Fate/Scramble U World ~秘封トラベラー・メモリアル~   作:おろさん

42 / 64
カレイドスコープ・エール 05

 

 

「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

 咆哮と共に、アース世怪が再び動き出す。地面を抉りながら一直線に突進し、プリズマとサファイアへと迫った。

 

「……よーし……今っ!!」

 

 その動きを待っていたかのように、二人は同時に動く。左右へ散開し、直撃を回避。

 

「……はっ!!!」

 

 跳躍。空へと舞い上がると同時に、お札、矢、光弾……それぞれの攻撃を再び一斉に放つ。

 

 突進してきたアース世怪を回避しながら、アイズはその弾幕を正確に撃ち落としていく。

 

「空中戦に持ち込む気か……」

 

 すぐさまタイムブラスターを上空へ向け、連射。さらに対抗するように、無数のレーザーとエネルギー弾を展開し、弾幕は一気に倍増した。

 

「見える……!!」

 

 だが、プリズマとサファイアは怯まない。迫り来る弾幕の隙間を、紙一重で見切りながら、軽やかにすり抜けていく。

 

「素早い……冷静さを取り戻したか、それとも――」

 

 アイズが分析を続けようとしたが、

 

「VSCDCSDSCAZZCERCSRWWRVERTEYYTYYRNYRVRYJYJNURNRNUY」

 

 アース世怪が再び割り込む。膨大な炎と、無数の剣を上空へ乱射していた。

 

「……今だっ!!」

 

 二人は即座に反応。別のクロステラノベルを取り出す。

 

 プリズマは『湖のチルノ』、サファイアは『はたてフォトグラフィック』。

 

【STYLE CHANGE!!!】

 

【CIRNO STYLE!!!】

 

【HATATE STYLE!!!】

 

 ノベルを装填した瞬間、装甲が変化する。

 

 プリズマは氷精を思わせる冷気の装甲を纏い、サファイアは鴉天狗を連想させる機動型の装甲へ。

 

「……撮る!」

 

 ハタテスタイルのサファイアが、小型機械を構え、シャッターを切ると、アース世怪の放った弾幕が、まるで『切り取られた』かのように抉れて消滅した。

 

「……凍らせる!!」

 

 続けて、チルノスタイルのプリズマがクロステライザーを振り下ろす。

 

「”E#E""!#!!!??」

 

 すると冷気が爆発的に広がり、アース世怪を巨大な氷塊へと閉じ込めた。

 

【REIMU STYLE!!!】

 

【EIRIN STYLE!!!】

 

 間髪入れず、再びノベルを付け替え、二人は一気に加速し、凍結したアース世怪へ突撃。

 

「VVVVV……AAAAAAAA!!!!」

 

 だが次の瞬間、氷塊が内側から砕け散る。アース世怪が強引に脱出。

 

「……!!!」

 

 再び身構える二人。

 

「待ってたぜ、この時を!!」

 

 その時、離れた位置。モードレッドが剣に膨大な魔力を込めていた。

 

「GI!!?」

 

 振り向くアース世怪。だが、もう遅い。

 

「『我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)』!!!」

 

 放たれた一撃が、一直線に叩き込まれる。

 

「GI……GIIIIIIIIIII!!!!!」

 

 直撃。アース世怪は耐えようとするが、その巨体が大きく揺らぐ。衝撃の余波で、プリズマとサファイアも吹き飛ばされるが――

 

「……今よ……()()()!!」

 

【『サファイア』CROSS FINISH!!!!】

 

 サファイアが横薙ぎに斬撃を放つ。

 

「……分かった!!!」

 

 その意図を瞬時に理解したプリズマは、空中で体勢を整え、サファイアの斬撃を踏み台に、さらに加速。

 

 一気にアース世怪へ突っ込む。

 

「GI……WCAGAAAA!!」

 

 宝具のダメージでよろけた、その隙を逃さない。

 

「はああああああああああっ!!!」

 

【『プリズマ』CROSS FINISH!!!!】

 

 クロステライザーの刃が、一直線に突き出され、アース世怪の腹部を貫く。

 

『っ……!!?』

 

 裂ける装甲。内部が露出。その奥には尾張長人の姿。

 

「……掴まって!!!」

 

 その言葉を聞いて長人は必死に手を伸ばし、プリズマのクロステライザーを掴む。

 

 そしてアース世怪の身体が完全に貫通されると同時に、内部に埋め込まれていた、歪な宝石が引きずり出され、砕ける。

 

「A……AAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

 断末魔の咆哮。アース世怪と宝石は、光と衝撃を伴って、同時に爆散した。

 

「後は……そっちだよ!!」

 

 プリズマとサファイアは、同時にアイズへと視線を向ける。

 

「っ……!!」

 

 アイズは即座にタイムスナイパーを構え、レーザーを倍増させながら乱射。空間を埋め尽くすほどの弾幕が二人へ襲いかかる。

 

 だが、問題はない。

 

 プリズマとサファイアは、その弾幕を紙一重で見切り、かすめるようにすり抜けながら、一気に間合いを詰める。

 

「これで……!!」

 

【『生命遊戯 ーライフゲームー』!!!】

 

 サファイアは『ドクターエーリン』のノベルを押し込むと、無数の光球が展開され、アイズの周囲を取り囲む。

 

 それは単なる弾幕ではない。軌道を制御された光が、逃げ道を塞ぐ檻となる。

 

「……はっ!!」

 

 そこに中心へ向けて……巨大な光弾が一直線に撃ち出された。

 

「がっ……!!」

 

 動く選択肢を奪われたアイズは、まともに直撃を受ける。

 

「一気に攻めるよ!!」

 

 その隙を逃さずプリズマとサファイアは同時に踏み込み、それぞれの武器を構えて接近戦へ。

 

「せいっ!!やぁっ!!!」

 

「はっ……ふっ!!」

 

 突き、斬撃、薙ぎ払い。互いの動きを読み合った、無駄のない連携。怯んだアイズに、間断なく攻撃を叩き込む。

 

「何がどうなっている……!さっきまでこちらが優勢だったはずだ……たった一人増えただけで、ここまで……!!」

 

 明らかな動揺。その言葉に、プリズマは首を振る。

 

「増えたとか、そういう話じゃない……二人でなら……みんなとなら、何でもできる!!」

 

 力強く言い切り、サファイアも続く。

 

「だから、前に進む……イリヤと……みんなと一緒に……!!」

 

【『プリズマ』SABER BURST!!!!】

 

【『サファイア』LANCER STRAIGHT!!!!】

 

 吹き飛ばされたアイズに向け、二人は同時に必殺の一撃。

 

 収束したエネルギーが、一直線に――

 

「がああああああっ!!?」

 

 直撃。

 

 激しい爆発と共に、アイズの体がさらに弾き飛ばされた。

 

 アース世怪の爆散跡と、地面に転がったアイズの元からそれぞれ一つずつ、指輪が弾かれるように宙へ舞う。

 

 プリズマは『星獣戦隊ギンガマン』の指輪を。

 

 サファイアは『電磁戦隊メガレンジャー』の指輪を。

 

 それぞれしっかりと掴み取った。

 

 さらに、アイズのもとから、尾張長人から奪っていた、『U時空考古学』なる書物が堕ちてくると、プリズマはそれを拾い上げた。

 

「コンバーサリーが持ち込んだものが……まさか、そこまでの力を持っていたとはな……」

 

 ゆっくりと立ち上がりながら、コロモは呟く。

 

 既に変身は解けていた。

 

「見事だ……少し、見くびっていたようだな」

 

 そして、わずかに口元を緩める。

 

「だが……次に戦う時が、少し楽しみになった」

 

 タイムブラスターを後方へ向けると、空間が歪んでワープホールが生成される。

 

 そのままコロモは一歩踏み出し、瞬間移動でその場から姿を消した。

 

「……やったね……美遊!」

 

「……うん!」

 

 戦いが終わり、変身を解いた二人は、顔を見合わせて笑う。

 

「へへ……」

 

 その様子を見ていたモードレッドは、少し離れた場所に寝かされている尾張長人のもとへ歩み寄る。

 

「っ……!!」

 

 だが、足元がふらついた。

 

「えっ、だ、大丈夫ですか!?」

 

 イリヤと美遊が慌てて駆け寄る。

 

 その時だった。尾張長人の右手に刻まれていた令呪が、淡く光り……消えていく。

 

 それと同時に、モードレッドの身体も徐々に透け始めていた。

 

「……まぁ、無理もねぇよな……マスターがあんな状態で、まともな魔力供給もねぇまま……宝具を全開でぶっ放したんだ。いくらクラスカードで半分受肉したにしても、そりゃここが限界だろうよ……」

 

「……分かってて……そんなこと……」

 

 自嘲気味に笑う彼女は動揺する二人に対して、

 

「……そんな顔すんなよお前らは勝ったんだ。だったら、ちゃんと喜べ」

 

 あっさりと言い放つその言葉に、どこか優しさが混じる。

 

「それに、別に終わりってわけじゃねぇ。運が良けりゃ、またどっかで誰かに召喚される。そん時に、この記憶が残ってるかもしれねぇしな。サーヴァントってのは、そういうもんだ」

 

 そして、尾張長人の方へ視線を向ける。

 

「……マスター(コイツ)にも伝えとけ。ここから先はかなり大変なんだろうが……お前らなら、どうにかできるってな」

 

 その言葉を最後に。モードレッドの身体は完全に光へと変わり静かに、消えていった。

 

「……そういえば、名前……ちゃんと聞いてなかったな」

 

 しばしの静寂。イリヤはぽつりと呟き、ゆっくりと立ち上がる。

 

「……私、やるよ。美遊と、それに蓮子とメリーと……みんなと一緒に」

 

 そして美遊の方を向き、迷いのない笑顔で言った。

 

「イリヤ……」

 

 その言葉を聞いて、美遊は静かに頷いた。

 

「2人とも!!」

 

 イリヤと美遊のもとへ、蓮子とメリーたちが息を切らしながら駆け寄ってくる。

 

「みんな――わっ……!?」

 

 安堵の声を上げ、イリヤが振り向いた……その瞬間だった。腹の底に響くような重い地響きが大地を揺らす。思わず足元がぐらつき、全員の視線が反射的に一点へと向いた。

 

 遠方。立ち上る土煙の向こうに、圧倒的な巨体が姿を現す。

 

 それは、レボルキング・マスパーマリサー。

 

『まさか、シスターの救済を跳ね除けるなんて……解せないね……!!』

 

 低く押し殺したような声。だがその奥に、はっきりとした苛立ちが滲んでいる。

 

 コックピット内でシゲツは歯噛みしながら操縦桿を握り込み、レボルキングを一歩、また一歩と前進させた。巨体が動くたび、地面が悲鳴を上げる。

 

「あれって……!!」

 

「パトレボルシオンの巨大ロボ……!!」

 

 美遊とイリヤは同時に息を呑む。圧倒的な威圧感に、思わず言葉が詰まった。

 

 と、その時。イリヤの手に握られていた『ハクレイナイト・インヴァース』のノベルが、淡く、しかし確かな光を放ち始める。

 

「これって……そう言う事、だよね」

 

 小さく呟くイリヤ。その瞳には迷いがなかった。

 

「イリヤ……後は思いっきり、やっちゃって」

 

 美遊は一歩下がりながら、柔らかな笑みを向ける。信頼を込めたその言葉に、イリヤはしっかりと頷いた。

 

「……オッケー!」

 

【アウェイキング!】

 

 イリヤは『出陣!クロステラカイザー』のノベルをクロステライザーへと装填する。

 

【『クロステラカイザープリズマ』!!!】

 

 光が弾け、空間が震える。巨大な機体、クロステラカイザープリズマが現実へと顕現した。

 

「えーと……こう!!」

 

 慣れた手つきでコックピットへと飛び込み、シートに滑り込むイリヤ。すぐさま『ハクレイナイト・インヴァース』のノベルを高く掲げた。

 

 するとノベルがふわりと浮かび上がり、コックピットの外へと飛び出す。光をまといながら急速に巨大化し、そのまま複数のパーツへと分離。

 

【クロステラカイザープリズマ『REIMU STYLE』!!!】

 

 パーツは次々とクロステラカイザープリズマへと装着。装甲には鳥居を思わせる意匠が走り、武装には御札や神具を模したパーツが展開……まるで神社そのものを武装化したかのような姿へと変貌した。

 

『何……!?』

 

 シゲツの声に、明確な動揺が混じる。

 

「よーし……行くよ!!」

 

 イリヤは操縦桿を強く握り込み、視線をまっすぐ敵へと向けた。

 

 唸りを上げる駆動音とともに、クロステラカイザープリズマが一歩踏み出す。今日最後の戦いの火蓋が、今まさに切って落とされようとしていた。

 

 

 






=クロスタルリングカセット=
『星獣戦隊ギンガマン』
イラスト:星獣ギンガレオン→ギンガレッド
固定絵:銀星獣ギンガレオン
獲得者:イリヤ

・指輪所有者状況
『電磁戦隊メガレンジャー』
所有者:コロモ→美遊


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。