Fate/Scramble U World ~秘封トラベラー・メモリアル~   作:おろさん

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イリヤとイリヤ、世界が交(マジ)わる第一歩 03

 

「さっきの感覚、オーラ・ロードが開くのかと思ったが……」

 

 冬木市の港。その上空に静止するのは、昆虫のごとき異彩を放つ、紫色の機動兵器。

その名は『ダンバイン』。

 

「俺の近くにはダンバインがあった……じゃあ、マーベルはどうなったんだ……?」

 

『ショウくん、大丈夫かい……?』

 

 機体に乗るショウに対し、成り行きでついてきたRoRoは気を遣うが、

 

「大丈夫だ。RoRo、まずは出来る事からやろう。」

 

 ショウはそう返した。

 

『君が知ってる機動兵器だってのもそうだけど……とりあえず、翻訳機能が無くても言葉が通じるようで助かったよ。お互いに異なる世界から来たみたいなのに不思議だなぁ。』

 

「バイストン・ウェルと地上と同じさ。お互いの言葉で喋ってても、テレパシーみたいなもので通じ合えるらしい。」

 

『なるほど……っ!!?』

 

 その時、RoRoは機体から離れた向こう側から、徐々に接近する何かの反応を感知した。

 

『あっちの方角から何か来る……なにこれ!?セプティマに似てる気もするけど、何だか気味が悪いよ!!』

 

「耳元で怒鳴るな!」

 

『うおっ!?』

 

 急に大声を上げたRoRoにショウが強く言い返す。

 

「って、すまない、つい、いつものクセで……」

 

『あ、そういう。ううん、気にしないでよ。』

 

 急いで謝る彼をよそに、RoRoは気にとめる様子もなく話を続けた。

 

『そのチャムって子も、結構賑やかなんだね。』

 

「見た目は全然違うけど、どことなく君にそっくりかな。」

 

『へぇ。その子に会えると良いね。』

 

「RoRoも、そのアキュラって奴に会えると良いな。」

 

『うん。その時はボクとアキュラくんのコンビネーションと、ボクに隠された様々なハイテク機能を……っといけないいけない、そろそろ来るよショウくん!』

 

 その言葉が響くと共に、目の前の空間が歪み、何かが姿を現した。

 

「ぎxf4hc3r9h943c3-!!!!」

 

 それは、切り絵や布地などを張り合わせたようなアナログな外見の異形。ウサギ人形や砂場など、何らかの物体を形作った存在が三体も現れたのだ。

 

「何だ、あれは……!?バイストン・ウェルの怪物とも違うようだが……」

 

『改めて解析しても、やっぱりよく分からない……ショウくんも知らないの?』

 

「ああ……俺が地上にいた頃……少なくとも大戦中には、あんなものはいなかった……だが、わかる。アレは多分敵だ……!」

 

 不気味なそれらに対し身構えるショウたちだが、それらはダンバインに向かって容赦なく、不気味なエネルギー弾を放ってきた。

 

「っ、一度下がるぞ!」

 

 やむを得ずダンバインを後退させたその瞬間、RoRoが咄嗟に声を上げた。

 

『ショウくん、後ろからも何か来る!』

 

「挟まれたか……!」

 

『あれっ?待って、複数来るけど、うち一つ……これって……!!』

 

 と、彼女の声色に安心が混ざる。刹那、二方向から同時に影が動いた。現れたのは、計3人以上の何者か。

 

「あれって……昆虫……?」

 

「あれはダンバイン!きっとマーベルだ!」

 

「とりあえず、知り合いが乗ってるみたいね……!!」

 

 片方。桃色の髪の少女と、青髪のクールな雰囲気の少女、そして小さな妖精のようなその姿は、いろは、やちよ、そしてチャム。

 

 ダンバインの姿にいろはは少し戸惑いを見せたものの、チャムの発言を聞いてやちよは納得した様子だった。

 

「急いでダンバインのところに行って!早く!」

 

「う、うん!わ、分かった!分かったからそんな耳元で叫ばなくても大丈夫!……やちよさん!」

 

「ええ!……違う世界だとしても、そう迂闊に見せるものでもないけど……今回ばかりはやむを得ないみたいよね!」

 

 すると、いろはとやちよの指輪が変形し、神秘的な輝きを放つ宝石へと覚醒する。瞬間、光が二人を包み込み、その装いを一変させた。

 

 そして勢い良く地面を蹴って、ダンバインの方向へ跳んでいく。

 

「み54んc594h4hf―――!”!!?」

 

 その時、ダンバインへ再び攻撃を仕掛けようとした異形に、丸鋸のようなエネルギー弾が直撃した。不意の一撃を受けた異形は、たまらず後退する。

 

「モキュ、モキュキュ!!」

 

「……お前の仲間が近くにいるのか。それに、RoRoはその妙な機体に乗っているようだな。」

 

 もう片方。白い妙な生物……言わば小さなキュゥべえと、機械鎧を纏う白髪の青年ことアキュラ。

 

 小さなキュゥべえを肩に乗せ、ジェットエンジンのようなメカで空を駆けるアキュラ。彼は眼下に佇むダンバインを見下ろし、そう呟いた。

 

『アキュラくん!』

 

「あっちから来る二人組……隣にいるのは、チャムか!」

 

 こちらに向かってきた面々の内、それぞれ見知った顔を見つけたRoRoとショウは、すぐそちらに向かいダンバインを着地させた。

 

『良かった、はぐれた時は流石に焦ったけど、すぐ合流出来て良かったよ……!』

 

「ああ。それとどうやら、それぞれの相棒が入れ違いになっていたようだな……」

 

 そういう感じでようやく合流。再会を喜ぶRoRoにアキュラはそう返しつつ、いろはたちに視線を向ける。

 

「モキュキュ!」

 

「貴方も一緒に飛ばされていたのね……」

 

「あ、あの、この子を保護してくれて、ありがとうございます!」

 

「ああ……」

 

 小さなキュゥべえの元へと駆け寄ったいろはとやちよ。いろはは、傍にいたアキュラに向き直り、感謝の言葉を述べた。

 

「ショウ……ショウ!」

 

「もう大丈夫だ、チャム。俺がいる。そこの君たちも、チャムを保護してくれて感謝する。」

 

 胸に飛び込んできたチャムを抱きとめ、ショウは言葉を返しつつ、いろはとやちよの二人に向かって礼を述べた。

 

「98y6むctん4m0,3@rj8ん9!!!!」

 

 そうこうしていると、異形たちが再び攻撃を再開した。

 

「連中は、俺達を逃がす気はないらしいな!」

 

 再びダンバインを飛行させ、身構えるショウ。

 

「や、やちよさん、あれってどう見ても……!」

 

「ええ、あれは間違いなく『魔女』……私達と同じで飛ばされてきたのかもしれないけど、だからって結界も無しに、直接現実世界に出てくるなんて……」

 

 いろはとやちよは、そう言葉を交わしながらも警戒しだす。

 

「アレを知っているようだな。」

 

 その発言から、察したようにアキュラが問いかける。

 

「はい……アレは魔女って言って……話すと長くなるんですけど、倒した方が良い、怪異や災厄みたいなものです。本来なら、直接現実に出てくることも、普通の人に見える事もないハズなんですが……」

 

「その魔女を倒すのが、私達『魔法少女』です。尤も、こうして表立つことも本来有り得ないんですけど……」

 

「魔女……(妙だな……その魔女と、この子達からは、似たようなものを感じる……)」

 

 二人の返答と説明から、ショウは少しだけ違和感を抱いたが、

 

「とはいえ話は後だ。奴等が敵である以上、前に出るぞ!」

 

 一旦気持ちを切り替え、ダンバインの剣装備を構えた。

 

「ショウ・ザマだ……それで、チャムを保護してくれた君達は。」

 

「『環いろは』、魔法少女です。こっちは……」

 

「同じく『七海やちよ』よ……最後に貴方は……」

 

「……アキュラだ。」

 

『そしてボクは、アキュラくんが作ったバトルポッドことサポートAIであるRoRo!よろしく!』

 

 軽く自己紹介を済ませた後、

 

「見たところ、君達は直接戦えるようだし……まずはこの状況をどうにかしたい。手を貸してくれ。」

 

「……分かった、礼も兼ねて、今は指示に従おう。」

 

 そのまま異形こと魔女に接近。戦闘が開始した。

 

『よーし、行くよアキュラくん!』

 

「皆やっちゃえー!」

 

「耳元で怒鳴るな!」

 

 チャムの大声に対し、ショウはちょっとだけ笑顔で返した。

 

「(そういえば、離れた所からも魔女の気配を感じる……だとしたら、急がなくちゃ……!)」

 

 いろははそう考えつつ、魔法のボウガンを構えた。

 

 そして、いろはが察知した魔女の気配のある場所は……

 

 

*****

 

 

「l、いmぬytq687よいんj!!!!」

 

 一方のイリヤ達。黒いイリヤをおびき寄せるための作戦を実行していた最中で、突如として異形……魔女が4体現れ、一同に襲い掛かって来た。

 

【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】

 

【WONDERFUL THE ARCHIVE:GUARDIAN『ビビット』!!!】

 

【ESCORT THE DREAM:GUARDIAN『ガイア』!!!】

 

「ちょいちょいちょい!!なーんでこういう時に知らん怪物現れるんだよ!!?」

 

 タイミング悪く襲撃を仕掛けてきた敵に対し、鈴夜たちは迷わず即座に守護者へと変身。そのまま応戦を開始した。

 

「な、何でしょうかアレ……」

 

「お前何か知ってるか!?」

 

「え!?い、いやアレ私も初めて見るんだけど……!?」

 

「……!!」

 

 困惑するめぐみやロクショウ、ツクモの横で、カービィは警戒し、魔女の元へ突っ込んでいく。

 

「え、襲撃!?え、あのちょっと待って私どうすればいいの――」

 

「こんな時に想定外の敵だなんて、随分とラッキーじゃない?」

 

 その時だった。吊るされっぱなしのイリヤの目の前に、裏守護者グレイルこと黒イリヤが現れたのは。

 

「ほ、ホントに来た……!?あ、貴方は一体何者なの!?クレイジークロックの刺客!?それに、あの何かコラージュみたいな怪物は何!?」

 

「はぁ?そんなわけないじゃない。あと、今出て来た変な化け物は私も初めて見たわ。何なのかしらねぇ?まあ便乗できるから良いけど」

 

 魔女に一切の興味を持たないグレイルは、イリヤに視線を向け、ダガーを構える。

 

【SLASH STYLE】

 

「何か大所帯で待ち伏せしてるし、まずあからさまな罠だってバレバレだったけど……まあいいか、一応それなりに台本考えたんでしょうし、乗ってあげる!!」

 

「っ、捕縛対象切り替えっ!!」

 

 イリヤにめがけてグレイルが地面を蹴り上げた時、凛は魔術の白い布を引っ張り上げる。

 

 地中から這い出たそれは、吊るされたイリヤの拘束を瞬時に断ち切ると、そのままグレイルへと巻き付いた。

 

「……ふぅん」

 

 だがグレイルは、瞬時に布を切り刻んだ。

 

【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】

 

【COMPASSION THE SILENCE:GUARDIAN『サファイア』!!!】

 

「やっぱりあっさりと……!!」

 

「こんな事になった以上、いくつかはアドリブでやるしかない……!!」

 

 瞬時にイリヤは変身し、サファイアに変身した美遊と共に、グレイルに視線を向けつつクロステライザーを構える。

 

「さーて……結構変な事起こってるみたいだけど……これもこれで絶好のチャンス、じゃないかしら?」

 

 不敵な笑みを浮かべたまま、グレイルはそのダガー武器……もとい、『プリズムテガスラッシュ』というガントレット武器を構えた。

 

 

 

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