ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
ライブ終了後、次は撮影会。
イリヤたちのチケットでは、ドラマ主演となる文香とありすとのチェキ撮影が可能だ。
「…………」
会場を出てすぐ、列に並ぶ一行。
蓮子たちがルールを再確認している一方で――
美遊は、まるで別の意味で固まっていた。
「……美遊、すっかりアイドルにハマっちゃった?」
「えっ!?
い、いや、そういうわけじゃないけど……
思ってた以上に、すごかったっていうか……」
「それ、ハマってるって言うんだよ?」
「うっ……」
イリヤの指摘に、美遊はそっぽを向いて誤魔化す。
「ん……」
ふと視線を巡らせると、そこには同じく列に並ぶファンたちの姿があった。
「小梅ちゃんとの2ショット楽しみだなぁ。俺この時の為に今上映されてるホラー映画を全部見て回ったわ」
「どう言う方向性なん?いやまあそう言う俺だってウサミン星を見つけるために移民船団の艦長目指してんだけどなー!」
全身にグッズを身につけた者、独特な応援スタイルの者。
「コンピューターがはじき出した計算によりますと、ワシらの番は開始からおおよそ16分後ですじゃ」
「よしのんとの撮影が始まりましても一生懸命に!」
年配の男性や中年層。
「やっぱり一ノ瀬志希の出演するドラマだけは見逃せないでゲスなぁ。あの脳を痺れさせるような毒気がたまらんでゲス!」
「ドラマの放送はあと3週間後くらいだったな。少しだけでも推しが出演するとなると意外と嬉しいものは無いゾイ!」
独特な口調の女子高生たち。
その会話が、美遊の耳にも自然と入ってくる。
誰もが、撮影会を心待ちにしている。
「(……やっぱり、影響力があるんだ)」
イリヤたちだけではない。
これほど多くの人の心を掴んでいる――その事実に、美遊は改めて感心していた。
「間もなくチェキ会が始まります!
列が流れ次第、順番にご案内しますので、そのままお待ちください!」
スタッフの声と同時に、「待ってました!」という歓声が上がる。
列はゆっくりと動き始めた。
「お、始まったみたい」
「この感じだと……二十分以内には私たちの番ね」
自分たちの順番を見極めながら、
一行は期待を胸に、そのまま列を進んでいくのだった。
***
――そんな流れで、ざっくり十三分後。
前に並んでいたファンたちが、満足そうな表情で次々と会場を後にしていき、ついにイリヤたちの番が回ってきた。
「本日は、わざわざお越しくださりありがとうございます」
「皆さん、はじめまして……ですね。
撮影会、どうぞ楽しんでいってください」
落ち着いた受け答えをするありすと、少し緊張した様子の文香。
年齢以上に大人びた対応と、控えめながらも丁寧な態度が印象的だった。
「は、はじめまして……!
ええと……数か月前に知ってから、ずっと夢中でした!」
「間近で見ると……やっぱり二人とも可愛いですね!」
「お肌、すべすべそう……」
対するメリー、蓮子、そしてついでにリズの三人は、
目を輝かせ、腕を振り、テンションを隠そうともしていない。
「……いつもじゃ考えられない盛り上がりっぷりだなぁ、蓮子さんとメリーさん」
「な、なんか……年上がすみません……」
思わず美遊が恐縮すると、
「い、いえ……構いませんよ。
その……気持ちは、分かりますから」
ありすは落ち着いた微笑みを浮かべて返す。
一方の文香は、褒め言葉を真正面から受け止めてしまったのか、
耳まで赤くなって俯いていた。
「(橘ありすと、鷺沢文香……
調べた情報だと、数年前にこの二人がスカウトされてから、
346のアイドル事業が一気に加速した……
それで、その二人をスカウトした人物が……)」
そんな二人を見つめながら、美遊は再び考え込む。
先ほどよりは軽いものの、どこか引っかかるような表情だった。
「(この人たち……もしかして……)
……っと、文香さん。今ですよ」
「あう……っ、は、はい……
スタッフさん、撮影、お願いします……」
文香が慌てて我に返り、撮影準備に入る。
多少のドタバタはありつつも、気を取り直して撮影開始。
それぞれが指定された位置につき、スタッフの掛け声を待つ。
「それでは、撮りますよ!
3、2、1――」
カウントダウンと同時に、シャッターが切られた。
――その瞬間。
「あれ……?」
『ガチャン』という大きな金属音が鳴り、
次の瞬間、会場の照明がすべて落ちた。
突然の暗転に、会場内がざわめき、不安が一気に広がる。
「な、何だ!?
ブレーカーが落ちたのか!?」
「す、すぐ復旧を――どわっ!!?」
慌てて動き出したスタッフたちが、突然悲鳴を上げる。
人や壁に何かがぶつかる音。
さらに、鼻を突く異様な臭い――煙が立ちこめていた。
「な……何が起きて……」
直後、近くから女性の悲鳴が上がる。
「きゃああっ!!」
「……まさか……!!
あっちに……!!」
その声を聞いた瞬間、美遊が表情を変え、走り出した。
「え、ちょっ!?
急にどうしたの、美遊!?」
彼女の視線の先には、地下駐車場へと続く扉。
微かに開いたその隙間が、異常を物語っていた。
イリヤたちも即座に察し、迷わず後を追う。
「あ……あれ?
明かり、点いた……」
「……って、オイオイオイ!!
橘ありすちゃんと鷺沢文香ちゃんがいないんだけど!?」
数分後、会場の照明は復旧し、煙も消えた。
しかし、そこにあるはずの姿がなかった。
「……え?
あれ……皆、どこ行ったの?」
さらに言えば、イリヤたちの姿すら見当たらない。
その場に残されていたのは、
何かにぶつかって転倒していたリズ一人だけだった。
*****
「ゲホッ……ゲホッ……
ありすちゃん……だ、大丈夫ですか……」
「私は平気です……
でも、これは……」
薄暗い地下駐車場。
ありすと文香は、いつの間にかここへ連れて来られていた。
「フ……フフフ……」
二人の前に立つのは、
――さっきまで撮影を担当していたはずのスタッフ。
「ジキキ……ジキッ!!」
その周囲には、十数体のウォークロック。
二人を完全に包囲している。
「遂に……遂にやったぞ……
あとは、事前に頼んでおいた業者に――」
男がほくそ笑んだ、その瞬間。
「ガギャッ!?」
ウォークロックが次々と倒れていく。
「ちょっとちょっとちょっと!
すぐ見つけられてよかったけど、
なんで急に誘拐みたいな展開になってるの!?」
「しかも、あの人……
さっきのスタッフじゃない!!」
駆けつけた蓮子とメリーたち。
蓮子はメモリアライドシューターUを構え、
慌てふためくウォークロックを次々と撃ち抜いていく。
「……先程までのお客さん、ですよね……?
それに、その武器……ということは……」
「話は後です。
今のうちに、ここから離れましょう……!!」
ウォークロックの数が減った隙を突き、
ありすは文香の手を引いて走り出す。
「あっ……ちょ……
き、貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!!!
邪魔スルナアアアアアアアアアアアアア!!!!」
【
【『
男の右手にワイルドライザーが顕現する。
身体は歪み、不気味な金属音と共に変貌。
――
『コウシリョク世怪』。
「侵蝕世怪人……!?
じゃあ、話は早いよね……!!」
「早い段階で気づけて助かった……
【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】
【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】
【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】
クロステライザーと指輪を構え、
イリヤたちも次々と守護者へ
「中くらいの……散弾っ!!!」
「ゴゲッ!!?」
ウォークロックを薙ぎ払いながら、
一気にコウシリョク世怪へと迫る。
「邪魔!!邪魔!!
ロケットパンチダアアアアアアアカカアア!!!!」
右腕が射出され、
さらに腹部から大量のミサイルが放たれる。
苛立ちを剥き出しにした、単調だが物量任せの攻撃。
だが、メモリアたちは軽やかに回避し、撃ち落とし、走る。
「ギイイイイイイイイイイイイイイイイイ……!!!」
今度は刃を生やしたロケットパンチ。
「せいっ!」
問題なく回避。
「ナラバ……!!!
FAAAAAAAAAA!!!」
体内から黒煙が噴射され、
一瞬で視界が完全に遮られる。
「煙!?
なにこれ、全然見えない!!」
「これで二人を連れ出したってわけね……って、うわっ!?」
煙に紛れて、コウシリョク世怪が一直線に突撃。
吹き飛ばされながらも、すぐに体勢を立て直す。
「来イヤ来イヤ来イヤ来イヤ!!!」
指を突きつけると同時に、
「ジキキキキ……!」
ウォークロックが再出現。
さらに、暴走メダロット――
鳥型『デスフェニックス』、犬型『ブルースドッグ』、
一輪車型『ワンホイール』まで乱入してきた。
――毎度のことながら、相手は数で押してくる。
ウォークロックと暴走メダロットが一斉に迫り来る、その瞬間だった。
【『ビビットキャストガトリングU』!!!】
斜め横から、嵐のような銃弾が叩き込まれる。
直撃を受けたウォークロックたちは、
「アギャギャギャッ!!?」
悲鳴を上げながら次々と転倒していった。
「むふふ……狙い通り。今だ、あすみ!」
「御意でござるっ!!」
掛け声と同時に、今度は強烈な竜巻が巻き起こる。
暴走メダロットたちは抗う間もなく宙へ舞い上げられ――
「貰った!!」
「闇を照らせ!!」
四方八方から放たれたエネルギー弾が、空中の敵を正確に撃ち落とした。
「……今のは……」
メモリアたちは気づいていた。
最初の一斉射撃――あれが、明らかに自分たち以外の“守護者”によるものだと。
「どーもどーも。
いやぁ、大層なことになってるねぇ」
場違いなほど呑気な声。
姿を現したのは、守護者ビビット――佐鳥羽鈴夜だった。
「おお、いいところに来てくれたねぇ、鈴夜くん……」
「呼び捨てでいいって言ってるでしょ。
……ま、それはさておき」
メモリアが若干困惑する中、ビビットは前を向く。
撃ち倒したはずのウォークロックや暴走メダロットが、再び立ち上がり始めていた。
「って……!?
いくら急造とはいえ、私が計算を誤ったですって……!?」
「むむ……やはり耐久面も改造済みでござるか……」
そんな声が聞こえた。
「え……?
ちょっと待って、誰――って……!?」
振り向いた先にいたのは、見覚えのある二人。
イベント前に遭遇した、マントを羽織った眼鏡の少女と、忍者コスプレの少女だった。
それぞれの隣にはメダロット。
フクロウ型の『ミネルーヴァー』と、忍者モチーフの『ニンニンジャ』。
「さ、さっきのライオンの人と一緒にいたお姉さんたちだ……」
「ん?
ああ、顔見知りだったんだ。
いやぁ、色々と偶然が重なるねぇ……っと、今はそれどころじゃないか」
そんな会話を遮るように、怒声が響く。
「ナニモンダオ前ラァァァ!!!
エエイ、ヤレェェ!!!」
コウシリョク世怪が、苛立ちを隠さずこちらを睨みつける。
さらに邪魔が入ったことが、相当気に入らないらしい。
「直行ダアアアアアアアアカカアア!!」
ウォークロックと暴走メダロットに指示を出すと同時に、
自らは高速で飛行を開始し、一同の背後へと一直線に向かう。
「あの方向は……っ!!」
その先にいるのは――
避難したばかりの、文香とありす。
いち早く察したサファイアが、即座に追いかける。
「あっ、ま、また!?」
「ジリリリリ!!」
プリズマも続こうとしたが、
即座にウォークロックの足止め射撃が降り注いだ。
「っと……じゃあ、ここはアタシたちに任せてよ。
事情は後で説明するからさ」
ビビットが振り返り、軽く手を振る。
「ってなわけで。
闇センパイも、あすみちゃんも、一緒によろしく」
「指図しないでちょうだい……!!」
「まあまあ、闇様。落ち着くでござるよ。
というわけで、ここは拙者たちにお任せあれ!ニンニン!」
ウォークロックと暴走メダロットの群れに、
ビビットたちが正面から立ち向かっていく。
「どうせなら、最初から全力投入!
よろしく、エジソン先生!!」
その声に応えるように、
「良いだろう、任せよ!!」
白い獅子の頭を持つ大柄な男が、
レーザーやら何やらを放ちながら戦線に躍り出る。
「時計仕掛けの怪人兵士……
奇妙ではあるが、まずは一掃するのみ!!」
咆哮と共に、キャスターサーヴァントはウォークロックを蹴散らしていった。
「えっ……!?
次はさっきのライオンの人!?
っていうかこの流れ……サーヴァント!?しかも『エジソン』って――」
「と、とにかく!
今のうちに美遊を追わないと!!」
困惑するメモリアの腕を掴み、
プリズマはサファイアの後を追った。
***
「ハァ……ハァ……
と、とても長い距離を……走った気がします……」
「それに……外に出られそうな気配がありません。
この駐車場、最初からこんなに入り組んでいましたか……?
……って!!」
「追イツイタアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
文香とありすは、十分距離を取ったつもりだった。
しかし、コウシリョク世怪はあっという間に追いついてくる。
「すごい速度で……
とは言え……」
「はい。
さっきは不覚を取りましたけど……」
「ン?
何ヲ――マアイイヤ。
覚悟オオオオオオオオオオオ!!!!」
だが、二人に怯えた様子はなかった。
むしろ、しっかりと身構えている。
コウシリョク世怪が両手を大きく広げ、
二人を鷲掴みにしようと突進した――その瞬間。
「……ええいっ!!」
「エッ、ナニ――フェボッ!!?」
強烈な衝撃。
顔面に叩き込まれた一撃で、コウシリョク世怪は真っ直ぐ吹き飛ばされた。
「見つけ――……!?
って、えええっ!!?」
追いついたサファイアたちは、目を疑った。
文香とありすは、もはやアイドル衣装ではなかった。
文香は賢者を思わせる装い、ありすは料理人のような服装。
そして――
フライパンと辞書で、侵蝕世怪人を殴り飛ばした直後だった。
「咄嗟にやってみましたが……
意外と、上手くいくものですね……」
「これなら……
プロデューサーさんが来るまでの間くらいは、持ちこたえられます……!!」
「エ……!?
ナ、ナンダソレハ!?
イヤ、ソンナ話聞イテナイゾ!!?」
完全に想定外だったのか、
コウシリョク世怪は盛大に冷や汗を流す。
「……エエイ!
トニカク、ヤッテシマエ!!!」
「ジカカッ!!」
再びウォークロックを召喚。
「えいっ……!!」
「はっ……!!」
魔法弾が放たれ、
迫るウォークロックが次々と弾き飛ばされていく。
「ギッ……モウイイ!!!
コウナリャ、破壊シテヤル……」
痺れを切らしたコウシリョク世怪が再突撃――
しかしその直前。
「ン?
ナニコ――」
呪文めいた文字、
お菓子や人形が飛来し、正面から激突。
「ボアバラババァァァ!!?」
自分から突っ込んだ形になり、
地面に落ちて悶え始める。
「ゼェ……ゼェ……
マスター!ご無事ですか!?」
「ようやく見つけたわ……
って、ここ、こんなに迷路みたいだったかしら?」
高身長と低身長、
ゴスロリ風の服装をした二人の女性が現れた。
「え……?
いやいや、ちょっと待って!?
さっきから情報量が多すぎるんだけど!?
どちら様がどちら様で――えええええ!?」
完全に混乱するプリズマたち。
だが、サファイアだけは違った。
即座に背後を察知し――
「……伏せて!!」
「うぇっ!?」
二人を引き倒すように、地面へ伏せさせる。
直後、鋭い“線”が頭上を横切り、
コウシリョク世怪の身体を貫いた。
「エ……?
ハ……???」
さらにもう一発。
エネルギー状の矢が、再び胴体を貫通する。
「グ……ソコカアアアアアアアアアアアアアア!!」
満身創痍の状態で、
ジェットエンジンのような推進音と共に突進。
「……遅いな」
守護者たちの背後。
スーツをやや着崩した眼鏡の男が立っていた。
手首に展開されていた弓状のエネルギーを畳み、
剣へと変形させ――
「アッ」
放たれたビームが、
コウシリョク世怪の頭部を貫く。
身体は耐えきれず、ついに爆散した。
「……ったく。
大胆なのか、用意周到なのか分からねぇ手段取りだな……
下手すりゃ、危なかったぞ」
男は倒れ伏したスタッフだったものを一瞥し、
地面に転がる『マジンガーZ』の指輪を拾い上げる。
「まあ……
最終的に防げたんだから、どっちでもいいか」
その右手の人差し指には、
狼の仮面を模った指輪。
「そ、それ……守護者の……?
……って、え?美遊……?」
変身を解いた男を見つめ、
美遊は明らかに表情を険しくする。
「蓮子……
あの人、パンフレットで見た……」
「うん……間違いない……
あの人は……」
蓮子とメリーが互いの顔を見て、あることに気づく。すると、美遊が、静かに口を開いた。
「『
346プロのアイドル課を大成させた、凄腕のプロデューサー……
そして――」
彼女の両手が、強く握り締められる。
「十年前から346プロで起き続けている……
“異変”の渦中に、関わり続けている人物……」
=クロスタルリングカセット=
『マジンガーZ』
イラスト:光子力研究所→兜甲児
固定絵:マジンガーZ
獲得者:(???改め)奏海
=
『コウシリョク
使用指輪:マジンガーZ
憑り付いた人物:スタッフに成りすました男
侵蝕スキル:魔人的武装展開スキル
―――――
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。