ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
深夜0時。
遠坂凛に呼び出され、イリヤ、蓮子、メリーの三人は、彼女と並んで夜道を歩いていた。
「異世界……よりにもよって、こんなタイミングで本当に現れるなんてね……」
夕方の一件を聞いた凛は、苦々しい表情で呟く。
「やっぱり……知ってたんですか? その『異世界』のこと……」
イリヤの問いに、凛は小さく息をついた。
「実際に見たわけじゃないから、正直なところ半信半疑だったのよ。本当なら、もっと詳しい人を通して説明しようと思ってた。でも……仕方ないわね。今、私が知ってる範囲で説明するわ」
そう前置きしてから、凛は言葉を選ぶように語り始める。
「……『世界』っていうのは、私たちが住んでいる場所を含めた、“実在している全て”のこと。でもね、『世界』は一つだけじゃない。私たちが認識していないだけで、要素も法則も違う世界が、無数に存在しているの」
三人は、自然と足を緩めて聞き入る。
「それら無数の世界を、いくつかまとめて一つの枠に括った概念――それが『時空』。
そして、その時空の中の一つ……私たちがいるこの時空で行われているのが、クロスタルリングを巡る『指輪争奪』ってわけ」
「……それ、想像以上に大規模じゃない?」
蓮子が率直に言うと、凛は肩をすくめた。
「ええ、大規模も大規模よ。時間もかかるし、実際、何十年もかけて何度も指輪争奪は繰り返されてきたはず」
そして、声の調子が少し重くなる。
「……でも今回、クレイジークロックが各世界のクロスタルリングをほぼ強奪し尽くした。今や、大半の指輪はあいつらの手元よ。
はっきり言って、この世界以外に住んでるパラレルファイターに遭遇できたら、それだけで奇跡レベル」
「……その奇跡が、自分から来て」
「しかも、ルヴィアと一緒にいた美遊って子が、あっさり倒した」
凛は額に手を当てる。
三人は思わず顔を見合わせた。
「私たちのことを考えると、可能性はゼロじゃなかったけど……本当にあるなんてね」
メリーの呟きに、凛は意味ありげに視線を向ける。
「……それなんだけど。実は、あなたたち、意外と異世界と深く関わってるかもしれないわよ」
「えっ? どういうこと……?」
「異世界同士で、要素や構造が似通っている場合があるの。そういう時、ほんの僅かだけど『繋がり』が生じて、別の世界の人同士が出会うことがあるのよ」
「それって……漫画やゲームで言う『コラボ』みたいな感じ?」
「……まあ、だいたい合ってるわね」
イリヤの例えが妙に的確で、凛は否定しきれず言葉を濁した。
「思った以上に、昔から不思議なことが起きてたんだね……」
イリヤは、改めて自分たちの立場を噛みしめる。
「冗談抜きで、色々起きてるのよ。本当は、まだ話してないことも山ほどあるけど……」
凛は前を見据え、言葉を切る。
「……まずは、目の前の事を片付けないとね」
そうして辿り着いたのは、大きな橋の下。
そこには、美遊、ルヴィア、桜の三人が待っていた。
「お待ちしておりましたわ、遠坂凛。そして守護者の皆様」
「ご丁寧にどうも。……で」
ルヴィアの挨拶を軽く受け流し、凛はクロステラプロテクターで反応を確認し、魔術的に細工された腕時計に視線を落とす。
「ウォークロック並びに侵蝕世怪人の出現まで、あと1分。
出現と同時にクロスタルプロテクターを起動するわ。……準備はいい?」
「もっちろん! すっかり目が冴えちゃった!」
「ぐっすり眠って、疲れも吹き飛んだわ!」
蓮子とメリーは、やる気満々で拳を握る。
(すっごいテンションおかしくなってる……(byイリヤ)
「美遊。侵蝕世怪人が出現したら、即座に距離を詰めて一撃で仕留めなさい」
「ウォークロックの方は、私たちがフォローします」
「はい」
簡潔なやり取りの後、全員が構えを取る。
「じゃあ、いくわよ……3、2、1――」
「ジキキキッ!!!」
広場の時計を媒介に、ウォークロックたちが出現する。
「クロスタルプロテクター起動……境界回廊、一部反転!」
凛が掲げたプロテクターから光が広がり、周囲は特殊結界に包まれ、現実と切り離された。
「「
【CLAP YOUR HANDS!!!】
【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】
【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】
【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】
蓮子とメリーがメモリアに、イリヤがプリズマに、美遊がサファイアへと変身。
ウォークロックの銃撃に対し、即座に応戦を開始する。
「では、私たちも行きますわよ、桜! 華麗なフォローをお見せしますわ!」
「はい、ルヴィアお姉様!」
宝石魔術が弾丸のように飛び、ウォークロックを次々と撃ち落とす。
「……数が増えてきたわね」
サファイアはツメガバックルから『Minecraft』のクロスタルリングを取り出す。
【『Minecraft』!!!】
鉄ブロックとカボチャブロックから、『アイアンゴーレム』が三体生成され、前線を押し返す。
戦況が落ち着き始めた、その時――。
「……侵蝕世怪人、来ないわね?」
「……待って。何か、おかしい」
プリズマの視界に、橋の下を歩く“人影”が映る。
「人……? なんでここに――」
「待って、姉さん。あの人……様子が明らかに変です。」
桜が凛を制止する。
「遠坂凛。一つ、伝えておくべきことがありますわ」
クロスタルプロテクターのレーダーを見つめ、ルヴィアが歯を食いしばる。
「私たちが冬木に来てすぐ交戦した侵蝕世怪人……
あれ、ある“媒体”を元に生成されていましたの」
「……媒体? それって上級ウォークロックじゃ――」
「いいえ……どうやら……」
男が、橋を見上げながら狂気じみた声を上げる。
「……許せん……自然を壊す……許せない……」
【
男の右手にワイルドライザーが顕現し、クロスタルリングが自動装着される。
【『
「自然ヲ……破壊スルナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
男は侵蝕世怪人――
『リサイクル
「人間が……侵蝕世怪人に……!?」
「増幅した悪意や欲望に反応して、人間が変貌する……
クレイジークロック、また厄介な仕組みを作りましたわね」
「とにかく、倒しましょう!」
「ええ……美遊!!」
「……はい」
サファイアが、一歩前に出た。
【『サファイアドリルランサーU』!!!】
桜とルヴィアの指示を受け、サファイアは即座に武器を顕現させる。
青い光を纏ったランサーを構え、そのままリサイクル世怪へ一直線に突撃した。
「何モ知ラナイ……馬鹿ガキガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
リサイクル世怪が、地面に巨大な手を叩きつける。
次の瞬間、木の腕の一つに『一ツ星神器・
「っ!!!?」
必殺の突撃は、轟音と共に真正面から弾き返される。
「だったら……!!」
サファイアは態勢を立て直し、ドリルランサーから斬撃を放つ。
「無駄ナ塵ッ!!!」
だが、リサイクル世怪の複数の木腕が伸び、その斬撃を掴み取った。
「ゴミヲ……木ニ変エルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」
握り潰された斬撃は、そのまま“木”へと変換され、異常な速度で成長。
巨大な樹木となって、サファイアへ叩きつけられた。
「美遊さん!?……うあっ!!!?」
さらに、その衝撃はプリズマのいる方向へと流れ込み、
プリズマ、周囲のウォークロック、生成されていたアイアンゴーレムたちをまとめて吹き飛ばす。
「二人ともっ!!!」
【『ひだまりスケッチ』!!!】
メモリアが即座にクロスタルリングを使用。
顕現した絵筆が、巨大な布団で作られたてるてる坊主を描き出し、それが実体化する。
吹き飛ばされたプリズマとサファイアは、その柔らかな布団に受け止められ、地面へ落下するのを免れた。
「あ、危なかった……」
「自然環境……乱スナアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
リサイクル世怪が再び地面を叩きつける。
コンクリートやアスファルトが砕け、その破片を材料に、無数の木が生成され、突き出してくる。
「いきなり出てきて、何なのあれ……!!」
三人は必死にそれを回避する。
「避ケテンジャネエエエエエエエエエエ!!!
自然ノ恨ミ……思イ知ルベキイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」
ヒステリックな叫びと共に、攻撃は止まらない。
「あの異常な狂気……怒りに呑まれて、理性を失っている……」
サファイアは接近を試みるが、大木の壁に阻まれ続ける。
飛び道具は即座に“材料”にされるため使えない。
無茶苦茶だが、能力を最大限に活かした非常に厄介な戦法だった。
「
再び砲弾が放たれる。
「っ――」
直撃……その瞬間。
「させ……ないっ!!!」
【『プリズマアックスセイバーU』!!!】
プリズマが間一髪で前に出て、斧形態に変形させた武器で砲弾を弾き飛ばした。
「イリヤスフィール……!」
「……どうしてそこまで怒ってるのかは、分からないけど……
こんなことをするなら……絶対に止めなきゃ……!!」
プリズマはツメガバックルから、新たなクロスタルリングを取り出す。
『衛星ゼア』→『ゼロワン』
『ライジングホッパーのライダモデル』
「
【CROSSTAL RING!!!】
【『ゼロワン』!!!】
胸部装甲を除き、『仮面ライダーゼロワン』の姿へと変化。
「害虫ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」
再び大量の木が生成され、ゼロワン(プリズマ)へと迫る。
「ラーニング……完了っ!!」
――ゼロワンは歩き出した瞬間、視界から消えた。
「……ハ?」
一瞬で間合いに入り込み、
「せえええいっ!!!!」
強烈な蹴りを叩き込む。
「ダグアアアアッ!!!?」
「お前を止められるのは……私たちだっ!!!!」
『アタッシュカリバー』を展開し、連続斬撃を浴びせる。
「ジキキキッ!!!」
ウォークロックたちが援護に動く。
「させないっ!!!」
『チェッカーフラッグ』→『ゴーオンレッド』
『炎神スピードル』
「
【CROSSTAL RING!!!】
【『ゴーオンジャー』!!!】
メモリアがゴーオンレッドへ再変身。
「連結!カンカンマンタンガン!!!
カンカンカンエクスプレスっ!!!」
【FINISH CHARGE『ゴーオンジャー』!!!】
巨大なエネルギー弾がウォークロックを一掃する。
「よっし、続けてゴーゴー!!」
そのまま二刀流で突撃。
ゼロワン(プリズマ)も高速移動と連打でダメージを与え続けるが、決定打には届かない。
「……完全に封じる手が必要……」
サファイアは思案する。
「指輪の力……組み合わせるなら……」
『ニンニンジャー』と『フォーゼ』を見て、閃く。
――その時。
『待て待て待てぇーい!!!』
突如、戦場に場違いなほど大きな声が響き渡った。
次の瞬間、遠方にあった観覧車が淡く光り、その中心を通して――大橋の付近に、何か巨大なものが転送されてくる。
地面を揺らす重低音。
現れたのは、大きな古時計と目覚まし時計を無理やり組み合わせたような装甲を纏った、巨大な人型ロボットだった。
鋭い刃を備えた両腕。そのうち右腕には、ホチキスを巨大化させたような異様な武器が装備されている。
「きょ、巨大ロボット!?」
思わずメモリアが声を上げる。
「今ノ内……」
その振動で一同が怯んだ隙を突き、リサイクル世怪がゼロワン(プリズマ)から距離を取る。
「あっ!! 動きだけでも止められてたのに……!!」
悔しそうにプリズマが叫ぶ。
すると、巨大ロボットの装甲が開き、内部から上級ウォークロックが姿を現した。
『その見てくれ……お前達が守護者かぁ!!』
『この上級ウォークロック――
『ケットー・ダイダン』!!!』
ロボットの全身で歯車が回転を始める。
『クレイジークロックが開発した新兵器『ソウクレイザー』……
そして我が専用機――
『ソウクレイザー・ソーナルミア』の力で、ねじ伏せてくれるぅ!!』
名乗りを終えると同時に、
巨大ロボ『ソウクレイザー・ソーナルミア』の右腕が展開。
ホチキス状の武器――『ソーナルミアホッチキス』から、エネルギーで形成された針が一斉に射出される。
「自然ヲ取リ戻スナリイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」
その攻撃に便乗するように、リサイクル世怪も再び木を生成し、無差別に突き出してくる。
「巨大ロボット……ってなると……」
プリズマは一瞬考え、すぐに結論を出す。
「前に、蓮子さんとメリーさんが使った“アレ”で行くのが良さそうかな」
「……イリヤスフィール。侵蝕世怪人は、私がやる」
サファイアがプリズマの元へ駆け寄り、静かに告げる。
「あの侵蝕世怪人の倒し方、思いついた。
だから……あなたは、あの機械を」
その言葉に、プリズマは迷いなく頷いた。
「分かった!」
そしてすぐに声を張り上げる。
「蓮子さん! メリーさん!
前に凛さんから渡された、あのクロステラノベルを私に!!」
「おっ、イリヤちゃんもやるの?
じゃあ、受け取って!!」
引き続きウォークロック達と交戦していたメモリアが、
『出陣!クロステラカイザー伝説』のクロステラノベルを投げる。
プリズマはそれをしっかりと受け取った。
「……よしっ!!!」
【出陣!クロステラカイザー伝説】
【新たな力を手にした伝説の巨人が、彼を呼ぶ者の声に応える】
【アウェイキング!!】
クロステラノベルを付け替えた瞬間、プリズマの変身が自動的に解除される。
イリヤの服装は神官を思わせるものへと変化し、その身体は守護者プリズマの指輪と同様の形状をした物体へと取り込まれていく。
同時に、空間の各所から変化が始まった。
クロステライザーのような物体は人型へ。
プリズマアックスセイバーUは分離し、剣と盾の形状へ。
『ブレンドハーツ・エレメンタル』のクロステラノベルは、鳥の姿へと変形する。
鳥の胴体が胸元に固定され、
剣と盾が腕と同化するように装着。
さらに装甲となるパーツが次々と人型に取り付けられ、
最後に頭部へ指輪、そして鳥の羽が重なった。
「あとは……これかな!」
【『クロステラカイザープリズマ』!!!】
頭部のコックピットへと転送されたイリヤが、
完成したクロステラカイザーを象った像を設置する。
こうして――
『クロステラカイザープリズマ』が、完全に起動した。
『守護者プリズマ……お前と戦える日を、どれだけ待ちわびたかぁ!!
貴様に倒されたインテリー・デデーンの仇を、取らせてもらうぞぉ!!』
「い、インテリ……? あー、前に倒した侵蝕世怪人の……?」
『そうだ……限定弁当を横取りされた、あの日から!
奴と決着を付けたかったというのに……!
故にぃっ!! 貴様を倒し、仇を討つのだぁっ!!』
理由はどうあれ、ケットー・ダイダンがこちらを本気で倒すつもりなのは、嫌というほど伝わってくる。
「……なんか、かなり変な理由だけど……
それでも、人に迷惑をかけるつもりなら――止めるよ!!」
イリヤは操縦レバーを引き、クロステラカイザープリズマを前へ出す。
『先手必勝!!!』
ケットーはソウクレイザー・ソーナルミアを操作し、
『ソーナルミアホッチキス』からエネルギー状の針を連続で放ってくる。
「わわっと!!」
イリヤは即座に盾を構えて防御。
弾幕を弾きながら距離を詰め、そのまま剣で突きを放つ。
『ぐううっ!! 中々やってくれるぅ!!!
だがぁ!!!』
負けじと、ソウクレイザー・ソーナルミアが両腕の刃を振りかざし、斬りかかってくる。
「じゃあ……こう!!」
イリヤがレバーを上げると、クロステラカイザープリズマは大きく跳躍。
そのまま空中へと舞い上がり、攻撃をかわす。
『と、飛んだぁ!!?
そ、それは卑怯だぞぉ!!!』
「卑怯じゃないよ!
だってこれ、鳥みたいな姿してるし……飛べるでしょ?」
『え? あっ……た、確かにぃっ……!!!』
あまりに真っ当な返しに、ケットーは言葉を失う。
『だ、だが遠距離攻撃なら手はあるぅ!!
ソードビームぅ!!!』
両腕の刃から、エネルギー弾が連続して放たれる。
しかしクロステラカイザープリズマは、飛行しながらそれらを軽々と回避していく。
「こっちも……何か出来そうだよね。
ええと……だったら、これ!!」
イリヤが右手の剣を向けると、剣先から強めの魔法弾が発射された。
「やった、出来た!!」
『そ、そんな行き当たりばったりで――
どおうっ!!?』
直撃。
ソウクレイザー・ソーナルミアの装甲が軋み、明確なダメージが入った。
―――――
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。