Sideハクト
「ふむ…」
俺は社長室でカイナ、そしてセルフィード姉妹の訓練データを精査しながら機体の設計図を書き込み起こしていた。
「よし!サキュナ、あの子に呼び出しをかけてくれ」
「あの子…モリー整備長様ですね。直ちに」
書き込みを完了させた直後俺はサキュナに呼び出しを頼む。
「シラガマ社長!モリー・バレル整備長はただいま此処に!」
「うむ…」
呼び出したのはある事情で我が社で雇った女性整備士だった。
そのある事情とは領主サマの行ったかなりいい加減な再編の影響で事実上のリストラとなり能力を活かせる行き場を失った者達が生じた。
彼女もその中の一人で視察に行った俺が彼女のメカニックの仕事振りに目をつけて我が社へ兵を含む数十名程をスカウトした。
勿論ちゃんとした試験は受けて貰った上でだ。
「ある程度量産機の整備を終えたら新型の開発に取り掛かってくれ。
コレが設計図だ」
「了解しました!お任せ下さい!」
彼女の端末に設計図データを転送し早速仕事に取り掛かってもらうのだった。
Sideモリー
「皆、整備の調子はどう?」
「「整備長!」」
シラガマ社長に呼び出しを受けて新型機の設計図を渡された私はウキウキ気分で整備室へと戻って問い掛けた。
「ゾイドシリーズは粗方の整備を終えています!
MSの方は後は注文の多いクレーマー准尉のドワッジだけですね」
「そう。
手の空いている人は新型機の開発に取り掛かって!」
「「はい!」」
「ふう♪」
「整備長、今日も御機嫌良さそうですねえ~」
「そう?やっぱり認められるって良いわよね!」
「あ…そうですか」
「?」
自身の親の顔も知らない私は整備兵となって頑張っていたが一時辺境の星に左遷させられてへこんでいた。
だけどある日あのヘオリック社のシラガマ社長さんが視察にやって来て私や仲間達の実力を認めて下さり試験の末に入社出来、充実した日々を過ごせている。
「というかその恰好、又わざわざ上着脱いで行ったんすね…」
「これは作業してたら暑くなるからよ…流石にそれくらい社長さんは許してくれるわ…」
「胸囲の格差社会…ってン?てっきり社長さんに…」
「ちょ、ちょっと!?///~」
整備士仲間であるシズネ・クラナにそう言われて私は急に恥ずかしくなった。
た、確かに社長さんはカッコ良くてなんだか意識しちゃうけども…いち社員でしかない私には身が余り過ぎる…。
「んーあの社長さんならそんな事特に気にしないと思うすけど…」
「そ、そんな気は今は無い、絶対無いから!…」
「今は…すか~!…」
「~!無駄口叩いている暇あったら作業!」
「はいはい~!」
ああ、もう!///~私はおもわず誤魔化して作業に戻った。
その頃、Side?
「面白えじゃねえか!これで飽きてきちまったもんを有効活用出来るとはな!」
「ありがたき幸せで御座います!…」
「「ンンー!…」」
天啓を与えてくれたあの黒ずくめの男には感謝せねばな!
ククク!…楽しみですねえ…この私を、ブーディー・フナガのプライドをよくも傷付け虚仮にしてくれたあの男と小娘共、そして私を追放した帝国の犬共が絶望に歪む顔を拝める日が来るのを…!