Fate/Scramble U World ~秘封トラベラー・メモリアル~   作:おろさん

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暴走荒波サーフィン!深海に眠る戦の遺産 04

 

 

『さってさて、かったるいけどいっちょやりますかぁ』

 

 アゼルはレボルキング・レンダライコーを動かし、周囲に浮かぶ円形型武装『レンダライコードラム』で雷を放つ。

 

「……また自立型。だけど、なんてことない!」

 

 対し、美遊はクロステラカイザーサファイアを駆り、華麗なステップで雷を避けて間合いを詰める。

 

「……せいっ!!」

 

 そして、突く。

 

『うげ、折角の初陣であっさり対処されちゃってるんだけど……』

 

「……大人しく装置を渡してもらえる?貴方、他の二人と比べて話が分かりそうだけど。」

 

『残念ながらそうはいかない。一応仕事だし……さて、こうなると話は変わるわけなんで……』

 

 アゼルはレボルキング・レンダライコーの右腕に持つ装置を、天に掲げだす。

 

「まさか……!!」

 

 レンダライコードラムが装置を囲い、雷を浴びせると、装置が光を放ちだす。

 

『さーて、革命戦争の遺産の力は如何ほどか……あ、邪魔されると良くないから、君達はこの子らの相手してなよ。』

 

 アゼルの指パッチンと同時に、クロステラカイザーサファイアの目の前には、モビルドール・トーラスが二機ほど立ち塞がった。

 

「そ、そんな、このままでは――」

 

「……何で弱気になっているんですか、ユミカさん。貴方らしくない。」

 

「へ?」

 

 慌てふためくユミカの傍で、美遊は余裕の笑みを浮かべてそう呟いた。

 

「それに……()()()()()みたいです!」

 

 コックピット越しに見下ろす砂浜には、奏海たちの姿があった。奏海は大きく腕を突き出し、力強くサムズアップを掲げている。

 

『ん?何かよゆーそうな雰囲気――』

 

 その時だった。

 

「ディバイン……バスター!!」

 

 真横から飛来した烈しいレーザーが、レボルキング・レンダライコーを捉える。その圧倒的な威力でトーラス二機とレンダライコードラム数個を容易く抉り抜き、爆散させた。

 

『どうぉっ!!?今どこから――』

 

「目標補足……任務を遂行する」

 

 動揺するアゼルを余所に、今度は真後ろから狙撃される。強力なビームが機体に直撃。

 

 その拍子に、装置が真っ逆さまに落ちていく。

 

「よしっ……!!」

 

 その一瞬を逃さず、美遊はクロステラカイザーサファイアのランサーでレボルキング・レンダライコーを薙ぎ払う。すぐさま機体の右腕で、装置を見事にキャッチした。

 

『ああっ、うそやっべ――』

 

「……せいっ!!」

 

 続けて蹴飛ばし、レボルキング・レンダライコーは転倒した。

 

「お……おお……!!」

 

 戦況がいつの間にかひっくり返り、先ほどまで責任感からか苦い顔をしていたユミカは、驚きに目を見開いている。

 

「……この先きっと、色んな困難があるかもしれない。だけど、貴方が責任を負う必要なんて、無いと思います。」

 

「美遊さん……」

 

「具体的な事は、私達に任せてください。それが守護者の役目で……私が、イリヤ達とやりたい事でもある……だから!!」

 

 そのまま美遊は、クロステラカイザーサファイアの力をため込む。

 

「『クロステラカイザー・幻惑ヴェノムバタフライ』っ!!!」

 

 そして無数の蝶のエネルギーが、レボルキング・レンダライコー目掛けて槍のように放たれ……

 

「はあああああああああっ!!!」

 

「い……いっけーっ、ですのぉっ!!!!」

 

 全て、直撃した。

 

『あーもう全面的にだーめだこりゃ……お疲れさーん』

 

 そのまま、レボルキング・レンダライコーは爆散。アゼルは転送装置を介し、そのまま撤退していった。

 

「……私は……負けない!」

 

「……其方、いまとても良い感じですの。」

 

 

*****

 

 

「任務完了……後は装置の回収か。」

 

「うん。何とか、大事にならずに済みそうで良かったよ。」

 

 遠くに見える巨大なビルの屋上。そこにぽつんと佇む、不思議な杖を持った一人の女性のもとへ、一機のモビルスーツが風を切って飛来する。

 

 名を『ウイングガンダムゼロ』。その機体に乗る青年『ヒイロ・ユイ』に対し、女性は少しだけホッとしたように胸に手を当てた。

 

「それにしても、こんなところで会えるなんて思ってなかったよ、ヒイロくん。」

 

「……少し調査でな。そういうお前こそ、わざわざミッドチルダから向かってくるとはな……『高町なのは』。」

 

「あはは……緊急だったからね。こういう時に√BACK-DOORSがあって助かったよ。普通ならかなり時間かかるのを、単独でもすぐに駆け付けられるから……それで、あそこにいる何人かが、奏海さんや鈴夜くんと同じ、指輪の守護者……」

 

『The person piloting that massive weapon is likely one of them.

(あの巨大兵器に乗っている人物も、その一人でしょう。)』

 

「うん……話には聞いてたけど、そのうち二人は本当にまだ幼い子供だなんて……」

 

 杖に内包されたAIのようなデバイス『レイジングハート』が冷静に状況を分析する横で、なのはは少しだけ複雑に、遠くのイリヤ達を見つめる。

 

「……10年以上前、それよりも幼い年齢で、戦いに身を投じていたお前が言えたことでもないだろう。」

 

「あ、あの時は元々なし崩し的だったところがあるから……ああでも、それはあの子達も同じなんだっけ……」

 

「そうだな……それで、ここからどうするつもりだ?装置の完全作動は防げたが、ゼロは『微かに超過』……要はギリギリ間に合わなかったと言っている。」

 

『Judging by the situation, there is a high probability that someone will be transported to this world.

(あの様子を見る限り、恐らく、何者かがこの世界に転移する可能性が高いでしょうね。)』

 

「レイジングハートも同じ予測、か……あんまりのんびりしていられないだろうけど、今は細かいところはプリベンターやネルガルに任せるよ。装置の回収はこっちに任せて。」

 

「……了解した。」

 

 互いに頷きを交わし、そのままそれぞれ空へと飛び立った。

 

 

*****

 

 

 数十分後。

 

「これ、其方に預けますの。」

 

 ユミカは、自らの『トロピカル~ジュ!プリキュア』の指輪を、美遊に差し出した。

 

「良いんですか?」

 

「身共の願いを叶えてくれた事と、助けてくれた事、そして何より、其方の覚悟を見せてくれた、お礼ですの。」

 

「……分かった。こちらこそ、ありがとう。」

 

 美遊はこくりと頷いて、指輪を受け取った。

 

「ところで、これからどうするつもりなんですか?指輪を手放すから能力ももう使えませんし……」

 

「そこのところは元々の専門的な所で補えるので問題ございませんの。まあやりたいようにたって――」

 

「ちょっと待ったユミカ」

 

 ふいにユミカは肩を掴まれる。その姿は久次良真実だ。

 

「ま、真実?何故ここに……」

 

「何故も何も、連れ戻しに来たんだよ。うちは卒業単位が少ないからって最近はほったらかし過ぎだから……まあ事情は色々分かったから大目に見るけど、それはそうと単位取ってた方が後先楽でしょ」

 

「あ、え、あー……え、そ、それじゃあ皆様、ありがとうございましたー!」

 

 図星を突かれて焦ったのか、それともただ恥ずかしかったのか。こちらに手を振りながら、ユミカは脱兎のごとくその場を走り去っていった。

 

「……それじゃ、機会があったらまたどこかで。」

 

 真実もこちらへ軽く手を振りながら、その背中を追いかけていった。

 

「行っちゃった……(byイリヤ」

 

「・・・あれ、そう言えばユミカさんのお祖父さんは……(byメリー」

 

「娘の元気な姿を見て満足したって、帰っちゃった(by蓮子」

 

「わぁ行動早ぁい(byメリー」

 

「おーい、装置の引き渡しが済んだぞ。」

 

 呆然とする一同だったが、奏海達が戻って来た。

 

「良かった……それじゃあ、そろそろ帰ろ。」

 

「あ、そうだね、ちょっと遅くなっちゃったし……」

 

 美遊の言葉に、イリヤたちはこくりと頷いた。

 

「……とりあえず着替えましょ。何だかんだまだ水着のままだったし。」

 

「あ、そっか。そう聞くと何だかちょっと名残惜しいかも……ん?」

 

 奏が促すし加蓮がまず頷くと、その視線の先では、美遊が海を見つめていた。

 

「……これから、どうなるのかな。」

 

「(あの感じだと、ここからまたひと悶着ありそうな感じに見える……彼女もそれに気づいているようだな、だが……)」

 

 呟く美遊の姿を見て、奏海は察した様子だった。

 

 そしてすぐ、美遊は胸に手を当て、意を決したように深く頷いた。

 

「(イリヤが……皆がいれば、きっと……どんな困難も乗り越えられる……今ならそう思えるよ。)」

 

 

*****

 

 

 深夜。海辺にて。

 

「ドド……」

 

 突然の事だった。空間に走ったひび割れから、凄まじい光が溢れ出した。

 

「ドドッ、ドドドドドドドドド!!」

 

 その鳴き声とともに空間が砕け散り、その混沌の奥から姿を現したのは――

 

 

 

 






=NEXT=

イリヤ「ここから始まる数多の出会い!何かすっごい恰好のシスターの人に何か神父っぽくない人、メダロットを連れたお嬢様……と、遥か彼方の星のピンクのボール!?更には暴走する海藻みたいな……何!?

そんな中、私と美遊は凛さん達から仕事を任されたけど、そこでまさかのアクシデント発生!!現れたのは……え、何か私にそっくり!!?どう言う事!!?

衝撃の出来事が私達を襲う!!もっと言うと次の次も凄いんだけどそこはまあ後々!!

次回第16話『美しき黒の別人格』!!ようやく本格的に動き出す!」


・今サブタイトルの元ネタ:電磁戦隊メガレンジャー
オープニング歌詞:サーフィン

***

=パラレルファイター=
『榎小路ユミカ』
元ネタ:勘解由小路ユカリ(ブルーアーカイブ)、ナツ・ドラグニル(フェアリーテイル)
イメージCV:村上まなつさん
使用クロスタルリングカセット:トロピカル~ジュ!プリキュア
職業:大学生
願い:両親が海に隠した物騒な装置を見つけ、信頼できる人達に預けたい
サーフィンとダイビングに没頭するハイテンションな少女。高笑いしないだけで若干お嬢様口調が抜けてない。一人称が『身共』で語尾が『ですの』。海洋学に興味を持ち、海洋学者を目指している秀才。海洋関係のロケの協力したことがあるそうで346プロとも面識がある。
指輪能力は物体の現象を強める『活性(パッション)』で、主にサーフィンで使ってる。人に対しては感情を昂らせる効果も兼ね備えるが下手をすると暴走する。
元々は名家のご令嬢で窮屈な暮らしをしていたが、親が不穏なものを開発していた事を知る。
(そのことに薄々気付いていた)海洋学者の叔父に助けを求め何とか逃げ出したそう(指輪の獲得もその頃)。
革命戦争の頃に両親が装置を冬木の海に隠した事を知り、美遊たちと協力してそれを発見。
その最中にコンバーサリーによって心を反転されそうになったのだが、抗おうとして本人の強い意志と指輪能力が合わさった熱量が増幅し、『キュアサマー・ヒートアップ』に変貌し暴走。
後に、(海底にあったものの影響で生じた異変で転移した者達や)美遊の奮闘により正気に戻り、その恩義から彼女に指輪を託した。
発見した時空間を歪ませる装置は時空管理局によって回収され作動されないよう解体される。しかしアゼルによって装置がほんの一瞬だけ作動したことが、イリヤ達の後の物語にかなりの影響を与えるのだった。


=クロスタルリングカセット=
・指輪所有者状況
『トロピカル~ジュ!プリキュア』
所有者:榎小路ユミカ→美遊


侵蝕世怪人(ワールドロイド)・巨大戦力=
『レボルキング・レンダライコー』
搭乗者:アゼル・インベルソ
固有武器:レンダライコードラム
ベース:堀川雷鼓

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