どんだけ人喰ったらそんなことなるんだよ……
緑色の巨体。
大きく膨れた腹。
醜い顔面。
愛梨を喰ったゾンビが、じっとこちらを向く__。
おッかしいだろぉぉぉぉぉ!?
え?おかしいよね?
だって、冒険は始まったばっかなんだよ!?
プロローグしか登場しない子なんてひどいわ!
出会ってすぐ退場ってなんだよ……
「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ゔぅああ!(うるっせぇ!)」
とはいえ、こいつを倒さないと、物語は進まない。大体のゲームがそう。
なら、やることはひとつだよねっ!
「ゔあああああっ!(死んねぇぇぇっ!)」
動かないエスカレーターを駆け上がり、3階から飛び降りて木刀を振り下ろす。
「ブオオオオオオオオッ!」
「ぐ……ゔるぁ!(こ……んのぉ!)」
両腕でガードしてくる巨体。どうにか潰しておかねば。
他の人がここを探索できない。復讐くらいはしておきたい。
だから__倒す。ここで殺す。
「ゔあ!」
アクロバティックに跳躍し、脳天へ木刀を振り下ろす。
「うわぁ!?ゾンビとゾンビが戦ってる!?」
「っち」
飛び上がりながら、メモ帳に文字を書き、人の方にぶん投げる。
「っ!?……『手伝え』?ただのゾンビじゃないのか?」
どうやら分かってくれたみたいだ。彼の隣に着地する。
メモ帳を奪い、続きを書く。
『さっき人が喰われた。気をつけてくれ』
「お、おう……わかった」
彼は、エアガンを手に、巨体の脳天を狙う。
「っは!」
パァン!
乾いた音と共に、巨体の左目から血が溢れる。
「これほんとにゾンビかよ?」
『さあな』
「はは。お前は……ゾンビだよな?」
『朝起きたらゾンビになってた人間です』
「どっちだよ」
『どっちでもいいやろがい』
「よかないわ、アホ」
『食うぞ』
「……すまん」
「グルルルル……」
身分証?が巨体から落ちる。
タンッ
「は!?」
一瞬で掴んでさっさと離れる。去り際に一閃しておく。
「ゴアアアアアアアッ!」
「ゔお゙あ゙……(うるせぇなぁ……)」
身分証はもしかしたら使えるかもしれん。この騒動の関係者かもしれないってことさ(深読みぃ)。
「ゔぉ(ほい)」
「えぇとなになに?『高橋奏多 24歳 バイオット社研究員』……バイオハザードかな?」
それはゲームのことか?自然災害のことか?
「ぶるるるる……」
「っち、分かってらァ」
巨体に狙いを定めたその時。
ドォン!
「っ!?」
「おいおい……なんの音だよ……」
「動くな!」
「っ!?自衛隊!?」
「ゔっあ゙ぁ……(だっるぅ……)」
「っ!ゾンビを連れているのか?」
「あぁいや、なんて言うか……ね」
『こっちに話を振るなアホ』
「誰がアホや!」
『小前田』
「駅の名前じゃんか……」
「……なんだ、意思疎通できるのか?」
「あー、説明はあと。それよりアイツをどうにかしようぜ」
彼は巨体を指さす。
「分かった。砲撃用意!」
ゴゴゴゴゴ……
「撃ぇ!」
ドォォォン!
戦車の大砲から、砲弾が発射された。
どっかーん!