EPⅠ「救援と邂逅」
Sideハクト
「旦那様、コレが頼まれていた件の報告書になります」
「御苦労様」
俺が製造オーダーした最高峰な理想のメイドロボであるサキュナから先日の事件の報告書を受け取り読む。
「…「ゴアズ海賊団」その宇宙海賊集団が父さん達を誘拐した奴等か!…」
俺は報告書を読んでぐっと力を込める。
「!アルグランド帝国領内の生産プラントが宇宙海賊による襲撃を受けていると軍、民間防衛部隊からの救援要請が発せられています!」
「何だと!ならば俺の出番だな!サキュナも一緒に来てくれ!」
「了解致しました!」
サキュナからそう告げられ俺は格納庫へと急ぎ向かった。
「まだウチの御手製の戦艦は完成出来ていないから今回ばかりは帝国軍から購入した戦艦を使うしかないか。
総員、出撃準備!」
「「はっ!」」
元帝国軍人上がりの雇った者達に指示をとばして出撃準備に入る。
「漸く初陣だぞ、いけるよな?俺のシールドライガー!」
「ガアオオン!」
俺は青紫色にカラーリングされたシールドライガーに問いかけると彼は高らかに咆哮を上げ返答してくれた。
俺はそれを聞いてパイロットスーツに着替え終えシールドライガーのコクピットに複座にはサキュナが乗り込む。
「よし!サキュナは火器管制を頼むぞ!」
「承知致しました!」
「『間も無く戦闘区域へと突入致します!』」
クルーからの報告を受けカタパルトへと移動する。
「ハクト・シラガマ、サキュナ両名はシールドライガーDCSーJハクトカスタムで出撃るぞ!」
~推奨戦闘BGM「WildFlowers♪」~
「『ひゃっはあー!』」
「『く、クソッ!?…海賊共の数があまりにも多過ぎる!…』」
「『死に曝せやあー雑魚共ぉー!』」
「『し、しまっ!?…』」
宇宙海賊の軍勢の襲撃に民間防衛部隊は帝国軍と共に迎撃を試みるが如何せん奴等の方が数が多く又貸し与えられている旧式の機動騎士ではとても対応し切れないでいた。
隙有りと海賊の機動騎士の凶刃が迫って来る。
其処に…ドン!
「『ぐわ!?…』」
何処からともなくレーザーが飛んできて海賊の機体の右腕を吹き飛ばしてよろけさせた。
「『アレは!?…』」
「『未確認の機動騎士…いや機体だと!?…』」
攻撃を放ってきたモノの正体に海賊も防衛部隊も酷く驚愕していた。
それもその筈、機動騎士は人型がポピュラーだ。
その型に当てはまらない動物型の機体が現れたのだから。
「此方は救援信号を受けて駆け付けてきた者だ!疲弊した者達は早く下がってくれ!」
「『た、助かった!…』」
「『あ!?…俺の獲物が…お、おのれよくも邪魔を!…』」
俺の言葉に防衛部隊は引き下がる。
すると半壊させた海賊の機動騎士が悪足掻きにも突撃してきた。
「遅い!」
「『ぎゃ、ギャアアアー!?……』」
俺は即座にレーザーを撃ち込んで倒す。
「『なっ!?…何だあの機体といい黒い機体といい!?…』」
ン?誰か他にも救援が来ているのか。
「『取り囲め!あのサイズの機体ならば!』」
他の海賊共の機体らが取り囲んで来る。
「サイズだけで判断するだなんて甘いんだよ!動物の力を特と見やがれ!ライガー、<テールブレード>だ!」
「ガオオオオオーン!」
「喰らいやがれ!ライガーの微塵切りをなあ!」
「『なっ!?…』」
「『うっぎゃあああー!?……』」
俺はライガーのテールブレードを伸ばし海賊共を数機纏めて刺し貫いた。
「『く、糞がっ!?』」
撃ち漏らした一機がマシンガンをテールブレードへと撃ち放ってくる。
「テールブレードの動きについてこれるか…だが!サキュナ!<Eシールド>展開!」
「了解!」
「『ば、馬鹿な!?…』」
マシンガンの弾丸はサキュナが展開したエネルギーシールドによって防がれる。
「隙だらけだぜ!」
「『ひっ!?…』」
「ガブリといかせてもらうぜ!<バイトファング>!!高速連打!」
「『う、うぎゃあああああああー!?……』」
高速で動き回るライガーの必殺の牙が海賊共の機動騎士に次々と喰らいつき真っ二つにしていく。
「『ば、バケモノ!あんな奴が居るだなんて聞いてねえ!』」
ライガーの必殺牙を目にした残存している海賊共は目に見えて怯え始め次々と逃げ出していく。
「よろしいのですか旦那様?」
「敵の総大将が出てきていない現状で有象無象共を倒した所で鬱陶しい厄介な虫の如く湧いてくるだけだ。
それによ…」
逃げ出した海賊共は別の方向から飛んできた斬撃によって跡形も無く爆散した。
それを行ったのは明らかにエース仕様にカスタムされたであろう黒い機動騎士だった。
海賊共が言っていた黒い機体とはコイツの事か!
「『ン?見た事のねえ機体のようだが帝国軍…じゃねえようだな?』」
「此方はシラガマ男爵家四代目当主、ハクト・シラガマ男爵、そしてヘオリック社の代表でもある!
此度は救援信号を受けて馳せ参じた」
俺は黒い機動騎士のパイロットに相互通信回線を開き応答する。
「『何、ヘオリック社だと?天城!』」
「『検索完了しました、ヘオリック社は性能の良い武装兵装を開発していて此処数年程で帝国第三兵器工場とも並ぶ急成長を遂げた企業のようですね』」
「『兵装だけか?』」
「『はい、検索結果はその様に出ていますが…』」
どうやらメイドロボに検索させたらしいな。
「この機体は俺が独自開発した機体の一種でな。
おいそれと表に出している訳ではないのさ」
「『そういう事だったのか…。
兎も角そっちが名乗ったからには俺も名乗らなければいけないな!
俺はリアム・セラ・バンフィールド伯爵である!』」
「!ほう、真逆の領主サマが自ら御出陣とはな!」
「『ニュアンスが何か気になるがまあ良い、中々に気に入ったぞ!…俺はこの後海賊共の領域に襲撃をかけるつもりなのだがシラガマ男爵も興味は無いか?』」
どうやら気に入られたようで領主サマがそんな誘いを提案してくる。
父さん達の手掛りを探すにはもってこいではありそうか。
「その話乗らせて貰おう!あ、でもそれなら相応の準備する為に一度帰還したいのだが」
「『おう、待っているぞ!』」
俺は一度社に帰還し準備を進めるのだった。