ウルトラワールド:Scramble Engage   作:おろさん

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ノーモア・トレンディドラマ 06

 

『ギガントデストロイヤーの力、思い知るがいい!!!』

 

 巨大ロボに飛び移ったデストロイマンは、笑い声を響かせながらコックピットのレバーを引き寄せる。

 

 その瞬間、ギガントデストロイヤーが右腕を真っ直ぐに突き出してきた。

 

「だったら……!」

 

 対し、黒コートの少女はまた違う絵柄のカートリッジを取り出して、再びそれを大剣のスロットに滑り込ませる。

 

【コウフンガー】

 

「うおらぁっ!!」

 

 その瞬間、彼女の左腕が瞬く間に巨大化。ギガントデストロイヤーの右ストレートを受け止めて、押し返してみせた。

 

「……行けっ!!」

 

 直後、少女はメモリアへと視線を向け、そう強く言い放った。

 

 唐突な呼びかけにメモリアは戸惑うものの、力強く首を縦に振り、風を切るように走り出した。

 

【『クロステラカイザーメモリア』!!!】

 

「せいやあああああああ!!」

 

 クロステラカイザーを顕現させ、飛び込んだ勢いのまま、ギガントデストロイヤーの巨体に強烈な飛び蹴りを叩き込んだ。

 

『くっ……そ、そいつが例の巨人……!!こいつをデストロイすれば、私の計画もスムーズになるというもの!!』

 

「巨人……?オイ貴様、今の兵器の事を知っているのか。」

 

 倒れたギガントデストロイヤーをデストロイマンは再び立たせると、五飛が言葉を投げかけてきた。

 

『兵器……?何も知らないとはいえ、随分とバカな事を言うじゃないか、ガンダムとやら。だが答える義理は無い!覚悟しろ、悪のガンダムも私がデストロイする!!』

 

 しかし全く答える気のないデストロイマンは、アルトロンガンダムに向かって容赦なく拳を振り下ろしてきた。

 

「話が通じんか……まあいい、今は戦いに集中するのみ……!」

 

『ならばサービスしてやろう。』

 

 デストロイマンが黒いカートリッジを掲げた瞬間、それに合わせるように、上空から何かが落ちてくるのが見えた。

 

 それは紛れもなく、トーラスとバッタ。数機の無人機が再びこの場に出現し、空から舞い降りたのだ。

 

「ま、またモビルドールと木星蜥蜴……!!」

 

「力圧しか、如何にもだな……!」

 

『さぁ、トラヴィスの前に、貴様らをデストロイ!!』

 

 身構えるメモリアと五飛の前に、ギガントデストロイヤーが迫りくる。

 

 

***

 

 

「あっちは無人機……こっちはついでにまた増えやがったか……!!」

 

 一方その頃、屋上では。トラヴィスたちの視線の先に、新たなデストロイマンが5体増殖していた。

 

「さぁトラヴィス・タッチダウン、正々堂々と勝負しようじゃな――」

 

「うるっさ……」

 

 少女は気だるげに呟くと同時に、大剣から閃光のようなレーザーを撃ち、デストロイマンの頭部たやすく粉砕した。

 

「くっ……ならば来い!!」

 

 別個体がそう呼びかけると、上空から新たにトーラスが数体舞い降りる。

 

「いい加減そのワンパターンな所も飽きてきたところだ。そろそろ纏めてぶった切るぜ!」

 

「幸い、さっきみたく場所の悪さで劣勢になる事もないだろうし。」

 

 トラヴィスとリーゼロッテが身構えるや否や、デストロイマンたちとトーラス数機が突っ込んできた。

 

 だが、何の問題も無い。

 

「……おらぁっ!!!」

 

「ギーァ……!」

 

 ビーム・カタナを振るって衝撃波を放つトラヴィス。リーゼロッテは魔法陣からギーァを顕現させ、迫りくるトーラスを一網打尽に粉砕していった。

 

「あっ、やべ――」

 

 流石に焦りだしたデストロイマンたちだが、既に遅い。

 

 次の瞬間にはトラヴィスとリーゼロッテが迫り、間髪入れずにビーム・カタナの閃光とエルフリーデの鋭爪が、彼らの身体を切り刻んだ。

 

「くっ……だ、だがしかし!!お前達にギガントデストロイヤーを倒せるわけがない!!」

 

「ふぅん……おまえ、みとおしがあまい。」

 

 一体だけになってもまだ余裕ぶった態度のデストロイマンに対し、黒コートの少女が冷ややかに声をかけた。

 

『ぐううううっ……!!!』

 

 その矢先に、ギガントデストロイヤーが攻撃を受け、かなり後ずさる姿が目に飛び込んできた。

 

「その兵器が何なのかは知らんが、筋は良いようだな。」

 

「兵器?これってそう言うのじゃないと思うけど……」

 

 アルトロンガンダムのドラゴンハングと、クロステラカイザーメモリアの銃撃が、ギガントデストロイヤーに突き刺さり続けている。戦況は完全にこちらのものだ。

 

『舐めるなよ悪の機動兵器共!!ギガントデストロイヤーの最終奥義を喰らうがいい!!』

 

 と、ギガントデストロイヤーに乗るデストロイマンは、また黒いカートリッジを掲げる。するとギガントデストロイヤーは、腹部に禍々しいエネルギーを収束させていく。

 

『デストロイ最終奥義!!デストロイノ――ヴァフォッ!!!?』

 

 しかしその瞬間。横合いから謎の何かが突撃してきて、収束させたエネルギーは呆気なく霧散した。

 

「今度は……何だろ、ワープして来たの……?」

 

「あれは……『黒い幽霊』か!!」

 

 ふと視線を向けると、そこには中世の騎士を模したような、重厚な黒い機動兵器が佇んでいた。五飛はその機体を知っているようだ。

 

 それは、『黒い幽霊』と呼ばれているもの。正式名称『ブラックサレナ』。

 

「あれが黒い幽霊ってやつか?」

 

「え、ええ。こんな形で早く見つかるなんて……」

 

 視線を見合わせ、言葉を交わすトラヴィスとリーゼロッテ。すると、宙に浮くブラックサレナがトラヴィスの元に近づいた。

 

「あ、え、な、何だ?えーっと……よぉ、調子はどうだ?」

 

 対し、とりあえず彼は雑に挨拶をなげかけてみたがスルーされる。そのままブラックサレナは、ぬらりと装甲の頭部を自身の肩に向ける。

 

 そこには、どういうわけか一匹の猫が乗っている。それは、トラヴィスが良く知る猫だ。

 

「よぉ、やーっと見つけたぜトラヴィス!」

 

「ん?おまっ……『ジーン』!?何か今日は見ねぇと思ったら何やってんだお前。つかそんなおっさんくさい声だったか」

 

「(え、今喋った……?)」

 

 何故か言葉を話す、微妙に太った体型の飼い猫『ジーン』。どういうわけかブラックサレナの肩にちょこんと乗っかっている。

 

 それを見てリーゼロッテが困惑しているのも気にせず、トラヴィスとジーンは会話を続ける。

 

「細かい事は後。色々あって、このロボットを連れてくるよう頼まれたんだよ。」

 

「……それってシルヴィアからか?」

 

「いや、全然違うやつ」

 

 ブラックサレナからふわりと飛び降りたジーンは、そう説明した。

 

「(流石に奴等はいないようだが……今は依頼を果たす)」

 

 すると、ブラックサレナの視線が、ギガントデストロイヤーと数機の無人機へと転じられる。

 

 その瞬間、機体は瞬間移動で距離を詰め、トーラスとバッタを一気に粉砕。あっという間に全滅した。

 

『黒い幽霊まで来るとは好都合!此処にいる悪を根こそぎデストロイしてやろう!!』

 

 半ばヤケクソな態度のデストロイマンが、ギガントデストロイヤーを操りブラックサレナへと突っ込んでいく。

 

「自分勝手な正義に酔うお前に、負けるつもりはない……!」

 

 漆黒の機体がまたしても虚空に消える。ギガントデストロイヤーの拳が空を切った瞬間、背後に現れたブラックサレナから容赦のないレーザーが放たれた。

 

「ええい!!オイ何をしている!!さっさと加勢に来い!!」

 

「ジカカカカッ!!!」

 

 屋上にいるデストロイマンは完全に冷や汗をかき始め、虚空に向かって助けを求めた。すると、どこからともなく十数体のウォークロックが出現する。

 

「また来るのかよ……今更だけどデストロイマンのやつ、何か小者ムーブが酷くなってねぇか?」

 

「別にどうでもいい。数も多くないから、さっきみたいに場所の悪さで不利になる事もない。だからさっさと……ん?」

 

 徐々に他者を当てにし始めたデストロイマンの体たらくに、トラヴィスとリーゼロッテはうんざりしてくる。

 

「どっせえええええええええい!」

 

【『プリズマ』BERSERKER IMPACT!!!!】

 

 すると、屋上の床に空いた穴から、ひとりの人物が勢いよく飛び出してきた。豪快に振り下ろされた巨大な斧の一撃が叩き込まれ、ウォークロックたちが派手な勢いで吹っ飛んでいった。

 

「追いついた……!」

 

「あ、どうもはじめまして」

 

 斧を振り下ろした本人のプリズマが軽やかに着地。後からサファイアも追いつき、たまたま視界に映ったトラヴィスとリーゼロッテに軽く会釈した。

 

「さてと……2人とも、私に代わって!!」

 

 すると真っ先にサファイアが、クロステラカイザーを操るメモリアに向かってそう声をかけた。

 

「オッケー!」

 

 メモリアがその言葉に深く頷くと、『出陣!クロステラカイザー』のノベルが、サファイアのクロステライザーへと瞬時に付け替えられる。

 

【クロステラカイザーサファイア!!!】

 

「よし……」

 

 神官のようなバトルドレスに身を包み、コックピットへと滑り込んだ美遊。右手に持つのは、『ドクターエーリン』のノベル。

 

 ノベルが変形すると、クロステラカイザーサファイアは、どこか名医のような神秘的な装甲を身に纏った。

 

【クロステラカイザーサファイア『EIRIN STYLE』!!!】

 

「クロステラカイザーの武装追加……私にも出来た……一気に片付ける!」

 

 美遊が操縦桿を動かすと、クロステラカイザーサファイアの右腕の槍が、エイリンスタイルによる弓を介してレーザーを連続で放つ。

 

 それがギガントデストロイヤーにすべて炸裂。これまでダメージを与え続けていたこともあって、あともう一息というところだ。

 

『姿を変えたところで――ぐっ!?』

 

 現実から目を背けるように、デストロイマンはギガントデストロイヤーのエネルギーを充填し始めた。

 

「これ以上、貴様の遊びに付き合うつもりはない。」

 

 しかしその瞬間、アルトロンガンダムのドラゴンハングが牙を剥き、ギガントデストロイヤーの両腕部を噛み砕いた。

 

 それと同時に、ブラックサレナと共に間合いを詰めて、クロステラカイザーサファイアが鋭い光を放ちながら右腕に力を蓄えていく。

 

「速攻で終わらせる……『クロステラカイザー・『八意』・バタフライ』!!!」

 

【『サファイア』LANCER STRAIGHT!!!!】

【『天網蜘網捕蝶の法』!!!】

 

 幾条ものレーザーが光の網となり、ギガントデストロイヤーを囲う。

 

「最大出力で決める……!!」

 

 敵の巨体に突き刺さるレーザーに合わせ、ブラックサレナが突撃。ギガントデストロイヤーの巨体を豪快に貫く。

 

『デストロォォォォイ!!?』

 

 そのまま爆発音と共に、ギガントデストロイヤーが粉々に砕け散った。

 

「な、そんな馬鹿な!!調整が足りていなかったというのかっ……!!?」

 

 屋上の方のデストロイマンは、目の前でギガントデストロイヤー(と搭乗者ごと)が木っ端微塵に吹き飛ぶ光景を目の当たりにし、かなりうろたえている。

 

「で、最終的にこうなるってか。」

 

「高を括っておいてすっかり劣勢になっちゃってさぁ」

 

 そんな彼に、トラヴィスとリーゼロッテが近寄る。

 

「かくなる上は――」

 

 足裏のジェットエンジンの轟音を響かせ、デストロイマンは空の彼方へ逃げ去ろうとした。

 

「逃がさない!!」

 

 すると、メモリアのライドシューターがタイヤ型のエネルギー弾を放つ。そこから伸びたエネルギーの糸が、デストロイマンの片足にするりと絡みついた。

 

「……ないす」

 

【シンペーダー】

 

 黒コートの少女が瞬時に、剣のスロットにカートリッジを装填。放った波動をデストロイマンが浴びた瞬間、彼の内部に積まれていた武装やジェットエンジンがパージする。

 

「っと、手っ取り早くて丁度いいぜ!!」

 

「これで終わり……!!」

 

 それによって落下するデストロイマンを見逃さず、トラヴィスとリーゼロッテが同時に間合いを詰める。それぞれの技が閃いた瞬間、デストロイマンを一瞬にしてバラバラに斬り刻んだ。

 

「くっ……だ、だが既に分かっているだろうトラヴィス・タッチダウン!私を倒した所で私は終わらない!!改めて調整を重ねてまた現れる!!それが新生デストロイマン!!いつか、この世の悪を、デストロォォォォォォイ!!!!」

 

 負け惜しみを早口でまくし立てながら、そのまま爆散した。

 

「ふぅ……今回も何とかなったわ……」

 

 敵が全部倒されたのを確認すると、メモリアは変身を解いて、蓮子とメリーの姿に戻る。

 

「ん?……え、アイツ今分裂しなかったか?」

 

「分裂というより、元々二人組だったみたいね……」

 

 蓮子とメリーの姿を見て少し面食らうトラヴィスに対し、事情をリーゼロッテは察しつつ、背後へ視線を向けた。

 

 そこにさっきまでいたはずの黒コートの少女の姿は、いつの間にか消えていた。

 

「(終わったか……)」

 

「待て!お前には聞きたいことがある!お前は……何者だ!?話に聞く『テンカワ・アキト』だというのか!!」

 

 ブラックサレナは、背を向けて静かに去ろうと進む。その姿を見た五飛は、アルトロンガンダムを動かして、機体を逃がすまいと背中を追っていった。

 

*****

 

「そうですか……わざわざお伝えいただき、ありがとうございます。」

 

 その頃空港では。避難を終えていたリリーナは、先ほどの戦闘で起きた事を、ヴァイスから電話越しで伝えられていた。

 

「(やはり、この世界には未だに悪意が蔓延っている……近頃起きている襲撃の話も、かなり根深い者なのかもしれない……だとしても、私は平和を諦めません。革命戦争を経て、人々の心は変わり始めている……だからこそ……)」

 

 通話を終えたリリーナは、自分の胸元を押さえながら、ゆっくりとうつむきながら、足を進めた。

 

「はぁ……案の定ではあったが、駄目だったか。」

 

 そんな彼女の真後ろに、灰色目の少女が腰を下ろしながらそう呟いている。

 

「デストロイマン……そもそも、リリーナ・ドーリアンの抹殺指示は下されていなかったのを……まあいい、関係のない事だ。」

 

 少女『ハルカス=C=セリカアリス』はそう言いうやなや、ひょいと立ち上がるなり、あっという間に姿を消した。

 

*****

 

「お・ま・え・ら……ようやくみつけた」

 

 駐車場を出た途端、蓮子とメリーの前に仁王立ちするフランの姿。ポーカーフェイスを装ってるものの、明らかに激怒している。

 

「あっ、えーと、そのこれには込み入った事情が」

 

「しらんわ!ばかあるばいとどもが!!」

 

 慌てて2人は弁解しようとしたが、そもそも結局バイトをサボって抜け出してきた身。フランには問答無用で首根っこを掴まれ、そのままズルズルと引きずられていった。

 

 その途中、フランの姿を見つめる二人。先に沈黙を破ったのはメリーだった。

 

「えっと……あの、さっきは、助けてくれてありがとうございました。」

 

「……なんのはなしかな。」

 

 その言葉を耳にした途端、フランはふいっと頬を背け、そのまま表情を変えずに二人を引っ張りつつ歩き去った。

 

***

 

「で、何がどうなってるんだよコレ。」

 

 一方、トラヴィスは状況をよく分かっていない様子だった。ヴァイスがイリヤたちから事の次第を聞かされたのは察せたが、だとしても唐突な展開の多さゆえか、彼は困惑したままだった。

 

「……さっきの二人組と、この小学生の子二人……きっと指輪使いよ。」

 

 そこで、リーゼロッテが沈黙を破る。

 

「指輪って……さっきのアレか?」

 

「うん……というかあのまま持っていかれたままだわ……」

 

「あの……」

 

 すると、イリヤが会話に入って来た。

 

「それについてなんですけど……トラヴィスさんとリーゼロッテさんですよね、二人にも説明しないといけない事があって……」

 

「……?」

 

 

***

 

 

 ってなわけで、俺はクロスタルリングやクレイジークロックのこと、他にもいろんなことをこの後聞かされるわけなんだが……まあ、これ以上は長くなるから、具体的な描写は一旦次回に持ち越しだ。多分な。

 

 え?急にどうしたんだって?ああ、この際だから、1つ大事な事を言おうと思ってな。

 

 この世界では、ノーモア★ヒーローズ3とは繋がらない。3のキャラが出る事はあっても、ソレは原作通りじゃない。

 

 え?それもそれで何でそんな事ぶっちゃけたのかって?そりゃあ……

 

 ノーモア★ヒーローズが大体メタ発現を平然と言うゲームだからだよ。初登場の今回なんでさっきのやつは言わせてもらった。ってかこう言っておかないと原作知ってるやつは……いやこれ以上は止そう。

 

 そんじゃ、そういうわけだからよ。随分時間かかりまくったわけだけど、これにて第11話は終わりだ。またな。

 

 

byトラヴィス・タッチダウン

 

 







=NEXT=

ツクモ「超人気なライバー『青春くりあ』が346プロとコラボ!?

そんな仕事が入った矢先、現れたのは新たな指輪の戦士!?

神出鬼没の透明レッドファルコン!?え、その正体は一体何なの?

第12話『晴天爽快?クリアなあの子はバーチャル少女』。……っていうか、鈴夜さん、何か機嫌悪そうだけど、それまた何で?」


・今サブタイトルの元ネタ:鳥人戦隊ジェットマン(愛称『戦うトレンディドラマ』)




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