ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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レッツ、モーフィン!夢見るST@Rの導き手 04

 

 

「プロデューサーさん……!」

 

「文香、ありす……無事で何よりだ」

 

 『茅森奏海』と呼ばれた眼鏡の男のもとへ、文香とありすが駆け寄る。

 自分たちの姿を見て、心から安堵した様子の二人を前に、奏海もまた、ふっと表情を緩めた。

 

(なお、ありすは彼の発言と表情に対して、照れ隠し気味に「……橘です」と小さく訂正していた)

 

「一時はどうなるかと思ったけど……まあ、あれくらいなら何とかなるわよね」

 

「とは言え……不意を突かれた時は、さすがに少し焦りましたが……」

 

 そう言いながら近づいてきたのは、ゴスロリ調の服に身を包んだ二人の女性。

 奏海は深く息を吐き、

 

「今回は……色々と助けられたな」

 

 そう言って、きちんと頭を下げた。

 二人もまた、無事な文香とありすの姿を見て、ほっとした様子を見せている。

 

「あ……がは……」

 

 その足元で、情けない声を漏らす人物が一人。

 

「ところで……この人は?」

 

「ああ……確か、前にロケに割り込もうとしたアホRyutuber*1だな。

 志希たちの時の……」

 

 倒れ伏している偽スタッフの男を見下ろし、奏海は呆れたように言う。

 そのまま淡々と、流れ作業のように男をロープで縛り上げていった。

 

「……とりあえず、早いところイベントに戻らないとな。

 そろそろ、客たちの記憶処置が機能し始める頃だろうし。

 ナーサリー、式部さん、手回しの方を――」

 

「……待って」

 

 携帯を取り出しかけた奏海を止めたのは、美遊だった。

 

「……」

 

 彼女は、鋭い視線で奏海を睨みつけている。

 イベント前からずっと険しかったその表情――理由は、346プロにあった。

 

「お前は……ああ、なるほど」

 

 奏海もまた、美遊の右人差し指の指輪、そして背後に控える三人の少女を見て、状況を察した。

 

「み、美遊……?」

 

 不安そうに首を傾げるイリヤを一瞥しつつ、美遊は一歩前に出る。

 

「美城プロダクション……

 あなたたちの会社を調べていたら、妙な噂がいくつも出てきた」

 

 静かに、しかし迷いなく言葉を重ねていく。

 

「アイドルたちが戦っているという話。

 独特な姿をした生き物の目撃情報。

 経歴不明で個性的なスタッフが複数いること。

 身の回りで妙な出来事が起き続けているという証言。

 モラルの無い人間がちょっかいを出しては、逮捕されているという話……」

 

 一度、息を置く。

 

「……そして、茅森奏海。

 あなた自身に関する噂。

 それが、三年ほど前から絶えない」

 

「えっ……ちょっと待って、どういう事!?」

 

 イリヤが思わず声を上げる。

 美遊は、数日前に346プロを調べた際、これらの噂の存在を知った。

 そこから彼女は、ずっと警戒していたのだ。

 

 接触する機会もなく、確かめようもなかった。

 ――だが、今は違う。

 

 守護者として変身した奏海を目の当たりにし、

 この場で問い質す以外の選択肢はなかった。

 

「さっきの変身……

 アイドルたちに、戦闘能力がある事は確信した」

 

 淡々と告げる。

 

「それに……横にいるゴスロリ服の人、二人。

 やっぱりサーヴァントよね?

 多分、どちらもキャスタークラス」

 

 その場にいる奏海と美遊を除く全員が、息を呑む。

 驚き、困惑、動揺――それぞれの感情が露わになっていた。

 

「会話から察するに……

 その二体は、鷺沢文香と橘ありす、それぞれと契約している。

 噂通りなら、他にもサーヴァントがいるはず……

 しかも、その大半がアイドルと契約している」

 

 視線を逸らさず、続ける。

 

「……それを、スタッフとして雇用している。

 あなたが彼女たちをプロデュースし始めた頃から、さっき言った噂が出回っていた。

 侵蝕世怪人を倒した攻撃の話。

 逮捕者が出たとか、そういう話も……」

 

 そして、はっきりと告げる。

 

「……これ以上、噂そのものを追及するつもりはない。

 でも、ここまで目の当たりにしてしまうと――」

 

 美遊の声が、少しだけ強くなる。

 

「346プロ……

 一体、何を企んでいるの?」

 

 ――その瞬間。

 

 鋭い“線”が、美遊のすぐ横を通過した。

 直後、コンクリートの柱が音を立てて貫通される。

 

「……サーヴァントについて、どこまで知ってるかは知らんが」

 

 低い声。

 

「お前……相当、訳ありだな。

 だが――」

 

 奏海の左腕には、上下にエネルギー状の刃。

 弓を構え、既に矢を放った後だった。

 

「……俺の大事な人たちを、悪く言うようなのは――

 許容できねぇな」

 

 笑みは、なかった。

 

「あ……」

 

 その速度、威力、そして圧。

 美遊は、本能的な恐怖を覚えていた。

 

「……なんてな」

 

「え……?」

 

 だが次の瞬間、奏海は肩をすくめた。

 

「ガ……ギ……」

 

 突如、柱の影から現れたウォークロック。

 腹部を貫かれ、そのまま爆散する。

 

 どうやら、隠れていた存在を既に見抜いていたらしい。

 

「えっ!?

 なんでそんな所にまたウォークロック!?

 (by(美遊の発言にキャパオーバーしてた)イリヤ」

 

「……お前、とっくに分かってるんだろ?」

 

 奏海は静かに言う。

 

「その推測が、見当違いだって事」

 

「……それは……」

 

 美遊は俯いた。

 彼の言う通りだった。

 

 346プロに、無視できない“何か”があるのは確か。

 だが――私欲や邪念が無いことも、もう分かっていた。

 

 アイドルたちの姿。

 スタッフの本気のサポート。

 そこに嘘はなかった。

 

「……最後に一つだけ、聞かせて」

 

 顔を上げ、美遊は言う。

 

「346プロのアイドルたち……もっと言えば事務所の人達は……

 あなたたちの身の回りで起きている事を、理解しているの?」

 

 奏海は、少しだけ間を置いてから答えた。

 

「……大体はな。

 異変の事も、サーヴァントの事も……

 指輪の事だって、ほとんどは知ってる」

 

 そして、穏やかに言う。

 

「その上で、文香もありすも……

 皆、アイドルを続けてる」

 

 そう言い残し、奏海は文香とありすを連れて歩き出す。

 ゴスロリ服のサーヴァント二人と共に、会場へ戻っていった。

 

「……こんな形で、衝撃の事実を知る事になるなんて……」

 

 一方、黙って話を聞いていた蓮子とメリー。

 (そしてキャパオーバーしたイリヤの介抱をしていた)

 

 二人は、過去にその噂を耳にした記憶があった。

 だが、アイドルに夢中になる内に、すっかり忘れていたのだ。

 

「敏腕プロデューサー、茅森奏海……

 あの人が、最後の守護者って事なのよね……」

 

「指輪もしてたし……確実ね。

 それで、さっきのゴスロリの人たちが……」

 

「背の高い方は、源氏物語の著者『紫式部』。

 文香ちゃんの契約サーヴァント。

 小さい方は……ありすちゃんと契約してる『ナーサリー・ライム』。

 おとぎ話の具現化らしいよ。詳しくは知らないけど」

 

 そう言いながら、鈴夜が合流する。

 妙にニヤニヤしている彼を見て、

 蓮子は「最初から様子見してたな」と察した。

 

「あ……鈴夜さん。

 それで……ええと……」

 

 ようやく正気に戻ったイリヤは、

 鈴夜たちと、その隣にいるメダロッター少女二人、

 そしてライオン頭の男を見て、完全に混乱する。

 

 すると、眼鏡の少女が口を開いた。

 

「むふふ……ようやく名乗らせてもらおう。

 我は『漆黒の闇』……電脳世界を統べるウィザードマ――」

 

「拙者、『鳴子あすみ』でござる!

 使い魔という体で、闇様の助手をしている身でござる!」

 

 名乗りを遮られ、即座に怒鳴り声が飛ぶのはお約束だった。

 

「片方は、鈴夜くんが前に言ってたハッカーの子よね。

 で……」

 

 メリーは、ライオン頭の男――『エジソン』を見る。

 

「む?

 ああ、そういう事か。

 困惑する必要は無い」

 

 男は胸を張る。

 

「訳あって獅子の頭を持った姿だが、

 私は発明王トーマス・アルバ・エジソン!

 佐鳥羽鈴夜のサーヴァントだ!

 クラスはキャスターである!」

 

 堂々と言い切られたので、全員とりあえず納得した。

 

「……ちなみに、普段は

恵治森(えじもり)智亮(とますけ)』として、フジヨシで教師をしている。

 その辺も含めて、よろしく頼む(byエジソン)」

 

 

……それはそれとして。

メリーは、先ほどから引っかかっていた疑問を、鈴夜に向けて口にした。

 

「……ところでさ。

 あなた達、なんでここにいるの?

 明らかに、急いで駆け付けたって感じでもなかったけど」

 

「え? ああ、それね」

 

 鈴夜は軽く手を振りながら、気の抜けた調子で答える。

 

「元々アタシ達も、このイベント目当てで来てたんだよ。

 前に言いそびれてたけどさ、ツクモちゃんのバイト先って、346プロなの」

 

「346プロで!? ……って、ああ、なるほど」

 

 メリーはすぐに納得したように頷く。

 

「フジヨシ情報処理高校も、346プロも東京都内だものね。

 事務スタッフのバイトとして働いてても、確かにおかしくないか」

 

「そゆこと。

 で、そのツテでチケットを無理言って用意してもらったってワケ」

 

 さらっと言ってのける鈴夜に、メリーは感心半分、呆れ半分の表情。

 

「ちなみに、勤務してるサーヴァントの事も、そこ経由で知ってたよ。

 ……ナーサリーと紫式部の事は、元から知ってたけどね」

 

 そう説明されて、ようやく話が一本に繋がった――のだが。

 

 イリヤは、そこで別の疑問が湧き上がってきた。

 

「ね、ねぇ……

 さっきの美遊の話もそうなんだけど……

 今、346プロって何が起きてるの?」

 

 縛り付けられ、床に転がされた偽スタッフの男をちらりと見やりながら、続ける。

 

「その人もそうだし……

 なんていうか、事件の規模が大きすぎない……?」

 

「ん?」

 

 鈴夜は一瞬考え込み、頬に手を当てる。

 

「……まあ、奏海さんの意思を尊重して、今まで黙ってたけど。

 この状況なら、教えても良さそうかな」

 

 そう前置きしてから、彼女は静かに語り始めた。

 

***

 

「……」

 

 一方その頃。

 会場へ戻るため、廊下を歩く奏海たち。

 

 ナーサリーと紫式部を先に行かせた後、

 奏海の思考は、先ほど対峙した美遊たちへと向いていた。

 

(……小学生、か)

 

 守護者の内、二人が小学生。

 その事実は、以前から鈴夜に聞かされていた。

 

 だが、実際に目の当たりにすると――

 どうしても、胸の奥がざわつく。

 

 入社して約三年。

 自分がスカウトしたアイドルたちを中心に、次々と発生する奇妙な異変。

 突然発現した、魔法少女めいた戦闘能力。

 サーヴァントとの契約。

 

 だからこそ――

 なるべく彼女たちを巻き込みたくなかった。

 

 自分一人で、あるいは仲間や知り合いのサーヴァントと共に戦い、

 できる限り前線に立ち続けてきた。

 

 半年前、守護者の力を得てからも同じだ。

 その力は、少女たちの力を借りてこそ真価を発揮するらしい。

 だからこの半年間、変身(エンゲージ)を極力避けてきた。

 

 ――だが。

 

「……本当に、二人とも子供でしたよね。

 それも、ありすちゃんより年下の」

 

「ああ……」

 

「……でも、強いと思います。

 あの二人も……その場にいた、もう一人……大学生の二人も」

 

「……だな」

 

 文香とありすの言葉に、奏海は小さく息を吐く。

 

 美遊と、もう一人――イリヤ。

 その戦う姿を思い返しながら、

 自分自身の考えが、少しずつ揺らいでいくのを感じていた。

 

(自分より遥かに年下の子たちは、覚悟を決めているのに……

 俺は、何を躊躇してるんだろうな……)

 

 ならば――

 自分も、彼女たちに倣うべきなのではないか。

 

 そう思った時、迷いはほとんど消えていた。

 

「……なあ、文香。ありす」

 

 足を止め、背を向けたまま問いかける。

 

「会長曰く、10年前から346プロの周りで妙な事が起きてるらしい。

 正直、細かい所は俺もまだ知らん」

 

 一拍置いて、続ける。

 

「……それでも、俺たちは今まで、何とかやってこれた。

 今更だけどよ……」

 

 少しだけ、声が揺れる。

 

「これからも、何かあった時――

 何があろうと、付き合ってくれるか?

 その分、全力で守る。

 一緒に……進みたい」

 

 振り返り、二人の表情を確かめる。

 

「……もちろんです!」

 

「……本当に、今更ですね」

 

 文香は真っ直ぐに。

 ありすは呆れ半分で、しかし確かに頷いた。

 

「……はは。

 案外、肝が据わってて助かるよ」

 

「この世界で生きていれば……

 それくらい、自然と身につきますよ」

 

 安心したように苦笑する奏海を見て、二人も微笑んだ。

 

「それで……という事は、Pさんもこれからは、あの子たちと……」

 

「ああ……まあ、そうだな」

 

 一瞬だけ視線を逸らし、

 

「……でも、その前に。

 終わらせておく事がある」

 

*****

 

 ――そして、深夜。

 

 イベントが無事に終わり、

 アイドルたちが宿泊する駅近のホテル。

 

「があああっ……くそっ!」

 

 静まり返った廊下に、白髪の男の怒声が響いた。

 

 なぜ、ここまで上手くいかない。

 10年もの潜入工作――本来なら、数か月で乗っ取れていたはずだった。

 

 だが、悉く妨害され、阻止され、失敗。

 妙な組織の支援で得た猶予も、すでに尽きかけている。

 

(……だが、引くわけにはいかない)

 

 我が社の目的のためには、

 346プロの買収は必須なのだ。

 

「くそが……

 古臭い芸能事務所だと思ってたのに……」

 

 白髪の男は、震える手でスイッチを握りしめる。

 

「……だが、今回は確実だ。

 昼間から仕込んだ爆弾……

 あとは、このボタンを――」

 

「爆弾って……これか?」

 

 背後から、冷たい声。

 

 エネルギーの刃が、喉元に突きつけられる。

 

 振り返ると、

 そこには、怒りを隠そうともしていない奏海の姿。

 

 床に置かれた段ボール。

 中身を見せつけられ、男は息を呑む。

 

「ヒッ……え?」

 

 中には、解体された爆弾の残骸――

 七十個分。

 

「……な、なんで……?」

 

 混乱する男を、奏海は冷たく見下ろす。

 

「こういうのを見つけるのは、得意でね。

 機材改ざん、データ操作、今日の件……

 全部、防いだ」

 

 刃を突きつけたまま、低く告げる。

 

「会長が言ってた。

 10年前から続いてるってな。

 犯人は古参だと思ってたが……」

 

 奏海の目が、怒りに燃える。

 

「……ようやくだ」

 

 白髪の男をじっと睨んでいる。男が今の今まで起こしていた行動に対し、奏海はこれでもかとキレていた。もっとも、それは至極当然のことだ。

 

 

*****

 

 

『企業スパイ!?』

 

 少し時を戻し、

 鈴夜の話を聞いていたイリヤたち四人。

 

 そこで明かされたのが、

 346プロに潜伏していた企業スパイの存在だった。

 

『そう。

 10年前から、ちょくちょく妨害工作が起きてたんだって

 奏海さんが入社する前は、会長が全部防いでたけど……

 最近、どんどん過激になってきた』

 

『それって……

 さっき美遊が言ってた、逮捕者の話とか……?』

 

『うん。

 最初はデータ改ざんや機材細工だけだったのが、

 詐欺未遂、窃盗未遂、誘拐未遂、殺人未遂……

 

 偽スタッフを雇って、色々やらかしてたってワケ。

 まあ、全部未然に防げたけどね』

 

『……それだけ聞くと、

 あのプロデューサーも、大分化け物じゃない?』

 

 

*****

 

 

「ジカカカカカ!!」

 

「それでスタンバってたら、

 クレイジークロックとまで手を組んでるとか……

 どういう了見なのかしらね!?」

 

 ――現在。

 

 深夜のホテル周辺。

 突如現れたウォークロックとの交戦。

 

 闇とあすみが避難誘導。

 美遊が(ルヴィアから借りた)プロテクターを起動。

 クロステライザーで薙ぎ払っていく。

 

 なお、戦いを重ねた事で、

 四人はまだ変身(エンゲージ)していない状態でも、

 多少は戦えるようになっていた。

 

 

 

「くそっ! くそっ!!!

 くそそそそそそそそおっ!!!!」

 

 夜の静けさを引き裂くような、情けない叫び声。

 白髪の男は、もはや体裁など気にする余裕もなく、必死に逃げ回っていた。

 

「な、なんだよ……あのガキども!?

 いつからホテルに――」

 

 外へ飛び出した、その瞬間。

 

「――おぶっ!?」

 

 背後から、容赦なく吹き飛ばされる。

 

「逃がすわけないだろうが」

 

 気づいた時には、目の前に奏海が立っていた。

 謎の超スピード――逃げ切れるはずもない距離で。

 

 想定外の連続。

 そして何より、今まで見たことのないほど本気で怒っている奏海の姿に、

 白髪の男はただ怯えることしかできなかった。

 

「今までのツケを、全部払ってもらうぞ。

 ……特に、文香たちを危険に晒した件はな」

 

「ま……まだだ……!

 まだ終わっちゃいない……!」

 

 後ずさりしながら、震える手でスマートフォンを取り出す。

 

「こうなったら社長に――!」

 

 通話をかけるが。

 

『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』

 

「……は?」

 

 思考が追いつかない。

 もう一度、慌ててかけ直そうとした、その時。

 

 

「もう、お前の会社は――無いぞ」

 

 背後から響く低い声。それは、奏海のものではない。

 どこか聞き覚えのある――しかし、恐ろしく冷たい響きに、白髪の男の体が硬直した。

 

「二時間前に……潰したからな」

 

「な……へぶっ!!!?」

 

 

 突如として、白髪の男の姿がフッと消えたかと思うと――気づけば、休憩スペースのソファに座らされている。しかも、その首は、棒人間のような姿の男に掴まれていた。

 

「346プロの状況を調べるために、こいつの企業を利用し続けていたが……ここまでカスなのは完ッッッッ全に誤算だわ。お陰で指輪もまあまあ取り返されたし、さて、どうしてくれようか」

 

「あ……あれって……!!!」

 

 イリヤたちは、その棒人間に見覚えがあった。以前(第5話にて)冬木市の裏山で、ロボロボ団と一緒にいた男だ。

 

 棒人間の男は、ため息をつきながらもイリヤたちに視線を向ける。

 

「……いつかこうなるとは思っていたが、ついに守護者が全員揃ったか。ならば、こちらも名乗るのが礼儀というものだろう」

 

「……私は『ドクター・エビテン』。クレイジークロックの技術開発担当だ。以後、お見知りおきを」

 

 一旦白髪の男を抱え上げたまま、棒人間は丁寧に自己紹介した。

 

『技術開発担当』――すなわち、侵蝕世怪人やウォークロックの設計・制作を行う人物である。序盤から現れたこの危険人物に、一同は自然と身構えた。

 

「別に警戒しすぎることはないさ。むしろ、この馬鹿の極みを片付けるチャンスだと思ってもらいたい……いや、これは冗談だな」

 

 やけにフランクな口調で言いながら、エビテンは赤いクロステライザー、正確にはワイルドライザーを取り出す。

 

 その手に、首を絞められて気絶した白髪男を支えるウォークロックたちを従え、クロスタルリングを1つはめ込む。

 

『マイトウイングに乗る旋風寺舞人とガイン』→『マイトガイン』

『ロコモライザー』

 

侵蝕生成(ワイルドクラフト)

 

「最後くらい、もう少し役に立て」

 

 指輪をはめたワイルドライザーの剣先を、白髪男に突き刺す。苦悶の表情を浮かべ、男は立ち上がる――そして、変貌を始めた。

 

「が……アアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

【『繝槭う繝医ぎ繧、繝ウ(マイトガイン)』!!!】

 

 モザイク状のエネルギーが男を覆い、列車のような鎧をまとった怪人『センプウ世怪』へと変貌する。煙を噴射し、怪人は暴れ始めた。

 

「無理やり変えたなら、早く倒さないと……!!」

 

 強制変貌での出現。蓮子とメリーが融合を挟み、4名はクロステライザーを構える。

 

変身(エンゲージ)!!」

 

【CLAP YOUR HANDS!!!】

 

【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】

【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】

【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】

【WONDERFUL THE ARCHIVE:GUARDIAN『ビビット』!!!】

 

 守護者たちが指輪をはめ込み、変身完了。ウォークロックも加勢し、戦闘が一気に激化する。

 

「今回はこの辺で戻るとしよう。深く干渉するのはまた今度――」

 

「おおっと、そうはいかない!!」

 

 エビテンはそのまま撤退しようとしたが、ビビットが高速移動で迫り、マシンガンで攻撃を仕掛ける。

 

「まあ……そう来るだろうな」

 

 予想通りの反応に、エビテンは細身の体をしなやかに動かして弾丸を避ける。その瞬間――

 

『ドクター・エビテン!!我ら激奏コンビ、加勢に参りました!!!』

『我らのコンビネーションで、守護者共を蹂躙して差し上げましょう!!!』

 

 突如、ホテル外から地響き。ソウクレイザーが2体、同時に出現。コックピット内から、ギターとキーボードの音が響く。

 

「……カラクとエフガか。瑠璃川ダイヤの依頼通りだな。感謝する」

 

 地響きでビビットがよろめくのを確認し、チャンスと見たエビテンは横に走る。上級ウォークロックを察知し、受付スペースの時計を介してワープ。撤退してしまった。

 

「逃げられたか……まあ、仕方ない! アタシが相手だ!!」

 

 

【出陣!クロステラカイザー伝説】

【新たな力を手にした伝説の巨人が、呼び声に応える】

 

【アウェイキング!!】

 

 ノベルを付け替え、ビビットがクロステラカイザーを呼び出す。鈴夜は神官のようなバトルドレスを纏い、指輪を介してクロステライザーと合体。『アーティスト・ハイスクール』のノベルは猫型に、『ビビットキャストマシンガンU』は両腕パーツとして合体する。

 

【『クロステラカイザービビット』!!!】

 

「よーし、かるーく捻っちゃおう!!」

 

 ホテル外で、クロステラカイザービビットが顕現。

 コックピット内の鈴夜は操作に興奮気味で、初陣を楽しむ様子も見せている。

 

『いざ、クレイジークロックの勝利のため!!!』

『我々の激奏ビートをとくと見よ!!!』

 

 カラクの『ソウクレイザー・ツクモビワン』、エフガの『ソウクレイザー・ツクモコトハシ』との戦闘が始まった。

 

 

 

*1
本作におけるYoutuberの事。元ネタは魔神創造伝ワタル







=登場人物・用語補足=

『†漆黒の闇†』
出典:メダロット ガールズミッション
フジヨシ情報処理高校に通うメダロッターの少女。中二病な言動を取るが、その実ハッカー集団『ナイトオウル』のリーダを務めるウィザード級スーパーハッカーでもある。
学校にあるスーパーコンピューターを無断使用してありとあらゆる情報を得ることが出来る。なお鳴子あすみの正体には全く気付いてない。
使用メダロットはフクロウ型の『ミネルーヴァー』。本作では佐鳥羽鈴夜と協力している模様。

『鳴子あすみ』
出典:メダロット ガールズミッション
同じくフジヨシ情報処理高校の生徒のメダロッター少女。忍者コスプレをして忍者になりきっている女子高生……と言う設定で漆黒の闇に接触した、本物の忍者一族の頭領。ガールズミッション本編のストーリー関係で、上記の設定で現在高校生活を送り漆黒の闇のハッキング技術を利用してる。
使用メダロットは『ニンニンジャ』。本作では闇が鈴夜と手を組んでる関係上、鈴夜とも協力関係ではあるが細かい事は現状不明。

『トーマス・エジソン』
出典:Fateシリーズ
電球を始め様々な発明を造り上げた『トーマス・エジソン』。何故か獅子の頭を持った姿になっているが、(FGOとは違う展開で)ワケあってこんな姿になっている様子。
佐鳥羽鈴夜のサーヴァントでもあり、どうやらフジヨシ情報処理高校の教師として働いている模様。



―――――

*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。


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