ウルトラワールド:Scramble Engage 作:おろさん
***
「(・m・)」
少し時間が経ち、昼頃。
凛や士郎とは別のエリアにあるレストランで、蓮子たちは昼食を取っていた。
だが、イリヤはというと、どこか機嫌が悪いような、そうでもないような――
はっきり言えば、ほんのりと焼きもちを焼いている表情をしている。
「……あの、イリヤちゃん?……イリヤスフィールさーん?」
その様子に、蓮子とメリーは困惑していた。
「(……士郎さんが凛さんと少し仲良くしてるのを見ただけで、急にこうなるって……どういう事かしら?)」
メリーが小声で蓮子に問いかける。
「(……メリー。イリヤちゃんの両親の話、本人から聞いたよね?)」
蓮子は、そう前置きしてから続ける。
イリヤの両親は、従者を一人連れて、現在は海外を飛び回っている――
その話は、イリヤ自身の口から聞いていた。
「(それは聞いたけど……あれ、そう言えば……)」
メリーは、ふと気づく。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと、衛宮士郎。
義理の兄妹とはいえ、名字が違う理由についてだ。
両親の話を聞いた後、セラに確認したところ――
「(イリヤちゃんの父親と母親、戸籍、入れてないんだったわね……)」
夫婦ではあるが、戸籍を入れていない。
理由までは聞かなかったが――
この二週間、アインツベルン邸で生活を共にしてきて、はっきり分かることがある。
イリヤが士郎に対して、明らかに恋心を抱いているという事実だ。
……それを踏まえると。
両親が戸籍を入れていないという事は、衛宮姓の士郎と、アインツベルン姓のイリヤは、
義理の兄妹であると同時に――
「(・m・)」
その結論に辿り着き、二人は顔を見合わせて苦笑する。
そんな事など知らない様子で、イリヤは無表情のまま、エビフライとカレーを黙々と食べ続けていた。
「……あ、そ、そろそろアルテ・クリープが来る時間じゃなかったかしら?」
「え、あ、そうじゃん!?とりあえず、食べ終えないと!」
壁掛け時計を見て、来館時間が迫っている事に気づいた二人は、
残り少ない昼食を急いで平らげるのだった。
***
数分後。
急遽開催された、アルテ・クリープ作の美術品展示室。
蓮子たちより先に昼食を終えた凛と士郎は、すでにその展示室へ辿り着いていた。
風景画、人物画、抽象的で力強い作品。
アニメ調の絵柄や、ゲームに出てきそうなモンスター風のキャラクター画まで――
どれも一目で引き込まれる、圧倒的な存在感を放っている。
何も知らなければ、これらが小学生ほどの少女による作品だとは、誰も思わないだろう。
「こうして生で見ると……確かに、かなり迫力あるな」
士郎は、率直な感想を口にする。
「……」
「あれ?またどうしたんだ、遠坂?」
「え?……い、いえ。何でもないわ」
士郎に声をかけられ、凛は誤魔化すように答える。
だが、彼女の視線は依然として作品から離れない。
違和感。
それも、言葉にしづらい種類のもの。
「……ねえ、衛宮くん」
「え?」
突然、苗字に「くん」付けで呼ばれ、士郎は驚く。
「私の思い違いかもしれないけど……
ここに展示されてる絵、何か変じゃない?」
「変?」
「うまく言えないけど……物足りないというか。
何かが、決定的に欠けてる感じがするの」
「違和感、か……」
士郎は少し考え込み、
「そう言われると……ネットやテレビで見た、一番高値で売れたっていう作品と比べると、
熱意がこもってない……というか、魂が乗ってない感じはするかもな」
凛の感覚に、士郎も思い当たる節があったらしい。
「……あれ?ところで、肝心のアルテ・クリープが来る時間、もう過ぎてないか?」
「え?……って、嘘。もう十分以上過ぎて――っ!!?」
凛が時間を確認した、その瞬間だった。
彼女が身につけていた時計を介して、異変が起こる。
「危ないっ!!!」
「え?急にな――どぅっ!!?」
凛は咄嗟に士郎を庇い、そのまま二人まとめて吹き飛ばされた。
「……う、うっかりしてた……!!」
軽く頭を打ち、気絶した士郎の無事を確認した後、
凛は、吹き飛ばされる直前にいた場所へと視線を戻す。
「GAGYAGYA……!!!」
そこに現れたのは、侵蝕世怪人――
『ケンチク世怪』だった。
美術館の中に、異形の存在が姿を現したのだ。
「な、なんだっ!? 化け物!!?」
「だ、誰か……いやぁぁっ!!?」
突如として現れた化け物に、来客たちは悲鳴を上げて逃げ出した。
「GIGIGIGIGIGIGIHIHIHIHIHI!!!」
ケンチク世怪は、逃げ惑う人々を見て嘲るように笑い、右腕のツルハシを地面へ突き刺す。
すると、来客それぞれの逃走方向に、ブロックの壁が次々と生成された。
突然出現した壁に顔面を強打し、人々は次々と気絶していく。
「AGYAHAHAHAHAHA!!!」
さらにケンチク世怪は、気絶した人々を見下ろしながら、ブロックで巨大な時計を作り出した。
「ジリリリッ!!!」
その音を合図にするかのように、ウォークロック達が姿を現す。
「クロスタルプロテクター展開っ!!」
凛は即座にクロスタルプロテクターを起動。
結界を美術館の外まで一気に展開し、美術館とほぼ同じ内部空間を生成する。
同時に、士郎を含む無関係な人々は自動的に結界の外へと転送された。
「凛さん!!!」
そのタイミングで、イリヤ達三人が駆けつける。
「GIGIIIII……」
「って、昨日の侵蝕世怪人……もう復活したの!?」
「理由は後! 倒すことに変わりはないわ!」
ケンチク世怪を見て一瞬身構えたメリーだったが、蓮子の言葉に小さく頷く。
「……そ、そうね」
戦うため、守護者メモリアの指輪を右人差し指から外そうとした、その時――
「AIAAA――IGYALTU!!!?」
展示されていた絵画がガタガタと震え出した。
次の瞬間、そこから大量のホーミングレーザーが放たれ、ケンチク世怪へと集中砲火を浴びせる。
2、3発被弾したところで、ケンチク世怪は慌てて自分の周囲をブロックで覆い、防御に入った。
「えっ!? 絵の中から……え、これってゲームみたいな……」
「ゲームじゃないんだよねぇ、これが。」
イリヤが呆然としていると、ケンチク世怪が防御に専念して動きを止めた、その隙に。
コツ、コツ、と足音が近づいてくる。
やがて曲がり角から姿を現したのは――
絵具やペンキが付着した、ぶかぶかの白いアトリエコート。
赤みがかった瞳に、緑を基調とした髪。
気だるげな雰囲気を漂わせる、小学生くらいの背丈の少女。
――ただし、近くで見ると小学生にしてはやや胸囲がある。
『アルテ・クリープ』だった。
「あ、アルテ・クリープ……!?」
「(……け、結構ある方だったの……!?)」
蓮子(とイリヤ)が思わず視線を逸らした、その瞬間。
「ジキキキッ!!!」
ウォークロック達が一斉にアルテへ襲いかかる。
「おっと。」
アルテは慌てる様子もなく、カードを一枚取り出した。
指輪が光り、近くに飾られていた月の絵――その“月の部分だけ”を取り込む。
【ネミネムーン!】
カードから、月を思わせるキャラクターが現れ、ウォークロック達の周囲をふわりと飛び回る。
「ジ……キ……」
次の瞬間、ウォークロック達はその場で眠りに落ちた。
「ね、眠った……?」
「ぼくの指輪の力、『
二つのものを一時的に混ぜて、予想外の力を引き出すんだ。」
凛の視線に応えるように、アルテはあっさりと説明する。
「それにしても……そこの二人のお姉さん。
あのアニメショップの近くを歩いてた時、一目見て『面白そう』って思ってたけど……まさか指輪持ちだったとはね。
状況的に、そこのぼくと同い年っぽい娘も、そうなのかな?」
「え!? ……ええっ!?」
「あの時、私たち見られてたの!?」
二人は思わず声を上げる。
「見てたよ。……っと、その前に。」
「GI……!!」
レーザーが止んだのを確認し、ケンチク世怪がツルハシを振り上げる。
【ハピクローバー!】
アルテがカードをかざすと、ツタが伸び、ケンチク世怪の身体を拘束した。
「GAIAI!!!?」
転倒するケンチク世怪を無視し、アルテは蓮子達へと向き直る。
「ねえ。
この館内にある、ぼくの作品についてどう思う?」
「えっ?」
「いいから。……一枚でいい。じっくり見て。」
言われるまま、蓮子達は絵に目を向ける。
「い、いきなり何かと思ったけど……普通に、結構いい絵だと思うけど……」
「……待って、イリヤちゃん。」
蓮子は違和感に気づく。
ネットで見た、アルテ・クリープの絵。
画面越しでも伝わる、心を掴むような“何か”。
――だが、ここに展示されている絵には、それが薄い。
魅力はある。
けれど、『熱意』が感じられない。
線は粗く、色もどこか色あせている。
「……あれ? よく見ると、確かに……」
イリヤも気づいたようだ。
「ねぇ……これ、全部手抜き?」
問いかけに、アルテは小さく笑う。
「……うん。正解。
ソファで寝転がって、マーブルクッキー食べながら描いたやつ。
二年前の絵を弄っただけだよ。
ぼくにとっては、正直“駄作”。」
「そ、そんな……」
凛も動揺を隠せない。
「でもね。
怪物や、君達みたいなのをおびき寄せるには、ちょうど良かった。」
アルテは続ける。
「ぼくは生まれつき、人とは違う『色』が見える。
心の目、ってやつかな。
その『色』からインスピレーションを受けて、ぼくは絵を描き始めた。
好きなように描いてたら、アマチュアの画家顔負けの絵が描けてさ。
七年くらいで“天才芸術家”。
元々頭も良かったし、両親も子煩悩だったから、特に苦労もなかった。」
でもさ……」
少しだけ、声の調子が変わる。
「周りに寄ってくるのは、金とかブランド目当ての大人ばっかり。
そういうのが増えて、だんだん、楽しくなくなった。」
アルテは指輪を見せた。
「一年前半前、この指輪を拾って指輪の戦士になった。
そこから、楽しさが戻った。」
「
時々、同じ指輪の戦士と戦ったり……」
そして、蓮子達を指さす。
「君達を見つけた。」
「君達の色は、虹色を超えてる。
状況で変わる、不思議な色。」
クロステライザーを構える。
「だからさ。
ぼくと戦ってみない?」
「怪物を倒すでもいいし、指輪を奪うでもいい。
……ぼくのインスピレーション、引き出してくれる?」
――勝負を挑まれた。
「ちょっと待って――」
イリヤの制止も届かず。
「今は……やるしかない!!」
蓮子の声に応え、変身を開始する。
「「
【CLAP YOUR HANDS!!!】
「
【CROSSTAL RING!!!】
異なる音楽が重なり、変身が完了する。
【UNCOVER THE SECRETS:GUARDIAN『メモリア』!!!】
【DRAW THE RAINBOW:GUARDIAN『プリズマ』!!!】
【ガッチャーンコ! スチームホッパー!】
【『ガッチャード』!!!】
―――――
*注釈:本作品は、自著の文章をAI(ChatGPT等)で推敲・校正して投稿しています。ストーリーや台詞はすべて作者が作成したものですが、読みやすさ向上のために文章の整理を行っています。