ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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見つめる狩人シンフォニー 02

 

 その頃、√BACK-DOORSにて。

 

 奏海たちは一か所に集まり、尾張長人と契約していたセイバーのサーヴァントから、何か情報を聞き出せないかと話をしていた。

 

「……」

 

 しかし、そのサーヴァントは俯いたまま黙り込んでいる。

 

 表情には、戸惑いと悔しさが入り混じっていた。

 主である長人が突然さらわれたばかりなのだ。本人としても、状況を整理しきれていないのだろう。

 

「……色々あるのは分かるんだけど、何か知ってる事とか教えてくれない?」

 

 鈴夜が、できるだけ穏やかな口調で促す。

 

 だが――

 

「……悪ィけど、言えねぇ。令呪まで使われて、喋るなって言われてるんだ。アイツ、自分から認めた人間に『U時空考古学』だとかを喋りたいっつーこだわりがあってよ……」

 

 サーヴァントは苦い顔でそう答えた。

 

 『令呪』。

 

 それはマスターとサーヴァントの契約によって身体、主に手の甲に刻まれる紋章であり、魔力供給の証であると同時に、サーヴァントに対する絶対命令権でもある。

 

 どうやら長人は、その令呪を使って――

 自分の調べていた事を、サーヴァントの口から外部に話せないよう命じていたらしい。

 

「それにアイツ元々、何か警察とか騎士団っぽい組織の一員らしくてさ。その責任と、あと調べてたその考古学が重要なモノっぽいって理由から、大事な事は徹底的に秘密にしてたのもある。」

 

 そう付け加えるサーヴァント。

 

 その言葉を聞きながら、

 

「悉く裏目に出てますね……」

 

 ありすが小さく呟く。

 

 周囲にいた面々も、呆れ半分、そして心配半分といった様子で話を聞いていた。

 

「マスターを倒したやつも、正直心当たりがないわけじゃないんだが……アイツが使ってた武器がU時空考古学ってのに関係するからなのか、言葉に出来ねぇ……」

 

 サーヴァントは歯噛みするように続ける。

 

「改めて言うが、オレから得られる情報なんて全くと言っていい程無ぇ。知ってるにしても、口酸っぱく言われてたせいで大したことも言えない。」

 

 その声には、はっきりともどかしさが滲んでいた。

 

 知っているのに、言えない。

 

 それが今の彼女の状況だった。

 

「……あー、ったく! まどろっこしいんだよさっきから!」

 

 ついに、奏海が痺れを切らす。

 

 勢いよく立ち上がり、そのままサーヴァントの前まで歩み寄った。

 

「えーっと……ああもうめんどくさいから言うが、サーヴァント『モードレッド』!」

 

 その名前を聞いた瞬間。

 

 サーヴァント――モードレッドは驚いて顔を上げた。

 

「……って、ああそうか。あの時宝具使ったから、それで察したってのか……」

 

 すぐに納得したように呟く。

 

 先の戦闘で彼女は宝具を使っている。

我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)』。その名前から、真名を推測されたのだろう。

 

「モードレッドって、アーサー王のやつだったっけ?でもその人って男の人じゃ……」

 

 ツクモが首を傾げる。

 

「ああ、たまにあるんだよ。男性として知られてる大昔の人が、実は女性でしたーってやつ。」

 

 鈴夜が軽く補足する。

 

 英霊の真実は、必ずしも歴史書の記述と一致するとは限らないのだ。

 

「あんまホイホイ使う技じゃねぇが……」

 

 そのやり取りの横で、奏海がぽつりと呟く。

 

 そして右目にかかっていた髪をかき上げた。

 

 隠れていた右目が、淡く光を帯びる。

 

 その光がまっすぐ――モードレッドへ向けられた。

 

「うおっ!?何すんだよ急に……ん?」

 

 一瞬驚いたモードレッドだったが、すぐに違和感に気づく。

 

 さっきまで胸の奥に引っかかっていた、あの強いもどかしさが――

 

 消えていた。

 

「何だ?モヤモヤしてたのが何かスッキリしてやがる……」

 

 首をかしげながら呟く。

 

 そして、ふと奏海を見て目を細めた。

 

「お前、まさか令呪の命令をかき消し――」

 

「それについては後だ」

 

 奏海がすぐに言葉を遮る。

 

「多くは求めないから、話してくれないか。あの狩人の事も、この世界で何が起きてるのかも。」

 

 その声音は、先ほどまでの苛立ちとは違い――

 まっすぐに真実を求めるものだった。

 

 

*****

 

 

 その頃。

 

「貴方、一体……?」

 

 美遊の前に現れたのは、金色に近い髪を三つ編みにした少女だった。黒い瞳を持つ、どこか落ち着いた雰囲気の少女である。

 

「ああ、失礼。私はこういう者です」

 

 そう言って、少女は一枚の名刺を差し出した。

 

 受け取った美遊が視線を落とす。

 

 そこには――

 

 『蛯名コロモ』

 

 と書かれていた。

 

 ……無論、既に勘のいい者なら気付くだろうが、その話はまた後である。

 

「ど、どうも……」

 

 美遊は少し戸惑いながら頭を下げる。

 

「急に話しかけてしまい、すみません。何やら随分とお悩みのようでしたので……」

 

 コロモはそう言いながら、美遊の方へ一歩近づいた。

 

「……いえ、何も……」

 

 しかし美遊は、視線を落としたままそう言うと、ルヴィアの豪邸の方へ戻ろうと歩き出す。

 

 その背中に――

 

「……そうやって、目を逸らすつもりですか?」

 

 コロモが、ふいにそんな言葉を投げた。

 

「……何が言いたいの?」

 

 思わず、美遊は振り返る。

 

「いえ、失敬。仕事柄なのか、生まれつきの才なのか……」

 

 コロモは軽く肩をすくめる。

 

「はたまた、私の家族にそっくり故か。何かを抱え込もうとしている人を見ると、どうも踏み込んでしまうのですよ」

 

「……」

 

 美遊は何も答えない。

 

「……とはいえ、今は深追いするのは止しましょう」

 

 コロモはあっさりと話題を切り上げた。

 

「流石にこの場で言うべき話題ではないので」

 

 その言葉の直後だった。

 

「あれ、美遊?」

 

 声が聞こえる。

 

 振り向くと、そこにはイリヤが立っていた。

 

 どうやら蓮子とメリーと一緒に外出するところだったらしい。

 

「その人は……?」

 

 イリヤが、美遊の隣に立つコロモを見て首を傾げる。

 

「おや……」

 

 コロモは三人の顔を見渡した。

 

 そして、特に――蓮子とメリーに視線を向ける。

 

 ゆっくりと近づきながら、ぽつりと呟いた。

 

「こんなところに、見知った顔がいるとは」

 

「え?あの……」

 

「どこかでお会いしましたっけ……?」

 

 蓮子とメリーは、そろって首を傾げる。

 

「おや……?」

 

 その反応を見て、今度はコロモの方が首を傾げた。

 

 彼女の記憶では、この二人とは確かに過去に会っているはずだ。

 だが、この様子だと――本当に覚えていないらしい。

 

 それもそのはず。

 

 蓮子とメリーは、冬木市へ転移する前の記憶をほとんど失っている。

 転移直前の出来事すら曖昧な状態なのだ。

 

 そのため、コロモの存在を覚えていないのも無理はない。

 

 ――と、その時。

 

「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

 突然。

 

 耳をつんざくような、凄まじく――そして不気味な雄叫びが響き渡った。

 

「今のって、まさか……!!」

 

 イリヤ達が顔を見合わせる。

 

 同時に、ポケットに入れていたプロテクターへメール通知が届いた。

 

 送信者は、遠坂凛。

 

 内容は――

 

 クレイジークロックの戦力が出現した。

 

 という緊急連絡だった。

 

「……行こう、美遊!」

 

「……うん」

 

 イリヤの言葉に、美遊は一瞬だけ俯く。

 

 だがすぐに顔を上げ、二人は声のした方向へと走り出した。

 

 残されたのは――

 

「……」

 

 コロモ一人。

 

 彼女は遠ざかる背中を見送りながら、小さく呟く。

 

「思ったよりも早いな……好都合ではあるが、過度なことをやってくれる……」

 

 どこか呆れたような口調だった。

 

「まあいい。今は利用するしかあるまい」

 

 わざわざ起きた騒ぎだ。

 使えるものは使う。

 

 コロモは、静かに視線を細めた。

 

「……試させてもらうぞ」

 

 その視線の先にいるのは――

 

「美遊・エーデルフェルト、それと、()()()()()()()

 

 

*****

 

 

 広い交差点にて。

 

「ジリリリリリッリリ!!!」

 

 甲高い機械音を響かせながら、七体ほどのウォークロックが暴れ回っていた。

 手にした魔法の杖のような銃を振り回し、無差別に発砲している。

 

 突然の異常事態に、周囲の市民は状況を理解できないまま逃げ惑っていた。

 

「AAAAAAAAAAGAAAAAAAAAAA!!!!」

 

 その中心には――

 

 赤黒く歪んだ獅子のような巨大な頭部を持つ侵蝕世怪人(ワールドロイド)『アース世怪(ワイルド)』が立っていた。

 

 両手から炎を放ち、周囲を焼き払いながら暴れ回っている。

 

「侵蝕世怪人……!久々に人前で堂々と……!」

 

「早く倒さないとよね!行きましょう!」

 

 蓮子とメリーが素早く状況を判断する。

 

「(……今は、余計な事は考えない。)」

 

 美遊は小さく呟いた。

 

「美遊……?」

 

 その様子を見て、イリヤが首を傾げる。

 

 だが、すぐに三人はそれぞれの守護者の指輪を取り出し――クロステライザーへと装着する。

 

【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】

 

【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】

 

【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】

 

 眩い光に包まれ、三人は守護者の姿へと変身。

 

 そのまま一直線に敵陣へ飛び込んだ。

 

【『プリズマアックスセイバーU』!!!】

 

「せいやぁっ!!!」

 

 プリズマが武器を斧形態へ変形させ、地面へ叩きつける。

 

 衝撃が地面を伝い、交差点全体が揺れた。

 

 突然の振動に、ウォークロック達の動きが一瞬止まる。

 

「これで……こう!!」

 

 その隙にプリズマがクロスタルプロテクターを起動。

 

 周囲に結界が展開され、空間が歪む。

 

 次の瞬間――

 

 戦場は、一般人の視界から完全に切り離された特殊空間へと転移していた。

 

 既に凛達が周囲の避難誘導を済ませている。

 なので、これで遠慮なく戦える。

 

「ジカカカカカ!!!」

 

 ウォークロック達が一斉に襲い掛かる。

 

 三人はクロステライザーとそれぞれの専用武器を駆使し、次々と攻撃を叩き込んでいった。

 

「VAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

 

 アース世怪が咆哮。

 

 再び炎を噴き上げながら、大剣を振り回す。

 

「わっと……!!」

 

 横から振り抜かれた剣を、プリズマが軽やかに回避する。

 

【『サファイアドリルランサーU』!!!】

 

「迅速に……刺す……!!」

 

 サファイアが一気に距離を詰める。

 

 ドリルランサーの高速回転を唸らせながら、連続の突き。

 

「GI……!!」

 

 何度も突き込まれた衝撃に耐えきれず、アース世怪はバランスを崩し――そのまま地面へ転倒した。

 

「隙は与えさせない……!!」

 

 サファイアはそのままランサーに力を溜める。

 

 とどめの一撃を叩き込もうと、槍を振り上げた――

 

「ちょっと待った!」

 

 ――銃声。

 

 弾丸がドリルランサーへ直撃した。

 

「っ……!?」

 

 衝撃でサファイアの攻撃が弾かれる。

 

 その隙にアース世怪は転がるように逃げ、距離を取った。

 

「だ、誰……って、あれっ!?」

 

 次の瞬間。

 

 展開していたはずのプロテクターが、突然解除された。

 

 結界が霧のように消えていく。ただし幸い、周囲に一般人はいないようだ。

 

「な、なんでプロテクターが……?」

 

 メモリアが困惑する。

 

 銃弾が飛んできた方向を見ると――

 

 そこに二人の少女が立っていた。

 

 一人は黒に近いショートミディアムの髪をした青い瞳の少女。

 もう一人は白く長い髪を持つ緑の瞳の少女。

 

「ダメじゃないか。折角の実験体をそんなあっさり倒しちゃ」

 

 青い瞳の少女が肩をすくめる。

 

「同感」

 

 緑の瞳の少女が静かに頷いた。

 

「プロテクター、貴方達が解除したの?」

 

 メモリアが警戒しながら問う。

 

「私達自身がやったわけじゃないけどね」

 

 青い瞳の少女は、意味深にそう答えた。

 

 二人から漂う気配は、明らかに普通ではない。

 

「名乗りたいところだけど、準備が整わないと風情に欠ける」

 

 緑の瞳の少女が言う。

 

「だからまあ、先に名乗って」

 

 そう言って、プリズマ達の背後を指さした。

 

 振り向く。

 

 そこには――

 

 チャイナ服姿の、ついさっき美遊達と接触してきた人物が立っていた。

 

「……その態度だけはどうにかしろ、別動隊」

 

 前座のように扱われ、コロモは露骨に嫌そうな顔をする。

 

「貴方、さっきの……!?」

 

 サファイア達が驚く。

 

「みんな!」

 

 そこへ、既に変身したビビットとガイアが駆けつける。

 

「ちょっと、なんでプロテクターが解除され……」

 

「……待ちなさい、あそこにいる者達は一体何者なのかしら?」

 

「何だか不気味な雰囲気です……!」

 

 凛、ルヴィア、桜も合流した。

 

「……おい、あそこにいるチャイナ服の女ってまさか……」

 

 ガイアとビビットは、コロモの姿に見覚えがある様子だった。

 

「……数が増えて来たか」

 

 コロモは周囲を見渡す。

 

「……まあ、私も名乗らねば不作法ではある」

 

 そう言うと、ゆっくりと前に出た。

 

「私はコロモ……クレイジークロック所属の『蛯名コロモ』。指輪回収の主な担当であり……この度、新たな力を手に入れた」

 

 そう言って取り出したのは――

 

 ガントレット型の銃。

 

 そして奇妙なクロスタルリング。

 

 銃の手の甲部分には、『タイムハンター』という題名のクロステラノベルが装着されている。

 

「それって……!!?」

 

 その武器には、見覚えがあった。

 

 先の戦いで――

 尾張長人を倒し、彼を連れ去ったあの狩人の武器。

 

変身(エンゲージ)

 

 コロモは指輪を銃――『タイムブラスター』へ装着する。

 

 すると。

 

 ピアノとギターを組み合わせたような音色が鳴り響いた。

 

 どこかエレガントで、どこか不気味。

 洒落た旋律が戦場に流れる。

 

 音楽に合わせて銃身を鳴らす。

 

 くるりと回転し――

 

 光と装甲が彼女を包み込んだ。

 

 ゆっくりと振り向く影。

 

 スタイリッシュな装甲。

 

 だが同時に、重厚なパワータイプの構造。

 

 翻るマント。

 

 そして――

 

 狩人の仮面。

 

 その姿は、まさしく戦場のハンター。

 

【HUNTER SYSTEM『EYES』】

 

 その名を――

 

 狩人『アイズ』。

 

 

 

 






03に続く。



―――――

*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。


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