Fate/Scramble U World ~秘封トラベラー・メモリアル~ 作:おろさん
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
咆哮と共に、アース世怪が再び動き出す。地面を抉りながら一直線に突進し、プリズマとサファイアへと迫った。
「……よーし……今っ!!」
その動きを待っていたかのように、二人は同時に動く。左右へ散開し、直撃を回避。
「……はっ!!!」
跳躍。空へと舞い上がると同時に、お札、矢、光弾……それぞれの攻撃を再び一斉に放つ。
突進してきたアース世怪を回避しながら、アイズはその弾幕を正確に撃ち落としていく。
「空中戦に持ち込む気か……」
すぐさまタイムブラスターを上空へ向け、連射。さらに対抗するように、無数のレーザーとエネルギー弾を展開し、弾幕は一気に倍増した。
「見える……!!」
だが、プリズマとサファイアは怯まない。迫り来る弾幕の隙間を、紙一重で見切りながら、軽やかにすり抜けていく。
「素早い……冷静さを取り戻したか、それとも――」
アイズが分析を続けようとしたが、
「VSCDCSDSCAZZCERCSRWWRVERTEYYTYYRNYRVRYJYJNURNRNUY」
アース世怪が再び割り込む。膨大な炎と、無数の剣を上空へ乱射していた。
「……今だっ!!」
二人は即座に反応。別のクロステラノベルを取り出す。
プリズマは『湖のチルノ』、サファイアは『はたてフォトグラフィック』。
【STYLE CHANGE!!!】
【CIRNO STYLE!!!】
【HATATE STYLE!!!】
ノベルを装填した瞬間、装甲が変化する。
プリズマは氷精を思わせる冷気の装甲を纏い、サファイアは鴉天狗を連想させる機動型の装甲へ。
「……撮る!」
ハタテスタイルのサファイアが、小型機械を構え、シャッターを切ると、アース世怪の放った弾幕が、まるで『切り取られた』かのように抉れて消滅した。
「……凍らせる!!」
続けて、チルノスタイルのプリズマがクロステライザーを振り下ろす。
「”E#E""!#!!!??」
すると冷気が爆発的に広がり、アース世怪を巨大な氷塊へと閉じ込めた。
【REIMU STYLE!!!】
【EIRIN STYLE!!!】
間髪入れず、再びノベルを付け替え、二人は一気に加速し、凍結したアース世怪へ突撃。
「VVVVV……AAAAAAAA!!!!」
だが次の瞬間、氷塊が内側から砕け散る。アース世怪が強引に脱出。
「……!!!」
再び身構える二人。
「待ってたぜ、この時を!!」
その時、離れた位置。モードレッドが剣に膨大な魔力を込めていた。
「GI!!?」
振り向くアース世怪。だが、もう遅い。
「『
放たれた一撃が、一直線に叩き込まれる。
「GI……GIIIIIIIIIII!!!!!」
直撃。アース世怪は耐えようとするが、その巨体が大きく揺らぐ。衝撃の余波で、プリズマとサファイアも吹き飛ばされるが――
「……今よ……
【『サファイア』CROSS FINISH!!!!】
サファイアが横薙ぎに斬撃を放つ。
「……分かった!!!」
その意図を瞬時に理解したプリズマは、空中で体勢を整え、サファイアの斬撃を踏み台に、さらに加速。
一気にアース世怪へ突っ込む。
「GI……WCAGAAAA!!」
宝具のダメージでよろけた、その隙を逃さない。
「はああああああああああっ!!!」
【『プリズマ』CROSS FINISH!!!!】
クロステライザーの刃が、一直線に突き出され、アース世怪の腹部を貫く。
『っ……!!?』
裂ける装甲。内部が露出。その奥には尾張長人の姿。
「……掴まって!!!」
その言葉を聞いて長人は必死に手を伸ばし、プリズマのクロステライザーを掴む。
そしてアース世怪の身体が完全に貫通されると同時に、内部に埋め込まれていた、歪な宝石が引きずり出され、砕ける。
「A……AAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
断末魔の咆哮。アース世怪と宝石は、光と衝撃を伴って、同時に爆散した。
「後は……そっちだよ!!」
プリズマとサファイアは、同時にアイズへと視線を向ける。
「っ……!!」
アイズは即座にタイムスナイパーを構え、レーザーを倍増させながら乱射。空間を埋め尽くすほどの弾幕が二人へ襲いかかる。
だが、問題はない。
プリズマとサファイアは、その弾幕を紙一重で見切り、かすめるようにすり抜けながら、一気に間合いを詰める。
「これで……!!」
【『生命遊戯 ーライフゲームー』!!!】
サファイアは『ドクターエーリン』のノベルを押し込むと、無数の光球が展開され、アイズの周囲を取り囲む。
それは単なる弾幕ではない。軌道を制御された光が、逃げ道を塞ぐ檻となる。
「……はっ!!」
そこに中心へ向けて……巨大な光弾が一直線に撃ち出された。
「がっ……!!」
動く選択肢を奪われたアイズは、まともに直撃を受ける。
「一気に攻めるよ!!」
その隙を逃さずプリズマとサファイアは同時に踏み込み、それぞれの武器を構えて接近戦へ。
「せいっ!!やぁっ!!!」
「はっ……ふっ!!」
突き、斬撃、薙ぎ払い。互いの動きを読み合った、無駄のない連携。怯んだアイズに、間断なく攻撃を叩き込む。
「何がどうなっている……!さっきまでこちらが優勢だったはずだ……たった一人増えただけで、ここまで……!!」
明らかな動揺。その言葉に、プリズマは首を振る。
「増えたとか、そういう話じゃない……二人でなら……みんなとなら、何でもできる!!」
力強く言い切り、サファイアも続く。
「だから、前に進む……イリヤと……みんなと一緒に……!!」
【『プリズマ』SABER BURST!!!!】
【『サファイア』LANCER STRAIGHT!!!!】
吹き飛ばされたアイズに向け、二人は同時に必殺の一撃。
収束したエネルギーが、一直線に――
「がああああああっ!!?」
直撃。
激しい爆発と共に、アイズの体がさらに弾き飛ばされた。
アース世怪の爆散跡と、地面に転がったアイズの元からそれぞれ一つずつ、指輪が弾かれるように宙へ舞う。
プリズマは『星獣戦隊ギンガマン』の指輪を。
サファイアは『電磁戦隊メガレンジャー』の指輪を。
それぞれしっかりと掴み取った。
さらに、アイズのもとから、尾張長人から奪っていた、『U時空考古学』なる書物が堕ちてくると、プリズマはそれを拾い上げた。
「コンバーサリーが持ち込んだものが……まさか、そこまでの力を持っていたとはな……」
ゆっくりと立ち上がりながら、コロモは呟く。
既に変身は解けていた。
「見事だ……少し、見くびっていたようだな」
そして、わずかに口元を緩める。
「だが……次に戦う時が、少し楽しみになった」
タイムブラスターを後方へ向けると、空間が歪んでワープホールが生成される。
そのままコロモは一歩踏み出し、瞬間移動でその場から姿を消した。
「……やったね……美遊!」
「……うん!」
戦いが終わり、変身を解いた二人は、顔を見合わせて笑う。
「へへ……」
その様子を見ていたモードレッドは、少し離れた場所に寝かされている尾張長人のもとへ歩み寄る。
「っ……!!」
だが、足元がふらついた。
「えっ、だ、大丈夫ですか!?」
イリヤと美遊が慌てて駆け寄る。
その時だった。尾張長人の右手に刻まれていた令呪が、淡く光り……消えていく。
それと同時に、モードレッドの身体も徐々に透け始めていた。
「……まぁ、無理もねぇよな……マスターがあんな状態で、まともな魔力供給もねぇまま……宝具を全開でぶっ放したんだ。いくらクラスカードで半分受肉したにしても、そりゃここが限界だろうよ……」
「……分かってて……そんなこと……」
自嘲気味に笑う彼女は動揺する二人に対して、
「……そんな顔すんなよお前らは勝ったんだ。だったら、ちゃんと喜べ」
あっさりと言い放つその言葉に、どこか優しさが混じる。
「それに、別に終わりってわけじゃねぇ。運が良けりゃ、またどっかで誰かに召喚される。そん時に、この記憶が残ってるかもしれねぇしな。サーヴァントってのは、そういうもんだ」
そして、尾張長人の方へ視線を向ける。
「……
その言葉を最後に。モードレッドの身体は完全に光へと変わり静かに、消えていった。
「……そういえば、名前……ちゃんと聞いてなかったな」
しばしの静寂。イリヤはぽつりと呟き、ゆっくりと立ち上がる。
「……私、やるよ。美遊と、それに蓮子とメリーと……みんなと一緒に」
そして美遊の方を向き、迷いのない笑顔で言った。
「イリヤ……」
その言葉を聞いて、美遊は静かに頷いた。
「2人とも!!」
イリヤと美遊のもとへ、蓮子とメリーたちが息を切らしながら駆け寄ってくる。
「みんな――わっ……!?」
安堵の声を上げ、イリヤが振り向いた……その瞬間だった。腹の底に響くような重い地響きが大地を揺らす。思わず足元がぐらつき、全員の視線が反射的に一点へと向いた。
遠方。立ち上る土煙の向こうに、圧倒的な巨体が姿を現す。
それは、レボルキング・マスパーマリサー。
『まさか、シスターの救済を跳ね除けるなんて……解せないね……!!』
低く押し殺したような声。だがその奥に、はっきりとした苛立ちが滲んでいる。
コックピット内でシゲツは歯噛みしながら操縦桿を握り込み、レボルキングを一歩、また一歩と前進させた。巨体が動くたび、地面が悲鳴を上げる。
「あれって……!!」
「パトレボルシオンの巨大ロボ……!!」
美遊とイリヤは同時に息を呑む。圧倒的な威圧感に、思わず言葉が詰まった。
と、その時。イリヤの手に握られていた『ハクレイナイト・インヴァース』のノベルが、淡く、しかし確かな光を放ち始める。
「これって……そう言う事、だよね」
小さく呟くイリヤ。その瞳には迷いがなかった。
「イリヤ……後は思いっきり、やっちゃって」
美遊は一歩下がりながら、柔らかな笑みを向ける。信頼を込めたその言葉に、イリヤはしっかりと頷いた。
「……オッケー!」
【アウェイキング!】
イリヤは『出陣!クロステラカイザー』のノベルをクロステライザーへと装填する。
【『クロステラカイザープリズマ』!!!】
光が弾け、空間が震える。巨大な機体、クロステラカイザープリズマが現実へと顕現した。
「えーと……こう!!」
慣れた手つきでコックピットへと飛び込み、シートに滑り込むイリヤ。すぐさま『ハクレイナイト・インヴァース』のノベルを高く掲げた。
するとノベルがふわりと浮かび上がり、コックピットの外へと飛び出す。光をまといながら急速に巨大化し、そのまま複数のパーツへと分離。
【クロステラカイザープリズマ『REIMU STYLE』!!!】
パーツは次々とクロステラカイザープリズマへと装着。装甲には鳥居を思わせる意匠が走り、武装には御札や神具を模したパーツが展開……まるで神社そのものを武装化したかのような姿へと変貌した。
『何……!?』
シゲツの声に、明確な動揺が混じる。
「よーし……行くよ!!」
イリヤは操縦桿を強く握り込み、視線をまっすぐ敵へと向けた。
唸りを上げる駆動音とともに、クロステラカイザープリズマが一歩踏み出す。今日最後の戦いの火蓋が、今まさに切って落とされようとしていた。
=クロスタルリングカセット=
『星獣戦隊ギンガマン』
イラスト:星獣ギンガレオン→ギンガレッド
固定絵:銀星獣ギンガレオン
獲得者:イリヤ
・指輪所有者状況
『電磁戦隊メガレンジャー』
所有者:コロモ→美遊