ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
しかも知らない事ばかりみたいで、色んなことを知ってすっごく興味津々だったなぁ。それで段々脱線してたから図書館に連れてって……
その時、いきなりとんでもない怪物が現れて大ピンチだったけど、その2人のお姉さんが合体したり、変身したりで何とかなっちゃった……んだけど、そこでお兄ちゃんの同級生の『遠坂凛』さんが2人を『守護者』?って言って来て……もおおっ!!何がどうなってるのぉぉぉ!?」
目覚めし伝説とワンダフル・ガールズ 01
「――そうか、分かった。その二人については、こちらでも調査を進めておく」
電話越しにそう告げる、黒い長髪の男性。
時計塔の講師にして、現代魔術学科の学部長という要職に就く『ロード・エルメロイII世』である。
「引き続き、残りの守護者の指輪二つと、その所有者の捜索を頼む。それと……あの二人も、近いうちに日本へ向かうことになっている。協力して、任務に当たるように。」
通話を終えたエルメロイII世は、深く息を吐く。
「二人で一人の守護者……しかも両名とも記憶喪失者、か。『異世界』が絡む案件は、どうしてこうも想定外が多い……む。」
額に手を当て、思案に沈む。すると、突如として空間が歪み、彼の目前に奇妙な穴が開いた。
青く長い髪、白いまつ毛と瞳孔、水色の瞳。ピラミッド状のヘッドフォン。
そして、ぶかぶかの白衣を着た華奢な身体に、UFOやクレーンゲームのアームのような不釣り合いな金属腕。
そんな随分と特徴的な少女が、空間の穴から姿を現した。
「久しぶりだな、ロード・エルメロイ」
「……誰かと思えば。確かに、数か月ぶりに見る顔だな『
「じゃあウェイ――」
「本当にやめろ」
少女を知っている様子のエルメロイII世は、不機嫌を隠そうともせず問いかけた。
「とにかく……それで、このタイミングで何の用だ?」
「先程、非常にワンダーでスペシャルな反応を察知してな。大方、例の指輪絡みだとすぐに分かった。だから、久々に顔を出してみたというわけだ」
「まったく……」
呑気な口調で答える徒夢透に対し、彼は呆れたように首を振る。
「確かに守護者の指輪の件ではあるが……来るなら、せめて時計塔内部に
「む、そうだったのか? それはすまない。こちらも商売やら、実験体のケアやら、あとは見ようと思っていたアニメを見終えたりと、なかなかビジーでな」
「最後だけ露骨に私事を混ぜるな……ともかくだ。その
「そうか。やはり、初変身を遂げた守護者の力は侮れんな」
徒夢透は、わずかに声色を変えた。
「……で、今さらだが聞こう。あのノベル、ついに冬木市へ飛ばしたのだな?」
「……ああ。情報の流出に加え、近年は連中の動きも活発化してきている。」
エルメロイII世は窓の外へ視線を向ける。
「数々の不穏な動きや技術強奪、侵蝕世怪人の出現頻度と被害規模も増加もある……それに、お前のお陰でノベルも早々に見つかったからな。尚更、事を急がねばならなかった。」
「なるほどな……それで、残り三人の守護者が冬木市に集うと予測し、指輪をワープさせ……そして実際に一人、見つかったというわけか。で、その最初に見つかった守護者は、どんな人物だ?」
徒夢透の問いに対し、問いに対し、エルメロイII世は苦々しく言った。
「それが……少々想定外でな。変身者は『二人で一人』という形らしい。しかも、その二人は揃って記憶喪失だ」
「……随分とユニークな状況だな。じゃあちょっとこの目で見てみるか。」
そう呟くと、徒夢透は再びワープホールを開いた。
「え、おい」
「では、また後で」
エルメロイII世が何か言う前に、彼女の姿は消えていた。
「……本当に、あの気軽さで高性能技術を扱う神経が理解できん」
彼は再び頭を抱えた。
徒夢透――フルネーム『徒夢透・エビデンス・宇宙』。
全く異なる時空から訪れた、怪人少女を名乗る者。
2年前から発生した特殊な異変。その最中に彼女は突如現れ、クロスタルリングや異世界の情報を此方に提供してきた。
そんな正体不明の存在の彼女は出会った当初、随分妙な事を彼に告げていた。
「
*****
一方。図書館からアインツベルン邸へ戻ったイリヤ達。色々あって砂埃がこびりついているのをセラには何とか誤魔化し、とりあえず風呂に入るよう言われてから約1時間後。
「さてと……」
イリヤの部屋のベッドに腰掛け、3人を待っていた遠坂凛。
「お待たせー」
イリヤが部屋に入ってきたのを確認し、凛は同じく部屋で待っていた蓮子とメリー、そしてイリヤへと視線を向ける。
「あの、それで……一体全体、何が起きているのか説明してくれません?さっきの怪物のこととか、さっきまで私とメリーの身に起きた事とか、それに……」
あの怪人が倒されてすぐ。荒れに荒れ切っていたはずの図書館は、いつの間にか完全に元通りになっていた。そして怪物に吸収されていった者達も全員復活し、何事もなかったかのように全てを忘れていた。
一体全体どう言うことなのか。そして一体何が起きているのか。蓮子達は、それを凛に問いかけた。
「……改めて自己紹介するわね。私は遠坂凛。魔術師よ。一年前まで、『魔術協会』の本部『時計塔』で魔術を学んでいた身。ちなみに主席候補。」
「魔術師……?」
「『魔法使い』って括りで考えてみれば、分かりやすいかな」
イリヤが首を傾げると、メリーがそうフォローを入れる。
「主席候補、随分すごいじゃない。で、その主席候補様がどうしてここに?」
「ここからが本題よ」
蓮子の問いかけに対し、凛は何故か得意げに眼鏡をかけてそう話し始める。
「結論から言うと、私達は時計塔からの指示で『指輪』を回収しに来ているの。私が去年、冬木市に転校してきたのも、それが一番の理由ね」
「指輪って……やっぱり、これ?」
凛の言葉に、メリーは右手人差し指にはめた『守護者メモリア』の指輪と、怪人が落とした『炎神戦隊ゴーオンジャー』の指輪を見せる。
「そう。それも含めた、それら全部が『クロスタルリング』よ。歴戦の英雄の力が込められているという指輪……世界中に軽く100個以上は散らばっているらしいけど、どれも一つ一つが協力な代物。悪用されれば、町一つ簡単に吹き飛ばせるくらいの力を持ってるって話よ」
「あ、つまり凛さんって、世界中に散らばったヤバい物の欠片を集める任務を任された、裏社会の凄腕エージェント、みたいな感じなんだね!」
話を聞いていたイリヤが、目を輝かせながらそう言う。例えとしては大きく外れてはいないため、凛も否定しづらい。
だが、蓮子がそこで疑問を口にする。
「でもさ。指輪の回収って言ってたけど……あの怪物を倒したら指輪を落としたって事は、つまり、ああいう怪物が他にも沢山いるって事にならない?」
メリーとイリヤも「確かに」と頷く。
それに対し、凛は少し表情を引き締めた。
「ソレは少し違くて……あの怪物『
その言葉に、3人は思わず息を呑む。
「可能性としては考えてたけど……本当にそうだったんだ」
「クロスタルリングは本来、あんな怪物を作るための物じゃない。指輪を手にした者同士が、その力を使って競い合うのが本来の用途なんだと。」
「急に物騒な話になったわね……」
「気持ちは分かるけど……まあ、説明すると長くなるから、そこは一旦省くわ」
蓮子が思わず突っ込むものの、凛はそう前置きして話を戻す。
「で、指輪の力を使うために必要なアイテムがあるんだけど、ねぇ、あの手の形をした武器を出せないかしら?念じればいけると思うんだけど……」
言われて蓮子が試しに念じると、右手に、例の右手状の剣が現れる。『ワンダークロスワールド』と書かれた本型アイテムも、そこに装着されていた。
「問題なさそうね……それが『クロステライザー』と『クロステラノベル』。それと指輪を組み合わせる事で、指輪の力を使えるんだと。」
「なるほど……」
「ただ……そこにちょっと問題が起きてね……事の発端は2年前。『クレイジークロック』と呼ばれる組織が、侵蝕世怪人を作り出し、それを各地で暴れさせ始めた。」
「完全に悪の組織じゃん……で、その組織って一体?」
イリヤの問いに、凛は少し間を置いて答える。
「実際そうみたい。性格に問題のある人間を暴走させたり、特殊組織の壊滅、技術の強奪……指輪以前から、厄介な事ばかりやってた連中よ」
「じゃあ、集団で出てきたあの時計みたいな頭の怪物も……」
「そうみたいね。アレは『ウォークロック』って呼ばれている量産兵だと。」
「何か、随分詳しいけど……やっぱり長い事、そのクレイジークロックと戦ってきたから?」
そこで蓮子がそう尋ねると、凛は少し考えるように視線を逸らす。
「まあ、それもあるわね。ただ補足すると……」
待ってましたと言わんばかりにポケットから何かを取り出した。それはまさにクロスタルリングだった。
「2年前、この指輪を使った侵蝕世怪人がロンドンに現れたの。それを日本に行くよう命じられた時、もしもの時のために渡されたってこと。 ……まあ他にも事情があるんだけど、そこはそのうち話すわ。」
説明する彼女の手元の指輪を、イリヤが興味深そうに覗き込む。描かれているのは『キュアワンダフル』、そして固定絵の『ニコガーデン』。
じっとそれを見つめたまま、イリヤは口を開く。
「それ……描かれてる絵からして、『わんだふるぷりきゅあ!』だよね?」
「ワンダフル……」
「……プリキュア?」
蓮子とメリーは、揃って首を傾げる。
「『プリキュア』シリーズの一つだよ。変身して戦う女の子の作品で、わんだふるぷりきゅあは唯一、武力で解決しない系のプリキュアなの!しかも主人公は飼い犬で、飼い主も変身して、さらに追加戦士が猫とその飼い主で――」
「分かった、分かったから一旦落ち着いて」
グイグイ迫るイリヤの勢いを、三人はまあまあとどうにか落ち着かせるのだった。
*****
冬木市のどこか。人がまず近寄らなさそうな、薄暗い路地裏。そこを歩く二人組が、地面に転がる何かに視線を向ける。
「見つけた」
そう呟いたのは、暑そうなコートを着た、棒人間のように細長く、関節が不自然に曲がる男。目つきの悪いその男は、地面に転がる指輪を、まるで死体でも突っつくかのように拾い上げた。
「『ひだまりスケッチ』の指輪……侵蝕世怪人が分解されたとは聞いていたが、やはり近くに落ちていたな……少し急いだ方が良さそうだ。新たな守護者が誕生した上に、エンジン
「申し訳ない、兄者……あの時、あの二人組から早急に指輪を奪っていれば……」
そう声をかけたのは、黄色い中華風の髪型をした黒目の少女。気に病んでいる彼女に対し、男は静かに首を横に振る
「いや……彼女らが守護者になる者だったのなら起こり得た事だ。裁定者の介入を想定しなかった私のミスでもある。だから気にするな」
「兄者……」
「……とりあえず、こいつは作り直そう。一応、巨大化実験の大事なサンプルなんだ。」
そう言って、男はどこからか何かを取り出す。
それは、手のような形状をした剣。見た目はクロステライザーに似ているが、随分とメタリックな色合いと歪んだ形状をしている。
手の甲のスロットには『侵蝕世怪譚』と題された、異様な形状のクロステラノベルが装着されていた。
【憑依、寄生、降臨、悪鬼羅刹】
『明るい日差しとひだまり荘』→『ゆの』
『スケッチブックに描かれたひだまり荘の住人』
【
クロスタルリングを装着すると、禍々しいエネルギーが溢れ出す。
【『
放たれたエネルギーは、文字化けしたような光とモザイクに包まれ、人型を形作り、やがて固体化した。
「AAAAAAAAAAAAA!!!!」
こうして生成された『ヒダマリ
「さて、本当はすぐ冬木市へ向かいたいところだが……。念には念を入れよう」
男は周囲を見渡し、そして何もない空間に向かって声を張る。
「……オイ!」
すると、何処からともなくウォークロックが一体。ただし頭部は銅色。右腕には時計と思しき造形の腕章を持つ。
「『インテリー・デデーン』、只今参りました。『ドクター・エビテン』様、何用でございましょうか?」
クレイジークロック隊員『インテリー・デデーン』
やけにダンディな声で名乗るその姿に、ドクター・エビテンと呼ばれた男は指示を出す。
「お前には、『守護者の指輪』の奪取を頼みたい。現在行方不明となっている指輪とノベルも含めてな。あと、これは支給品だ。」
彼は、コートのポケットからもう一つクロスタルリングを取り出し、インテリーの手のひらに授ける。
「おお、ありがたき幸せ!このインテリー、必ずやドクターのご期待に応えてみせます!!」
『ライジングホッパーのライダモデル』と『ゼロワン』が描かれた『仮面ライダーゼロワン』の指輪。
それを嬉しそうに受け取ったインテリーはヒダマリ世怪と共に、再び開いたワープホールへ消えていった。
「……さてと。一旦戻るぞ『コロモ』。」
「……ああ。」
エビテンが背後を振り返りながら声をかけると、コロモと呼ばれた少女は小さく頷いた。
二人は息を合わせるように歩き出し、そのまま深い暗闇の向こうへと溶けていった。
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。