ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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メリー「新たに仲間になった守護者サファイアこと『美遊・エーデルフェルト』。色々と謎の多そうな子だけど、意外と戦いに対して高いポテンシャルを持ってた。


そして最後に、守護者が残り2人いて、とっくに協力者になってるっていうのも聞いたけど……


正直言って私と蓮子は、互いの記憶の事でそれどころじゃ無いかも……」






第5話:猫バカ女と青春キメラ
猫バカ女と青春キメラ 01


 

 

 

 ロンドンの街。その一角にあるアパートの一室。

 

「遠坂凛の報告から二名、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの報告から一名……回収したクロスタルリングは合計九つか……」

 

 ロード・エルメロイII世はソファに腰掛け、手元の資料と報告書に視線を落とす。

 

「とうとう、すべての守護者(ガーディアン)が誕生した、というわけか? ミスター・エルメロイII世」

 

 次の瞬間。彼の正面の空間が、歪むように揺らぎ、そこから一人の少女が姿を現す。

 

「……時計塔の中ならまだしも、私の家に直接転送してくるのはやめてもらえないか」

 

 額に手を当て、心底疲れた様子でそう言うエルメロイII世に対し、徒夢透・エビデンス・宇宙は、悪びれた様子もなく肩をすくめた。

 

「すまないな。どうやら転送装置が少しバグったらしい。インターホンを鳴らして入るつもりだったんだが、気づいたらお前の部屋だった」

 

「そう言う事にしておくが……それで、今日は何の用件だ。ライネスのように、また無茶な案件に出向かせるつもりではないのだろうが……」

 

 呆れ混じりに問いかけると、徒夢透は真面目な口調に切り替えた。

 

「簡潔に言おう。こちらで調査して、いくつか新たに判明したことがある。お前たち時計塔が回収してた『マタラ・ド・ラ・ゲート』……あれ、おそらく『神』の力の()()()だな。」

 

「……何?」

 

 エルメロイII世の眉がわずかに動く。

 

「最近、それなりに名の知れた世界の一つが観測できなくなっている。その『神』もそこの出身だ。まあその世界に何かが起こったと言う事だろうが……それでもう一つ。最近、それと似通ったエネルギーがこの世界の日本で観測された。何か心当たりはあるか?」

 

「……いや、そのような報告は来ていない。一応、日本にいる弟子たちにも聞いてはみるが。」

 

「そうか……そうなると、こういう時は待った方が良いか……」

 

「この前のように出向かないのか。」

 

「そうしたいが、そもそも私はこの時空にとっては部外者。頼まれて手伝ってはいるだけで、あんまり深入り出来ん。」

 

「誰の頼みなんだ……と言っても答えられないのだろうが。」

 

「うむ、申し訳ないがトップシークレット。気になるのなら、他の弟子を送り込むか自分で出向くんだな。とりあえず、これだけはインフォメーションしたかった故にこの辺で失礼する。邪魔して悪かった。」

 

 と、徒夢透は再び空間に穴を穿つ。

 

「ああ、そうだ。近頃、守護者の一人が、冬木にいる三人の守護者と接触を図っているらしい。彼の周辺もなかなか賑やかだからな。冬木の守護者たちにとっても、良い経験になるだろう」

 

 そう言って、徒夢透は穴の中へと消え、空間は静かに閉じた。

 

 ただ一人エルメロイII世は一つ息を吐き、資料を見返す。

 

「……良い経験、か。他人事のように言うが……とは言え、間違っては無いのだろうな……ハッキリ言ってこの件、魔術師だけでどうにかなる問題でも無い……まずは、頼れるところを隅々まで当たるか……」

 

 相変わらず不機嫌そうな表情のまま、彼はそう呟いた。

 

*****

 

 一か月前、日本。東京のとある町。

 

「ちょっと、遅くなっちゃったなぁ……」

 

 夜九時を過ぎた人気のない街道。水色のパーカーを着る『ツクモ』という名の少女が、一人夜道を歩いていた。どうやらアルバイト帰りらしい。

 

「そういえば、明日は給料日だったっけ。どれくらい入るかな……。とは言っても、クオンのエサ代とか、バリバリにされたソファの買い替え以外、使い道あんまり思いつかないんだけど」

 

 数年来続けているアルバイトの給料を、彼女はほとんどは飼い猫関連にそれなりにしか使っていない。

 

 そんな感じの独り言をこぼしながら、歩みを進める。

 

「それにしても……あの高校に入ってから、意外と悪くないんだよなぁ。クオンとも一緒にいられる時間も増えたし。ペットもOKで校風緩いところで適当に選んじゃったけど、結構私にピッタリなのかなぁ情報処理って。」

 

 続けてそう呟く彼女は、中学時代までどこか息苦しさを抱えていた。だからこそ、今の高校生活は大きな救いなのだ。

 

「……にゃあ」

 

 足元から聞こえた鳴き声に、ツクモは立ち止まる。

 

「え……クオン?」

 

 見下ろすと、そこには確かに、見慣れた黒猫がいた。

 

「珍しいね、こっちからお出迎えなんて――ふぎゅっ」

 

 にやけた表情で脇を掴み、持ち上げた瞬間、猫パンチを食らう。

 

「……ん? クオン、どうしたの。なんか、ピリピリしてない?」

 

 いつもならのんびりしているはずのクオンの様子が、どこかおかしい。

 

 しかもわざわざ窓から抜け出して迎えに来たとなると、なおさらだ。

 

「……!!」

 

 猫がツクモの肩越しに、背後へと鋭く視線を向ける。

 

「え? 後ろ――」

 

「邪魔だロボっ!!!」

 

「えっ!? だ、誰――きゃっ!!」

 

 突然、誰かが走り込んできて、そのまま激突。

 

 衝撃で、相手が抱えていたアタッシュケースが宙を舞い、開いた拍子に中身が飛び出す。

 

「ふぎゅっ!!」

 

 ツクモは前のめりに転倒し、同時にクオンが背中に落下。

 

 直後、アタッシュケースも地面に落ち、重い音を立てて閉じた。

 

「お、おい何やってるロボ!! 早く逃げるロボ!!」

 

「わ、わかってるロボ!!」

 

「……?」

 

 黒タイツに棒状のアンテナという奇妙な格好の男が二人。

 

 ぶつかった方は慌ててケースを抱え、何かに追われるように走り去っていく。

 

「いったた……鼻血……出てない。よし、セーフ……ん?」

 

 ツクモは体を起こし、軽く顔を押さえた。

 

 その時頭上から、一枚のカードがひらりと落ちてくる。拾い上げると、そこには乗り物に跨る戦士の絵と、『Rider』の文字。

 

「タロットカード……? でも、見たことない感じだな……」

 

「……にゃっ」

 

 クオンに呼ばれて顔を上げると、スーツ姿の男二人が、先ほどの黒タイツたちを追って走ってきた。

 

「兄貴!! あいつら、あっちに逃げやがったで!!」

 

「黒タイツなせいで夜じゃ分かりづらいが、ようやっと見つけたで! 待ちやがれ!!」

 

「ええっ!? な、何これ……!?」

 

 慌てて壁際に身を寄せ、二人をやり過ごす少女。

 

「び、びっくりした……このご時世にあんな人たちいるんだ……」

 

 ひとまず落ち着いた、そう思った矢先。

 

「……にゃあ」

 

 クオンが、今度はスーツの男たちの後を追って走り出す。

 

「えっ、クオン!? ちょっと、明らかに危ないって!!」

 

 ツクモは慌てて、その後を追いかけた。

 

***

 

「ヒイイイ!! 盗んでほしい物があるって頼まれたのはいいけど、ヤクザの取引現場から盗めなんて聞いてないロボ!!」

 

「落ち着くロボ!! わざわざ俺たち『ロボロボ団』に依頼してきたってことは、きっとこっちにも得になるアイテムのはずだロボ!!!」

 

 全身黒タイツに身を包んだ二人の男が、スーツ姿の男二人から全速力で逃げていた。

 

 彼らは『ロボロボ団』。

 

 数十年前に宇宙から飛来した特殊なメダルを用いて作られた、知能を持つ機械生命体『メダロット』。それを利用し、世界征服を企む集団。その構成員である。

 

「待ちやがれテメェらァ!! クソッ、なんであんな妙に足速いねん!!」

 

「言うとる場合か!! ロボロボ団が例のアレを奪った理由は知らんが、このまま持ってかれたら阿賀利会長の計画が全部パーや!!そうなったら、ワイら命があれへん!!」

 

 追う側は、見るからにいかつい風貌のスーツ姿の男二人。

 

 ロボロボ団の一人が抱えているアタッシュケースは、どうやら彼らの所有物らしい。

 

「げっ、追いつかれたロボ!? というか、しつこいロボ!!」

 

 ロボロボ団の一人が歯噛みする。

 

「……だが相手は、同じくメダロットを運用している『芸夢連合』の構成員。こうなったらロボトルで白黒つけるしかないロボ!!!」

 

 逃走を止め、二人は同時にスマホを操作。

 

 メダロットの管理と転送を行う『メダロッチ』を起動。

 

 そして呼び出されたのは、ゴキブリ型メダロット『バッドハッカー』が二体。

 

「勝負ロボ!!」

 

 バッドハッカーを前に、芸夢連合の男たちも応じるようにメダロッチを起動する。

 

「ほぉ……立ち向かってくる根性だけは認めたるわ。警察やセレクト隊が来る前に、終わらせるで」

 

 二人が呼び出したのは、オニヤンマ型のメダロット『セイテイキング』だ。

 

【ロボトル FIGHT!!!!】

 

「……」

 

「く、クオン……? 今日は急にどうしたの……って、何かやってるけど……あれ、メダロット?」

 

 クオンと、それを追ってきたツクモが、その様子を目にする。

 

 トラップや妨害スキルを駆使するバッドハッカー二体と、そのままオニヤンマの造形をした飛行型のセイテイキング二体。

 

 至近距離で繰り広げられるロボトルに、思わず息を呑んだ。

 

「あれって……メダロット、触ったことなかったから知らなかったけど……結構すごい……」

 

 感心しながら見入るツクモ。しかしのその手に握られた、不思議なカードが淡く光り始めていることにはまだ気づいていない。

 

「ギャッ……!!!?」

 

 やがてセイテイキングのプレス攻撃が命中し、バッドハッカーは機能停止。

 

 続けざまにもう一体も同様に撃破され、パーツが砕け散り、ティンペットが露出する。

 

「そ、そんなロボ……!」

 

「少し手こずったが……勝った以上、こっちのもんや。ほな、カード返してもらおか。ついでに、どう落とし前つけるかも話そうや」

 

「ヒッ……!!」

 

 ロボロボ団は尻もちをつき、後ずさる。

 

「ジキャキッ!!!」

 

「ん? 何や――ぐわっ!!?」

 

 しかし突如、横方向から銃撃。電撃が命中し、ダメージを負っていたセイテイキングも戦闘不能となる。

 

「……グズグズしとると思ったら、追われた挙句ロボトルで負けとるとはな」

 

 そこへ姿を現したのは、時計のヘルメットを被る人型、ウォークロック達だった。

 

「その見た目……クレイジークロックか!! ロボロボ団の連中、あいつらと組みやがったんかい!!」

 

「だったら何ロボ!! 何度も痛い目見せられた連中が吠えるなロボ!!」

 

 まさに虎の威を借る狐という態度のロボロボ団がそう言い返しながら、アタッシュケースを上級ウォークロックへ差し出す。

 

「あ、これが約束の品ですロボ」

 

「……仕事を果たしてくれれば問題は――ん?」

 

 ケースを開くと、中にはカードが一枚。弓を構える女性が描かれ、『Archer』と記されたカード。

 

「……どういうことだ。情報では二枚のはずだが、一枚しかないぞ!!」

 

「えっ!? そ、そんな……確かに二枚あったはず……」

 

 焦るロボロボ団の視界に、先ほどぶつかった少女ツクモの姿が映る。

 

 その右手には、『Rider』と書かれたカード。

 

「あああああ!! あいつロボ!! ぶつかった時に落としたの拾われたんだロボ!!?」

 

「ふぇっ!?」

 

 ロボロボ団の叫びで、ウォークロックと芸夢連合の男たちが一斉に少女を見る。

 

「近くにあるなら話は早い。……一枚でも回収できたのは成果だし、お前たちは帰れ。報酬は後で送る」

 

「ジキッ!!」

 

 ウォークロックが転送で離脱し、ロボロボ団も撤退していった。

 

「……しゃあない。せめて一枚だけでも回収するで。おうお嬢ちゃん、そのカード……ワイらにとって、めちゃくちゃ大事なもんや。渡してくれへんか」

 

「……っ」

 

 芸夢連合の男が少女に近づく。対するツクモは、嫌な予感を感じ後ずさる。

 

「潰せ」

 

 上級ウォークロックの短い命令で、部下たちが芸夢連合に襲いかかる。

 

 芸夢連合の男たちは拳でウォークロックを殴り倒すものの流石に限界で、激しい攻撃を受けた二人は気絶した。

 

「余計な障害は排除した。あとは女からカードを奪え」

 

「ジキキキッ!!」

 

 クオンの威嚇も意に介さず、ウォークロック達が少女に迫る。

 

「ジキ――ギャッ!!!?」

 

 突如、斜め上から銃撃。

 

「『芸夢連合』……関西を中心に活動する巨大マフィア・極道組織。闇センパイのお陰で、その傘下がクラスカードを裏取引している……だとかっていう情報は掴んだけれど。クレイジークロックに先を越されるとはねぇ。」

 

 現れたのは、白猫のような装甲を纏った戦士。その右手には、特殊形状のマシンガン。

 

「し、白猫……?」

 

「……?」

 

 困惑するツクモとクオンをよそに、ウォークロック達は明確な警戒態勢を取っていた。

 

「何者だと思ったが、まさか貴様――」

 

「ま、お察しの通りで。」

 

 上級ウォークロックが言い切るよりも早く、謎の戦士は構えたマシンガンをウォークロック達へ向け、迷いなく引き金を引いた。

 

「っ、ええい! 早く倒せ!!!」

 

「ジキキキッ!!!」

 

 上級ウォークロックの怒号を合図に、配下のウォークロック達も一斉に攻撃を開始する。

 

 彼らは魔法の杖のような構えで銃『ラシンバーン』を掲げ、次々と魔法弾を撃ち放ってきた。

 

 対する謎の戦士は余裕すら感じさせる動きで、マシンガンの連射により飛来する魔法弾を正確に撃ち落とす。

 

「はいはい、単調単調。じゃ、次はこっちの番。」

 

 そう呟くと、腰元に巻かれたツメガバックルを開き、中から一つの指輪を取り出した。

 

『強化カプセルに入った桜井五郎』→『スペードエース』

『スペード・ダイヤ・ハート・クラブのトランプ』

 

再変身(エンゲージ)!!」

 

 謎の戦士は右手に顕現させたクロステライザーへ、その指輪を装着する。

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

 軽く手拍子を打つと同時に、再変身が始まった。

 

 白猫のような装甲は一部を残して変化し、姿はジャッカー電撃隊の『スペードエース』へと切り替わる。

 

【『ジャッカー』!!!】

 

「ジャッカー電撃隊のスペードエース!!……の『スペードアーツ』!!」

 

 顕現したのは、長柄でムチ状の武器『スペードアーツ』。それをしならせ、ウォークロック達を次々と叩き伏せる。さらに鞭部分を敵の身体に巻き付け、そのまま独楽回しのように振り回した。

 

「っ……ならば!!!」

 

 部下が次々と撃退される光景に焦りを滲ませながら、上級ウォークロックが銃を構え、ホーミング弾を放ってきた。

 

「おっと。」

 

 スペードエースは即座にクロステライザーを前に掲げると、巨大な四枚のトランプカードが防壁として展開され、銃撃を完全に防ぎ切った。

 

「ぐっ……こ、これはマズイ――」

 

「そしてっ!!!」

 

 四枚のトランプカードが意思を持つかのように動き出し、撤退しようとした上級ウォークロックを包囲。

 

 距離を詰め、密着したカードは、そのまま高速回転を始めた。

 

「スペードのエース、ダイヤのジャック、ハートのクイーン、クローバーのキング……

 その四枚で繰り出す必殺武器は、まさに『ジャッカーコバック』の如くッ!!!」

 

【FINISH CHARGE『ジャッカー』!!!】

 

「えっ、ちょ待っ、い、あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!」

 

 核・電気・磁力・重力の四大エネルギーが一斉に流し込まれ、最後に四枚のカードが上級ウォークロックへ突き刺さる。

 

 直後、爆発音と共にその姿は消し飛んだ。

 

「ふぅ……楽勝っと。」

 

 スペードエースの姿は解除され、謎の戦士は元の白猫のような装甲へと戻る。

 

「え、あの……えーと……ありがとうございます?というかどこかで見たような……」

 

「……?」

 

 物陰に隠れていたツクモとクオンが、恐る恐る姿を現す。ツクモは、どこかで見覚えがある気のする

 

「ん? ああ、礼を言われるほどのことでもないよ。完全に阻止できたわけでもないし。……それより、そのカードなんだけど。」

 

 謎の戦士は、彼女が手にしている『Rider』と書かれたカードを指差す。

 

「え、あ、これ? わ、渡したほうがいいなら――」

 

「ああ、いや。そう考えもしたんだけどね。ちょっと確認したいことがあってさ。」

 

 そう言うと、謎の戦士は変身を解除した。

 

 その装いは、緑色のブレザーと薄茶色寄りのスカートという学生服の上に黒いコートを羽織り、脚にはタイツ。首元には鈴付きのオルゴールペンダントを下げている。

 

 ペールオレンジの長髪、猫の耳と尻尾のようなものを持つ、水色がかった瞳の人物。

 

 声も柔らかく、顔立ちも整っていて、一見すると少女にしか見えないが……

 

「えっ……えええっ!?そ、そうだ確かあなた……同じクラスの……!」

 

 少女は目を見開き、声を裏返らせた。

 

 さっきまで暗闇で分かりづらかったが、今思い出した。目前にいるのは、見覚えのある人物だったからだ。

 

「いやあ、まさかこんなところで同級生に会うとはね。しかも『クラスカード』絡みで巻き込まれるとは思わなかったよ。」

 

 猫耳の若者が苦笑する一方で、ツクモは驚きと困惑が混ざり合い、完全に思考停止していた。

 

「……!!」

 

 クオンも戸惑っていたが、背後の気配にいち早く気づいた。

 

「ん? あっ、いっけない、後ろ!!」

 

「えっ――」

 

「ジキイイイイイッ!!!」

 

 少女の背後からウォークロックが一体、奇襲を仕掛けてきた。

 

 猫耳の若者が止めに入ろうとした、その瞬間。

 

「っ……ひゃっ!!?」

 

 少女の右手に握られたカードが、強い光を放つ。足元には、魔法陣のような紋様が浮かび上がっていた。

 

「えっ、な、何!?」

 

「……!!」

 

「これって……もしや君、素質あるタイプ……!!?」

 

「っ……!?」

 

 少女は反射的に、腕で顔を覆った。

 

 そして光が止み、恐る恐る腕を下ろして目を開ける。

 

「ガ……ハッ……」

 

 するとウォークロックは斬撃と銃撃を一度ずつ受け、すでに撃退されていた。

 

「召喚されて早々、随分と手荒くありませんか?」

 

「まあ、あれくらい大したことなさそうだったし、別にいいでしょ。」

 

 目の前に立っていたのは二人組。

 

 一人は、身長以上もあるマスケット銃を携えた、比較的背の高い金髪ツインテールの女性。

 

 もう一人は、大型のカトラスを持ち、顔に大きな傷跡のある白髪ショートの小柄な女性だった。

 

「それで……」

 

 二人はツクモを見据え、静かに問いかけた。

 

「あなたが、わたくしたちのマスター?」

 

「君が、僕たちのマスター?」

 

「ま、ます……えっ……!?」

 

「……仕方ない、これはちゃんと説明しないといけないな。」

 

 ため息混じりにそう呟きながら、猫耳の若者が一歩前に出る。同時に彼は右手の人差し指の『守護者の指輪』を見つめていた。

 

 

 







=クロスタルリングカセット=
『ジャッカー電撃隊』
イラスト:強化カプセルに入った桜井五郎→スペードエース
固定絵:スペード・ダイヤ・ハート・クラブのトランプ
指輪能力:トランプによる防御と攻撃
所有者:鈴夜

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