Fate/Scramble U World ~秘封トラベラー・メモリアル~   作:おろさん

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トロピカれ!常夏の街の元令嬢 04

 

 

 そんなこんなで、海底に沈んだ謎の装置の捜索が開始。一同は迷うことなく海へと飛び込み、海へと潜り始めた。

 

「ん……えーと、あー、あー……すごい、海の中なのに普通に話せるし普通に生き出来る!しかも何かいつもより泳ぎやすいし、目を開けてもよく見えるし沁みない!」

 

「現象を強める能力……水中の私達の動き、つまり振動を強めて、空気を操っているって事ね……」

 

 思いのほか泳げて深く潜れただけでなく、海中であるにもかかわらず不自由なく呼吸や会話ができる上に、目も沁みずよく見えることに、イリヤや美遊たちは深く感心していた。

 

「元々本来のダイビングも出来なくもありませんが、それだと皆様全員にライセンスが無いと厳しいですから、この場合はこの指輪能力使う方が早いですの。かなり便利だから重宝していますの。」

 

 対して自慢げにそう答えたユミカは、

 

「それでは、早速行きましょう!」

 

 と言って、先陣を切って潜っていった。

 

 

***

 

 

「わぁ……!」

 

 そうして始まったイリヤ達の海中探索。危険かもしれない装置の捜索を行っているものの、その足取りは堅苦しいものとは程遠い。

 

 色とりどりの魚たちと泳ぎ、神秘的な光景を眺めて回る。幻想的な世界に魅せられた彼女たちは、すっかり目を輝かせていた。

 

「テレビとかで見た事はあったけど、実際に見る深海ってこんな感じなのね……すっごく綺麗……」

 

 蓮子たちの視界に、神秘的な深海の光景が次々と飛び込んでくる。道中にモビルスーツなどの機動兵器の残骸が沈んで横たわっていたりもしたが、不思議なことにその赤錆や金属の光沢は、かえって鮮烈な美しさを放っていた。

 

「見て見てプロデューサー、何だか可愛いのがいる!」

 

「うお、確かに。そんで見た事のない柄だな……記念に一枚いくか、ほれ笑顔で」

 

 珍しい魚を見つけてはしゃぐ加蓮と、それを楽しそうに見つめながらカメラを向ける奏海。そのすぐ横では、美遊はユミカと言葉を交わしていた。

 

「何か、すいません……何か楽しんでるようになって……」

 

「いえいえ構いませんの。こうして海の神秘を堪能してくださるのは身共としても嬉しい事ですの。」

 

 美遊は申し訳なさそうにするも、ユミカは気にするどころか、一同が楽しんでくれていることをむしろ喜んでいる様子。と、そこにひょいと近づいてきた奏が、ユミカに声をかけた。

 

「好きなんですね、海のこと。」

 

「ん、当然ですの。子供のころから海が憧れだったもので……昔お爺様が深海魚の写真を見せてくれて、そのユニークさが魅力的で……あら」

 

 探索の手を動かしながら、ユミカはかつての思い出を楽しげに語っていたが、彼女の言葉と視線が止まる。少し窪んだ位置の砂地から、何かが埋まっているのに気づいたのだ。

 

「これはもしや……!!」

 

 指輪をかざし、活性(パッション)の能力を発動。振動を強めて、砂や泥を丁寧に取り除き、地中からそれを力強く、ゆっくりとせり上がらせる。

 

やがて姿を現したのは、確かな存在感を放つ大型の装置。深海に一年の間沈んでいたにもかかわらず、金属は錆びていない。不気味な赤い光を宿し、異質なエネルギーが脈動するように巡っていた。

 

「これが例の装置……何かをしてる様子は無さそうね。」

 

「電源が入ったまま放置されていたということですのね……とにかくようやく見つかりましたの。というわけでまずはこれを。」

 

 メリーたちの視界に映るそれは、何らか悪機能を作動している気配はない。ユミカは周囲の安全を確認すると、慎重に装置へ歩み寄り、その傍らに小型の機械を設置。

 

 そのスイッチが入ると、機械から強烈な光が真上へと放たれ、水面を突き抜けた光の柱がビーコンとなった。

 

 

***

 

 

 数分後。濡れた砂を蹴り、一同は海岸へと這い上がる。先程設置したビーコンの光が目の前に映った。

 

「さて……これで父様が隠した機械の位置が分かりましたの。後は……」

 

「クロステラカイザーだね!……で、回収するってなるとここは私かな――」

 

 ユミカの言葉に重ねるように、イリヤが前へ進み出ようとした。

 

「SYUTAUTOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

 

 だが、その瞬間。頭上から、雨あられのように爆弾が降り注いだ。

 

「っ……待て、伏せろ!!」

 

 瞬時に察知した奏海の鋭い声に合わせ、一同は瞬時に身を屈める。直後に彼が展開したバリアとギルガルドのキングシールドによる防壁によって無事を取り留めた。

 

 煙が晴れたその視界の先。砂塵の中から悠然と姿を現したのは、さっき吹っ飛ばされたばかりのレンキン世怪だった。

 

「RAIZARIIIIIIN!!!」

 

「ちょっ……こんな時に出てくるなんて……!!」

 

「違う、こんな時だから現れた。」

 

 蓮子が警戒の声をあげるた時。空間を抉じ開けるように発生したワープホールから現れた白髪の人物は、ヴァーレンだ。

 

「貴方、パトレボルシオンの……!!」

 

 見覚えのある人物に、美遊は警戒を強める。

 

「状況は一通り聞かせてもらった。あの先にある装置は恐らく革命戦争の遺産……どういう効果かは知らないが、利用価値がある。故に我々が回収する。拒否権など無い。」

 

 だがヴァーレン自身は表情を一切変えず、銃を向けてくる。

 

「他人に向かって随分上からだな……」

 

 奏海はそう言い放つと、右人差し指から指輪を外し、クロステライザーを鋭く構える。それに続くように、イリヤたちも次々とリングを外して同じく準備。

 

「大人しく変身させるわけが――っ!?」

 

 ヴァーレンは発砲しようとしたが、横からの銃撃に阻まれて怯んだ。

 

「ヘイヘイ、面白い事やってるじゃん。混ぜてくれない?」

 

 とそう言いながら、ビビッドキャストマシンガンUを手にこちらへ近づいてきたのは鈴夜。彼もまた水着姿だったが、その身に纏っていたのは、どう見ても女性物のオレンジ色のフレアビキニだった。

 

「あっ、鈴夜さん……えっと、いつからここに……というか貴方一応男ですよね?(by美遊」

 

「んー、そこのパラレルファイターがサーフィンで侵蝕世怪人吹っ飛ばした時くらい?ってか何着てもいいじゃん別に(by鈴夜」

 

「え、割と最初からいたの!?(byイリヤ」

 

「聞いてないふりしてくつろいでたなお前……(by奏海」

 

「この方も守護者ですの?(byユミカ」

 

「あ、はい、そうです(by蓮子」

 

「貴様っ……邪魔する挙句そんなくだらん話をっ……」

 

 そんな会話を交わしている最中に、たち込めていた砂煙が薄れ始めると、ヴァーレンが苛立ちを露わにし始めていた。

 

「っと失敬、気を取り直して行きましょっと」

 

「後から来て平然と仕切ってる……まあ、とにかく――」

 

 鈴夜の一言に美遊達は呆れ果てたが、すぐに気を引き締めて前を向いた。

 

「「変身(エンゲージ)!!」」

 

【CLAP YOUR HANDS!!!】

 

 クロステライザーに指輪をはめ込み、クラップを行う。

 

【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】

 

【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】

 

【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】

 

【WONDERFUL THE ARCHIVE:GUARDIAN『ビビット』!!!】

 

【ESCORT THE DREAM:GUARDIAN『ガイア』!!!】

 

 そして、それぞれ華麗な装甲を纏い、守護者へ変身した。

 

「おお、これが守護者の姿……この目で拝めてよかったですの!というわけなので、身共も!」

 

 守護者達の姿に目を輝かせながら、ユミカは余裕の笑みを浮かべながら、自身の右人差し指からクロスタルリングを外し、優雅にクロステライザーを構えた。

 

『4つの変身ハートクルリング』→『キュアサマー』

『マーメイドアクアポット&ローラ&くるるん』

 

変身(エンゲージ)!!!」

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

 指輪をはめ込み、活発な動きでリズミカルに、且つメイクをするような仕草でクラップを行う。

 

【『トロピカル~ジュ!プリキュア』!!!】

 

 そしてユミカは、パラレルファイター『キュアサマー』へと変身した。

 

「……さっさと潰せ!」

 

「SYUTAAAAAAAAA!!!!!」

 

 ヴァーレンが指示を合図に、レンキン世怪が猛然と突撃する。更には彼女の上空からモビルドールのトーラスが降下し、容赦なくこちらへと迫ってきた。

 

「モビルドールは任せとけ……加蓮、奏、準備は良いな?とはいえ相手が相手だから――」

 

「大丈夫だよ。心配しなくても、無理はしないから安心して。」

 

「それはそれとして、感情の無い機械には……早くご退場を願うけれどね。」

 

 ガイアが投げかけた一言に応じるように、加蓮と奏が視線を交わして頷く。その瞬間に二人の全身を眩い光が包み込むと、加蓮は魔法剣士のようなアシンメトリードレス、奏は魔導士のようなロングスリットドレスを身に纏った。

 

【『ガイアフレイムアーチU』!!!】

 

「さてと、アイドル達をエスコートするのもプロデューサーの役目ってね……角醒憑依だ、頼むぜ盾角(ジュンカク)。」

 

 ボウガン型の武器を構え、手にしたエゴルギアから放たれるエネルギーで盾を形成する。その盾を振るい、加蓮と奏の前に強固な防御バリアを展開。

 

 軽やかに剣を振るう加蓮と、鮮やかに魔法弾を放っていく奏の二人を守り抜きながら、間髪入れずにフレイムアーチで矢を撃ち放っていく。

 

「ルカリオ、『ふるいたてる』からの……『ラスターカノン』!」

 

「トリミアン、こっちも『ふるいたてる』、それから『ギガインパクト』!!」

 

 そこに加蓮がルカリオを、奏がクイーンカットのトリミアンを繰り出す。

 

 ふるいたてるによりそれぞれ威力を上げたルカリオのエネルギー弾とトリミアンの突撃が、ガイアの放った無数の矢に合わせてトーラスたちにクリーンヒットすると、そのまま全て四散させた。

 

 

***

 

 

「TYOUGOOOOOOOOOO!!!」

 

 レンキン世怪と交戦するサファイアとキュアサマー(ユミカ)。レンキン世怪はどこから集めたのかも不明な材料を頭部の釜へ放り込み、尻尾で掴んだ杖でかき混ぜると、中からミサイルが次々と生み出されていった。

 

活性(パッション)!!」

 

 キュアサマー(ユミカ)は波に向かって指輪能力で波を巨大化させ、迫るミサイルにぶつけて誘爆させた。

 

「貴方の生成能力……封じてみせる……!!」

 

 隙を突いたサファイアが鋭く踏み込み、蝶型のエネルギー弾放つ。

 

「GYA!!?E、AAAAAAAA!!!!?」

 

 狙いすました一撃がレンキン世怪の頭部を捉えると、爆発し中の液体を盛大に飛散、蒸発させた。

 

「GI!!QQQQQAAARAAAZAAAAA!!!」

 

 焦り出したのか、今度は杖を振るい魔法弾を放ってきた。しかし何の問題も無く、二人は軽やかにステップを踏んで回避していく。

 

「早々に厄介な能力を封じるとは!流石ですの!」

 

「……褒めるのは良いけど、まだ終わってないので引き続き行きましょう。」

 

 

***

 

 

「君君ィ、その感じ、もしかして指輪隠して持ってない?頂戴よゥ!!」

 

「黙れっ、チャラチャラするな……口答えしたら粉々にする……!!」

 

 ビビットはクロステライザーを振るい、ヴァーレンと交戦。ヴァーレンは冷ややかな無表情を崩さぬまま、しかし内なる苛立ちをぶつけるように二丁拳銃を乱射している。

 

「指輪を持ってるなら、何かに利用される前に……」

 

「遠慮なく取らせてもらうよっ!!」

 

 背後からはメモリアとプリズマが回り込む。メモリアはライドシューターを、プリズマはアックスセイバーをそれぞれ構えて攻撃を開始。

 

「黙れって言っ――」

 

「せぇぇぇいっ!!!」

 

 負けじと防戦を続けるヴァーレンの懐へ、プリズマが一気に踏み込む。斧へと変形したアックスセイバーが、凄まじい風圧を伴い薙ぎ払われる。

 

 ヴァーレンは上体を激しく反らしたため回避されたが、その姿勢は完全に崩れ、致命的な隙が露呈。

 

「はいドーンっ!!」

 

 そこを狙って、メモリアはヨーヨーのように操るタイヤ型のエネルギー弾で、渾身の一撃を叩き込んだ。

 

「ぎゃんっ……!!」

 

 勢いよく吹き飛んだヴァーレンのポケットから、それはメモリアとプリズマの足もとへと落ちる。

 

「クロスタルリング、貰っていくわね。」

 

 そしてメモリアは『Go!プリンセスプリキュア』、プリズマは『電撃戦隊チェンジマン』の指輪をそれぞれ拾い上げた。

 

「貴様ら……それはシスターのご機嫌取りのために必要、故にさっさと返――」

 

「おっと、よそ見してばっかりじゃんか!」

 

『ライブマンの動物のエンブレム』→『レッドファルコン』

『スーパーライブロボ』

 

【CROSSTAL RING!!!】

 

【『ライブマン』!!!】

 

 ビビットはクロスタルリングをクロステライザーにはめ込み、『レッドファルコン』に再変身。三つの武器を合体させた『トリプルバズーカ』をヴァーレンへと向ける。

 

「とっ捕まえて、色々聞きださせてもらうよっ!!」

 

 トリプルバズーカの閃光が、ヴァーレンに迫る。

 

「そう言うわけにはいかない。」

 

 しかしその時だった。その言葉と共に、どこからともなく狩人アイズが割り込み、強烈なエネルギー弾を無理やり弾き返した。

 

「狩人アイズ……!!」

 

「勝手に動いておいてごちゃごちゃ言うなよ。こういう時は決まってこっちにしわ寄せが来るんだ空気読め。さて……おいゴトー、出番だぞ!」

 

 助けてもらっておいて嫌そうな顔をするヴァーレンにそう吐き捨て、アイズは遠くへ視線を走らせた。

 

 その瞬間、地響きと共に、ソウクレイザーが一機出現した。

 

『フヒヒ……折角ぐうたら過ごしてたのに使いっ走りって……』

 

 引きこもりパイロット『トリナベ・ゴトー』

 

『まあいいや、樹里様から良いもの貰ってるし、この際全部粉砕しちゃえぃ』

 

 パイロットの上級ウォークロックのゴトーは、『ソウクレイザー・パッチェ』を動かし始める。

 

「対処はさせてもらう。」

 

 同時に、アイズもタイムブラスターの銃身を鳴らしつつ間合いを詰め始める。

 

「イリヤちゃん、ここは私達に任せて、ソウクレイザーを頼むわ!」

 

「うん、わかった!とりあえずあの装置壊されるといけないし……いよし!!」

 

 アイズの相手をメモリアとビビットが請け負い、プリズマは今のうちにノベルを付け替えた。

 

 

 






=クロスタルリングカセット=
『Go!プリンセスプリキュア』
イラスト:変身バンクのダンスホール→キュアフローラ
固定絵:ドレスアップキー
獲得者:ヴァーレン→蓮子&メリー

『電撃戦隊チェンジマン』
イラスト:5体の伝説獣→チェンジドラゴン
固定絵:地球
獲得者:ヴァーレン→イリヤ

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