ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
「い、イリヤちゃん!?危ない状況だったけど、どうやって……」
鈴夜たちは、今の一部始終を見ていた。
安堵と同時に、驚きが隠せない。
「SGFCGRTDGWETGTRDRTBERTYRT=EYTTYREF&――」
その間にも、アース世怪は暴走を続けている。
炎を撒き散らし、剣を降らせ、周囲を破壊し尽くそうとする。
――だが、その瞬間。
『有田春雪と学内用アバター』→『シルバー・クロウ』
『黒雪姫&ブラック・ロータス』
【FINISH CHARGE『アクセル・ワールド』!!!】
「とっかあああああああああん!!!」
「DCCBVA!!!?」
突如として現れたバイクが、一直線に突っ込む。
轟音とともにアース世怪へ激突し、その巨体を大きく吹き飛ばした。
「今です、皆さん!」
バイク状態のメモリアライドシューターUに乗る蓮子とメリーが叫ぶ。
その声に呼応するように――
「セット……
凛、ルヴィア、桜の三人が同時に魔術を発動。
宝石が輝き、放たれた光は帯となってアース世怪を絡め取る。
「GI……!!?」
吹き飛ばされたままの体を、地面へと叩きつけ――
さらに結界が展開され、その動きを完全に封じ込めた。
「ギリギリ間に合ったわね……結構宝石使っちゃったわ……」
息を整えながら、凛が呟く。
「お前ら、魔術師の……」
突然の乱入に、モードレッドが目を見開く。
その疑問に答えるように、
「ここに来る途中で、足止めされてた凛さん達と合流してたの」
「まあ、この指輪のお陰で間に合ったわけだけど……」
蓮子とメリーが説明する。
メリーの手にあるのは――かつて尾張長人たちと協力して手に入れた、『アクセル・ワールド』の指輪。
その加速の力が、この奇襲を可能にしたのだった。
***
「イリヤ……どうして、ここに……」
美遊は、目の前の光景を信じきれずにいた。
あの時、強いショックを受けて――心も体も限界だったはずのイリヤが、ここにいる。
しかも、自分を庇って。
歪な宝石の力の負荷も、まだ残っているはずなのに。
それでも――
イリヤは、ここに立っている。
ボロボロの体を無理にでも起こそうとした、その時。
「……馬鹿ッ……!!」
イリヤが、声を震わせながら言った。
「前から、私に無茶しないでって言ってたくせに……自分だけこんなになるまで、無理して……一人で全部背負おうとして……!!」
背を向けたまま、言葉をぶつける。
「壊れたら、知りたいも守りたいもなくなるって……そう言った本人が、壊れるようなことしないでよ……!!」
「イリヤ……」
美遊は、言葉を失う。
その通りだったから。
視線を落とす。
その時――
「でも……ごめんなさい」
イリヤの声が、少しだけ柔らかくなる。
「えっ……?」
「私も……馬鹿だった」
小さく、けれどはっきりと。
「覚悟もそんなに無いのに……ただ流されて、戦ってた」
「な、何言って……イリヤ、あなた前に言ってたじゃない。大切なものを守りたいって、何が起きてるのか知りたいって――」
「それは確かに、本心だよ。」
イリヤは、まだ振り向かない。
「でも……そういうことじゃないの」
静かに続ける。
「私……いつの間にか、その気持ちを盾にして……履き違えて……一番大事なところから、ずっと逃げてた」
言葉を重ねるたびに、声が震える。
「頭では分かってた。いつか、とんでもない事が起こるかもしれないって……でも、心のどこかで……これが現実じゃないって思ってた」
そして――
ぽたり、と涙が落ちる。
「でも……何も悪くない人が暴れさせられて……私も死にそうになって……それでやっと分かったの」
ぎゅっと拳を握る。
「全部、現実なんだって……すごく危ないことなんだって……そしたら……急に全部が、怖くなって……だから、体が固まったみたいに……何も出来なくなって……」
「イリヤ……」
「本当に馬鹿だったの……」
自分を責めるように、言葉が続く。
「何も出来なかった事も……それを理由に、逃げようとした事も……友達の気持ちを、ちゃんと考えなかった事も……」
ゆっくりと振り向く。
涙で濡れた顔のまま。
「美遊は……一人で、私の分まで頑張ろうとしてくれたのに……」
まっすぐ、美遊を見る。
「なのに私……美遊の気持ちも、皆の気持ちも……どこかで蔑ろにしてた」
そして――
「だから……ごめんなさいっ……!」
はっきりと、頭を下げる。
「もしかしたら遅いかもしれないけど……」
顔を上げて。
「私は、もう一度……美遊たちと一緒に戦いたいっ……!」
一歩、踏み出す。
「友達が一人で危ない目に遭ってるなんて……そんなの、嫌だから……!!」
「……!」
その言葉に、美遊の目が揺れる。
そして――
「……ありがとう……」
小さく、けれど確かに。
「……私も……イリヤと一緒に戦いたい。友達と一緒に……!」
「……!」
その言葉に、イリヤの表情が変わる。
迷いのない、まっすぐな顔に。
イリヤは美遊のもとへ駆け寄り――
「行こう、美遊……!」
手を差し出す。
「……うん」
その手を取る美遊。
よろけながらも――確かに立ち上がった。
「……感動の展開なところ悪いが」
背後から、冷ややかな声が割り込む。
振り向けば――アイズ。
その後ろには、依然として健在なレプリカ三体。
どうやら、二人のやり取りが終わるのを待っていたらしい。
タイムスナイパーの銃口が、ゆっくりと二人へ向けられる。
「……悪い事は言わない。退け」
淡々とした口調のまま、続ける。
「片方はジュエルによる負荷、片方はダメージの蓄積による体力の限界……このまま続ければ、確実に死ぬぞ。いい加減」
その言葉は脅しではない。
ただ、事実を述べているだけだった。
だが――
それでも、二人は一歩も引かない。
並んで立ち、構える。
「断る気か?」
わずかに、アイズの眉が動く。
「……何故だ。お前達のような者共は、どうしてそうなる」
低く、苛立ちを滲ませる。
「感情に任せて無理をして……己を犠牲にする」
「……無理でも、犠牲でもないよ」
イリヤが、はっきりと言い返す。
その声には、もう迷いはなかった。
「……なら、何だと言う?」
問い返すアイズ。
その視線を正面から受け止めて――
「……
イリヤは、美遊の手をぎゅっと握る。
そして、少しだけ不敵に――それでいて、どこか年相応の笑みを浮かべた。
「死ぬとか、限界とか……そういう話じゃない」
言葉を選びながらも、強く続ける。
「私が、美遊と一緒にいたいから」
一歩、踏み出す。
「私たちが、一緒に戦いたいって決めたから」
そして――
「……これは、ただの私のワガママで……美遊との……約束だからっ!」
言い切る。
イリヤは、人差し指にはめた守護者の指輪を外し、クロステライザーを構えた。
「……やるよ、美遊!!」
「……ええ、イリヤ!!」
美遊もまた、同じように構える。
二人の動きは、自然と揃っていた。
「
【CLAP YOUR HANDS!!!】
指輪をはめ込む。
軽快なリズムが響き、二人は同時に手を打ち鳴らす。
その音が重なった瞬間――
光が弾けた。
【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】
イリヤの姿を、光が包み込む。
やがて現れたのは――
鳥を思わせる意匠をまとった、魔法少女のような戦士。
守護者『プリズマ』。
【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】
続いて、美遊の周囲にも光が舞う。
蝶を思わせる装甲を纏った、静謐な戦士。
守護者『サファイア』。
二人は並び立ち、アイズを見据える。
「……」
アイズは無言のまま、その様子を観察していた。
だが、その視線は僅かに鋭くなる。
――何かを感じ取ったように。
「色々……気づかされたからかな」
プリズマが、小さく呟く。
「今なら、なんとなく分かる……この場を切り抜ける……打開策が!」
そう言って取り出したのは――
クロスタルリングとは異なる、小型の本『クロステラノベル』。
表紙には、紅白の巫女の姿。
タイトルは――『ハクレイナイト・インヴァース』。
「それって……」
サファイアが目を向ける。ソレはあの時、突然イリヤの手元に飛んできたノベルだ。
その時――
「……蓮子さん!!」
プリズマが声を上げる。
「待ってました!」
すぐさま、蓮子が別のノベルを投げる。
空中で受け取ったそれは――
『ドクターエーリン』。
薬師の女性が描かれた一冊。
プリズマはそれを、そのままサファイアへと手渡した。
「……今の私たちなら、きっとできる」
迷いのない瞳で、イリヤは言う。
「……分かった」
サファイアも、静かに頷いた。
二人は同時に、クロステライザーに装着していたノベルを外し――
新たなノベルへと付け替える。
その瞬間。
再び、光が溢れた。
【REIMU STYLE!!!】
プリズマの装甲が変化する。
紅白の巫女装束を模した、神秘的な姿――『レイムスタイル』へ。
【EIRIN STYLE!!!】
同時に、サファイアの装甲も変化。
赤と青を基調とした、薬師の意匠を持つ戦装束――『エイリンスタイル』へ。
「はぁぁ……!」
その瞬間――プリズマは、全身に力を集中させる。
内側へと意識を向けると同時に、周囲へ光のエネルギーが溢れ出した。
それはただの放出ではない。
体内に埋め込まれていた“異物”へと干渉する、精密な制御。
次の瞬間。
プリズマの心……つまり精神内に食い込んでいたジュエルが――まるで根を引き剥がされるように、分解されながら浮かび上がる。
「ハッ!!!」
迷いはない。
引き抜いたそれを、即座にクロステライザーで叩き砕く。
硬質な音とともに、ジュエルは完全に粉砕された。
「……これで……!」
呟いたその直後――
サファイアが動く。
手元に顕現させたのは、淡く輝く秘薬。
それを解放すると、柔らかな光が広がり――
プリズマとサファイア、二人の体を包み込む。
消耗した体力、蓄積したダメージが、目に見えて回復していく。
「何……!!?」
アイズの声に、明確な動揺が混じる。
予測外の行動。
戦況を一気に立て直された事実。
しかし――
「……だが、少しホッとした」
ぽつりと漏れたその言葉は、どこか本音のようでもあった。
すぐに構えを取り直し、タイムスナイパーを掲げる。
銃口の前に、時計を模したエネルギー陣が展開され――
そこから、次々とウォークロックが召喚される。
十数体。
数で押し潰す布陣。
「……行け」
短く命じる。
レプリカ三体と共に、敵勢が一斉に襲いかかる。
「……ハァッ!!!」
だが、迎え撃つプリズマとサファイアの動きは――先程までとは別物だった。
クロステライザーを振るう。
強化された出力と速度。
それだけで、迫ってきたウォークロックの大半が一瞬で吹き飛ぶ。
「……そっちは、お願い!!」
プリズマが叫ぶ。
***
「オッケー!!」
【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】
【WONDERFUL THE ARCHIVE:GUARDIAN『ビビット』!!!】
【ESCORT THE DREAM:GUARDIAN『ガイア』!!!】
蓮子、メリー、鈴夜、奏海がそれぞれ守護者へ変身。
さらに凛たちも加わり、分断された敵勢へと同時に飛び込む。
「待たせた分、全力で請け負う……!!」
メモリアはバトルジャパン(レプリカ)と対峙。
相手の空手と舞を組み合わせた独特の格闘に対し、
メモリアライドシューターUのタイヤ型エネルギーをヨーヨーのように操り、間合いを崩す。
「……せいっ!!」
相手がコマンドバットを槍状に変形させ、防御へ移ったその瞬間。
一気に踏み込み――
クロステライザーで斬撃。
直撃。
バトルジャパン(レプリカ)は、そのまま崩れ落ちるように消滅した。
「やーっとまともに動けるよ……!」
ビビットは、キュアピーチ(レプリカ)と交戦。
相手の軽快なステップに対し、高速移動で追従しながら、爪状のエネルギーで連続斬撃を叩き込む。
ペースを奪う。
「天……誅っ!!」
ビビットキャストマシンガンUを顕現。
銃身で強引に叩き落とし――
そのまま撃破。
光となって消滅した。
「……今回は、あいつらのエスコートだな」
ガイアは、鳩谷こはね(レプリカ)と、その支援を受けたウォークロック群を迎え撃つ。
応援によって強化された敵の動き。
だが――
「ジギャッ……!!?」
超加速。
赤黒い斬撃が、視認すら困難な速度で叩き込まれる。
一瞬で数体を切り伏せる。
「ギルガルド!!『ジャイロボール』!!」
「ギルルッ!!」
モンスターボールから解き放たれたギルガルドが回転しながら突撃。
残ったウォークロックを一掃し――
その勢いのまま、鳩谷こはね(レプリカ)を吹き飛ばす。
撃破。消滅。
***
「……行くよ!!」
「……うん!」
プリズマとサファイアは同時に踏み込む。
「そう来なければ……心置きなく戦えんか」
アイズもまた、迎え撃つように前へ出た。
三者が交差する。
斬撃と斬撃がぶつかり合い、金属音が連続して響く。
「これを……こう!!」
プリズマは、装着しているノベルを押し込む。
【『夢想封印』!!!】
展開されたのは、色とりどりの巨大な光弾。
それらは意思を持つかのように、アイズへと追尾する。
「追尾弾か……!」
アイズが対応を始めた、その瞬間。
「狙い撃つ……!!」
横合いから、サファイアの矢が放たれる。
「っ……!!」
回避と迎撃を強いられる中――
光弾と矢の連携を、完全には捌ききれない。
数発が直撃した。
「よし……当たった……!!……っ!!」
手応えを感じた、その時。
「AAAAAAAAAAAAAAAARUNAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
轟音。
拘束されていたアース世怪が、無理やり拘束を引きちぎり――
暴走状態のまま、こちらへ飛び込んでくる。
「来た……!!」
プリズマが身構える。
「……イリヤ」
背中合わせに立つサファイアが、低く呼びかける。
「……私に、いい考えがある」
短く、的確に作戦を伝える。
それは――
この状況を一気にひっくり返す可能性を秘めたものだった。
「これなら……尾張長人さんも……!!」
「分かった!ぶっつけ本番……やってみる!」
プリズマは迷わず頷く。
***
「あいつ等も全力って事か……」
モードレッドは、ウォークロックを斬り伏せながら呟く。
視線の先では、戦況が大きく動き始めている。
「……こっちも、体張らなきゃな……!!」
そして剣を構え、力を込める。
05へ続く。
―――――
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。