ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
メリー「新たに仲間になった守護者サファイアこと『美遊・エーデルフェルト』。色々と謎の多そうな子だけど、意外と戦いに対して高いポテンシャルを持ってた。
そして最後に、守護者が残り2人いて、とっくに協力者になってるっていうのも聞いたけど……
正直言って私と蓮子は、互いの記憶の事でそれどころじゃ無いかも……」
猫バカ女と青春キメラ 01
ロンドンの街。その一角にあるアパートの一室。
「遠坂凛の報告から二名、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの報告から一名……それぞれが回収したクロスタルリングを合わせて、合計九つか……」
ソファに腰掛けたロード・エルメロイII世は、手元の資料と報告書に視線を落としながら、低く呟いた。
「とうとう、すべての
次の瞬間。
彼の正面の空間が、歪むように揺らぎ、そこから一人の男が姿を現す。
「……時計塔の中ならまだしも、私の家に直接転送してくるのはやめてもらえないか」
額に手を当て、心底疲れた様子でそう言うエルメロイII世に対し、現れた男――徒夢透・エビデンス・宇宙は、悪びれた様子もなく肩をすくめた。
「すまないな。どうやら転送装置が少しバグったらしい。インターホンを鳴らして入るつもりだったんだが、気づいたらお前の部屋だった」
明らかに苦しい言い訳だ。
そう察しつつ、エルメロイII世は再び頭を抱える。
「……それで、今日は何の用件だ。ライネスのように、また無茶な案件に出向かせるつもりではないのだろうが」
呆れ混じりに問いかけると、徒夢透は真面目な口調に切り替えた。
「簡潔に言おう。こちらで調査して、いくつか新たに判明したことがある。時計塔が捕縛した、クレイジークロックの協力組織が所持していたクロステラノベル――『マタラ・ド・ラ・ゲート』についてだ」
「……何が分かった?」
「あれは、おそらく『神』の力の“切れ端”だな」
「……何?」
エルメロイII世の眉がわずかに動く。
「前提として話そう。いくつかの世界には、『妖怪』と呼ばれる、人の認知から遠ざけられた存在がいる。そして――それなりに名の知れた世界の一つが、昨年から突如として、私ですら観測できなくなっている」
徒夢透は淡々と続ける。
「その世界の出身が、“神”と呼ばれる存在だった。そして最近、クレイジークロックが実戦投入した『ソウクレイザー』……あれの動力源と、クロステラノベルには関連性があると見ている」
「……つまり?」
「ソウクレイザーを撃破した後、新たなクロステラノベルが回収された、という報告が上がっているはずだ」
その言葉に、エルメロイII世は報告書の一節を思い出す。
「……確かに、遠坂凛から新たなクロステラノベルの報告は受けている。少々突飛な推論ではあるが……」
そして、ふと記憶を辿るように視線を落とす。
「そういえば、数ヶ月前……お前たちが二人の守護者と遭遇した件も、『あの空間』が原因だったな。あれも“ゲート”と考えれば、無関係とは言い切れないか」
「その通りだ」
徒夢透の言葉に、エルメロイII世は再び額に手を当てる。
――魔術とは異なる原理で動く、指輪と『扉』を巡る騒動。
その中で出会った二人の守護者。
未だに現実だったのかどうか、確信が持てない出来事。
「……あの事件は一応の解決を見たが、不明点が多すぎる。空間転移に関しても、自在に扱えるわけではない以上、慎重になるべきだろう」
「そこは残念ながら、推測の域を出ない。結論が出たとしても、かなりスピリチュアルな話になるだろうな」
そう言い残すと、徒夢透は再び空間に穴を穿つ。
「ああ、そうだ。近頃、守護者の一人が、冬木にいる三人の守護者と接触を図っているらしい。……彼の周辺は、種類的に見てもなかなか賑やかだからな。冬木の守護者たちにとっても、良い経験になるだろう」
そう言って、徒夢透は穴の中へと消え、空間は静かに閉じた。
「……良い経験、か。他人事のように言うが……」
エルメロイII世は一つ息を吐き、資料を見返す。
「だが、この世界では異常事態が起き過ぎている。……知っておくこと自体は、無意味ではないか」
相変わらず不機嫌そうな表情のまま、彼はそう呟いた。
*****
一か月前、日本。
冬木から離れた場所にある、とある町。
時刻は夜九時過ぎ、人通りの少ない街道。
「ちょっと、遅くなっちゃったなぁ……」
水色のパーカーを着た少女が、一人、夜道を歩いていた。どうやらアルバイト帰りらしい。
「そういえば、明日は給料日だったっけ。どれくらい入るかな……。とは言っても、クオンのエサ代とか、バリバリにされたソファの買い替え以外、使い道あんまり思いつかないんだけど」
独り言をこぼしながら、歩みを進める。
数年来続けているアルバイトの給料も、ほとんどは飼い猫関連にそれなりにしか使っていないようだ。
「それにしても……あの高校に入ってから、意外と悪くないんだよなぁ。クオンとも一緒にいられる時間、増えたし」
通っている高校は校風がかなり緩く、ペットの同伴も許可されているらしい。
中学時代まで、どこか息苦しさを抱えていた少女にとって、それは大きな救いだった。
「……にゃあ」
足元から聞こえた鳴き声に、少女は立ち止まる。
「え……クオン?」
見下ろすと、そこには確かに、見慣れた黒猫がいた。
「珍しいね、こっちからお出迎えなんて――ふぎゅっ」
にやけた表情で脇を掴み、持ち上げた瞬間、猫パンチを食らう。
「……ん? クオン、どうしたの。なんか、ピリピリしてない?」
いつもならのんびりしているはずの猫の様子が、どこかおかしい。
しかも、わざわざ窓から抜け出して迎えに来たとなると、なおさらだ。
「……!!」
猫が、少女の肩越し――背後へと鋭く視線を向ける。
「え? 後ろ――」
「邪魔だロボっ!!!」
「えっ!? だ、誰――きゃっ!!」
突然、誰かが走り込んできて、そのまま激突。
衝撃で、相手が抱えていたアタッシュケースが宙を舞い、開いた拍子に中身が飛び出す。
「ふぎゅっ!!」
少女は前のめりに転倒し、同時に猫が背中に落下。
直後、アタッシュケースも地面に落ち、重い音を立てて閉じた。
「お、おい何やってるロボ!! 早く逃げるロボ!!」
「わ、わかってるロボ!!」
「……?」
黒タイツに棒状のアンテナという奇妙な格好の男が二人。
ぶつかった方は慌ててケースを抱え、何かに追われるように走り去っていく。
「いったた……鼻血……出てない。よし、セーフ」
少女は体を起こし、軽く顔を押さえた。その時。
「ん? 何だろ……」
頭上から、一枚のカードがひらりと落ちてくる。
拾い上げると、そこには乗り物に跨る戦士の絵と、『Rider』の文字。
「タロットカード……? でも、見たことない感じだな……」
「……にゃっ」
猫に呼ばれて顔を上げると、スーツ姿の男二人が、先ほどの黒タイツたちを追って走ってきた。
「兄貴!! あいつら、あっちに逃げやがったで!!」
「夜中で分かりづらいが、ようやっと見つけたで! 待ちやがれ!!」
「ええっ!? な、何これ……!?」
慌てて壁際に身を寄せ、二人をやり過ごす少女。
「び、びっくりした……このご時世に、あんな人たちいるんだ……」
ひとまず落ち着いた、そう思った矢先。
「……にゃあ」
猫が、今度はスーツの男たちの後を追って走り出した。
「えっ、クオン!? ちょっと、明らかに危ないって!!」
少女は慌てて、その後を追いかけるのだった。
***
「ヒイイイ!! 盗んでほしい物があるって頼まれたのはいいけど、ヤクザの取引現場から盗めなんて聞いてないロボ!!」
「落ち着くロボ!! わざわざ俺たち『ロボロボ団』に依頼してきたってことは、きっとこっちにも得になるアイテムのはずだロボ!!!」
全身黒タイツに身を包んだ二人の男が、スーツ姿の男二人から全速力で逃げていた。
彼らは、数十年前に宇宙から飛来した特殊なメダルを用いて作られた、知能を持つ機械生命体『メダロット』を利用し、世界征服を企む集団――『ロボロボ団』の構成員である。
「待ちやがれテメェらァ!! クソッ、なんであんな妙に足速いねん!!」
「言うとる場合か!! ロボロボ団が例のアレを奪った理由は知らんが、このまま持ってかれたら阿賀利会長の計画が全部パーや!! そうなったら、ワイら命があれへん!!」
追う側は、見るからにいかつい風貌のスーツ姿の男二人。
ロボロボ団の一人が抱えているアタッシュケースは、どうやら彼ら――『芸夢連合』の所有物らしい。
「げっ、追いつかれたロボ!? というか、しつこいロボ!!」
ロボロボ団の一人が歯噛みする。
「……だが相手は、同じくメダロットを運用している『芸夢連合』の構成員。こうなったらロボトルで白黒つけるしかないロボ!!!」
逃走を止め、二人は同時にスマホを操作する。
メダロットの管理と転送を行うアプリ――『メダロッチ』を起動し、召喚を実行。
呼び出されたのは、ゴキブリ型メダロット『バッドハッカー』が二体。
「勝負ロボ!!」
バッドハッカーを前に、芸夢連合の男たちも応じるようにメダロッチを起動する。
「ほぉ……立ち向かってくる根性だけは認めたるわ。警察やセレクト隊が来る前に、終わらせるで」
二人が呼び出したのは、『セイテイキング』――オニヤンマ型のメダロットだった。
【ロボトル FIGHT!!!!】
先手を取ったのは芸夢連合。
セイテイキングが『プレス』と呼ばれるエネルギー弾を放つ。
だが、バッドハッカーは軽快な動きでそれをかわす。
「反撃ロボ!!」
ロボロボ団はすかさず指示を出す。
バッドハッカーは『メダチェンジ』を発動し、より生々しいゴキブリ形態へと変形。そのまま高速で突進していく。
さらに、『射撃トラップ』と『ウィルス』による状態異常攻撃を重ねて仕掛ける。
トラップと妨害を駆使する戦法こそ、バッドハッカーの真骨頂だった。
「チッ……厄介なタイプ使いやがって!!」
「……」
「く、クオン……? 今日は急にどうしたの……って、何かやってるけど……あれ、メダロット?」
黒猫と、それを追ってきた少女が、物陰からその光景を見守っていた。
バッドハッカー二体と、セイテイキング二体。
至近距離で繰り広げられるロボトルに、少女は思わず息を呑む。
「あれが……ロボトル……。メダロット、触ったことなかったから知らなかったけど……結構、すごいんだ……」
感心しながら見入る少女。
その手に握られた、不思議なカードが淡く光り始めていることに、本人はまだ気づいていない。
「行け行け、バッドハッカー!! そのままスピードでじわじわ削るロボ!!」
「……いや、もう見切ったで」
芸夢連合の男が冷静に言い放つ。
妨害を受け続けていたセイテイキングだったが、バッドハッカーの動きを完全に読み切り、一気に距離を詰める。
「近づけば……終いや!!」
ゼロ距離から放たれた『プレス』が、バッドハッカーの頭部に直撃。
「ギャッ……!!!?」
頭部が破壊され、バッドハッカーは機能停止。
続けざまにもう一体も同様に撃破され、パーツが砕け散り、ティンペットが露出する。
「そ、そんなロボ……!」
「少し手こずったが……勝った以上、こっちのもんや。ほな、カード返してもらおか。ついでに、どう落とし前つけるかも話そうや」
「ヒッ……!!」
尻もちをつき、後ずさるロボロボ団。
「ジキャキッ!!!」
「ん? 何や――ぐわっ!!?」
突如、横方向から銃撃。
電撃が命中し、ダメージを負っていたセイテイキングが完全に戦闘不能となる。
芸夢連合の男は舌打ちしつつ、メダロッチでティンペットとメダルを回収する。
「……グズグズしとると思ったら、追われた挙句ロボトルで負けとるとはな」
そこへ姿を現したのは、壊れた時計のような頭部を持つ人型――ウォークロック達だった。
「その見た目……クレイジークロックか!! ロボロボ団の連中、あいつらと組みやがったんかい!!」
「だったら何ロボ!! 何度も痛い目見せられた連中が吠えるなロボ!!」
ロボロボ団の一人が、虎の威を借る狐のように言い返しながら、アタッシュケースを上級ウォークロックへ差し出す。
「あ、これが約束の品ですロボ」
「……仕事を果たしてくれれば問題は――ん?」
ケースを開くと、中にはカードが一枚。
弓を構える女性が描かれ、『Archer』と記されたカード。
「……どういうことだ。なぜ『ライダー』のクラスカードが無い。情報では二枚のはずだが、一枚しかないぞ!!」
「えっ!? そ、そんな……確かに二枚あったはず……」
焦るロボロボ団の視界に、先ほどぶつかった少女の姿が映る。
その右手には、『Rider』と書かれたカード。
「あああああ!! あいつロボ!! ぶつかった時に落としたの拾われたんだロボ!!?」
「ふぇっ!?」
ロボロボ団の叫びで、ウォークロックと芸夢連合の男たちが一斉に少女を見る。
「近くにあるなら話は早い。……最優先の『アーチャー』は確保できた。お前たちは帰れ。報酬は後で送る」
「ジキッ!!」
ウォークロックが転送で離脱し、ロボロボ団も撤退していった。
「……しゃあない。せめて本命の『ライダー』だけでも回収するで」
芸夢連合の男が少女に近づく。
「お嬢ちゃん、そのカード……ワイらにとって、めちゃくちゃ大事なもんや。渡してくれへんか」
「……っ」
嫌な予感に、少女は後ずさる。
「潰せ」
上級ウォークロックの短い命令で、部下たちが芸夢連合に襲いかかる。
「チッ……まあ、そうなるわな」
芸夢連合の男たちは応戦し、拳でウォークロックを殴り倒す。
「甘く見たら困るで……ワイらは芸夢連合や。雑魚戦闘兵ごときに簡単に負けへん!」
だが、生身で十体以上の戦闘兵を相手取るのは限界があった。
「がっ……」
激しい攻撃を受け、ついに二人は気絶する。
「余計な障害は排除した。あとは女からカードを奪え」
「ジキキキッ!!」
猫の威嚇も意に介さず、ウォークロック達が少女に迫る。
「ジキ――ギャッ!!!?」
突如、斜め上から銃撃。
「『芸夢連合』……メダロットを基盤に、多くの戦力を擁し、関西を中心に活動する巨大マフィア・極道組織。
闇センパイのお陰で、その傘下『阿賀利会』が、クラスカードを裏取引しているって情報は掴んだけれど……まさか、クレイジークロックに先を越されるとはねぇ。」
現れたのは、白猫のような装甲と仮面を纏った戦士。
その右手には、特殊形状のマシンガン。
「し、白猫……?」
「……?」
困惑する少女と猫をよそに、ウォークロック達は明確な警戒態勢を取っていた。
「何者だと思ったが、まさか貴様――」
「ま、お察しの通りで。」
上級ウォークロックが言い切るよりも早く、謎の戦士は構えたマシンガンをウォークロック達へ向け、迷いなく引き金を引いた。
「っ、ええい! 早く倒せ!!!」
「ジキキキッ!!!」
上級ウォークロックの怒号を合図に、配下のウォークロック達も一斉に攻撃を開始する。
彼らは魔法の杖のような構えで銃を掲げ、次々と魔法弾を撃ち放ってきた。
「はいはい、単調単調。」
対する謎の戦士は余裕すら感じさせる動きで、マシンガンの連射により飛来する魔法弾を正確に撃ち落としていく。
「じゃ、こっちも行きますか。」
そう呟くと、腰元に巻かれたツメガバックルを開き、中から一つの指輪を取り出した。
指輪を指先で回転させると、刻まれた絵柄が変化する。
『強化カプセルに入った桜井五郎』→『スペードエース』
『スペード・ダイヤ・ハート・クラブのトランプ』
「
謎の戦士は右手に顕現させたクロステライザーへ、その指輪を装着する。
【CROSSTAL RING!!!】
軽く手拍子を打つと同時に、再変身が始まった。
白猫のような装甲は胸部を残して変化し、姿はジャッカー電撃隊の『スペードエース』へと切り替わる。
【『ジャッカー』!!!】
「ジャッカー電撃隊のスペードエース!!……の『スペードアーツ』!!」
顕現したのは、長柄でムチ状の武器――『スペードアーツ』。
それをしならせ、ウォークロック達を次々と叩き伏せる。さらに鞭部分を敵の身体に巻き付け、そのまま独楽回しのように振り回した。
「っ……ならば!!!」
部下が次々と撃退される光景に焦りを滲ませながら、上級ウォークロックが銃を構える。
放たれたのは、追尾性能を持つホーミング弾が四発。
「おっと。」
スペードエースは即座にクロステライザーを前に掲げる。
次の瞬間、巨大な四枚のトランプカードが防壁として展開され、銃撃を完全に防ぎ切った。
さらに、そのままスペードアーツを弓へと変形させ、矢を放つ。
「ぐっ……こ、これはマズイ――」
「そしてっ!!!」
四枚のトランプカードが意思を持つかのように動き出し、撤退しようとした上級ウォークロックを包囲する。
距離を詰め、密着したカードは、そのまま高速回転を始めた。
「スペードのエース、ダイヤのジャック、ハートのクイーン、クローバーのキング……
その四枚で繰り出す必殺武器は、まさに『ジャッカーコバック』の如くッ!!!」
【FINISH CHARGE『ジャッカー』!!!】
「えっ、ちょ待っ、い、あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!」
核・電気・磁力・重力――四大エネルギーが一斉に流し込まれ、最後に四枚のカードが上級ウォークロックへ突き刺さる。
直後、爆発音と共にその姿は消し飛んだ。
「ふぅ……楽勝っと。」
スペードエースの姿は解除され、謎の戦士は元の白猫のような装甲と仮面へと戻る。
「え、あの……えーと……ありがとうございます?」
「……?」
物陰に隠れていた少女と猫が、恐る恐る姿を現す。
猫は謎の戦士を見つめながら、どこか懐かしい匂いを感じ取っているようだった。
「ん? ああ、礼を言われるほどのことでもないよ。完全に阻止できたわけでもないし。……それより、そのカードなんだけど。」
謎の戦士は、少女が手にしている『Rider』と書かれたカードを指差す。
「え、あ、これ? わ、渡したほうがいいなら――」
「ああ、いや。そう考えもしたんだけどね。ちょっと確認したいことがあってさ。」
そう言うと、謎の戦士は変身を解除した。
現れたのは、ペールオレンジの長髪に水色がかった瞳。
緑色のブレザーと薄茶色寄りのスカートという学生服の上に黒いコートを羽織り、脚にはタイツ。
さらに、猫の耳と尻尾のようなものが生えており、首元には鈴付きのオルゴールペンダントを下げている。
声も柔らかく、顔立ちも整っていて、一見すると少女にしか見えないが――。
「えっ……えええっ!? た、確かあなた……同じクラスの……!」
少女は目を見開き、声を裏返らせた。
どう見ても、見覚えのある人物だったからだ。
「いやあ、まさかこんなところで同級生に会うとはね。しかも『クラスカード』絡みで巻き込まれるとは思わなかったよ。」
猫耳の若者が苦笑する一方で、少女は驚きと困惑が混ざり合い、完全に思考停止していた。
猫も戸惑いながら周囲を警戒し、背後の気配にいち早く気づく。
「ん? あっ、いっけない、後ろ!!」
「えっ――」
「ジキイイイイイッ!!!」
少女の背後から、ウォークロックが一体、奇襲を仕掛けてきた。
猫耳の若者が止めに入ろうとした、その瞬間。
「っ……ひゃっ!!?」
少女の右手に握られたカードが、強い光を放つ。
足元には、魔法陣のような紋様が浮かび上がっていた。
「えっ、な、何!?」
「……!!」
「これって……やっぱり『素質』が……!!」
猫耳の若者は、少女の様子を見て確信に近いものを得る。
「ジキッ……ジリリリリリ!!」
一瞬怯んだウォークロックだったが、再び少女へ突進しようとする。
「わっ!!?」
少女は反射的に腕で顔を覆った。
――だが、何も起こらない。
恐る恐る腕を下ろして目を開けると。
「ガ……ハッ……」
ウォークロックは、斬撃と銃撃を一度ずつ受け、すでに撃退されていた。
「召喚されて早々、随分と手荒くありませんか?」
「まあ、あれくらい大したことなさそうだったし、別にいいでしょ。」
少女の前に立っていたのは二人組。
一人は、身長以上もあるマスケット銃を携えた、比較的背の高い金髪ツインテールの女性。
もう一人は、大型のカトラスを持ち、顔に大きな傷跡のある白髪ショートの女性だった。
「それで……」
二人は少女を見据え、静かに問いかける。
「あなたが、わたくしたちのマスター?」
「あなたが、僕たちのマスター?」
「ま、ます……えっ……!?」
少女は完全に混乱していたが、猫耳の若者が一歩前に出る。
「……いやあ、まさかこんなに早く段階すっ飛ばして召喚するとはね。
仕方ない、これはちゃんと説明しないといけないな。」
ため息混じりにそう呟きながら、彼は右手の人差し指にはめられた、白い猫を模した仮面の『守護者の指輪』を見つめていた。
=クロスタルリングカセット=
『ジャッカー電撃隊』
イラスト:強化カプセルに入った桜井五郎→スペードエース
固定絵:スペード・ダイヤ・ハート・クラブのトランプ
指輪能力:トランプによる防御と攻撃
所有者:鈴夜
―――――
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。