつもりなら、こっちにも手があるよ。」
アルテはカードを三枚取り出し、ガッチャージガンへスライド。
【バレットバーン!】
【バンバンブー!】
【マケンタウロス!】
「一発で、決める!」
ガッチャージガンを構え、エネルギーを急速充填。
「大技……えーとだったら、これを試す!」
メモリアは腰のツメガバックルへ手を伸ばす。展開されたその中から『ひだまりスケッチ』の指輪を取り出し、絵柄を回転させてクロステライザーへ装着。
【CROSSTAL RING!!!】
次の瞬間、ガッチャード(アルテ)が発砲。
【ガガガガッチャージバスター!】
高速の竹弾丸が一直線に迫る。同時に、メモリアは音楽に合わせ、手拍子。
【『ひだまりスケッチ』!!!】
周囲に四本の絵筆が召喚され、それぞれが自律して動く。空中に四つの太陽が描かれ、盾のように展開。それが竹弾丸を受け止め、そのまま焼き尽くした。
「……こういう形で発揮される力もあるのね。」
「なら、次はこれ!!!」
メモリアが感心する間もなく、アルテは走行中のバイクから立ち上がる。青いバッタを思わせる『ワイルドモード(スチームホッパーワイルド)』へ変形し、跳躍。
「そんなのもアリなの!?……ってうおおおうっ!?」
メモリアは急旋回で回避。しかし着地の衝撃波に吹き飛ばされ、バイクから落下。
「――と、見せかけてっ!!!」
そこで即座にメモリアライドシューターUを銃形態へ戻し、チャージ射撃。
その一撃が、隙を晒したガッチャード(アルテ)に命中した。
「……フフ。」
軽く吹き飛び、元の人型へ戻りながら立ち上がるアルテ。仮面越しでも、楽しんでいるのが伝わってくる。
「GIIIIIIII!!!!」
割って入るように、ケンチク世怪がブロックを投擲。メモリア達は銃撃で迎撃し、破壊する。
「ええいっ!!」
その背後から、プリズマが上空より急降下。武器をアックスモードへ変形させ、斬撃を叩き込む。
「GIHIHI!!」
背中のブロックが砕ける。だが、距離を取ったケンチク世怪の背後から新たなブロックが生成され、再生が始まった。
「再生……!?」
「さっきから何度壊してもああなの……!」
「ふーん……調整済みって感じか。」
『キング・オブ・ハートのエンブレム』→『ドモン・カッシュ』
『ゴッドガンダム』
アルテはツメガバックルからクロスタルリングを取り出し、クロステライザーへ装着。
【『Gガンダム』!!!】
その力を纏い、接近。連続パンチ『ゴッドストライク』が叩き込まれる。
ケンチク世怪のブロックを次々と破壊すると、内部のスティーブヘッド状の核が露出。これが本体のようだ。
「GIGALTU、GIIIII!!!」
だが反撃として、相手は身体を覆うブロックを強制分解。爆発的な衝撃で軽くガッチャード(アルテ)は吹き飛ばされる。
本体も同様に吹っ飛び、周囲のブロックを取り込みながら再生を始めた。
「ジリリリリ!!!」
更にまた時計を介して、新たなウォークロック達が出現。再生中のケンチク世怪を守るように立ちはだかる。
「す、すごい数……!」
「あの本体を壊せば倒せるなら……じゃあ、これ使いましょ!」
メモリアは、再びツメガバックルへ手を伸ばす。それは先日、凛がに渡されたクロスタルリングだ。
『黄/緑/青/ピンクのキラメイストーン』→『キラメイレッド』
『魔進ファイヤ』
「
【CROSSTAL RING!!!】
【『キラメイジャー』!!!】
クロスタルリングを装填し、軽く手拍子を打つと、一部の装甲以外が全て『キラメイレッド』の姿へと変化する。
「ひらめキーング!!!」
再変身した瞬間何かが閃いたように、キラメイレッド(メモリア)はどこからともなくスケッチブックを取り出す。
そして迷いのない動きで、二人ずつ並ぶメモリアとプリズマの姿を一気に描き上げる。描き終えた直後、そのスケッチは淡く光る。それが『青い人形』のような姿をしたアイテムへと変化し、実体化した。
「よしっ。イリヤちゃん、これの手を握ってみて!!」
「えっ!? こ、こう!?」
実体化した青い人形、キラメイジャーの『代役ン』を一体、プリズマの方へ放る。二人がそれぞれ代役ンの手を握った瞬間、人形は光を放ち、二人そっくりの姿へと変身した。
「性能は少し落ちるけど、それでもこれでそれぞれ二人分! 撃つべし撃つべし!!!」
キラメイレッド(メモリア)はメモリアライドシューターUと『キラメイショット』を構え、代役ンのキラメイレッドと並んでダブルの二丁拳銃でウォークロックを撃ちまくる。
「だったら私も!! いっくよー!!」
プリズマもまた、プリズマ(代役ン)と息を合わせ、ウォークロックへと攻撃を叩き込んでいく。
「ホント、便利なこと出来るわよねぇ……」
その光景を見ながら、凛は呆れ半分、感心半分といった様子で呟いた。
なお、蓮子とメリーがバイトを抜け出して美術館に来られたのも、キラメイジャーの指輪で召喚した代役ンに仕事を任せていたためである。
代役ンはコピー元の意思や身体能力を完全に再現できるわけではない(そのため接客では声に抑揚がなく不自然になる)が、荷物運びなどの単純作業であれば十分すぎるほど役に立つのだ。
「芸術家の前でそういうの、躊躇なくやっちゃうなんてねぇ……まあ、面白いけど」
ガッチャード(アルテ)もそう言いながら、引き続きウォークロックとの戦闘を続ける。
「GI……GIGIGI……!!!」
ケンチク世怪が焦り始める。ウォークロックは銃撃や斬撃によって次々と倒され、増援の数は目に見えて減っていた。一方で、自身の身体再生は追いついていない。
「えええええいっ!!!」
【『プリズマ』BERSERKER IMPACT!!!!】
プリズマとプリズマ(代役ン)が同時に跳び上がり、プリズマアックスセイバーUのアックスフォームで地面を叩きつける。
凄まじい地響きが走り、その衝撃で周囲のウォークロックがまとめて宙へと吹き飛ばされた。
「IIIIIIII!!!??」
完全に隙だらけとなり、ケンチク世怪は焦ったように逃げ去ろうとする。
「今だよっ!!」
プリズマの呼びかけに、キラメイレッド(メモリア)は力強く頷いた。
「準備オッケーよっ!!!」
【『メモリア』RIDER SHOOTING!!!!】
【FINISH CHARGE『キラメイジャー』!!!】
【チェックメイト!】
メモリアライドシューターUとキラメイショットから放たれた必殺のレーザーが、一直線にケンチク世怪に迫る。
「I,IYAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
直撃と同時に大爆発が起こり、ケンチク世怪は粉砕された。
「やった!!!」
戦闘終了と同時に、メモリアはキラメイレッドの姿から元に戻る。それに合わせて、プリズマを含めた代役ンたちも元の人形へと戻り、光となって消滅していった。
「フフ、見事だね」
と、既に変身を解いたアルテが、メモリアの前へと歩み寄る。
「……邪魔者がいなくなったし、まだ戦うってことでいい?」
「いや……今日はこの辺にしておくよ。楽しみは、取っておきたいからね」
首を横に振って、アルテは背を向けて歩き出す。
「お姉さんたちのおかげで、なかなか良いインスピレーションをもらえた。だから……次は邪魔者抜きで、全力で戦おう。その時に決着をつけるってことでさ。その時に……お姉さんたちに見せられるといいな。ぼくの最高傑作を、さ」
意味深な笑みを浮かべ、アルテは結界の外へと去っていった。
「……結局、真意は分からないままね」
「まあ、向こうは最初から戦う気満々だったみたいだし。その時はその時よ」
元に戻ったメリーと蓮子は、困惑しつつも、どこか面白そうな相手だったと感じていた。
「今回も何とかなって良かった……また色々ありすぎて疲れたけど……」
そこへ、同じく変身を解いたイリヤが歩み寄ってくる。
「一時はどうなることかと思ったけど……とりあえず、侵蝕世怪人を倒して、また指輪を手に……ん?」
三人の姿を見て、凛も合流しようとした、その時だった。
違和感に気づく。侵蝕世怪人を倒せば解除されるはずのクロスタルプロテクターの結界が、まだ消えていない。
「あれ……そういえば……指輪……っ、三人とも!!!まだ終わってない!!!」
凛が慌てて飛び出した、まさにその時。
「IGIGIGIGIGGGG!!!!」
背後から響く咆哮。振り返った先にいたのは、ケンチク世怪だった。
「うそ……なんで倒れてないの……!?」
「もしかして、直前に生成したブロックで防いだってことじゃ……!?」
動揺するメリーと蓮子をよそに、ケンチク世怪はブロックでツルハシを生成する。防御を捨て、突撃するつもりらしい。
「っ、だめっ――」
焦ってもう一度変身しようとするが、ツルハシを振り回して突っ込んでくる敵のスピードは尋常ではない。完全に間に合わない。
「GIIIIIIIIII――ILTU!"!!?!?!?!」
万事休すかと思われた、その瞬間。
背後から何かが間合いを詰め……ケンチク世怪の身体を貫いた。
「I……A……???」
「散って」
【『サファイア』LANCER STRAIGHT!!!!】
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
その一撃で、ケンチク世怪は完全に爆散した。
「えっ……!!?」
あまりにも唐突な展開に、四人は言葉を失う。
蝶をイメージした、黒を基調とした装甲を纏う戦士。それは『守護者』だった。
そして、変身を解いて露わになったその姿。
ハーフアップの黒髪、黄色い瞳を持つ彼女は、イリヤと同年代ほどの、無表情な少女だった。
「……だれ……?」
その姿を見つめ、イリヤは思わず呟いた。
――続く。
=NEXT=
蓮子「新たに現れた、3人目の守護者!イリヤちゃんと同年代だけど、かなり物静かね……
そうしてまた新たな戦いが展開される……と思えば、まさかの事態が巻き起こる!
次回第4話『祭る出逢い、物言わぬ少女は何モンじゃ?』。お楽しみに!」
・今サブタイトルの元ネタ:仮面ライダーガッチャード
ケミー、OP『CHEMY×STORY』
***
=クロスタルリングカセット=
『仮面ライダーガッチャード』
イラスト:ケミー(レスラーG、スケボース、ライデンジ)→ガッチャード
固定絵:ホッパー1とスチームライナー
指輪能力:合成
所有者:アルテ・クリープ(元ネタ:玄口むうる(ドルフィンウェーブ)、クリーパー(Minecraft))
『機動武闘伝Gガンダム』
イラスト:キング・オブ・ハートのエンブレム→ドモン・カッシュ
固定絵:ゴッドガンダム
所有者:アルテ・クリープ
『魔進戦隊キラメイジャー』
イラスト:黄/緑/青/ピンクのキラメイストーン→キラメイレッド
固定絵:魔進ファイヤ
所有者:遠坂凛→蓮子&メリー
=
『ケンチク
使用指輪:Minecraft
憑り付いた人物:無し
侵蝕スキル:お手軽ブロック建築スキル