ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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○1月9日更新
文章の見直しのため、本文を含めた文章を修正して一新させていただきました。

○2月25日更新
分割を行っていた際、大分とんでもないミスをしでかしておりました。読みづらくしてしまい大変申し訳ございませんでした;



ウルトラワールド第1話の始まりです。


第1話:救世主リブートとゴーオン・メモリー
救世主リブートとゴーオン・メモリー 01


 

 

 

――その日。

一つの時空の歴史が、静かに終わりを告げた。

 

 元からそうであったのか、それとも誰かの身勝手な拒絶が引き金となったのか。突如として生まれた無数の『可能性』。

 それらが束ねられ、収束したものが『時空』と呼ばれる。

 

 数多の世界を形作り、幾重もの歴史を刻むそれは、本質的に不安定な存在だ。何の前触れもなく終焉を迎えても、決して不思議ではない。

 そんな時空の一つが、また新たに滅びの運命を辿ろうとしていた。

 

 鋼の身体を持つ巨人たちを動かす戦士たちの戦いの記録。

 『ユニバース大戦』と呼ばれるその戦争に、本来の歴史とはまったく異なる事態が発生した。

 

 邪悪なる勢力はいつしか勢力を拡大し、やがて多くの世界を巻き込んでいったのだ。

 

 悪しきものに抗う仮面の戦士たち。

 邪悪を浄化する少女の戦士たち。

 数多の出会いと別れを繰り返し、集結していく戦士たち。

 さらには、本来であれば戦いとは無縁でありながら、集結した可能性を取り込み、戦う力を得た者たち。

 

 数々の歴史を築いてきた英雄たちが、巨人たちに協力し、邪悪なる勢力へと立ち向かった。

 

――だが、それでも敵の勢力は凄まじかった。

 その圧倒的な力を振るい、無情にも数多くの世界を飲み込んでいく。

 

 そして、また一つの時空が滅びる。

 無数に存在する『時空』においては、それなりにありふれた運命――であるはずだった。

 

 まだ戦える力を残していた、最後の巨人。

 その名は■ガ■■ド。

 

 邪悪なる勢力を撃ち滅ぼすため、戦士たちは自らの力のすべてを彼に託し……そして、眠りについた。

 

 数多の力によって新たな姿へと生まれ変わった巨人は、その力をもって五人の守護者を創り出した。

 守護者たちは巨人と共に戦い、ついに邪悪なる勢力をすべて打ち払う。

 

 だが、時空を造り出した『起源』の力すら遥かに上回った巨人と守護者たちは、余剰となった膨大な力を解放した。

 

 その結果、多くの滅びた並行世界(パラレルワールド)から可能性が掻き集められ、その時空は新たな姿へと再構築されていく。

 

 やがて後に『Uの起源』と呼ばれるようになった巨人が解き放った力と、守護者そのものの力は、『指輪』という形を取って、時空全域へと散らばっていった。

 

 数多の英雄が眠る墓場(ハザマ)で、巨人は待ち続ける。

 救世主の到来と、新たなる守護者の誕生を。

 

―――――

 

「ん……?」

 

 そんな内容の、突飛でありながらも異様な現実味を伴った夢。

 その夢を見ていた少女が、ゆっくりと目を覚ました。

 

 見覚えのない天井。おそらく客室だろう。

 隣のベッドを見ると、見知った友人の姿があった。

 

「んん……? あれ、メリー……?」

 

 そう呟いた直後、少女ははっとして起き上がる。

 

「あっ。セラ!! 二人が起きたよー!」

 

 部屋の様子を見守っていた銀髪の小学生の少女が、二人が目覚めたことを確認すると、慌てて部屋を飛び出していった。

 

「ここは……ええと……あれ……? ねぇ、私たち、何があったんだっけ?」

 

「え? それは……ええと……ん? おかしいわね……」

 

 二人は顔を見合わせ、しばし沈黙する。

 

「……ええと、貴方は宇佐見蓮子。」

 

「うん。それで、貴方がマエリベリー・ハーン。で――」

 

「「私たちは秘封倶楽部。」」

 

 まるで暗号を確認するように、二人は声を揃えた。

 

「それで、大丈夫でしたか? よく分からないけど、急に家に落ちて来て――ん……?」

 

 部屋に戻ってきた銀髪の少女は、二人の様子に違和感を覚え、首を傾げる。

 

「お互いの目のことは?」

 

「分かる。……じゃあ、秘封倶楽部の活動内容は……」

 

「……」

 

「分からない……しゅ、出身地は? 出身校は……」

 

「全然分からない……というか……」

 

「う……うん……」

 

「メリーのこと以外……ほとんど何も思い出せない……」

 

「蓮子のこと以外……ほとんど何も思い出せない……」

 

 

***

 

「……それで、本当に何も思い出せない、と」

 

 落ち着いた声でそう問いかけられ、蓮子とメリーは顔を見合わせた。

 

「はい……」

 

 そう答えたのはメリーだった。

 

 その後、最初に二人を発見した銀髪の少女に呼ばれる形で、もう一人の人物が部屋に入ってきた。

 同じく銀髪で、身長の高い女性。名前は『セラ』。この家で働くお手伝いさんの一人らしい。

 

 宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンは、まずここがどこなのかを尋ねた。

 するとセラは、この場所が『冬木市』という街の住宅街――『深山町』にある『アインツベルン邸』であることを含め、必要最低限の情報を簡潔に説明してくれた。

 

 ひと通りの説明を終えると、セラは改めて二人に向き直る。

 

「では、事情を聞かせてください」

 

 そうして始まった事情聴取だったが――肝心の二人が、ここに至るまでに何が起きたのかをまったく思い出せなかった。

 それどころか、自分自身の名前や互いの関係を除き、それ以外の記憶がほとんど失われているという状態だった。

 

「倒れていた状況から見て、不法侵入や事故ではなく、文字通り“いつの間にか家の前にいた”という点までは確認できましたが……」

 

 そこまで言って、セラはわずかに言葉を切る。

 

「記憶そのものが無い、というのは……流石に想定外ですね」

 

 あまりにも予想外の事態だったのか、彼女はこめかみに手を当て、少し頭を抱える仕草を見せた。

 

「気になる点は多々ありますが……嘘をついているようにも見えませんし、本当に何も覚えていないのであれば、帰る場所すら分からない、ということになります」

 

 一拍置いてから、セラは静かに続ける。

 

「どちらにせよ、少し時間をいただけますか?」

 

 そう言われ、蓮子とメリーはとりあえず頷いた。

 それを確認すると、セラは一旦部屋を後にする。

 

「うー……まさか、よりにもよって記憶喪失だなんて……」

 

 セラが去った後、蓮子は力なく声を漏らした。

 

「自分で言うのも変だけど……ずいぶんピンポイントというか、出来すぎてる気がするよね」

 

 メリーも同意するように、肩をすくめる。

 

 こうして二人は、自分たちが置かれている状況に改めて困り果てていた。

 自分自身と互いの存在だけは覚えているが、それ以外のほとんどを失っているという、かなり特殊な記憶喪失状態。

 

「それで……あとは、この『指輪』だけど……」

 

 そう言って、蓮子は机の上に置かれていた、変わった形の指輪を手に取った。

 セラたちの話では、二人が倒れていた場所の近くに落ちていたものらしい。

 

 指輪を眺めていると、説明しがたい不思議な力のようなものを感じる。

 

「何か関係があるのかもしれないけど……それにしては、まったく身に覚えが――」

 

「大丈夫、でしたか?」

 

 考え込んでいたその時、部屋の扉がノックされ、先ほどの銀髪の少女が顔を出した。

 

「あっ、さっきの子……えっと……」

 

 蓮子が言葉に詰まると、少女は小さく微笑む。

 

「あ、『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』です。イリヤって呼んでください」

 

 そう言って、少女――イリヤスフィールは名乗った。

 

*****

 

 

 一方、アインツベルン邸から少し離れた場所で。

 

「一体どこにいるのよ……」

 

 黒髪のツインテールを揺らしながら、少女は住宅街を歩いていた。

 周囲を鋭く見回し、何かを探している様子だ。

 

「あの女がわざわざ連絡してきたから探してみるのはいいけど……本当に、例の指輪を持つ人間がいるのかしら……」

 

 少女――遠坂凛は、小さくため息をついた。

 

「指輪を持つ者のもとに、その……ゲーム機? だか何だかの機械が飛んでくる、なんて話だけど……それらしいものも全然見当たらないし」

 

 苛立ちを隠さず、凛は独り言を続ける。

 

「とはいえ、この紙に描かれていた紋章が消えた以上、誰かが指輪を手に入れたのは間違いないはずだけど……」

 

 そう言って、凛は一枚の紙を取り出した。

 その紙には、かつて魔術的な紋章が描かれていた形跡がある。しかし今は、何も残っていない。

 

 この紙には『一定の条件が満たされると、描かれた紋章が消える』という魔術が施されていた。

 つまり――条件は、すでに達成されている。

 

「あーもう!! 何で、いくら重要なこととはいえ、あの女経由でこんな面倒な役回りを押し付けられなきゃならないのよっ!」

 

 凛は思わず声を荒げる。

 

「大体、指輪なんて普通に売ってるものもあるのに、それをノーヒントで見つけろってどういう――」

 

「遠坂? 一体何やってるんだ?」

 

 不意に、背後から声をかけられる。

 

「し、士郎!? ちょっと、驚かさないでよ……」

 

 振り返ると、そこには赤髪の青年――衛宮士郎が立っていた。

 

「え? ああ、悪い。さっきからやけに苛立ってるみたいだったから、気になってさ」

 

 士郎は、肩に食材の入った袋を提げている。

 

「別に、大したことじゃないわ……。それより、士郎こそ買い物? こういうのって、あなたじゃなくてお手伝いさんが行ってる印象だけど、珍しいわね」

 

「ああ。ちょっと家の方が立て込んでてさ。セラに『仕方ないから代わりに行ってくれ』って頼まれたんだ」

 

 苦笑しながら答える士郎。

 

 衛宮士郎。

 彼はアインツベルン邸に養子として住んでおり、イリヤの義兄でもある(なお名字が『衛宮』なのは、正式に戸籍が入っていないためだ)。

 

「へぇ……それもそれで珍しいわね」

 

「それでさ……実は、家の前で倒れてた人がいて」

 

「倒れてた?」

 

「うん。しかも二人。大学生くらいの女の人で、かなり変わったタイプの記憶喪失みたいなんだ。イリヤが言うには、流れ星みたいに空から落ちてきたらしい」

 

 あまり深刻さを意識せずに話す士郎。

 

「……それ、道端で話す内容じゃないでしょ」

 

 凛は呆れたようにため息をつきながらも、続けて問いかける。

 

「それで、その二人は何者なの?」

 

「それは今、セラが話を聞いてるところなんだけど……あ、そうだ」

 

 士郎は、何かを思い出したように言った。

 

「変わった指輪を持ってたな」

 

「……えっ!?」

 

 その一言に、凛は目を見開く。

 

 

*****

 

 

 その頃、アインツベルン邸の客室では。

 

「奥様に連絡を取り、事情を説明した結果ですが……」

 

 セラは淡々と告げる。

 

「とりあえず、あなた方には、しばらくこの家で生活していただくことになりました」

 

「……本当ですか?」

 

 メリーは思わず声を上げた。

 

 セラによれば、現在イリヤの母は夫と共に海外を飛び回っており、直接の対応は難しい状況だったという。

 そのため、暫定的な措置として蓮子とメリーをアインツベルン邸に居候させる、という判断が下された。

 

「ただし、です」

 

 セラは表情を引き締める。

 

「素性がはっきりしていない以上、無条件で住まわせるわけにはいきません。家事の手伝いをしていただくこと。それから、知り合いを通じてアルバイト先を紹介しますので、そこで働き、家賃を支払っていただきます」

 

「それでも、十分すぎるほどです……」

 

 メリーは深く頭を下げた。

 

「いえ。こちらにも事情がありますから。では、とりあえず――」

 

***

 

「……じゃあ、あの二人、本当に何も覚えてないんだね」

 

 リビングでソファに座りながら、『リーゼリット』――通称リズが言った。

 

「うん。ニュースでよく見る有名なことも知らなかったし、流行ってるアイドルのことも初耳みたいだった」

 

 イリヤは少し困ったように答える。

 

「メダロットの話をしたら、すごく興味津々だったよ」

 

「メダロット? ああ、人並みに賢いって言われてるロボットの。最近はアルテミス杯のロボトル大会がテレビ中継されてたくらい有名なのに……珍しい」

 

「だよね……。何も覚えてない、っていうより、『知らないこと』自体が多い感じがして……」

 

 そんな会話をしていると、セラがリビングに入ってくる。

 

「リズ、少しいいですか?」

 

「ん?」

 

「あなたのパソコンを、少しの間だけ、あの二人に貸してもらえませんか?」

 

「最近のニュースとか、社会情勢を調べさせるってこと?」

 

「ええ。新聞や図書館の資料も見せる予定ですが、あまりにも知識が欠落しすぎているので……」

 

 

***

 

 

 数十分後。

 

「……なんか、すごい盛り上がってネットサーフィンしてるけど、大丈夫?」

 

 リズが指差した先では、蓮子とメリーがPCにかじりついていた。

 

「メダロット……ロボトル……生命エネルギー『シャルム』……オーガ現象……」

 

「『聖女』に『聖霊庁』……え、何このブログ……『全時空殺し屋ランキング83位』……? うん、スルーしよう」

 

 明らかにテンションが上がりすぎている。

 

「ええと、他には――」

 

「……あの、そろそろ止めていただけますか」

 

 セラが二人の肩を叩いた。

 

「近所迷惑になりますし、それに、だいぶ脱線しています」

 

「……すみません……」

 

 二人は揃って、しょんぼりと頭を下げた。

 

 

*****

 

 

「ヴヴ……ヴヴヴヴ……」

 

 冬木市のどこかで、奇妙な唸り声が響いていた。

 

「ヴヴヴヴヴヴヴヴ……8()……v@()……0()……」

 

 その姿は、まだ誰の目にも映らない。

 車のようでありながら、人型でもある――そんな怪物が、闇の中に潜んでいる。

 

「ヴァルアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 次の瞬間、轟音とともに怪物は走り出した。

 目指す先は、深山町――アインツベルン邸のある方向だった。

 

*****

 

「ただいまー」

 

 しばらくして、衛宮士郎が買い物から戻ってきた。

 

「おかえりなさい、士郎さん」

 

 玄関でセラが迎える。

 

「……あれ? イリヤは? それに、あの二人も」

 

 士郎が辺りを見回す。

 

「イリヤさんなら、蓮子さんとマエリベリーさんを連れて、近所の図書館へ行きましたよ。読み終えたライトノベルという本を返すついでだそうです」

 

「そうなのか……あ、そうそう。実は帰り道でちょっと用事が――あれ?」

 

 士郎は、凛が同行していたことを思い出して振り返る。

 

「あれ? おかしいな……さっきまで後ろにいたはずなのに……」

 

「あら、どなたかお客さんですか?」

 

「ああ、同級生でさ。遠坂凛って言うんだけど……蓮子さんとハーンさんの話をしたら、『二人に聞きたいことがある』ってついて来てたはずなんだけど……」

 

 首を傾げる士郎だった。

 

 

 

 








*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。

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