ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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イリヤ「美遊のメイド服につい変なスイッチが入っちゃった私だけど、そんな中で蓮子とメリー達が出会ったのは、パラレルファイターのボウケンレッド!


何か難しい事を色々知ってそうな人だったけど、大事な事を教える前に倒されて……


あの銃の武器の人……誰なの……?」





第9話:見つめる狩人シンフォニー
見つめる狩人シンフォニー 01


 

 

 尾張長人を倒し、ボウケンジャーの指輪を奪った謎の戦士。

 

「い、一体誰なの……!?」

 

 メモリアが問いかける。だが――

 

 戦士は振り向きもしない。

 

 無言のまま、吹き飛ばした長人の元へ歩み寄る。

 

「建造物を建てる能力……応用することで、墓場にあったダイボウケンを『建築物』という括りとして復元させたという事か……」

 

 淡々と分析する声。

 

 その戦士は地面に落ちていた『U時空考古学』の本を拾い上げる。

 内容を一瞥した後、迷いなく長人を担ぎ上げた。

 

「ユニークな方法だが……それで英雄の力を使うには、荒すぎる」

 

 その言葉には、軽蔑とも忠告とも取れる響きがあった。

 

「お、おい待ちやがれ!!マスターになにしようと――」

 

 長人のサーヴァントが剣を構え、斬りかかろうとする。

 

「……どいて」

 

 次の瞬間。

 

 ガントレット型の銃から地面へ何発か発砲。

 爆ぜた火花が、サーヴァントの動きを止める。

 

「っ――!?」

 

 そのまま戦士は、商店街の時計を経由して撤退した。

 

 残されたのは、静まり返った商店街と――

 

「……くそっ……!」

 

 撤退を許したサーヴァントの悔しげな声だけだった。

 

「今の……一体なに……?」

 

 プリズマが呆然と呟く。

 

 新たな敵。一体何者だと言うのか。

 

 疑問だけを残し、夜は静寂に包まれた。

 

 

*****

 

 

 翌日。

 

 クレイジークロック本部。

 

 地下研究施設とは別の、意外にも明るく整備された、繫華街を思わせるエリア。

 

「……ええ。順調そうで何よりです。引き続き、当面の間は裏方仕事をお願いします。……貴方には特に、此方も逆に世話になってばかりです」

 

 瑠璃川ダイヤはスマートフォン越しに通話を終える。

 

「邪魔するぞ」

 

 直線状の廊下の奥から現れたのは、ドクター・エビテン。

 

「おや……ドクター・エビテンじゃないですか。しかも……」

 

 その隣に立つ人物に、ダイヤは視線を向ける。

 

 右手を模したガントレット型銃武器。

 スタイリッシュでありながら重厚なパワータイプの装甲。

 マントを羽織った、狩人のような仮面の戦士。

 

 昨夜、尾張長人を一撃で沈めたあの存在。

 

「たった1日でもう完成してたんですねぇ、例のシステム……『狩人アイズ』。しかもその様子だと、その成果が早速発揮されたみたいですねぇ」

 

 ダイヤは興味深げに微笑む。

 

「……実際、かなり良い」

 

 そう答えたのは、その戦士。

 

「指輪の狩人として作られた、『狩人アイズ』のシステム……普段よりも体が軽い」

 

 彼女は銃武器から特殊な指輪を外す。

 装甲が解除され、素の姿へ戻る。

 『狩人アイズ』へ変身していたのは、コロモだった。

 

「お前の手回しのお陰で、データが集まったからな。そもそも素体が出来てたんだし、得たデータを弄って組み込めば容易い」

 

 エビテンは淡々と言う。

 

「ゴウドのやつにも、感謝しておかないとな。ボウケンレッドの指輪の契約者をおびき寄せる事が出来たんだし」

 

 彼の手には、ボロボロの腕章。

 

 懐中時計型のエンブレムが刻まれている――ゴウド・ケンジャーのものだ。

 ソウクレイザー爆散後、回収していたらしい。

 

「ドクター・ベノディアの命令から、コロモさんには何かと指輪回収の先陣を切って貰っていましたからね。前よりも遥かにパワーアップしているんでしょうね」

 

 ダイヤが言葉を続ける。

 

「……ところで、その契約者本人は?……まさか彼女たちのところへ?」

 

 エビテンは小さく息を吐いた。

 

「……まあ、そのまさかだよ。元々あの男は口封じがてらで連れて来てもらっただけ。U時空考古学の資料とボウケンジャー指輪を奪うのがこっちの目的だったから、それを知った瞬間勝手に引き取ってしまった」

 

 “彼女たち”一定の集団を指しているのは確かだが、エビテンの表情には嫌悪が混じっている。

 

「……なってしまった以上は仕方がありませんね。どの道、守護者側にも彼女らの事については把握する必要はありましたし、良い機会です」

 

 ダイヤも冷静に受け止める。

 

「それ故、私はこれからまた冬木市に向かう事にする。まだ試していない機能も多いし、丁度良いと言えば確かにそうだ」

 

 コロモはそう言い、手を開く。

 

 そこには――

 ボウケンジャーの指輪を含め、これまで回収してきたクロスタルリングの内一部が、少なくとも六つ以上。

 

 着実に、奪われている。

 

「……兄者、そろそろ」

 

「ああ」

 

 コロモとエビテンは踵を返す。

 

 再び、狩りへ向かう者の足取りで。

 

「……そろそろ、ですかね。ならばこちらも準備を進めなければ。ドクター・ベノディアに言われていた件もありますし……」

 

 残されたダイヤは、静かにタブレット端末を見つめた。

 

 画面には、五人の守護者の戦闘映像。

 

 そして変身者である、蓮子とメリー達の写真。

 

 時空の異変を解決する存在――守護者。

 

「守護者の内3人はともかく、問題は……」

 

 ダイヤの指先が、特定のデータを拡大する。写るのは、イリヤと美遊。

 

「これで挫けるようであれば……別の策も考えなければ、ですかね」

 

 その視線の奥にあるのは、期待か、それとも切り捨ての判断か。

 

 本部の中で少しずつ、何かが動き始めていた。

 

 

*****

 

 

 同時刻。アインツベルン邸にて。

 

「……」

 

 広いリビング。

 そこで、イリヤと蓮子、メリーの三人は、なぜか呆然と立ち尽くしていた。

 

 理由は先日の戦い――ではなく。

 

「セラ、この恰好、何……?」

 

 イリヤが視線を向けた先に立っていたのは、セラ。

 

 だが、いつもの家政婦然とした服装ではない。

 

 クラシックなメイド服。

 それも、いかにも由緒正しき旧家仕様といった、防寒も兼ねた重厚なデザイン。スカート丈も長く、露出はほぼゼロ。ヘッドドレスまで完備の完全装備だ。

 

「私が間違っていたのです、お嬢様……長年仕えてきてなあなあになっていましたが、あくまで私はメイド!これが本来の姿なのです!!」

 

 セラは胸を張り、力強く宣言する。

 

 その横では、リズがソファでだらけきった姿勢のまま、ポテチをつまんでいた。

 

「(昨日の美遊のメイド服に感化されたんだね……;;)

……でもセラ、私その服、あんまり好きじゃないんだよね……堅苦しいし、流石にちょっと恥ずかしいかも……ほら、もっとフリフリのやつ着ようよ」

 

 イリヤはやや困った顔で提案する。

 

「何を言うのですかお嬢様!この服は、アインツベルン家の正当なメイド服!フリフリだのそのようなものは必要ありま――って」

 

 熱弁を振るっていたセラだったが。

 

 ふと気づく。

 

 イリヤの姿が、無い。

 

「……呆れて上に行きましたよ」

 

「なっ……!?」

 

 蓮子が苦笑い混じりに説明する。

 

「でも、流石にイリヤちゃんの言う通りじゃないですか?今時基準で見ると流石にミスマッチというか……せめて髪は出しましょうよ?そっちが良いですって」

 

「……変な服」

 

 メリーも率直な感想を述べる。リズはそれに便乗していた。

 

「お2人もお2人で何を言うのですか!……いやそれはそうとリズ!そもそも貴方もれっきとしたアインツベルン家のメイドでしょう!?最近はもう無視してましたが、メイドの本分を忘れてだらけすぎです!!」

 

 セラは今度はリズに矛先を向ける。

 

「んー? 聞こえなーい」

 

 だらしなく寝転がったまま、まったく反省の色なし。

 

「よく考えてみると、イリヤちゃんの家って結構特殊っぽいわよね……」

 

「あの子の両親って、意外とお金持ちだったのかしら?」

 

 その光景を横目に、蓮子とメリーはひそひそと話す。

 

「……あ、そうだ」

 

 と、ふいに二人が顔を見合わせた。

 

 そして、ぱたぱたと階段を上がっていく。

 

「え、宇佐見さん、ハーンさん、何を……」

 

 数分後。

 

「じゃーん!ハイコレ!」

 

 勢いよく戻ってきた二人の手には、服が二着。

 

「いやぁ、バイト先で売れ残ってたのを貰ったんですよねぇ」

 

「正直着る予定が無かったから、折角だしどうぞ」

 

 にこにこと迫る二人。

 

「え、ちょ、な、何を!いやあの待っ――」

 

***

 

 数分後。

 

「ただいまー……って……」

 

 部活帰りの士郎が玄関を開ける。

 

 そして、固まった。

 

「あ、士郎、おかえりー」

 

 呑気なリズの声。

 

 彼女とセラが着ているのは――

 

 それはもう、実に可愛らしいメイド服。

 いかにもメイドカフェ風。フリル多め、リボン強調、やや攻め気味のデザイン。

 

 先ほどの重厚クラシックとは、対極の存在である。

 

 なお、蓮子とメリーは満足げに拍手している。

 

「ふ、2人とも、何でそんなの着てるんだ!?」

 

 士郎は困惑。

 

「い、いやあのこれは……」

 

 セラは顔真っ赤。

 

 その背後から、リズがひょいと顔を出す。

 

「ご飯にする?お風呂にする?それとも……セラ?」

 

「え?あー……」

 

 突然の無茶振り。

 

 士郎は数秒、困惑しながらもよく考えて――

 

「じゃあ……ご飯で」

 

「ッ――」

 

 一瞬の静寂。

 

 次の瞬間。士郎の一言に、セラはキッとなり、

 

「この甲斐性無しイイイイイイイイイイイイイイイイイぃぃぃぃ!!!!」

 

「何でぇェェェ!!!?」

 

 直後、そこそこ強めの殴打音。

 

 士郎の悲鳴とセラの怒声が、やけに広い屋敷の中へと虚しく響き渡った。

 

 

 

「この感じ……あー、そっちの可能性?」

 

「あり得そうよねぇ、士郎さん、結構しっかりしてるし……」

 

 その様子を見て、蓮子とメリーはひそひそと囁く。

 

 そのとき。

 

「2人とも……」

 

 後ろの階段の方から、イリヤの声。

 

 振り向くと、イリヤが小さく手招きをしていた。

 

 

***

 

 

 イリヤの部屋に招かれた蓮子とメリー。

 

 広めの部屋の中央、ベッドに腰掛けたイリヤの前に、二人は床に座り込むような形でくつろいだ姿勢を取る。普段なら他愛もない雑談が始まる空気だが、今日はどこか重い沈黙が流れていた。

 

「それで、何の用なの……?」

 

 メリーが静かに尋ねる。

 

「うん……昨日の事を改めて考えて……その、やっぱり色々と気になってて……」

 

 イリヤは視線を落としたまま、少し迷うように言葉を選びながら答えた。

 

「その……長人さん、だったっけ。変な人に連れ去られたから、心配だし……アルさんにちょっとそっくりな、あの人のサーヴァントさんも大丈夫かなって……」

 

 昨日の出来事を思い出すように、ぽつりと続ける。

 

「……まあ、当然よね。急に出て来て、正確にあんな……」

 

 蓮子は言葉を切り、少し顔をしかめる。

 

 あまりにも唐突だったからだ。

 

 気配すら感じさせず、突如として現れた謎の狩人。

 

 不意打ちとはいえ、あの尾張長人を容易く倒し、彼の持っていたボウケンジャーの指輪までも奪い去った。

 

 狩人は長人本人をさらい、さらに彼が持っていた重要そうな資料まで持ち去った。

 その場に残されたのは――彼の契約サーヴァントだけ。

 

「……ん? ところで『アルさん』って?」

 

 聞き慣れない名前に気づき、蓮子が首を傾げる。

 

「え?……あ、うん。お母さんたちと一緒に海外に行ってるお手伝いさん」

 

 イリヤは少し照れくさそうに説明する。

 

「最初に見た時から、あのサーヴァントさんがそのアルさんにそっくりだなぁって思ってたんだけど……つい言葉に出ちゃって」

 

「英霊のそっくりさん、ねぇ。それはそれで気になるわね」

 

 蓮子が腕を組みながら呟く。

 

 英霊は本来、過去の英雄の魂。

 誰かに似ている、というのは珍しい話ではないが、それでも気になる話ではある。

 

「……まあ、話逸れたけど」

 

 メリーが軽く肩をすくめる。

 

「あんまり心配しない方がいいんじゃない?奏海さん達も、そのサーヴァントに事情を聞こうとしてるし……何か分かれば、きっと連絡も来ると思う」

 

 イリヤを安心させるように、穏やかに言った。

 

 とはいえ――

 

 昨日の一件が、ただ事ではないこともまた確かだった。

 

*****

 

 一方その頃。

 

 アインツベルン邸の隣――ルヴィアの豪邸前。

 

「……」

 

 美遊は一人、外に出ていた。

 

 豪邸を出て、門の前に立ち、視線の先にはアインツベルン邸。

 

 彼女は、どこか複雑な表情でイリヤの家を見つめている。

 

「守護者達は、きっと私にも必要な力になる……だけど……」

 

 小さく呟く。

 

 彼女は今、悩んでいた。

 

 先日の“狩人”の存在。

 そして、そもそもの発端であるクロスタルリングを巡る戦いと、正体不明のクロステラノベル。

 

 さらに――サーヴァントを召喚する『クラスカード』。

 

 それだけではない。

 戦いの渦中には、フジヨシの高校生たちや、346プロのアイドルまでもが関わっている。

 

 最初は、1つの要素を巡る戦いだと考えていた。

 

 しかし気づけば、少しずつ――

 確実に、事態は大きくなっている。

 

 様々な異変や問題を解決するためには、イリヤをはじめとした守護者、そしてその仲間たちとの協力が不可欠だ。

 

 だが――

 

 美遊は、それに対して躊躇いがある。

 

 だからこそ、迷っている。

 

「きっと、戦いはこれから苛烈になる……そうなった時、私は……」

 

「……どうかしましたか?」

 

 不意に、背後から声がかけられた。

 

 美遊が振り向く。

 

 そこには、一人の少女が立っていた。

 

 年齢は、おそらく十六歳ほど。

 

 金色に近い髪を三つ編みにまとめ、黒い瞳をした少女だ。

 

 どこか落ち着いた雰囲気をまといながら、彼女は美遊を見つめて言う。

 

「随分暗い顔をしてたので声をかけたのですが……なにか、お悩みでも?」

 

 

 






02へ続く



―――――

*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。


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