ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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美遊「結局、私はイリヤと同じような飛び方は出来なかった……

イリヤ達の前に現れた女装男子……『佐鳥羽鈴夜』。彼は私達より先に守護者になった立場。そして、クラスカードに関与している……

飼い猫クオンを溺愛するツクモさんが召喚したサーヴァントは、ライダークラス『アン・ボニー&メアリー・リード』。佐鳥羽鈴夜の妹分だというセンリツさんはキャスタークラス『チャールズ・バベッジ』……


……サーヴァントにメダロット等を巻き込むこの異変、そして彼に連れられ辿り着いた場所はどういった場所か……奇妙な現象が発生し続けているけど、私は……」





第6話:レッツ、モーフィン!夢見るST@Rと導き手
レッツ、モーフィン!夢見るST@Rと導き手 01


 

 

 

 佐鳥羽鈴夜に導かれるようにして、一同は扉の中へ足を踏み入れた。

 

「これは……おお……」

 

 思わず声が漏れる。

 

 扉の向こうに広がっていたのは、一言で言えば西洋風の街並みだった。石造りの建物が立ち並び、道には柔らかな光が灯っている。

 ――ただし、空は紫色だ。

 

 さらに周囲を見渡せば、宙に浮かぶ無数の扉。用途も意図も分からない奇妙な門やアーチが、街のあちこちに点在している。

 現実感があるのに、どこか夢の中のような感覚。

 

 ここが、蓮子たちの足を踏み入れた“場所”だった。

 

「この……何、この空間!? 異空間だとは思ってたけど、普通に何ここ!?」

 

 最初に我に返ったイリヤが、半ば叫ぶように言う。

 

 それを聞いた凛が、顎に指を当てながら記憶を探るように口を開いた。

 

「……時計塔で聞いたことがあった気がするわ。

 多くの世界に繋がる無数の扉が存在する、正体不明の特殊空間……確か名前は――」

 

「『√BACK-DOORS(ルート・バックドアーズ)』。それが、この場所の名前」

 

 横から、鈴夜があっさりと答えた。

 

 つまりここは、ただの異空間ではない。

 それぞれが別々の場所にいても、行き方さえ覚えていれば、いつでも集まれる“中継点”――言わば拠点となる空間だ。

 

「拠点……なるほどね」

 

 凛は納得したように頷く。

 

「集合場所が決まっていれば、何かあったときにもすぐ合流できるし」

 

「バイトとかもあるし、全員が一度に集まれるタイミングって、実際そんなに多くないもんね」

 

 鈴夜の説明に、蓮子とメリーも顔を見合わせて頷いた。

 現実の生活を抱えたまま戦う自分たちにとって、これは確かに都合がいい。

 

「じゃあマスター、僕たちは先に行こうよ。どうせならパーッと買い物しよ?」

 

「えっ、あ、うん……」

 

 そう言って、メアリーとアンがツクモの手を引き、カラフルな通りへと駆け出していく。

 

「……」

 

 クオンは特に何も言わず、同じ方向へとゆっくり歩き出した。

 

「っと、そんな感じだから。とりあえず近辺の施設を軽く案内するね。早速ついてきて」

 

 手を振りながらそう言って、鈴夜もツクモたちを追う。

 

「ちょっと待って!」

 

 一同は慌てて、その背中を追いかけた。

 

***

 

 そういうわけで、一通り√BACK-DOORSを歩き回っているのだが。

 

 ワイワイ、ガヤガヤ。

 あちこちから聞こえてくるのは、活気のある賑やかな声。

 

 最初に見た時点で察してはいたが、ここは“異空間”という言葉から想像するほど殺伐としていない。

 むしろ、一昔前の商店街のような、どこか懐かしい雰囲気の街並みが出来上がっている。

 

 実際、この空間にいるのは蓮子たちだけではなかった。

 人々――いや、“人々のような存在”が、露店を構えたり、観光客のように歩き回ったりしている。

 

 ただし、彼らは人間ではない。

 

 サルのような姿の者、シマウマに似た者、そして――鉱石の塊のような姿をした奇妙な存在。

 それらが普通に会話し、商品を売買している。

 

「……色々ツッコミたいけど、まずそれ。

 ねえ、その……何? 鉱石みたいなあんた達、何なの?」

 

 凛の率直すぎる疑問に、鉱石の塊のような生物が胸を張る。

 

「ワレワレはワレワレだよ? 生まれた時からずっとこの姿!」

 

 彼ら――通称『ワレルヤの民』によると、自分たちは

 『地上じゃ髭のおじさんが有名だという世界』、

 イリヤたちの認識で言えば『スーパーマリオ』などで知られる世界の地下出身らしい。

 

 ある日を境に、ワレルヤの民は√BACK-DOORSへの行き来が可能になった。

 そしてこの空間を“加工できる”ことが分かったのだという。

 

 砕けても再生するその身体。

 そこから採れる鉱石を利用し、建築を重ね、少しずつ街を拡張していった結果――

 今では、こうして多種多様な存在が集まる交流の場になった、というわけだ。

 

「……じゃあ、あの人……達?が来れるってことは、

 私たちもその地下世界に行けたりするの?」

 

「いえ、それは現状無理なのです。以前試したら、見事に弾かれました」

 

「そもそも、ここに来られる人自体がかなり限られてるんだよ。

 条件も、正直よく分かってないし」

 

 鈴夜やセンリツの説明を聞きながら、蓮子たちは√BACK-DOORSを歩いていく。

 

「まあ、クロスタルリングを集めていけば、少しずつ分かってくるんじゃない?

 アタシやセンリツがここに来られるようになったのも、それがきっかけだったし」

 

 その言葉に、蓮子とメリーは自然と俯いた。

 

 クロスタルリング。

 クロステラノベル。

 そして、ほとんどを失ってしまった自分たちの記憶。

 

 あまりにも多くの要素が絡み合うこの世界で、

 自分たちは何者で、なぜここにいるのか。

 

 考え込む二人の横で、イリヤが首を傾げて鈴夜に問いかけた。

 

「ねえ……そもそもなんだけど。

 クロスタルリングって、全部で何個あるの?

 アニメとかゲームで元ネタっぽいのは色々知ってるけど、種類多すぎない?」

 

「えー……流石に正確な数までは分かんないけど……

 少なくとも100個は超えてるんじゃない?

 戦隊みたいなシリーズ物が全部揃ってるとしたら、だけど」

 

 イリヤは自分の持つ指輪を見下ろしながら、ふうと息を吐く。

 

 現在の所持数は、

 蓮子&メリーとイリヤがそれぞれ4つ。

 美遊が6つ。

 鈴夜が4つ。

 合計18個。

 

 全部集めるとしたら、まだまだ道のりは長い。

 

――さらに言えば、まだイリヤたちが面識のない、もう一人の守護者。

 その人物も、指輪を集めているはずだ。

 

 鈴夜曰く、『今のところ一番所持数が多い』らしい。

 

 凛の話では、その守護者本人が素性を明かすことを避けており、

 詳しい情報を知っているのは、時計塔の一部の魔術師だけだという。

 

「(どんな人なんだろ……最後の一人って)」

 

 胸に右手を当て、目を閉じて考えるイリヤ。

 

「(……でも、近いうちに守護者が五人揃う。

 そんな気がするんだ……)」

 

「……」

 

 美遊は無表情のまま、そんなイリヤの横顔を静かに見つめていた。

 

*****

 

 一方、その数時間後――夜。

 

「フヒヒャ……」

 

 首都・東京、某所。

 とある施設の地下駐車場。

 

 不気味な笑い声と、セミを踏み潰すような重い足音が響いていた。

 

 音の正体は、赤いカブトムシを思わせる人型の存在。

 

 侵蝕世怪人(ワールドロイド)『ゼクター世怪(ワイルド)』。

 どこからともなく現れたそれは、地上へ向かって歩いている。

 

「キヒ……フヒャヒャ……」

 

「歪な色が見えると思ったら……新しい侵蝕世怪人?」

 

「キィィ……!!!?」

 

 ゼクター世怪の前に立ちはだかったのは、仮面ライダーガッチャード。

 芸術家少女『アルテ・クリープ』が変身する、パラレルファイターだ。

 

 ガッチャード(アルテ)を睨みつけるゼクター世怪。

 よく見れば、落ち着きなく足を揺らしている。

 邪魔されたことが、相当気に入らないらしい。

 

「そんな態度の怪人、初めて見たんだけど……ちょっと引くなぁ」

 

 呆れつつも、放置するわけにはいかない。

 

 ガッチャード(アルテ)は即座にガッチャージガンを構える。

 

「まあいいや。先手必勝だよ」

 

 引き金を引くと、カード状のエネルギー弾が放たれた。

 

「キイイイィィ……!!!」

 

 ――次の瞬間。

 

 ゼクター世怪の姿が、視界から忽然と消えた。

 

「消えた……? いや、違う」

 

 ガッチャード(アルテ)は冷静に、わずかに体を仰け反らせる。

 

 直後、『ビュン』という風切り音。

 別方向から、ゼクター世怪が突進してきていた。

 

 だが、すでに体勢をずらしていたことで、その攻撃は空を切る。

 

「ギ? ギイイイイイイ!!」

 

 避けられるとは思っていなかったのか、ゼクター世怪は明らかに動揺する。

 それでもすぐに姿を消し――いや、超高速で周囲を走り回り始めた。

 

「あー、やっぱそのタイプか。

 でもさ……言っとくけど、ぼくにその戦法は通用しないよ」

 

 死角からの高速攻撃。

 しかしガッチャード(アルテ)は、わずかに体を傾けるだけで、それらを次々と回避していく。

 

「ギギイイイイイイ!!

 サッキカラ、軽々トォォォ!!」

 

 完全に翻弄され、ゼクター世怪は苛立ちを隠さない。

 

 スポーツカーにも追いつける速度。

 それでも、ほとんど動かずに避けられる――

 それが、何より屈辱だった。

 

 

 

 何故そうなっているのか――その理由を説明する前に、前提として語っておく必要がある。

 

 アルテ・クリープという人間は、生まれつき他者とは異なる特殊な『色』が見えていた。

 それは人や物体、さらにはエネルギーの流れにまで宿るもので、彼女にとっては世界そのものの“輪郭”を形作るものだ。

 

 そして、その『色』は動きに反応する。

 高速で移動したものほど、ほんの一瞬だけだが――残像として色が滲むのだ。

 

 つまり。

 

 ガッチャード(アルテ)は、ゼクター世怪が動いた“痕跡”を色として捉え、

 そこから次の動きを先読みしていた――というわけである。

 

「……ふっ!」

 

 十数回に及ぶ回避の末。

 ガッチャード(アルテ)は、弓剣型の武器『ガッチャートルネード』を装備した。

 

 再び高速で迫ってくるゼクター世怪。

 その進路を読み切り、すれ違いざまに腹部へと一閃を叩き込む。

 

「ギャッ!!?」

 

 悲鳴と共に、ゼクター世怪は勢い余って転倒する。

 腹部を押さえながらも、すぐに立ち上がったのは流石と言うべきか。

 

「キ……貴様アアアアア!!!」

 

 完全に逆上した様子で叫び、ゼクター世怪は右腕を変形させる。

 斧のような形状へと変わったそれは、明らかに殺意を込めたものだった。

 

 ――とはいえ。

 

 やっていることは、結局同じ。

 ただ高速で突っ込んでくるだけだ。

 

「えー……学習能力、なさすぎない……?」

 

 呆れたように呟きながらも、ガッチャード(アルテ)は油断しない。

 巨大化した右腕の斬撃を、ガッチャートルネードでいなしつつ、最小限の動きで回避していく。

 

「ヒヒヒ!!!

 思イ知レエエエエエエエエエエ!!!」

 

 意味不明な雄叫びと共に、ゼクター世怪は再び一直線に突撃してきた。

 

【It's morphin' time!】

 

――その瞬間だった。

 

 ゼクター世怪の腹部に、突如として衝撃が走る。

 

「ギッ!?……ッア――ギャッ!!?」

 

 理由も分からぬまま、ゼクター世怪は前のめりに転倒した。

 

 困惑しながらもすぐに立ち上がり、高速移動を再開――

 だが、数秒もしないうちに、再び何かにぶつかったかのように倒れ込む。

 

「(……へぇ)」

 

 一方ガッチャード(アルテ)は、一瞬何が起きたのか理解できなかった。

 だがすぐに、その視界に“別の色”が映り込んでいることに気づく。

 

 それは、これまで見てきたどの色とも違う――鋭く、鮮烈な赤。

 

「ギギ……ナニガ……ッ!!?」

 

 ゼクター世怪もようやく、自分の背後に“何か”がいることに気づいた。

 

【『ゴーバスターズ』!!!】

 

 チーターを思わせるマスクを装着した、赤い戦隊ヒーロー。

 特命戦隊ゴーバスターズ――その『レッドバスター』だった。

 

「オマエカ――」

 

 怒号と共に、ゼクター世怪は斧状の右腕を振り下ろす。

 

 だが、当たる寸前――

 レッドバスターの姿は視界から消えた。

 

 否。

 それは“消えた”のではない。超加速による回避だ。

 

 レッドバスターはゼクター世怪の周囲を円を描くように駆け回り、

 すれ違う度に、肘打ちを何度も叩き込んでいく。

 

 その動き、その残像。

 

 ガッチャード(アルテ)は、思わず目を奪われていた。

 

 こんな場所で変身ヒーローが現れる以上、指輪の力であるのは間違いない。

 ――だが。

 

 レッドバスターが装着しているベルトは、

 指輪の戦士特有の『ツメガバックル』ではない。

 ゴーバスターズ本来の装備だ。

 

 つまり、あれはパラレルファイターではない。

 

 では何者なのか。

 『傀儡』でもなければ、『本物』でもない。

 模造品にしては、“色”が違いすぎる。

 

 偽物の色は、通常なら灰色寄りで、明度も低い。

 しかし、あの赤は――明るく、鮮やかで、力強い。

 

【Transport!】

 

 思考の最中、レッドバスターはトランスポッドを使用し、『ソウガンブレード』を装備。

 そのままゼクター世怪へ斬りかかる。

 

「ギイイイイイイイイ!!」

 

 苛立ちを隠そうともせず、歯ぎしりを鳴らすゼクター世怪。

 体勢を立て直し、自身も高速移動で対抗する。

 

 互いに限界まで速度を上げ、激突。

 ガキン、ガキン、と金属音が地下駐車場に響き渡る。

 

 視界を覆う、赤と異質な色の奔流。

 

 さらにゼクター世怪は、右腕を短刀状に変形させ、

 ソウガンブレードの斬撃にも対応し始めた。

 

「ん……ああ、そろそろ五月蠅いな」

 

 拮抗し始めた戦い。

 だが、ゼクター世怪の「ナンデ倒セナインダヨ!!!」という

 ヒステリックな叫び声が、徐々にアルテの癪に障ってきた。

 

『キュアデコルとキラキラル』→『キュアホイップ』

『スイーツとスイーツパクト』

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

 レッドバスターの正体を考えるのをやめ、

 アルテはツメガバックルからクロスタルリングを一つ取り出す。

 

 右手のクロステライザーにはめ込み、軽く手拍子。

 続けて、生クリームを泡立てるように、空中に円を描いていく。

 

「キラキラキラルン・キラキラル……はっ!!」

 

【FINISH CHARGE『キラキラ☆プリキュアアラモード』!!!】

 

 剣先から、クリーム状のエネルギーが放たれる。

 横切ろうとしたゼクター世怪に、見事に直撃した。

 

「ギイイッ!!!?」

 

 ふわふわの生クリームが絡みつき、ゼクター世怪の動きを拘束する。

 振り払おうと暴れるほど、さらに粘りついていく。

 

「それじゃ、倒して指輪も回収――ん?」

 

 トドメを刺そうと近づいた、その瞬間。

 

「ギ……ア……エ……?」

 

 ゼクター世怪の身体が、斜めに真っ二つに切断された。

 

 ――背後から。

 抜刀の一閃。

 

 気づいた時には遅く、断末魔を上げる暇もなく爆散した。

 

「うお……」

 

 爆煙が晴れた後、変身を解除したアルテは、その方向を見る。

 

 そこに立っていたのは、スーツを着崩した一人の男。

 大きなラウンド眼鏡。赤橙色の右メカクレ髪。

 妙に中性的な顔立ちと体型。

 

 そして――

 右手人差し指には、オオカミのような仮面の指輪。

 

 ゼクター世怪へ変貌していたと思しき小太りの中年が、横に倒れている。

 男はそれを一瞥すると、足元に落ちた指輪――

 『仮面ライダーカブト』の指輪を拾い上げた。

 

「……途中から変な色が見えてたとは思ってたけど……

 それは流石に無いんじゃないの?」

 

 不機嫌そうに睨みつけるアルテに、男は呆れたように返す。

 

「夜中に、子供が一人で駐車場を歩いてる方が異常だろ」

 

 その時、中年が目を覚まし、男の姿を見るなり、

 

「ヒィィッ!!?」

 

 悲鳴を上げて逃げ去っていった。

 

「……何だったの、あのおっさん」

 

「ストーカーだよ。うちの子達の。

 前に警察に突き出したが……それでも懲りなかった結果が、さっきのアレなんだろうな」

 

 話を切り上げ、アルテは男を見る。

 その傍には、さっきまでいたレッドバスターが立っていた――が、

 アルテと目が合った瞬間、透けるように消えていった。

 

 アルテは、男の指輪に視線を落とす。

 

「さっきの斬撃は別の能力として……

 今のは、君の指輪の力?」

 

「……だったら何だ。

 それより、有名な芸術家少女が指輪持ちって方が驚きだがな」

 

「ああ、そう。

 まあいいや。今は戦う気ないし――君、迷ってるみたいだし」

 

 それ以上踏み込まず、アルテは歩き出す。

 

「じゃあね、凄腕プロデューサーさん。君も君で、あのお姉さんたちみたく不思議な色をしてるし……またいつか。」

 

 そう言い残して、その場を去った。

 

「……」

 

『迷っている』。

 

 その言葉に、男は大きく息を吐く。

 

 自覚はあった。

 この特別な『守護者の指輪』の力を、本格的に使う覚悟が――

 まだ、定まっていないことに。

 

 変身せずとも戦える。

 だが、この先それだけでは通じなくなることも分かっている。

 

 それでも。

 

 苛烈になっていく戦いに、

 大切な人たちと並んで立つ覚悟が――

 彼には、まだ足りていなかった。

 

 

*****

 

 数日後。

 冬木市、アニメショップ・マルチバース。

 

「おかいあげ、ありがとうございましたー」

 

 気だるげで、どこか投げやりにも聞こえる先輩(フラン)の接客ボイスが店内に響く。その裏で、メリーと蓮子は昼休憩中だった。

 

 テーブルの上には、少し前に発売された『魔改造カップメン』と銘打たれたカップラーメン。

 それぞれ別の味を選び、湯気を立てながら、にこやかに箸を進めている。

 

「んー……たまに食べるカップ麺って……どうしてこうも美味しいのかしら……

 身体の芯から温まるわ……」

 

「お湯を入れて、待って三分。それだけで美味しいラーメンが完成するんだもんねぇ……

 本当、よく考えられてるよ」

 

 そんな平和な空気を、やや低めの声が切り裂いた。

 

「急激に呑気になるね、お前ら」

 

「あ、店長」

 

 ゆっくりと近づいてきたのは、O.R.店長。

 やけに上機嫌そうな表情で、二人の向かいに腰を下ろす。

 

 ちょうどカップ麺を食べ終えたタイミングだったこともあり、蓮子とメリーは、その珍しい表情に首を傾げた。

 

「……店長、なんだか随分ご機嫌ですね。何かあったんですか?」

 

「フッフッフ……よくぞ聞いてくれた」

 

 勿体ぶるように笑い、O.R.は続ける。

 

「昨日も言ったと思うが、二人が来てくれてから、売り上げがじわじわ上がってきていてね。

 色々あったが、それでもキビキビ働いてくれているし……たまには、ということでだ」

 

 そう言いながら、紙切れを一枚――いや、数枚。

 チケットらしきものをテーブルに並べた。

 

 何だろうと覗き込んだ二人は、すぐに目を見開く。

 

「これ……アイドルイベントのチケット?」

 

「『346プロ』。

 あのシンデレラアイドル達のミニライブチケットだ。

 知り合いから貰ったんだが、どうにも予定が合わなくてね」

 

「おお、ありがとうございます!……あれ?」

 

 喜びながら数えてみると、チケットは一枚や二枚ではない。

 ざっと見て、五枚ほどある。

 

 不思議そうにする二人に、O.R.は肩をすくめた。

 

「バイト仲間や常連も誘ったらどうだ、って言われてな」

 

「なるほど……!」

 

 納得した蓮子とメリーは、ありがたくチケットを受け取る。

 二人とも、隠しきれないほど嬉しそうだった。

 

「まあ、当日は楽しんでくるといい。

 ……良き運命(出会い)を、大切にな」

 

 そう言って微笑んだO.R.の表情が、妙に意味深だったことに――

 この時の二人は、まだ気づいていなかった。

 

 

 




=登場人物・用語補足=

『ワレルヤの民』
出典:ドンキーコング バナンザ
地下世界に住んでいるという、鉱石の体を持つ謎生物。
砕けても瞬時に再生する。全身を粉々にされても平然と復活している。適当な瓦礫を投げつけるとくっついて、体の一部にするまである。


=クロスタルリングカセット=
『特命戦隊ゴーバスターズ』
イラスト:桜田ヒロム→レッドバスター
固定絵:モーフィンブレス
指輪能力:超加速
所有者:???

『キラキラ☆プリキュアアラモード』
イラスト:キュアデコルとキラキラル→キュアホイップ
固定絵:スイーツとスイーツパクト
所有者:アルテ・クリープ

『仮面ライダーカブト』
イラスト:カブト(マスクドフォーム)→カブト(ライダーフォーム)
固定絵:カブトゼクター
獲得者:???


侵蝕世怪人(ワールドロイド)・巨大戦力=
『ゼクター世怪(ワイルド)
使用指輪:仮面ライダーカブト
憑り付いた人物:悪質なストーカー男
侵蝕スキル:ハイスピードなビートルスキル



―――――

*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。

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