ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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蓮子「インスピレーションを求めて、私達を狙ってきたアルテ・クリープ。戦いの末、私達は彼女を倒した。


それでも、彼女は願いを叶えた。アルテちゃん……貴方の指輪は、しっかり預かるから。


私達も、私達の記憶を取り戻すために、これからも戦う。貴方の絵も、楽しみにしてるから。


……そんな中で、突然現れた新たな侵蝕世怪人と、それを吹っ飛ばした巨大なロボット。一体どう言う事……?」






第8話:集結クロスオーバー!果て無き守護者のスピリッツ!
集結クロスオーバー!果て無き守護者のスピリッツ! 01


 

 

「キ・サ・マアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 ダレダアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 突如として現れた侵蝕世怪人『ロータス世怪』。

 その身体を、さらに突如として吹き飛ばした巨大ロボ――『ダイボウケン』。

 

 邪魔をされた怒りで、ロータス世怪は全身を震わせる。

 次の瞬間、音を置き去りにする速度で、ダイボウケンへと突進した。

 

「……はっ!!」

 

「ギャッ……!?」

 

 コックピット内で操縦桿を握る『ボウケンレッド』は、一瞬で判断する。

 ツルハシ状の武装をスコップ形態へと変形。

 跳び上がってきたロータス世怪を、まるでハエ叩きのように横薙ぎに叩き落とした。

 

 地面に激突する衝撃音が、校庭を揺らす。

 

「グウウウウッ……ヤムヲエナイッ……」

 

 明らかに大ダメージ。

 さすがのロータス世怪も、分が悪いと悟ったのか――

 

 次の瞬間、音速を超える速さで、その場から離脱した。

 

 黒い残像だけを残し、姿は消える。

 

「に、逃げた……」

 

 あまりに急展開すぎて、蓮子たちは呆然と立ち尽くす。

 

「って、アレ……!!」

 

 メリーが空を指差す。

 

 そこにいたのは、ダイボウケンの上に立つ『ボウケンレッド』の姿だった。

 

「あれが……話に聞く守護者、という事か……」

 

 ボウケンレッドは静かに変身を解く。

 

 現れたのは、がっしりとした体格の白髪の男。

 どこか無骨で、しかし正義と人情に満ちた雰囲気を纏っている。

 

 男は蓮子たちを一瞥する。

 何かを確認するような視線――だが、言葉は発さない。

 

 そして、再びダイボウケンに乗り込むと、そのまま静かに姿を消していった。

 

「……な、何だったの……?」

 

 突然の救援、突然の撤退。

 

「……って、それより!」

 

 蓮子はすぐに我に返り、ぐったりと眠るイリヤへと視線を向ける。

 

 今は、彼女の方が優先だ。

 

 

*****

 

 

「37.2度……風邪ではないようですが、熱がありますね。」

 

 場所はアインツベルン邸。

 

 あの一件の後。

 蓮子やメリーたちが運んでくれたらしく、イリヤは丸一日近く眠り続けていた。

 

 目を覚ましたのを確認し、セラが体温計を確認している。

 

「……授業中に何があったのかは分かりませんが、とにかく今はゆっくり休んでください。この様子なら、少しすれば熱も下がるはずですので。」

 

「はーい……」

 

 素直に返事はするものの、イリヤの内心はやや不満だ。

 

(風邪じゃないのに……)

 

 とはいえ、早退した以上、文句も言えない。

 しかも明日は祝日。まだ救いがある方だと、自分を納得させる。

 

 セラが部屋を出ていき、静寂が戻る。

 

「はぁ……」

 

 ベッドに横になる――が。

 

 ぐっすり眠る、というわけにはいかなかった。

 

「ああああ暇ああああああああ!!

 何にもする事が無いって、意外とすっごいキツイィ!!

 スマホもリビングだから見放題も見れないしいいいいいい!!」

 

 熱はすぐに引いた。

 元々風邪ではなかったので、体調自体はほぼ回復している。

 

 だからこそ――暇。

 

 安静にしていろと言われた以上、勝手にリビングへ行くわけにもいかない。

 √BACK-DOORSに行く道も何故か、今は鈴夜に制限されて入れない。

 

 蓮子とメリーはバイト中。

 結果――完全孤立。

 

「はぁ……退屈って、人をダメにするんだね……ん……?」

 

 ぼやきながら視線をさまよわせた時、勉強机の上に見慣れない箱があることに気付く。

 

「これって……?」

 

 箱を手に取り、開ける。

 

 中に入っていたのは、見覚えのある携帯端末のような装置――

 『クロスタルプロテクター』だった。

 

「プロテクター……? どうしてここに……?」

 

 その横には、封筒が置かれている。

 

 開封し、手紙を読む。

 

『茅森奏海がエルメロイII世に頼んで、予備のクロスタルプロテクターを製造してもらったから、もしもの時に使いなさい。電話機能とかあるから、気になる人に電話でもしたら? 凛より』

 

「……電話機能……?」

 

 イリヤは、改めてプロテクターを見つめる。

 

 “もしもの時”。

 

 その言葉が、少しだけ胸に引っかかった。

 

 そして同時に――

 “気になる人に電話でもしたら?”

 

「……誰に、だろ。」

 

 ぽつりと呟きながら、イリヤはプロテクターを手に取った。

 

「……今頃、何してるかな――」

 

 

*****

 

 

「……たしかに、それはちょっとしんぱい。」

 

「ジュカ……」

 

 その頃――アニメショップ・マルチバース。

 

 昼休憩中の店内バックヤード。

 蓮子とメリーがコンビニ弁当を広げているところへ、同じく休憩に入ったフランとジュカインがやって来た。

 

 どこか浮かない表情の二人を見て、フランが首をかしげる。

 

「どうしたの?」

 

 そう問われ、蓮子とメリーは、イリヤが寝込んでしまったことを簡単に説明した。

 

 話を聞き終えたジュカインが、短く唸る。

 

「ジュカ……」

 

 蓮子は、箸を止めたまま思考を巡らせる。

 

(……あの時、私達がアルテちゃんと戦ってた間、イリヤちゃん達の方はかなり危ない状況だった……)

 

 メリーも同じことを考えていた。

 

(色々邪魔が入ったとはいえ……それに気づかなかったのは、まずかったかしらね……)

 

 二人は小さくため息をつく。

 

 幸い、イリヤたちに命の危険はなかった。

 それは本当に安堵している。

 

 けれど――

 

 自分達の知らないところで、何が起きていたのか。

 なぜイリヤはあそこまでぐったりしていたのか。

 

 その部分が、どうしても引っかかる。

 

 当事者である美遊は多くを語らない。

 鈴夜も「少し気になることがある」とだけ言って、今日は電話にも出ない。

 

 情報が、足りない。

 

「……まあ、あんまりきにしないほうがいいよ?」

 

 思考の渦に沈みかけたところで、フランが口を開く。

 

「おまえら、しっかりしろー。」

 

 そして、表情をあまり変えないまま、しかし目だけはじっと二人を睨む。

 

「……それに、これいじょうきんむちゅうにそんなかおになるなら、またてんちょうにいいつけて、おきゅうりょうへらすよ?」

 

 声色は軽い。

 だが内容は、まったく軽くない。

 

「おまえらさ、さいきんびみょーにばいと、すっぽかしてるよね?

 あいんつべるんのほうからじじょうはきいてるし、あるていどはおおめにみるよ?」

 

 そこまではいい。

 

「でもそれはそれとして、ちょいちょいあいまにどっかいってるの、ばれてるの。」

 

「あっ……;」

 

「ハイッ……;」

 

 二人は即座に背筋を伸ばした。

 

 図星である。

 

「おまえら、このごろなにがあるのかはしらないけど。

 じじょうがどうであれ、ぜんかあるのに、そこまでおちこみっぱなしにされても、ね?わかれ。」

 

 フランの言葉は、叱責というより釘刺しだった。

 

 記憶喪失という、複雑な事情があることは知っている。

 それでも、仕事は仕事。

 

「……スミマセン;;」

 

「ジュカ……」

 

 ジュカインも、やや呆れ顔で腕を組んでいる。

 

 そうして昼休憩は終了。

 

 今日は比較的客足が少ないため、二人は店内清掃に回ることになった。

 

 モップを動かしながら、蓮子がぽつりと呟く。

 

「……こういう事になりがちなのも、反省すべきよね……」

 

「その通りよねぇ……」

 

 さっきのフランの視線を思い出し、苦笑い。

 

 実際のところ。

 

 クロスタルリングなど、超常的な要素を巡る騒動が起こるたびに、

 どうしても“偶然その場にいる”か、“途中で抜ける”かのどちらかになってしまう。

 

 巻き込まれるとはいえ、結果としてはシフト穴あけ予備軍。

 

 店側――特に実務を回しているフランからすれば、普通に迷惑。彼女は指輪の事は知らないだろうから、尚更だ。

 

 だから、ああ言われても仕方がない。

 

「……次は、もう少し上手く立ち回らないとね。」

 

「うん。せめて、連絡くらいはちゃんとしないと……」

 

 戦いと日常。

 

 どちらも手放す気はないのだから――

 両立する覚悟くらいは、持たなくてはならない。

 

 反省の念を抱きつつ、二人が黙々と床を磨いていると――

 

 店内のドアベルが鳴った。

 

「あっ、いらっしゃいませー、って……」

 

「よぉ」

 

 聞き覚えのある声。

 

 振り向けば、そこに立っていたのは奏海だった。

 

「中々随分な店で働いてんだな、お前ら。」

 

「か、奏海さんじゃないですか。どうしてここに?」

 

 東京の芸能事務所のプロデューサーが、地方のアニメショップに現れる。

 それだけでも違和感だが――

 

 今日は仕事用のスーツ姿ではない。

 私服のゴスロリワンピースという、相変わらずの女装スタイルである。

 

(プライベート……?でも、わざわざここに?)

 

 二人が首を傾げていると、

 

「んあ?……ああ、珍しいと思ってんのか。まあ、こいつらの頼みなんでね。」

 

 奏海は親指で背後を指した。

 

「先日ぶり……ですね。」

 

 前に出たのは文香。

 そしてその後ろには――

 

 ありす、菜々、小梅、アナスタシア。

 

 総勢五名。

 

「うおおお……文香ちゃんやありすちゃんだけじゃなく……み、346のアイドルが5人……!!」

 

 346プロのファンである蓮子とメリーの目が一瞬で輝く。

 

「おーまーえーらー?」

 

 低い声。

 

 裏口から、フランが無言の圧を放っていた。

 

「アッ;な、なんでもないです!!」

 

 二人は即座に営業モードへ戻る。

 

 一方、来店側。

 

「……このお店……意外とブラックなのでは?」

 

 ありすが小声で呟く。

 

「……いや、あの感じだとこの2人に非があるやつだ。大方異変解決のためにシフトに穴あけてたなこりゃ。」

 

 奏海が冷静に分析。

 

「ええ……本当にダメそうなやつじゃないですか……;」

 

 菜々が引き気味に頷く。

 

 そんな空気を断ち切るように、蓮子とメリーが営業スマイルで問いかける。

 

「え、ええと、何かお探しですか?」

 

 まず文香が一歩前へ。

 

「少し前に読んだ小説の限定の画集が、此処に売っていると、前にイリヤちゃんから聞きまして……」

 

 続いてありす。

 

「最近のアニメは奥が深いので、演出やグッズ展開の分析本があれば、と。……あと、あればイチゴのスイーツ特集とか……」

 

 菜々は胸を張る。

 

「ウサミン星への帰還ポータルを探すため、異星人の芸能人特集の本を探しに来ました!それに、最近話題のアニメの原作漫画も読んでおこうかと!」

 

 小梅は小さく手を挙げる。

 

「怖い作品、いっぱいあるって聞いて……発売禁止になったスプラッターとか、気になる……」

 

 アナスタシアは目を輝かせる。

 

「星や宇宙がテーマの特撮作品の話を聞きまして、折角だから探してみようと思いました!」

 

 要望の方向性が見事にバラバラである。

 

「ま、そんなわけだ。この店、意外とジャンル幅広いしな。どうせなら店員に聞いた方が早い。」

 

 奏海の言葉に、二人は顔を見合わせる。

 

「分かりました!」

 

 そして即座に売り場へ散った。

 

 ――その背中を見送りながら。

 

「……。」

 

 奏海の表情が変わる。

 

「……少し様子を見てみたが、妙だな……」

 

 低く呟く。

 

 アイドル達も、何かを感じ取っている様子で頷く。

 

「正直、何処か不思議な感じがします。厳密にはこの店というより……」

 

 文香が視線を巡らせる。

 

「あの人、上司さんなのかな?見覚えのある感覚……」

 

 小梅がそっとフランの方を見る。

 

 空気の奥に、微かに感じる違和感。

 

 その正体を探ろうとした――その瞬間。

 

「ここが、守護者達の拠点って事で良いのかぁ?」

 

 真後ろから、低く響く声。

 

 振り返る。

 

 そこに立っていたのは――

 

 がっしりとした体格。

 無骨だが、どこか真っ直ぐな気配を纏う白髪の男。

 

「お前は……」

 

 奏海が即座に警戒の色を見せる。

 

 男は一歩前に出る。

 

「俺は『尾張(おわり)長人(おさひと)』。ちょっと特殊な考古学に関わるおっさん……」

 

 そして、右手を上げる。

 

「及び、パラレルファイターの『ボウケンレッド』だ。」

 

 右人差し指にはめられたリング。

 

 それは、『轟轟戦隊ボウケンジャー』のクロスタルリング。

 

 店内の空気が、わずかに張り詰めた。

 

「……。」

 

 一方のフランは店の裏手におり、先ほどの会話を、聞こえないふりを装いながらもつぶさに聞き取っていた。

 

「……そろそろ、ことがおおきくなる……のかな……」

 

 そんな独り言を漏らしつつ、手元にある小道具らしき物品を、じっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 





02へ続く。







―――――

*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。



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