「……!!」
皆様ご存知のキヴォトスの空飛ぶタクシー、キヴォトスオオペリカンの口の中から正実モブちゃんは空の景色を眺め歓喜の声を上げる。
このお手軽でタクシーよりも速いこの移動手段は重要な仕事で重宝されている、この正実モブちゃんも正義実現委員会の副会長羽川ハスミから重要な仕事を任されていた。
「良いですか、これはとてもとーても大事な事ですからちゃんと聞くように」
沢山並んでいるモブちゃん達の一人のほっぺを捏ねくり回しながらハスミは真剣な表情で言う、そんな彼女にコクリと皆が頷く…それを見たハスミは満足そうにしながら更に言う。
「明日から大事な『ジェスティス・ウィーク』ですが、羽目を外さない様に知らない人について行ったらダメですからね」
「……!!」
ジェスティス・ウィークはご存じ正義実現委員会独自のお休みであり、委員長である剣先ツルギがモブちゃん達にゆっくり休んで欲しくて考案した事で知られている。
「…!!……!!」
その言葉に嬉しそうに飛び跳ねるモブちゃん達、それをイチカやツルギ、ハスミ達がたしなめる。
「それに危ない人達にはついて行っては駄目ですからね、『美食研究会』やゲヘナに着いていくと食べられてしまいますからね…何ですかツルギ?「逆に私の方が食べそうですって!?」」
モブちゃん達を怖がらせたハスミにそうジェスチャーするツルギにいやいやないないと手を振るハスミ。
「こほん、取り敢えず皆さん良い休日を」
「……!!」
グワんとキヴォトスオオペリカンが下降する、場所はアビドス自治区で目的地のミレニアムとは全然違うのに降下し困惑しながらモブちゃんは慌ててペリカンにしがみついて下降に耐える。
「…!」
地上に着いたペリカンに吐き出され、砂漠に叩きつけるモブちゃん…そんな彼女を一瞥してペリカンはそのまま何処かに飛んでいってしまった!
「!!…!!……!!」
そんなペリカンに戻って来いとぴょんぴょんと抗議するが、あっという間に見えなくなり肩を落とす。
「あーはははは!!楽しい休日が台無しになった気分はどうですか?」
ズボッ!とモブちゃんの隣の小さな砂山から高笑いと共に現れたのは花鳥風月部の箭吹シュロだった!彼女に身に覚えがあったモブちゃんは急いで要注意人物が載っているジェスティス手帳を捲り確認する。
箭吹シュロ とても危ない危険人物
「…!!!!……?」
似顔絵と目の前にいる本人が一致しモブちゃんは驚きの声を出すが、何故こんな場所にいるのかと聞く。
「何で手前さんの邪魔をするか…ですか?全くおバカですね手前さんはこれから他の人の休日を台無しにしに行くんですよ……どうやって?そんなの」
粗方恐ろしい計画を話しご満悦なシュロちゃんはモブちゃんの問いに辺りを見渡す、アビドスの広大な砂漠でペリカンすらもいない不毛な大地を見てシュロちゃんはモブちゃんの方を向き涙を浮かべた。