ほも君の性別容姿は引き続き読者の皆さんの内心に委ねられています。
ちなみに私は百合が好きです(二回行動)
「困りますなあ、星名司令官。足並みは揃えてもらわないと。各鎮守府司令が長い時間をかけて積み上げてきた、海域攻略のための準備、そのことごとくが、貴官の大変なスタンドプレーによって完全に水泡に帰した」
敵だね。小物がさっそく突っかかってきました。様子見のジャブといったところでしょうか。
なおこいつは準備なんてしておらず、現状維持の果てに甘い汁ちゅぱちゅぱすることがライフワークのカスです。艦娘のすねかじり虫が。大小あれど、大本営近い連中はみんなそうです。艦娘擁護派でさえ――。
「これは貴官が他鎮守府にもたらした、計り知れない損害ですよ。これについていったい、どうお考えなのかな」
サーセン。あんまり簡単だったんで、一撃でした。まさか皆さんがあんなのに手こずってると思わなくて……。
ていうか戦力が浮いたなら他の海域攻略につぎ込めばいいだろ(正論)。
反論への回答を待たず、後から後から別のやつがどんどんほも君に突っかかってきます。
「フィリピン海まで奪還したとは素晴らしい。しかし、いつから海軍の報告義務は、一般への発表に劣後するようになったのかな?」
は? 詳報は提出しましたが(今朝)。
まあ、未公表の戦果を公表したのはごめんね……。自分たちの手柄にしたかったよね……。悔しい、ですよね?
「そもそも報告にあった戦果の信憑性こそ疑わしいですな。ブルネイ単独で海域を奪還するなど、にわかには信じかたい」
提督バフや零戦21型(ほも隊)による誘引のことは詳報に記さず、秘匿してあります。勝手に真似されて勝手に死なれたらロスだからね。
今まで戦線維持にも苦慮していた戦力で成し遂げた奪還なので、彼らが疑うのも当然と言えます。事実をまんじりともせず受け入れろ。
「南シナ海については、高雄警備府が後詰として睨みを利かせております。戦果は確実なものでしょう。しかしフィリピン海は違う。この華々しい戦果が誤認であった場合、国民の失望は計り知れない」
「どうなのですか、星名司令。あそこまで言い切るくらいなのですから、確固たる証拠をお持ちなのでしょう」
証拠はありません……。なぜならフィリピン海は我が鎮守府から遠く、哨戒範囲にないからです。弱小鎮守府の手が届かず、すみません……。
哨戒範囲にないということは、今この瞬間も敵によって再占領される可能性があるということですよね……。これを防ぐには近い鎮守府を早急に復活させるしかないでしょうね……。
「……となると、スービック泊地か」
ちょろすぎて草。フィリピンに司令官のポストが増えることをちらつかせると、一部の小物がさっそく飛びついてきます。今の鎮守府司令なんてその地域の王みたいなものだからね。
疑うのも当然の戦果といえど、突如として南シナ海を奪還する大戦果を叩き出した張本人の言のため、フィリピン海の解放も与太話ではなく、一応半信半疑くらいには受け止めてもらえています。将官たちが割と真面目に検討し始めました。
スービック泊地が復活した暁には、兵器派に守護らせます。
どいつもこいつも七年前の大敗をグチグチ引きずっているようですが、七年もの間、守るだけでも大変苦労する劣勢下で、擁護派や中道派と共に戦線の維持を成し遂げてきた実力は伊達ではありません。彼らが現状維持のプロフェッショナルであることは私ですら認めるところです。
この地位まで上り詰めた能力と護国の意志の全てを現状維持に振り向ける彼らの命は、決して浪費させていいものではありません。私が活用してあげます!
まあ、先のような小物がいるように、七年も経ったせいでいささか腑抜けているようですが……。
「……貴官の誇張された戦果は聞き及んでいる。しかしだね、我々には長年培ってきた戦線の秩序というものがある。一部だけが突出しては、全体の均衡が崩れる。もう少し、周囲の状況を慮るということを覚えていただきたいものだ」
きたきた、きましたよ。軍議終了のお知らせ。
「まったくだ。独断専行が過ぎる」
「万が一、想定外の反撃でも誘発した場合、その責任を貴官一人で取れるのか」
チッ、うっせーな。反省してまーす。
でも最後の奴だけ一理ありますねぇ! 殺すのは最後にしてやる。
「君のその功利心が、我々が七年間血で守り抜いてきたこの危うい均衡を壊さねば良いのだがな」
誇張された戦果だとかほも君の功利心だとか言われて、自らの戦果を汚された我が愛しの艦娘共がすぐ後ろでプルプルしています。視線を交わしてメンタルを落ち着けましょう。暴れんな、暴れんなよ……。手出したら大ロスだからな……。
「これ以上、この国を危機に晒さないでいただきたい……!」
攻撃は最大の防御ってそれ一番言われてるから。膠着させているのもいい加減限界ですよ。この海がもたん時が来ているのだ!
「いかな道具といえど、貴官ほどの酷使に遭っては持ちますまいな」
失言を漏らさないよう大人しく立ち回っていれば、ド級の艦娘蔑視発言が飛び出してきました。急ハンドル切りスギィ! ほも君へのネチネチした言い回しはウォーミングアップだったと言わんばかりです。
酷使してるのはお前たちのほうなんだよなぁ。悔い改めて。
「実際のところ、攻略にいったい何隻消費したのです?」
あっまずい、霞ちゃんがちょっとイクッ。緊急ガバ速報です。強いガバに注意してください。
「司令官は誰も沈めてない!」
「……発言を許可した覚えはない」
居並ぶおっさんたちに睨まれて霞ちゃんが引き下がります。フーッ、フーッとか言ってて発情期の猫みたいだなお前な。
ていうかなんでほも君のことでキレてるんですかね。自分たちの戦果に対してキレるのが順当なのですが……。
普通こういう話は面白がるんだぜ? 怒るっていうことの意味は分かるよなぁ?(分からない)(不安)。
おっさんズの後ろに控える秘書の艦娘たちを見やると、皆後ろめたそうに視線を逸らします。さっきチラチラ見てただろ。
かわいそう。私が解放してやろうか? 解放だよ。感情モロ出しOKだし、本当だよ? 我慢なんてしなくていいんだよ? からかってないよ、本当日本刀。
「上官を庇うとは、実によく躾けたな」
ハハハ、と別のカスが笑いながら机をバァン!と叩いてカットインしてきました。目が笑ってなくておハーブ生えますわ。
「貴官が羨ましいよ。我々のように、大多数のハズレをどうにかこうにか調整して使う本当の采配というものを、君はまだ知らんだろうからな」
まじむかつく。殺さして殺さして(バババ)。
星名提督のところを見習え、とか言いながらお付きの矢矧ちゃんに声をかける横須賀鎮守府のカスさん。
川内が怒りのあまり痙攣しています。暴発しないその心意気、雅なり。もうちょっと寸止めしてて。
っていうか、あれ……?
なんか「そうだそうだ」みたいに頷いてる将官が多くないですかね……。
知ってるチャートと違うんですけど。
擁護派どこ……?
「いっそ、どうかな、星名提督。その大当たりとやらを、一度こちらに試用させてはくれんか。我々の熟練した手腕にかかればどれほどの戦果を記録するか。まあ、結果が良ければ正式に譲渡という形で、我々の栄誉ある本土艦隊に加えてやっても良いがね」
は?
「名案ですな。貴官のその幸運な個体……例えば、そこな重巡。我々の方で高度な運用データ収集の対象として、特別に引き取ってやろう。君のところでは、その稀少サンプルの真価を正しく評価できんだろうからな」
カスさんのお友達が、涼月ちゃんのことを舐めまわすようにねっとり視姦します。ムチッ♡ムチッ♡な身体がエロすぎて重巡と勘違いされています。笑っちゃうんすよね。
「強力な戦力は特別に我々の保護・管理下に置くのが筋というものだ。代わりにこちらの豊富なストックから標準的な消耗品を融通してやってもいいが、どうだろう」
「筋! まさしくその通りですな。星名提督、在籍艦娘の詳細なリストを早急に準備するようお願いしますよ。この譲渡は決定事項です」
「なによ、それ……めちゃくちゃじゃない……!」
「黙れ、艦娘の分際でさえずるな」
……ハァー(クソデカため息)。
黙って聞いていれば、まるでクズのバーゲンセールだな。人の心がないのかよ。チョッパリらしいな。うちの子たちは核爆発寸前です。キレる若者。
試用? 交換?
ン拒否するゥ。大局的な戦力バランス? ン関係なぁい。ン譲渡しなぁい。こいつらは私専属のパートナーだからぁ。
「譲渡はさておき、不良品の回収をさせるのは良い案かもしれんな。実は、先達として資源を融通できなかったのを心苦しく思っていた。どれ、あとで似合いのものを見繕ってやろう」
これまでのカスとは一味違った偉そうなハゲが侮蔑たっぷりに言ってきます。同調するカスたちの嘲笑が会議室に満ちました。
艦娘の供給ありがとナス。ブルネイ再生工場にお任せあれ。青筋立てながら了承してあげましょう。なお返品は対応できかねますので。
「ところで貴官の艦隊は、出撃回数が他と比べて格段に少ないようだが。海域攻略が成ったからといって油断しすぎではないか? 老婆心ながら忠告してやろう。 兵器とは、我々のように、常に臨戦態勢を強いてこそ、その真価を発揮するというものだ」
「指揮官と艦娘は馴れ合うべきではない。貴官はいつか最も大切な時、判断を誤るぞ」
「そうだ。その英雄気取りの人情ごっこは、戦場では何の役にも立たん」
「その偽善的な態度で、いったい何隻の艦娘を気持ちよく死なせてきたのですか?」
「あの演説といい、貴官のやり方は軍人としての品位に欠けるのではないかね。それに付き従う艦娘も同類だな」
「前任者の遺産を食い潰した心地はいかがかな」
「第一に星名司令官の艦娘を徴収するべきだ。詳細な検証の必要がある」
「ブルネイの裏は艤装の残骸でいっぱいなのだろうな」
カスの……パラダイスやな。 カスパラダイス! ふざけやがってカスパラダイス!
大人なので我慢していたら、いつの間にかとんでもない胸糞発言の嵐となってしまいました。イライラしすぎて頭がフットーしそうだよぉ。
現状維持の方針に従わないと見るや失言を狙いすぎだろ。ほも君がそんなに邪魔なのかよ。
これ以上何か言われたら爆発してしまいそうです。もう十分堪能したよ。軍議早く終わってくれよなー。早くしろ早くしろ早くしろー。
ガチでキレそうです。
「なるほどな。勉強させてもらったよ」
ん?
「無能のゴミも使いよう、というわけか」
スゥー……(限界)。
フゥー……(ブォォォ)。
もう許せるぞオイ! てめぇ乗り込むぞ!
艦娘兵器派を、ぶっ潰す!
私は艦娘のことが大好きなんですよね。どれくらい艦娘のことが好きかっていうと、艦娘全員とエッチしたいくらい好きです。
チャートにはありませんが、この場で全員銃殺してしまいましょう!
「――提督は、あなた達の言うような方ではありませんッ!」
ハッ、危ないところでした。
涼月ちゃんがブチ切れています。超珍しいですね。しかも今朝セクハラして好感度下がったのに。
献身を目にしたことによりメンタルが若干ゃ回復しました。メガトンロスするところだったよ危ない危ない。
ところで川内がずっと黙っていますね。息、してる?(笑)
「提督が、へ、平和のために、どんな危険を冒してるか、知ろうともしないで……ッ!」
死ぬほどブチ切れているだけでした。あっそっかぁ……。
デカい咳払いが会議室に響き渡ります。「いやはやいやはや」と偉そうなハゲが口を開きました。さっき不良品もとい艦娘を譲る約束をしてくれた、これまでのカスとは一味違うハゲです。略してカスハゲです。
「何と言ったかな。越名司令? ああ、星名司令ね」
イラッ☆ 人の名前をわざと間違えるとかどんな教育を受けたのかな? お母さんの顔が見てみたいです。
カスハゲの発言の瞬間、ほも君への失笑に湧く会議室。ウケすぎだろ。涼月ちゃんのスゴイシツレイな言動もうやむやになりました。彼女は反射的に艤装を探る仕草をしましたが、陸なのでセーフです。殺意にブルっちゃうよ……。
「星名司令のところは、実に運が良いようで何よりですな。我々が長年、慎重に戦線を支え、地道にお膳立てしてきた努力が、思わぬ形で実を結んだということでしょう」
なんということでしょう。たったひと言で、すべての手柄を本部のカス共の献身によるものにすり替えられてしまいました。
お前マジシャンみたいだな? 政治家仕草ってすごいわね。
後ろの三人がキレすぎて怖い。視線で人を殺せそう。
「勢いがあってよろしいが、それがいつまで続くか。見ものですな」
ほっほっほ、と笑うカスハゲ。彼が「元帥閣下」と促すと、だんまりだった別の偉そうなジジイが「うむ」とか言って閉会! 解散解散!ということになりました。霞くんやっと終わったぞ。
軍議でかれこれ、ま一時間くらい、えー、耐えたんですけども、賛同者は、誰ひとり、いませんでした。誰ひとり来ることなかったです。残念ながら、はい。ひとりくらいいるやろなーと思ってたんですけども、結局……一時間くらい耐えても、誰ひとり来ませんでしたね。ほも君がボコられているのに、最後まで誰も擁護してくれませんでした。
賛同者が何人来るかが分からないんですよね。10人か、50人か、100人か? いや100人はないと思うな。いや50人はあるかもしれへんな。0ってことはないと思うわ、さすがに0人ってことはないと思うな。いくらなんでも0人はないでしょう。
そんな風に考えていた時期が私にもありました……。
さすがに賛同者0人はね、へこんでますねー。
うわぁ、すごいよぉ(ドン引き)。すごくいやらしい軍だよ(精いっぱいの抵抗)。
変な方向に団結しやがって……。
思わず、糞で固め息が漏れます。
まずいですよこれは。
艦娘の兵器扱いに誰も口を挟まなかったことから、下手したらここに集まった各鎮守府司令官含む軍上層部ほぼ全員が、兵器派かもしれません。
かもしれんっていうか濃厚ですねぇ! 最悪です。
兵器派の思想が浸透してるとか、海軍の規律はどうなっているのだよ……。劣勢どころか末期戦秒読みじゃないか。
思ってたより絶望的でおっぱい感じちゃう。これもう詰んでるかもしれません(絶望)。
馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!という建前のもと今まで頑張ってきましたが……艦娘たちを救えるか不安になってきました(本音)。走者も人の子だってはっきりわかんだね。
なんだこれはたまげたなぁ。この軍はできそこないだ、食べられないよ。
……でもまあ、へこんでられないよね。
まあ国民、今後の日本国民の生活もあるし。艦娘みんなのことをおも、思うと、まあへこんでられませんよね。
兵器派の主要な人物と目されるカスたちが席を立つと、黙っていた将官たちが「すまんこ(笑)」的なおざなりの謝罪を述べに来る……こともなく、完全ガンシカ噛まされました。おもてなしアッツゥ! アッツェ! アツゥイ!
チンカス共に用事はないのでこちらも反応せずさっさと部屋を出ます。アイサツもできない荒らしにはスルーが一番効く、古事記にもそう書かれている。
ストレスパートがようやく終わったので、さっそくカスハゲの元へ向かい、おねだりしてうっぷんを晴らします!
おう大将! さっき不良品ならなんでもくれるって言ったよね?
「……なんだね。兵器どもの話なら、書面でのやりとりでいいだろう」
意外にもリップサービスではなかったようです。
私は落ち着いて話をしたいのですが、後ろの激エロ三銃士がキレすぎてそれどころではありません。ぽまいらもちつけ。おこづかいあげるからホテルのロビーでパフェでも食べてなさい。
無理? ムラムラして収まらない? じゃあもう先にブルネイ帰って、シコれ。
少し話がしたい、と言って空いている小会議室へ入り、カスハゲと二人きりになります。ちなみにドア前で待機するカスハゲの秘書艦は金剛でした。いい趣味してんねぇ。
「私は忙しいんだ。手短にな」
あ、いいっすよ。いきなり本題に挿入ります。
カスハゲってさ、艦娘兵器派のトップだよね。
まずうちさぁ、兵器派のトップが艦娘にペコペコしてる写真あんだけど……見てかない?