ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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地の文上達、及びAIによる推敲の依存からの脱却などのため、丁寧に話を書いていたのもあり、投稿までに時間がかかりました。

遅くなったため、申し訳ございません。
(過去に書いた・AI推敲した話に関しても、後日自力で手直しを行う予定です)



ノーモア・トレンディドラマ 03

 

 

 

 その頃――√BACK-DOORS。

 

 ホテルのロビーを思わせる場所の一角では、資料や端末が所狭しと並べられ、即席の調査室へと化していた。

 

「だーっ!! 私ともあろうものが、何にも分からんっ!!」

 

 静寂を切り裂くように、闇の絶叫が響いた。机を叩かんばかりの勢いで身を乗り出す彼女の瞳には、苛立ちの火が灯っている。

 

 数日前の、モードレッドの証言、そして尾張長人から託された資料。

 

 漆黒の闇が今使えるだけの情報網をフル稼働させてもなお、核心へと至る道筋は見えてこない。

 

「とりあえず、“ただならぬ異変が起きてる”ってことだけは、嫌ってほど分かったけど……」

 

 膝の上で丸くなるクオンを撫でながら、ツクモが慎重に言葉を紡ぐ。その視線は、端末に表示された断片的な情報の羅列――『時空の分岐』と『可能性の集合体』という、眩暈のするような概念に向けられていた。

 

「それでもまだよくわからないし、正直かなり胡散臭い……」

 

「……にゃあ」

 

 クオンの短い鳴き声が、重苦しい空気に小さく溶ける。

 

 資料に記されていたのは、クロスタルリングにまつわる断片的な情報だった。

 

 時空とは、何かをきっかけに無数の分岐を生み出し、広がっていく“可能性の集合体”。

 

 資料によれば、この世界群――『U時空』は、かつて巨神『Uの起源』によって救われたという。厄災を打ち滅ぼした五人の守護者の力、その欠片こそが“クロスタルリング”。

 

 神話めいた英雄譚。だが、現代に蘇ったその力は、あまりに不穏な熱を帯びていた。

 

「……あのおじさん、大層なことを言っておいて、肝心なところは妙に大雑把でござるなぁ……」

 

 あすみが呆れたように肩を落とすと、鈴夜が腕を組んでフォローを入れた。

 

「んー……というより、単純にこっちの持ってる情報が少なすぎるんだと思う。」

 

「まあ、少なくとも――」

 

 メアリーは静かに、だが断定するように口を開く。

 

「クレイジークロックの件も含めて、クロスタルリングがこの事態の『鍵』であることは間違いないよね」

 

「ええ」

 

 アンが深く頷き、思考を補足した。

 

「以前、尾張長人は、あの『ダイボウケン』というロボットのことを、『疑似サーヴァント』と呼んでいました。あれが私たちの知る英霊に匹敵する存在だとするのなら……」

 

「……スケールがどんどん大きくなっていくね」

 

 ツクモが苦笑する。

 

 そこへ、センリツが静かに言葉を継いだ。

 

「……パトレボルシオンの件を踏まえると、この戦いはまだ始まったばかりなのでしょう」

 

 その声には、わずかな緊張が滲んでいた。

 

「……モードレッドの話を考えても、今の俺たちが知らないことは、まだ山ほどある」

 

 不意に、別の声が割り込む。

 

 振り返ると、そこには奏海の姿があった。

 

 その後ろには、ありすと文香もいる。

 

「あ、奏海さん」

 

 鈴夜が声を上げる。

 

「後ろの二人もまた一緒か……暇なのか?」

 

 闇が半ば呆れたように言うと、

 

「いやいや、そんなわけないじゃないですか。たまたま気分が一致しただけですよ」

 

「それに、アイドルといっても、四六時中お仕事をしているわけではありませんから……」

 

 ありすが呆れ気味にツッコミを入れ、隣で文香が苦笑い。

 

 もっともな反論だった。

 

 そんなやり取りに小さく笑いが漏れる中、鈴夜は改めて奏海へ向き直る。

 

「……あのサーヴァントが説明してくれたこと……納得はできた?アイドルの皆が手にした力、あれに関係あったんだよね?」

 

「……関係があるのは間違いない」

 

 奏海はそう答えた。

 

 だが、その表情は晴れない。

 

「ただ、まだ腑に落ちきってはいない。他の事例を知らない以上、断言はできないが……」

 

 ゆっくりと首を横に振る。

 

「(文香たちが手にした力に関しては、まだ何かある……そしてそれは、多分……)」

 

 言葉を紡ぐのを止めて、彼は視線を落とす。

 

 モードレッドの証言。

 

 そして、U時空考古学の資料。

 

 それらを思い返しながら、彼は胸の内で一つの言葉を思い返す。

 

「(異世界が関与することで発生する、強大な思念エネルギー……)」

 

 その呼び名を、彼は静かに唇の内で転がした。

 

「(その呼び名のひとつが――『エモルギー』、だったか……)」

 

 

*****

 

 

 その頃。アニメショップ・マルチバースにて。

 

「……ってわけなんだが、何か知ってるか?」

 

「知らない」

 

 見かけない装いと顔の客を前に、どういうわけか店長O.R.はカウンターに肘をついたまま、にやけているのか冷ややかなのか分からない雰囲気を露わにしている。

 

「そもそも何さ、銀河連邦警察って。アニメの見すぎじゃないのかい? 冷やかしならお呼びじゃないんだ、帰った帰った」

 

「……そうか。変なこと聞いちまって、悪かったな」

 

 そっけない対応にも気を悪くした様子はなく、赤ジャケットの青年は後頭部をかきながら、のっそりと店を後にした。

 

「警察……?」

 

 品出しの最中だった蓮子とメリーが、その背中を盗み見る。

 

「銀河連邦って、どこかで聞いたことがあるような……」

 

「あ、あれじゃない? 昨日、Ryutubeのオカルト系チャンネルで見た……」

 

 首を傾げる蓮子に、メリーが思い出したように指を立てる。

 

「あー、あれか!確か、旧連合の邪魔が入ったせいで、結局設立されなかったっていう――」

 

「お・ま・え・ら……?」

 

 盛り上がりかけた空気が、一瞬で凍りついた。

 

「ヒョッ!?」

 

 変な悲鳴を上げて横を向けば、そこには――いつにも増して『キレている』ことが一目で分かるほど、一切笑わず、鋭い睨みをきかせるフランの姿。

 

「……しごとちゅうに、ずいぶんたのしそう。えぇ?」

 

「え、あ、す、すみません!!」

 

 殺気という名の圧に背中を押され、二人は脱兎のごとく作業へ戻る。たびたびウォークロックへの対処でバイトを抜け出す前科がある彼女たちに、反論の余地はなかった。

 

「まったく……」

 

 溜息をつき、フランは不機嫌そうに自分の持ち場へと戻っていく。

 

 その背中を見送りながら、蓮子とメリーは密かに目配せし合った。今日のフランは、いつにも増してピリついている。

 

「……」

 

 一人になったフランは、ふと足を止め、先ほどの青年の後ろ姿を脳裏に描いた。

 

 すると彼女は、そっとポケットに忍ばせたものに指を触れる。

 

「いまのひと……まさか、ね」

 

 指先に触れるのは、乾電池の形をした小道具。

 

 他人から見れば、ありふれた雑貨に見えるもの。彼女からしてそれは、警告を発するように熱を帯びていた。

 

 

*****

 

 

 場所は変わり、冬木市の商店街。

 

「……」

 

 リリーナたちと別れたリーゼロッテは、軒を連ねる店の間を抜けて、1つの店に辿り着く。そこにあるのは、ありふれた中華料理店だ。

 

「ここね……」

 

 手元の端末に届いたメールの写真と、年季の入った店の看板を交互に見比べ、リーゼロッテはその引き戸を開ける。

 

 店内に漂う油と醤油の香りの先に、目当ての男はいた。

 

 カウンター席で一心不乱にラーメンをすすり込んでいるその背中に向かって、リーゼロッテは声をかける。

 

「貴方が、トラヴィス・タッチダウンね?」

 

 問われたその男、トラヴィスはすぐさま後ろを向き、彼女のその姿を見る。

 

「そう言うアンタが、噂の聖女さま……殺し屋ランキング74位の『緋目の人形遣い』か……何か思ったより小さいな」

 

「……ランキングに関しては、勝手に登録されて迷惑してるわ。しかも最近は勝手に上がってるし。」

 

 ほんのり不機嫌な素振りを見せつつ、スタスタと無機質な足音を立てて近寄ると、リーゼロッテは彼の隣の席に腰を下ろした。

 

 あらかじめ購入しておいた食券を、店員へ静かに差し出す。そんな彼女の横顔を一瞥しつつ、トラヴィスが話しかける。

 

「で、かの聖霊庁が俺に何をさせるつもりだ?それも日本で。」

 

 警戒するそぶりを見せつつ、彼はリーゼロッテに睨みをきかせる。

 

 そもそも殺し屋であり、殺し屋同士の戦いを生きがいにしていた彼からすると、国家機関が依頼をすること自体が珍しいのもあり、怪しくもある。

 

 そんな彼の内心を察しつつ、リーゼロッテは注文の品を待つ合間に、淡々と本題を切り出す。

 

「早い話、異変調査と……人探し。」

 

「あー……そりゃどう言う意味だ?」

 

「まず貴方、出くわした事あるんでしょ?時計みたいなヘルメットの怪人集団。」

 

「……ああ、何ならこの前もぶった切った。」

 

 トラヴィスがそう答えると、リーゼロッテはわずかに瞳の赤みを増して続ける。

 

「その集団は最近、どうやらこの冬木市にやたら出現するらしいの。」

 

「……あ?聞いた事ねェぞそんなん。」

 

 余計に疑問を抱き、首を傾げるトラヴィス。湯気の立つラーメンがちょうどテーブルに置かれ、リーゼロッテは箸を割りつつ言葉を重ねる。

 

「でしょうね。周りの一般人は、事件に遭遇しても記憶を抹消されているみたいだから。そのあたりの情報が何者かに操作されているせいで、聖霊庁側じゃ調べられないんだと。」

 

「それで、俺やお前みたいな、裏で仕事する奴等に依頼が回ってきたのかよ。」

 

「端的に言えばね。」

 

 納得したように鼻を鳴らしたトラヴィスが、さらに問いを重ねる。

 

「……じゃあ、人探しってのは?」

 

「そこは……確かペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト曰く」

 

 リーゼロッテはそこで一度言葉を切り、

 

「……革命戦争の際に出現した謎の機動兵器、通称『黒い幽霊』の捜索だってさ。」

 

「黒い幽霊……そういやそんなんあったな……」

 

『黒い幽霊』。その言葉を聞き、トラヴィスは顎に手を当てながら、記憶の糸をたぐり寄せる。

 

「どこからともなく、いきなりワープしてきて……モビルドールとかをぶっ潰してたやつだったな。」

 

 かつて世界を揺るがした革命戦争。その折に発動された作戦、通称『オペレーション・ノヴァ』。

 

 私兵集団『OZ』による地上襲撃の際は、最先端の人工知能を搭載した無人機(モビルドール)が導入されていた。

 

 リーゼロッテの言う『黒い幽霊』は、その最中に出現したという機動兵器。

 

 名の通り黒い機体。それが虚空から不意に現れ、モビルドールを粉砕し、風のように去っていく。結果的に、数々の街と重要施設を防衛した逸話が絶えないという。

 

「まさか、その黒い幽霊の事も聖霊庁は興味津々だってのか?」

 

 どこか呆れ気味な素振りを見せだすトラヴィスだが、リーゼロッテは首を横に振る。

 

「……違う、そっちは『ネルガル』からの依頼。理由は開示されてないけれど、なるべく内密に動いてって話よ。」

 

「そうかよ、ったく……」

 

 その返答に、込み入った事情を察したトラヴィスは、それ以上の追及を控えた。

 

「そういうわけだから、まずはあの時計頭の怪人の調査よ。」

 

 ズルズル、と小気味よい音を立てて麺をすすり上げ、リーゼロッテは話を切り替える。

 

「さっきはああ言ったけど、手掛かりはある。」

 

 麺をすすり終わると、彼女は足元に置いたトランクのロックを解除し、ほんの隙間だけ開く。その中に手を滑り込ませて、指輪を一つ手にした。

 

 その指輪は、なんとなく腕時計のようなパーツを持った、一風変わったもの。

 

 そして、鳥を連想させる戦士とマシンのイラストが、パーツに施されている。

 

「指輪……?」

 

「名前は……確か『クロスタルリング』。コレを集めると、何でも願いが叶えられるって言う噂よ。」

 

「願いがって……んなまた急だな。ドラゴンボールとかそう言うのじゃねェんだぞ?」

 

 脈絡もない流れで、そう言った話を持ち出されたトラヴィスは露骨に顔をしかめる。

 

「……『デスボール』」

 

 しかしリーゼロッテの一言で、トラヴィスの肩がビクリと跳ねる。

 

「発売中止になった伝説のゲームハード……そのソフトを6つ集めると願いが叶うっていうソレを、あなたは集めたって聞いてるけれど?」

 

「……チッ、どこで調べやがったんだソレを。」

 

 過去の苦労を滲ませるように、苦い表情で頭をかくトラヴィス。

 

「まあ……アレは色々あったんだよ。いやだとして、その指輪が何の関係があるんだよ。つーか、よく見ると特撮ヒーローっぽいデザインだなソレ……」

 

 リーゼロッテは、そんな彼に冷ややかな視線を向けつつ、話を再開する。

 

「結論から言うと、世界中でちょっとずつ出現している時計頭……あれらを倒しているのは、主にこういう指輪を使っている人間みたいよ。」

 

 少し間を置いて、彼女は話を締めくくった。

 

「そして、その中でも特殊な力を使う人が、この冬木市に住んでいる……そう言う話を聖霊庁が聞いたから、私はこの町に出向かされたの。」

 

「さっきから説明されても、俺にまで指示してくる理由はやっぱ分かんねぇが……」

 

 話を聞いたトラヴィスは、まだ少し腑に落ちない様子ながらも、多少気持ちを切り替える。

 

「殺し屋以外でそんなやつがいるってんなら、気にならなくもねぇが。」

 

 そして、割と興味深そうに話を聞いていた。

 

 と、その時。リーゼロッテの端末が、鋭く鳴り響く。

 

「ヴァイス?急にどうし……え、そう……分かった。すぐに行く。」

 

「……何か、トラブルってわけか。」

 

 その短いやり取りで事態を察したトラヴィスは、椅子を蹴るようにして立ち上がった。

 

「だったら話は早ぇ。バトルは得意分野だ。」

 

 

 







―――――

*注釈:本作品は、自著の文章の一部をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。



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