Sideハクト
「よし!…」
漸く自家製超弩級戦艦が完成した。
俺は社員達に招集をかける。
「皆のおかげで漸く宇宙海賊に対して十二分に対抗し得る力が整えられた事を今一度感謝する!
遂先程バンフィールド私軍がゴアズ海賊団一味と交戦中との情報が入った!
我々も赴きゴアズ一味を迎撃しながら未だ奴等に囚われてしまっている者達を救出するぞ!
総員出撃準備だ!」
「「了解!」」
未だ手をこまねいている帝国軍の通信を傍受し領主サマらが戦闘に入っているとの情報を得た俺達は超儀礼艦(超大嘘)エルクシオールXに乗り込み出撃した。
「しゃちょ…じゃなかった艦長、間もなく戦闘区域に突入致します!」
「よし!コンディションレッド発令!パイロット総員出撃準備せよ!」
「「了解!」」
「俺も出撃する!ベイカー大佐艦長代理、この艦は任せたぞ!」
「はっ!」
テイム・ベイカー大佐を筆頭とした艦員達に後を任せて俺も出撃準備に入る。
「第一ゾイド、比翼隊は海賊雑兵共の駆逐、VG部隊は事前の打ち合わせ通りに敵戦艦の艦橋へと高速パージアタック作戦を仕掛けろ!訓練の成果を見せるんだ!
攻撃成功後は各即時艦に帰還し再換装以後はゾイド部隊と共にクルダリア大尉、クレーマー准尉に従って海賊共を相手取れ!
他のMS隊はパージアタック作戦が完了する迄は待機していてくれ!」
「「了解!」」
「ハクト・シラガマ、HVコアファイター出撃る!」
俺は作戦指示を飛ばした後わざと脚部だけを換装したコアファイターへと搭乗し出撃した。
Side?
「社長が出撃したわ!私達も続いて障害を取り除いて道を切り開くよ!」
「「イェスマム!」」
私はミレス・クルダリア、バンフィールド家の再編を受けて辺境惑星に飛ばされた直後に運良くシラガマ社長に拾われゾイド部隊の隊長として就任する事となった。
「今度こそ仲間は誰も死なせない!…だから頼んだよゾイド達!
ミレス・クルダリア、レインボージャーク及び第一ゾイド、比翼隊出撃!」
私をパイロットとして選んでくれたレインボージャークを筆頭とし鳥獣型ゾイドで編成された比翼隊も出撃する。
「『な、何だアレは!?』」
「『アレは確かシラガマ男爵家の!…』」
「此方第一ゾイド比翼隊、ミレス・クルダリア大尉です!消耗している兵は即座に下がって下さい!」
「『く、クルダリア大尉!?真逆貴方がシラガマ男爵様に仕えていらっしゃったとは!』」
「その声は…中尉ですか!兎も角貴方方は下がって下さい!」
「『あ、有難い!離脱する!』」
帝国士官時代の知り合いも参戦していたようで救援が間に合って本当に良かった!…。
「『あ、あんなのものなど虚仮脅しだ!包囲して集中砲火しろ!』」
「「『うおおおおおー!』」」
「!」
驚きはしつつも海賊共はレインボージャークに銃撃を浴びせてくるが…。
「回避するまでもないんですよ」
「『そ、そんな!?傷一つついてねえ!?…魔力障壁を張ってすらもいないのにか!?…』」
海賊共の装備ではレインボージャークの装甲を抜けない。
「『所詮は只の荒くれ者の集まりですね~…その程度の動きでは今の大尉や私達にはついてこれないよ!
この子の力喰らえ!<スタッグサンダーブレイク>!!』」
「『お、圧し潰され…ほぎゃあああああああー!?……』」
クワガタ型ゾイドであるダブルソーダに搭乗しているサブリーダーであるクレア・アシャナ少尉が雷撃を纏った顎で突撃攻撃を仕掛ける。
機動力が上であるダブルソーダに海賊共の機動騎士などでは対応出来ずに挟まれ感電しながら圧死した。
「『ひっ!?…』」
「『<スタッグブーメラン>!!』」
「「『少尉に続けえー!』」」
「「『にぎゃああああー!?……』」」
続けて少尉が放ったブーメランで包囲していた半分が斬り裂かれて爆散する。
そして更にその半分がストームソーダの援護砲撃で墜ちる。
「アシャナ少尉、皆よくやった!後は私が!<ジャークウィングカッター>!!」
「「『ぎゃあああああああー!?……』」」
翼にエネルギーを纏った突撃攻撃を仕掛け残りを纏めて斬り裂いた。
「よし!MS隊と合流する!」
「「『イェスマム!』」」
Sideハクト
「『な、何だ!?急に通信が遠く!?…』」
「『い、一体何が起きていやがるんだ!?』」
ミノフスキー粒子が散布された事により宇宙海賊の通信は弱体化、なんとか魔力を用いた通信を利用して現状を把握しようとする。
「『ぶ、分隊長アレを!…』」
「『アレは!…もしかして戦闘機か?それも小型のばかりか…あんなもので俺達の機動騎士を相手取ろうなんてな!野郎共!やっちまええー!』」
「「『うおおおおおー!』」」
ゴアズが率いる分隊長が接近して来るのがどう見ても時代遅れの小型戦闘機、しかも一機が半端な装備の一団だと確認し蜂の巣にしようと一斉に仕掛けた。
だが…
「コアファイターVを甘くみたのが貴様等の運の尽きだ!クレーマー准尉!」
「『了解!はああああー!』」
「『なっ!?機動騎士にへ、変形しただとお!?は、速い!?……』」
緑迷彩色にカラーリングされたコアファイターVを駆るラリー・クレーマー准尉がVガンダムへと変形させ仕掛ける。
Vガンダムに驚いた海賊騎士は反応が大幅に遅れて擦れ違い様にビームサーベルに叩き斬られて爆散した。
「機動騎士ではないMS、ガンダムだ!総員、突っ切るぞ!」
「「『了解!』」」
俺の指示を受けコアファイターV隊は加速する。
「『お、俺達を無視する気か!?』」
「『あ、お、おい待てアレを深追いするのはま…ぎゃああああー!?……』」
「『へっ!?……』」
俺達に無視された残りの海賊騎士がなんとか捕らえようと接近しようとしたのが運の尽きだ。
ぐりんっ!とコアファイターVが頭部だけを露出させ回転させる。
それに呆気にとられた海賊共は頭部バルカンの一斉掃射を物の見事に喰らい沈黙した。
「『!?未確認の小型戦闘機の一団が此方へと高速で接近して来ています!』」
「『小型戦闘機だとお?そんなもん蜂の巣にしてやれ!』」
「『しゅ、主砲撃てえ撃てえ!』」
艦隊が群がる区域へと突入すると一隻の戦艦が主砲を撃ち込んでくる。
だがそれに当たってやる俺達などではない。
「甘い!」
「『そ、そんな馬鹿なっ!?…我が艦隊の誇る大出力の主砲をあんな戦闘機に避けられるだとお!?』」
「今だ!パージアタック!!」
主砲の雨嵐が止んだ瞬間俺はレッグパーツをパージし艦橋へとぶつけた。
「『へあっ!?……』」
「『ぎゃああああ!?……』」
真逆機体のパーツを突っ込ませてくるとは流石に予想外だったのか艦橋に居た者達はほとんどが誘爆風に巻き込まれて吹き飛んだ。
「『総員仕掛けろ!』」
「「『フルパージアタック』!!」」
「「『ぐわあああああああああー!?……』」」
各Vガンの奇襲特攻を回避する余裕も無く次々と戦艦の艦橋に居た者達は無残に吹き飛んでいった。
「な、何が起きていやがる!?…」
「伝令によりますと戦闘機が次々と我々の戦艦艦橋へと突っ込んで来て機能低下させていると…」
「人質を使え!これ以上の無駄な消耗は避けさせろ!」
「はっ!その様に!」
ゴアズはリアムを追い詰め好転していた戦況が一瞬にして覆されていた事に混乱するも冷静になり指示を飛ばした。
「『シラガマ隊長…』」
「どうしたアシャナ中尉?」
唯一未だにパージアタックをしていないシャーナ・アシャナ中尉が通信してくる。
「『奴等、人質を使って此方の動きを…』」
「!そうきたか…だがこのぐらいの事態は想定済だ!
新手は今の所来ないようだから中尉はそのまま待機、他の者は指示していた通りに!」
「「『了解!』」」
「『りょ、了解しました』」
俺の指示を受けて中尉機以外が帰投していく。
「さてと…」
俺はコアファイターVを奴等の艦の横に回り込ませて外に出る。
「そっちがそんな手を使ってくるっていうんならこっちも遠慮無くいかせてもらおうか!
波ぁっー!」
懐から取り出した只の紐を取り出して艦に叩きつけて一部を破壊し其処から艦内に侵入する。
「よっと!」
「侵入者だと!?」
すぐに船員に気が付かれるものの俺は慌てない。
「雑魚共に用などない…!どりゃああああああああー!」
「「ぎゃあああああああー!?…」」
東方不敗格闘術で迎撃してこようとした雑兵共を一気に蹴散らす。
「メインルームは此処だな…敵の数は…丁度良いかならば<流派東方不敗奥義 十二王方牌大車併>!とあっ!」
技を繰り出し敵艦メインルームの扉を粉々にし突破、人質には当たらないようにコントロールし敵の動きを封じた。
「なんだあ!?…」
「おっと動くなよ?大人しく人質達を解放しろ!じゃなきゃテメエ等の片腕が跡形も無く吹っ飛ぶ事になるぜ」
「野郎ー!」
「キャア!?」
「馬鹿が!…火発ぉっ!」
それでも逆上し剣で人質の女性を刺そうとしていたので振り上げた隙に十二王方を自壊させ奴の腕を吹っ飛ばした。
「ぎゃああー!?…」
「ひいっ!?…」
「こうなりたくなかったら…な」
有言実行が効きある男性の人質を除いて全員を助け出した。
「お、おい!?僕を助けてくれないのか!?」
「…さ、皆さんとっととおいとまさせて頂きましょうか」
男性の懇願を無視し俺は人質達と共に敵艦を脱出した。
ワープしてきたエルクシオールXに人質達を預ける。
「絶対無事に送り届けるから今は安心してゆっくりしてほしい」
「あ、あの…」
「ン?もしかしてあの男の事かい?」
「はい…」
自分達と同じ人質である筈の男性を何故か助けなかった事に疑問を感じた彼女達は聞いてくる。
「すぐに分かる事になるよ…映像回せ。中尉もういいぞ」
「『了解!』」
「「え!?…」」
アシャナ中尉に通信を入れ指示をすると彼女はまだ男性が居る艦橋に向けてレッグパージアタックを仕掛けた。
それをエルクシオール内の映像から見た人質女性達は絶句する。
「『ま、まだ人質が居るんだぞ!?正気か!?』」
「『貴方方に言われたくありません…ていうかよもやこの状況で此方がその偽者の人質の正体を把握していないとでも思っているんですか?』」
「「「『!?』」」」
中尉の言葉に男性と海賊共は驚く。
「ハージ・クリメナス伯爵だな?」
「『そ、そうだ!は、早く僕を助けろ!』」
俺の言葉に男性はまだ助けてもらえるなどと思っているのか肯定する。
「海賊に寝返った馬鹿貴族が!…今迄人質にされていた女性達を一緒になって恥ずかしめている事はこちとら調査済なんだよ!」
「『うっ!?何故その事を…あ!?…』」
俺の言葉にクリメナス伯爵は自爆する。
「という訳でアンタみたいな奴を助けてやる義理もなければ慈悲もない!そのまま海賊共と運命を共にしやがれや!」
「『!?そ、そん…』」
そこで映像を途切れさせる。
いくら悪者貴族であっても女性達にその悲惨な末路を見せる訳にはいかない。
「艦長代理他、彼女達を頼んだぞ!」
「「はっ!」」
俺は女性達を任せて再び格納庫へと向かった。