私が、友達が変わらずにいられる世界へ 作:アルトリア・ブラック(Main)
それからモモンガは強制沈下させられる精神の中、妹として設定された斜線堂奏をチラリと見る。
転けそうだからという理由でモモンガの腕を持つ斜線堂さん
童貞を卒業せず、この世界に転移し、アルベドやシャルティアからそう言った目で見られるのは『子供達が親戚に恋煩いしてしまったようなもの』という感覚で割り切れたが…
(…目に毒すぎる…中身とアバターが違うからって言って友人をエスコートするなんて…なおかつ、斜線堂さん美人に設定しすぎじゃない…?まぁリアルでも和風美人だったけど…リアルのこと知ってるから…なおのことつらい…)
友人の子供と友人では天と地ほどの差がある。
「お兄様?どうしましたか?」
「あっ、いやぁ、なんでもない!」
「露骨すぎますよ、普段は王様然としてるのにどうして今は違うんですか」
「……(貴女が慣れすぎなんですっ!)」
斜線堂さんが出てきてから街の人々は表に出てきて見てきた
(…やっぱり女性なんだな…)
見た目のことを思い出しげんなりする。
「あっ!」
「…へ?」
斜線堂さんの手が離れる
「あ、ち…おい」
慌てて妹弟にかけるような言葉を思い出しそちらに歩みよる
目の前に並ぶ古臭い本に引き寄せられるように、斜線堂さんはしゃがみこむ
ドレスが汚れるのも気にせず眺めていた。
「しゃがみ込んだらドレスが汚れるぞ」
そう言って近づいていくと店員がビクつき、恐れの表情になる。
「良いじゃないの、ドレスより本の方が大事だわ」
「(…うっ…)まぁ…そうだが、汚れたドレスは買い直せば良いか…」
キラキラした瞳で本を手に取っていた。
「ご主人が本を入れてるの?」
その声に店主は頬を赤らめる
「………」
ジト目で店主を見るとすぐに青白くなる。
「そ、そうです。こんな汚ねぇ本でも…王女様が気に入ってくださるなら嬉しいです…」
しどろもどろになりながら言う。
「………え?」
一つの本を手に取った斜線堂さんが驚く
「どうした?」
そう問いかけると
「店主さん。この本ってどうしました?」
「あぁ…確か法国から流れてきたって話だ。て言っても法国の人間も何を買いてるか分からないって言ってたな。ガラクタとして流れてきた」
「斜…アリアナ、どうした?」
そう言うと斜線堂さんは立ち上がり
「この本をください。ちなみにそこの本も」
「!まいどあり!」
嬉しそうに店主はお金を受け取る
斜線堂さんは微笑みこちらを見て来る。
童磨に本を渡して歩いていると…
斜線堂さんに必然的に腕を出すと掴まって来る
「童磨、その本なんて読める?」
「えーと…虐殺器官とこっちは…ハーモニー」
本を見ながら言う童磨
さっぱり分からないアインズは首を傾げる
「それがどうかしたか?」
外にいる分、兄妹としての建前はしなければと意識する
「この本の内容はリアルの本です、紙質はコピーしたそれですけど」
「!!」
「つまり、この二つの本は結構内容が過激ですし、難しい用語が多いですから読む人はマニアか読書好きの人です。かくゆう私もリアルじゃ愛読書でしたけど、これは日本語でコピーしてあるから法国も読めずに流したんでしょう」
「つまりプレイヤーの私物ということですか?」
周囲に盗聴阻害魔法をかけ話す
「はい、でも、武器ではないから流れて来たのか法国がどういうつもりなのかは分かりませんが…」
宮殿の入り口に着くと斜線堂さんは微笑み
「この二つは下手な武器より武器になりますよ」
そう微笑み入っていく
それから斜線堂奏は第六階層のコロッセオで自分の能力を確かめることにした。
確かにレベルが低いから外に出ても問題しかない。
簡単に言えば経験値を溜めなければならない。
が、模擬練とは言え、守護者達は自分に攻撃するなんて恐れ多いことは出来ないと遠慮し、挙げ句の果てには攻撃が当たろうものなら自害するなんて言うので稽古にもならない始末。
故に自分の作ったNPCに相手を頼むわけだが…
(…痛すぎるし、怖すぎるし…ワールドアイテムがなかったら何回死んでたか…)
模擬練の相手を頼んだ外道仮面ことボンドルドからは物理攻撃であるファーカレスを受けた後にスパラグモスを喰らったら普通に瀕死の重傷になった。
マーレが血相変えて走って来て治癒してくれたおかげで蘇生コースに至らなかったから良かった。
「ねぇ、斜線堂様ぁ〜俺たち、その内、アインズ様に殺されますよ〜」
童磨がそばに座り行って来る
黄金色の扇子をパタパタさせながら言う
「…だって、私だけ弱いのは嫌なのよ、そもそも、籠の中の鳥扱いなんて」
「おやおや、箱入り娘の間違いでは?」
「……あなたが箱入り娘って言うと洒落にならないからやめてくんない?」
「それで?経験値溜まりました?」
そう童磨に言われ、データを見てみると
「…うんまぁ、溜まってはいるね、後何十回瀕死になれば100レベルになんだこれ…」
ハァとため息をつきながらデータ画面を見ていると
「それでは、私の研究品をお使いになりますか?カートリッジがあれば効率よく経験値が貯まりますよ」
「さすがは外道仮面殿〜!研究熱心で凄い」
「…………」
二人の会話に顰めっ面になる
(…私はなんで、この二人をNPCにしたんだ…)
数百年前に流行していたアニメと冒険とはいえ度し難いアニメの悪役を作ってみたいと作った過去の自分を思い出し遠い目をする
それが自我を持ったらまんまソレで(ボンドルドに関しては魔法も使える機能にしてしまったのでさらにえげつない)
一度だって考えるだろう。アニメキャラを自分のNPCにして自分のそばに置いてみたいって、にしたってボンドルドはやりすぎたと思ったが
うーんと地面に座っていると、アウラがやってきて
「斜線堂奏様!アルベドがお探ししてました!」
そう言われ立ち上がる
場所を変え、執務室に移動すると、アルベドがお辞儀をして待っていた。
「待たせてごめんなさい。貴女も忙しいのに」
「とんでもありません。至高の御方々のお手を煩わせないことこそがシモベの役割ですから」
アルベドがそうニコリと微笑んでくる
椅子に座ろうとするとボンドルドが椅子を引いてくれる
「それで?用件は?」
「はい、以前アインズ様にはお話したんですが、斜線堂奏様にお話するのが遅れてしまい申し訳ありません。実はアインズ様と斜線堂様にもご報告致したいのですが、よろしいでしょうか?」
「うん、そのお話って?」
「はい。至高の御方々の捜索隊についてです。アインズ様には一応の名簿を渡したのですが、斜線堂様にもお見せいたします」
そう言って名簿を差し出してくる。
何故かボンドルドが一度持って渡してくる
「?」
ん?となりながらもその名簿を見る
「…!」
名簿の中には明らかに過剰戦力とも呼べる人員が乗っていた。
「どうでしょうか?」
「…アルベド、どうしてこのメンバーにしたの?」
「はい、お恥ずかしながら…最強の軍を作り至高の御方々をお迎えしたくて」
そう顔を赤らめるアルベド
「モモンガさんは良いって言ってたの?」
「いいんじゃないかというお言葉を貰いました」
「……そう」
名簿にある名前に訝しげになっていると
「おやおや、まるで、至高の四十一人を捜索…というより抹殺する、というようにしか見えなかったのですが」
横から見ていたボンドルドがそう言う
その言葉にアルベドは真剣な表情になり
「そのようなこと考えてもございません。断じて」
アルベドはいつものように言ってくる。
「……モモンガさんが認めたのなら否定しないわ、いいと思うわ」
そう言って書類をアルベドに渡そうとすると、ボンドルドが受け取りアルベドにわたす