ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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求める芸術(アルテ)、彩るインスピレーション 02

 

 

 

 一方その頃、√BACK-DOORSにて。

 

「ふう……文香さん、特訓につきあってもらってありがとうございました」

 

「メタ!」

 

「いえ、こちらこそ……改めて、色々なものが掴めた気がします」

 

「ゴル……!」

 

 ありすと文香が、ちょうどポケモンバトルを終えたところだった。

 

 互いに全力を出し切ったのだろう。二人はそれぞれのパートナーポケモンと共に、満足そうな表情で練習場を後にする。

 

「お疲れさん。いい勝負だったな」

 

 観戦していた奏海たちも歩み寄り、奏海は親指を立ててみせた。

 

「2人とも、凄かった……」

 

「ポケモンバトルって、やっぱり奥が深いですね!」

 

 白熱した戦いを目の当たりにし、小梅とアナスタシアも興奮が冷めやらない様子だった。

 

「……あ、Pさん。2人が来ましたよ」

 

 菜々がふと気づいて、背後を指さす。

 

「たっだいまー!」

 

「マスター、皆さん。ただいま戻りました」

 

 マタラ・ド・ラ・ゲートの扉から姿を現したのは二人組だった。

 

 一人はドレスとうさ耳のような装飾を身につけた小柄な少女。もう一人は、襟と丈の長いトレンチコートを着た白髪の青年である。

 

「この2人は……見たところ、サーヴァントのようですわね」

 

 ルヴィアたちがそう判断した直後、青年が一歩前に出る。

 

「……貴方達が、奏海さんの言っていた魔術師たちですか。初めまして。僕はアサシン『シャルル=アンリ・サンソン』です。生前は処刑人でしたが、今は346で事務の仕事に就いています」

 

「ボクは右に同じく『アストルフォ』! 普段ならライダーだけど、なんと今回まさかのセイバーでの召喚! よろしくー!」

 

 二人は明るく、そして自然に名乗った。

 

「フランス革命時、マリー・アントワネットの処刑を担当したシャルル=アンリ・サンソン……そして、イングランド王子であり、シャルルマーニュ十二勇士の一人アストルフォ……ですか。あれ、アストルフォは王子だから男性のはずでは……」

 

「大方、鈴夜や茅森さんと同じ女装ですわよ」

 

「ああ、そういう事ですか」

 

 桜は納得したように頷く。その様子を見て、奏海が補足。

 

「ああ、サンソンは小梅と契約してて、アストルフォのマスターは菜々さんだ」

 

「な、なんでナナの事だけさん付けなんですか!? ……ま、まあ、色々あってそんな感じです、はい……」

 

 場が和んだところで、奏海は本題に戻った。

 

「……まあそんなわけなんだが、頼んでた事はどうだ?」

 

「一応、すぐに調べてもらっています。元々有名な子のようですし、特定は早いはずです。少ししたらこちらに向かうと――」

 

 サンソンがそう答えかけた、その時。

 

「それなら、もう済んだよ」

 

 いつの間にか背後に立っていたのは、鈴夜と漆黒の闇だった。

 

 突然の登場に奏海以外は驚くが、当の奏海は落ち着いたまま口を開く。

 

「それなら話が早い。約束してたメダロットパーツはすぐ渡すから、まず資料を見せてもらえるか?」

 

「ぬふふ……そっちも話が早くて助かるわ。特別に、すぐ見せてあげようじゃない」

 

 漆黒の闇はそう言うと、手際よくコンピューターを操作し始めた。

 

「Pさん、何を頼んだんですか?」

 

 ありすが不思議そうに尋ねる。

 

「ああ、この前、またパラレルファイターに出会ってな。そいつの挙動が、どうにも気になってさ……」

 

「それで闇さんに頼んで、調べてもらった……という事ですか」

 

「そういう事さ。んで……」

 

 文香たちが察する中、

 

「私の魔法(ハッキング能力)にかかれば、これくらい容易いものだけど……」

 

「まあ、なかなか興味深い内容だよ。ほら、早く見せないと、闇センパイ」

 

「あんたが急かさなくていいのよ……!」

 

 そんなやり取りの末、漆黒の闇は入手した資料を一同に提示した。

 

「あれ、この子……」

 

 学生証、履歴書、賞状、顔写真。それらを見て、凛は見覚えがあることに気づく。

 

「知ってるんですか? 姉さん」

 

「ええ。アンタ達と美遊が割り込んできた時に、その前に蓮子たちが戦ったパラレルファイターの子よ。『アルテ・クリープ』っていう、有名な芸術家の」

 

「道理で守護者の事を知ってたわけだな……ん?」

 

 さらに資料を読み進め、ある点に気づく。

 

「なあ……こいつが通ってるっていう『穂群原学園』って、確か……」

 

*****

 

 場所は戻り、イリヤたち。チャイムが鳴り、10分休憩の後は体育の授業だ。男子が空き教室へ移動したのを確認し、着替えの準備を始めたその時。

 

「あ、あれっ!?」

 

 イリヤは体操着を探してナップザックに手を伸ばすが、肝心のそれが見当たらない。

 

 そこでようやく、家に忘れてきた事を思い出した。

 

「あ、いたわ。イリヤちゃん!」

 

 どうしようかと焦ったその瞬間、聞き覚えのある声がした。

 

 扉がゆっくり開き、姿を現したのは蓮子とメリーだった。事情を説明し、事務員に案内されてここまで来たようだ。

 

「えっ、蓮子とメリー!? な、なんでここに……って、ああっ!!」

 

 困惑しつつも、蓮子が持っているナップザックを見て事情を理解する。

 

「はいこれ、セラさんから。何とか間に合って良かったわ……」

 

「あ、ありがとう……」

 

 イリヤは少し照れながら、ナップザックを受け取った。

 

 突然現れた見知らぬ二人に、クラスはざわつき始める。

 

「だ、誰あのお姉さんたち!?」

 

「もしかして、噂で聞いてたイリヤの家の居候2人組……!」

 

「あ、あの2人がイリヤちゃんが言ってた……(by美々」

 

 当然の反応だろう。

 

「フッ……プールが俺を呼んでるぜ……」

 

 一方、全く空気を読まない一名もいた。

 

「ねえ、あの子、なんで一人だけスク水着てるの」

 

「いつの間に着替えたの……」

 

「た、龍子ちゃんは元々ああというか……」

 

「ギリギリだったから押しかけちゃったけど、後は早く着替えといて。それじゃあ、私たちはこれで……」

 

 ともあれ、忘れ物を届ける目的は果たした。そう言って帰ろうとした、その時。

 

「せっかく来たんだから、もうちょっと楽しんだら?」

 

「いやいや、小学校でそんなノリ聞かな――ちょっと待って」

 

 その声に、蓮子とメリーは振り向く。

 

「え、ええっ……!?」

 

 イリヤたちの視界に映ったのは、一人の少女。赤みのある瞳に、緑を基調とした髪色。やや胸のある体型。

 

 そして絵具やペンキで汚れた、ぶかぶかの白いアトリエコートの下に着ているのは、穂群原学園初等部の制服。

 

「……久しぶりだねぇ」

 

 ニヤニヤと笑い、右人差し指にはめた指輪を見せるその少女。彼女は以前戦った指輪の戦士、『仮面ライダーガッチャード』。『アルテ・クリープ』だった。

 

「あ……アルテ・クリープ……なんでここに……!?」

 

 警戒する蓮子とメリーを前に、アルテは楽しそうに続ける。

 

「別にちゃんづけでもいいけどさ。それにしても……まさかお姉さんたちがこの学校の子の家に居候してるとはね。ぼくも運がいい」

 

「……いつかまた出くわす気はしてたけど、なんでこの学校に……?」

 

「イリヤ、あの子って……?」

 

「美遊が来る直前に出会ったパラレルファイターで……」

 

 イリヤは美遊に、小声で説明を始める。

 

 その間にも、教室は一気に騒然となった。

 

「お、何だ何だ!? 因縁の対決ってやつか!?」

 

 真っ先に声を上げたのは龍子だった。状況を面白がるように、身を乗り出してアルテとイリヤたちを交互に見る。

 

「っつーか、急に出てきたあの子……まさか、有名な画家の……?」

 

 雀花らクラスメイトの何人かがは驚きを隠せず、周囲のクラスメイトと小声でざわめき合う。

 

「……説明する前に、えい」

 

 そんな空気を意に介さず、アルテは軽い調子でそう言った。

 

 そして、ポケットから月のようなキャラクターが描かれたカードを取り出す。

 

【ネミネムーン!】

 

 カードから飛び出した月のキャラクターは、ふわりと宙を舞い、教室を抜けて校内へと広がっていく。

 

「あ、あれ……何……何か、眠く……」

 

 最初に異変に気づいた生徒が、戸惑った声を漏らす。

 

「ええ!? み、みんな!?」

 

 次の瞬間、光を浴びた生徒たちは次々と意識を失い、その場に崩れ落ちていった。

 

 教室内で起きているのは、アルテを除けば蓮子とメリー、そしてイリヤと美遊だけだった。

 

「それじゃあ……部外者も眠ったし。最初の質問は、これだね」

 

 そう言って、アルテは制服のポケットから一枚のカードを取り出した。それは、学生証だった。

 

「これって……この学校の学生証……!?しかも隣のクラス!?」

 

 イリヤは思わず声を上げる。学年もクラスも、イリヤたちとほとんど変わらない。

 

「元から、この学園の生徒だったんだよ。仕事でいなかったり、正体を隠してただけ。だから、今になるまで誰も知らなかった……ただそれだけ」

 

 そう言いながら、彼女は今度は別のものを取り出す。クロスタルリングだ。

 

『彩井高校の風見犬』→『山口如月』

『カンバスに描かれた素猫』

 

「ちょっ……何をするつもりなの!?」

 

 メリーが一歩前に出て、鋭く問いかける。

 

「決着をつけたいだけだよ」

 

 アルテは楽しげに笑い、指輪を見つめた。

 

「ぼくにも願いがある。だからそのために――不思議な色をした君たちを倒す。二人で一人の君ら……蓮子とメリー。それに、イリヤと美遊だとか。細かい事は置いておいて……少しくらいカオスになっても、文句ないでしょ?」

 

 アルテはクロステライザーを構え――

 

【『GA 芸術科』!!!】

 

 指輪をはめ、トリガーを引いた瞬間。

 

 校舎全体が、何かカラフルな物体に包み込まれた。

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

「な、何事……って……!?」

 

 最初に声を上げたのは蓮子だった。目を開いた瞬間、視界に飛び込んできたのは、学園の教室ではない。

 

 巨大な絵画、彫刻、抽象的なオブジェの数々。

 

 それらが無秩序に並び、まるでコンクリートの森のように空間を埋め尽くしている。美術品で構成された、異様な世界。

 

 気づけば、四人はそこにいた。

 

「……転送、された?」

 

 メリーが周囲を見回し、小さく息を呑む。

 

 そして、その空間の中心。何事もなかったかのように立っているのが、アルテだった。

 

「へぇ……こういう感じになるんだ」

 

 本人も少し意外そうに、アルテは周囲を見渡している。

 

「……決着をつけるってことよね?」

 

 蓮子は一歩前に出て、険しい表情で問いかけた。

 

「んまあ、そうだね。」

 

 アルテは軽く肩を揺らし、気楽な口調で続ける。

 

「こういうのは、ちゃちゃっと済ませるべきじゃん?あんまり先延ばしにすると、横取りされるもんだし」

 

 そう言いながら、右人差し指にはめていた『仮面ライダーガッチャード』のクロスタルリングを外した。

 

『ケミー(レスラーG、スケボース、ライデンジ)』→『ガッチャード』

『ホッパー1とスチームライナー』

 

へーんしん(エンゲージ)っと」

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

 クロステライザーに指輪をはめ込み、リズムに合わせてクラップ。

 

【ガッチャーンコ!】【スチームホッパー!】

【『ガッチャード』!!!】

 

 光と装甲が重なり合い、アルテの姿は瞬く間に変化する。

 

 こうして、パラレルファイター『仮面ライダーガッチャード』に変身した。

 

「……じゃあ勝負しようよ。お姉さん達さぁ」

 

 仮面越しでも分かるほど、楽しげな笑みを浮かべて。

 

「え、ええと……じゃ、じゃあ――」

 

 イリヤが戸惑いながらも変身しようとした、その時。

 

「待って」

 

 蓮子とメリーが、同時に前へ出てイリヤと美遊を制した。

 

「今の言い方……本命は私達ってことでしょ?」

 

「……それなら、私達で決着をつける」

 

 蓮子は右人差し指にはめた守護者の指輪を外す。

 次の瞬間、蓮子とメリーの姿が重なり合い、ひとつに溶けた。

 

変身(エンゲージ)!!!」

 

【CLAP YOUR HANDS!!!】

 

【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】

 

 クロステライザーに指輪をはめ、クラップ。

 

 こうして守護者『メモリア』が姿を現す。

 

「フフ……その言葉を待ってた♪」

 

 ガッチャード(アルテ)は、ガッチャートルネードを構え、間髪入れずに突進した。

 

「なら……!!」

 

 メモリアはクロステライザーを振るい、その一撃を正面から受け止める。

 剣と剣が激突し、甲高い金属音が空間に響いた。

 

「っ……!!」

 

 反動で、互いに距離を取る。

 

合成(ミックス)……!!!」

 

 ガッチャード(アルテ)は、背後にそびえる絵画に目を向け、カードを二枚取り出す。

 

【ワープテラ!】

【ブリザンモス!】

 

 プテラノドンとマンモスの絵がカードへと吸い込まれ、投げ放たれた瞬間。ワープホールが展開し、メモリアを囲むように配置される。次いで、巨大な氷塊が次々と射出された。

 

「なら……!!」

 

【『メモリアライドシューターU』!!!】

 

 ノベルを押し込み、バイク型の銃を顕現。放たれた二発のタイヤ型エネルギー弾が回転しながら氷塊を粉砕する。

 

「じゃあ次は……!!」

 

【『GA 芸術科』!!!】

 

 空間を作っている指輪の力が、空間そのものを再構築する。ガッチャード(アルテ)の背後に無数の鉛筆が現れ、扉を描く。

 

 開いた瞬間、デフォルメされた素猫の大群が溢れ出し、メモリアへと殺到した。

 

「(か、可愛い……!?いやそれより、数が多すぎる……!)」

 

『チェッカーフラッグ』→『ゴーオンレッド』

『炎神スピードル』

 

 メモリアは即座にクロスタルリングを取り出す。

 

再変身(エンゲージ)!!」

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

【『ゴーオンジャー』!!!】

 

 ゴーオンレッドへと再変身し、素猫の群れを高速でかわしていく。

 

「ロードサーベル!!」

 

 跳躍し、大剣を振り下ろす。

 

【エクスガッチャリバー!】

 

「……ふっ!!!」

 

 しかsガッチャード(アルテ)も剣を装備し、その一撃を受け止めた。

 

「更に……!!」

 

【カリュードスストラッシュ!】

 

 カードと斧の絵を融合させ、エクスガッチャリバーにセット。

 

 放たれた一撃が、ゴーオンレッド(メモリア)を大きく吹き飛ばす。

 

【カマンティス!】

【サーベライガー!】

【アッパレブシドー!】

【ヨアケルベロスストラッシュ!】

 

「……せいっ!」

 

 追撃の斬撃が次々と放たれ、メモリアに直撃。空間が激しく爆ぜた。

 

「さて……おっ」

 

 身構えていたガッチャード(アルテ)が、上空を見上げる。

 

 そこには、ライドシューターUをバイク形態に変形させ、突撃してくるメモリアの姿。

 

「いいね、それ……!!!」

 

【メカニッカニ!】

 

 即座にカードを展開。現れた巨大なカニバサミが、バイクを掴み突進を止める。

 

「フフ……お姉さんたち、やっぱり面白いね……!!」

 

「そっちこそっ!!!」

 

 ガッチャード(アルテ)はガッチャージガンを、メモリアはライドシューターを構え、同時に発砲。

 

 銃弾同士が空中で撃ち落とされ、相殺されていく。

 

「そうだよ……その感覚!!見たことのない色の中でも、きらきら輝いて、なのに、この世のものとは思えない不思議なカラーリング……!!!」

 

 歓喜に満ちた声で、アルテは叫ぶ。

 

「もっと見せてよ……!そのきらめき……輝くインスピレーションを、編み出してみせてよ……!!!」

 

「……どうして、そこまで……?」

 

 その様子を見守るイリヤ達は、戸惑いを隠せなかった。仮面越しでも分かる。アルテは今、心から楽しそうだった。

 

 前の時、彼女自身が語っていた。有名な芸術家になってからの退屈。そして、指輪によって得た刺激。

 

 だがそうだとしてもだ。なぜ、ここまでインスピレーションを求めるのかなぜ、そこまで蓮子とメリーに執着するのか。

 

 アルテ・クリープの願いは何なのか。この時のイリヤには、まだ分からなかった。

 

「……っ、何か来る……!!!」

 

「……えっ!?」

 

 美遊が、はっと顔を上げる。

 

「FAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

 

 直後、空間に亀裂が走った。そこから現れたのは、無機質な兵隊の姿をした侵蝕世怪人『ソルジャー世怪』。

 

「ジキキキ!!!」

 

 さらに、時計の絵を経由して、ウォークロックの軍勢も姿を現す。

 

「わ、侵蝕世怪人(ワールドロイド)……!?み、美遊……行くよ!!」

 

「分かってる……!!」

 

【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】

 

【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】

 

 イリヤと美遊も、それぞれ守護者へと変身。メモリアとガッチャード(アルテ)の戦いを邪魔させまいと、ウォークロック達へと向かっていった。

 

 

*****

 

 

 一方その頃。穂群原学園の正門付近。

 

「ちょっ……どうなってるの、コレ……」

 

 最初に言葉を失ったのは凛だった。

 

 学園に到着した凛たちの目の前には、妙な光景が広がっている。巨大な球場のドームにも似た、半透明の球体だ。

 

 神秘的な色合いをした絵具のようなエネルギーが、校舎や校庭どころか学園全体を包み込んでいた。

 

「この感じ……ああ、指輪の力か……」

 

 それを観察する鈴夜がそう呟く。

 

「ということは……アルテ・クリープとやらの仕業、という可能性が高いですわね?」

 

「そういうこと……になりますよね」

 

 ルヴィアの言葉に桜も同意しつつ、困ったように結界を見上げる。

 

「でも、どうやって中に……」

 

「いや、よく見てみろ。」

 

 そう言い出したのは、奏海だ。

 

 彼が指さした方向には、蜘蛛の巣状の『ひび割れ』が走っていた。

 

「ひび割れ……?」

 

「何かが、無理矢理あの中に入り込んだ痕跡ね……」

 

「あれ壊せばいいってわけだけど、何かアテがあるの?」

 

「まあな。ちょっとやってみたいことがあるんだ。」

 

 鈴夜がそう尋ねると、奏海はニヤリと笑い、クロスタルリングを一つ取り出す。

 

『コンドルとナス』→『ポポ』

『氷山』

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

「こじ開けさせてもらう……!!!」

 

 クロステライザーに指輪をはめ込み、力強くクラップ。

 

【FINISH CHARGE『アイスクライマー』!!!】

 

 すると、アイスクライマーの『ポポ』の幻影が顕現する。

 

 幻影は巨大な木づちを振り上げ、地面へと叩きつけた。

 

 

 






=クロスタルリングカセット=
『アイスクライマー』
イラスト:コンドルとナス→ポポ
固定絵:氷山
指輪能力:氷塊(氷山)の生成
所有者:奏海

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