女義賊が、婚約者争いをぶっちぎる話   作:埃っぽい心

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 前回の話があんまり進んだ気がしなかったので今回は早めでの投稿です。

 規則的に投稿できなくて申し訳ない。 


16話 暴風域

 物陰に潜みながらウィンは、周囲の様子を伺う。

 

 テファニーはこちらに目もくれずに、檻へと向かっていった。気取られてはいないようだ。

 

「クロ。いい子にしてましたか?」

 

 テファニーの言葉に反応して、檻の中の人影が体を起こす。

 

 檻の中にいるクロの風貌は、様変わりしていた。

 

 短く切られた髪にやつれた顔は、知っているクロの姿とは似ても似つかない。

 

 生気の欠けた目はまるで死人のようであったが、呼ばれた名前から辛うじてクロであることが理解できる。

 

 遠目からでも分かるクロの変化に、ウィンは絶句する。

 

「あら、もしかして寝転んでたのですか。私が来るときは、必ず跪いて待機しないといけませんでしたよね、クロ?」

 

 テファニーが檻の上に手を置くと、檻の中から突き出した鉄の棘がクロの肌を貫いた。

 

 最初は声を上げないように呻くクロだが、ついに耐えきれずに悲鳴をあげる。

 

「誰が叫んでいいといいました? あなたは、何をするにも私の許可が必要なのですよ?」

 

 そういって、テファニーは棘を深く食い込ませていく。

 

 クロの悲鳴は、もはや絶叫へと変わっていた。

 

 ウィンは耳を塞ぎたくなるのを我慢して、周囲の状況へ気を配り続ける。

 

 風の流れからこの部屋周辺には、テファニーの一人しかいないようだ。

 

 かといって、地下という密閉された空間と風属性魔法の相性はあまりよくない。

 

 正面からの戦いになれば、救出が失敗する可能性もある。

 

 助け出すための隙を伺うか、それとも強引に突破するか、選ばなければいけない。

 

「聞くに堪えませんね。前みたいに口を縫い合わせてあげましょうか? そうしたらきっと悲鳴も我慢でき──」

 

「『嵐の槌(ストーム・ハンマー)』」

 

 最終的に、ウィンは強引な手段を選んだ。

 

 圧縮された空気の塊がテファニーを吹っ飛ばし、倉庫に土煙があがる。

 

 不意打ちは成功したようだ。成長したウィンの力を持ってすれば、地下であっても威力も十分である。

 

(今の一撃を生身でまともに受ければ、重症を負っているはず……)

 

 風で土煙を吹き飛ばして、倒れたテファニーを確認しに近づくウィン。

 

「『石の槍(ストーン・スピア)』」

 

 ウィンは、咄嗟に自分が立っていた位置から飛びのいた。

 

 さっきまでいた場所から、鋭い石が勢いよく飛び出す。もし避けていなければ、足を貫かれていたことだろう。

 

 どうやらテファニーが倒れていたのは、演技だったらしい。

 

「……誰かと思えば、ウィンでしたか。今のは痛かったですよ。服の下の鎧がなければ、死んでいたかも」

 

 立ち上がったテファニーは服をめくって、金属でできた鎧を見せつける。

 

 高度な地属性魔法によって作られたのか。薄すぎて服の下に鎧を着ていると気づかなかった。

 

 ウィンの攻撃を防いだところから、防御力も兼ね備えているようだ。

 

「グラント家から与えられた鎧です。頭を狙われたら危なかったですが、地下での風属性魔法は精度も落ちるようですね? 鎧の他にも色々貰っているのですよ?」

 

 治療用の魔法薬を取り出しながら、饒舌に語るテファニー。

 

 それとは対称的に、ウィンは静かに思考を巡らせていた。

 

 クロは棘が刺さったまま、檻の中で気を失って項垂れている。

 

 檻からクロを解放するのは、短時間では難しいだろう。

 

 テファニーが増援を呼ぶ気配はない。どうやらこの場には一人で来ているらしい。

 

 ならば、いっそのことテファニーを戦闘不能にしてから、安全にレインと合流するのがよいかもしれない。

 

「四方が土で囲まれたこの場所で、私に挑んだことを後悔させてあげましょう。『土の巨人』」

 

 テファニーが魔法を唱えると、地面から土でできた巨人が現れる。

 

 周囲から大量の土を巻き込んだからか、かつて『ブラックムーン』の背中から見たものよりもはるかに大きい。

 

 ウィンの10倍はあろうかという大きさの巨人の肩の上から、テファニーはこちらを見下ろす。

 

「『風乗り(エア・ライド)』……『風の刃(エア・カッター)』」

 

 ウィンは空中を飛び回りながら、テファニーに向けて魔法を放つが巨人の腕や鎧に弾かれてしまう。

 

 広いといえども空気が循環しない地下空間においては、ウィンの生み出す風は有効打になりえないようだ。

 

 振るわれる大きな土の腕を回避しながら、テファニーは巨人よりも高い位置で制止する。

 

 すかさず放たれるテファニーの攻撃魔法により、天井から落ちてくる岩の塊がウィンに襲い掛かる。

 

 攻撃を避けて飛び回りながらも、ウィンは戦いの状況を頭の中で整理していく。

 

(このまま移動を強いられ続ければ、私の魔力の方が先に尽きる)

 

 『土の巨人(ソイル・ドール)』という魔法はすでに成立しているため、テファニーは魔力を流すだけで操作できる。

 

 巨人とテファニーの両方からの攻撃をウィンが受ける以上、攻撃の手数はテファニーの方が上である。

 

「空をそこまで自由に飛び回れるなんて、やはりお父様の見込みは正しかったようですね。私が手に入れていれば、『紋章』も浮かんでいたことでしょうに。惜しいですね」

 

 テファニーは余裕の表情でウィンの魔法を受けきりながら、ウィンの神経を逆撫でするように口を開く。

 

「あなたの思い通りにはならないし、させるつもりもない」

 

 ウィンは痺れを切らして、テファニーに急接近するために巨人の懐へと飛び込んだ。

 

 巨人の腕が上下から迫るのを、ウィンは最小限の移動と体の動きで避ける。

 

 テファニーは鎧を信頼しているのか相変わらず、余裕の笑みである。

 

「接近したところで、私が有利なことに変わりありませんよ。『土の槌(ソイル・ハンマー)』」

 

 至近距離から振るわれる巨大な土の塊を、ウィンは真正面から受け止めた。

 

 ウィンの『風乗り(エア・ライド)』は、自分の体だけでなく他の物体を浮かすことも可能である。

 

 重量のある土の塊を押し返すことはできなくとも、ある程度留めるぐらいならばできる。

 

 攻撃を搔い潜って、ようやくテファニーの間近にまで到達した。

 

 久しく近距離で拝んだテファニーの顔を見て、ウィンは自分が復讐心を抱かないことを意外に思う。

 

 ウィンの中には、虐げられた過去という復讐の動機が確かに存在している。

 

 しかし、今のウィンにあるのはそれだけではない。

 

 過去への執着を忘れさせるだけの幸福を、ワーグやフローレス家、『ブラックムーン』といった大切な人から与えられていたのだ。

 

 復讐心に身を任せるのではなく、ひたすら冷静に目の前にいる敵の首を見据える。

 

「『風の刃(エア・カッター)』」

 

 ウィンに殺意はあるが、その殺意に呑まれてはいなかった。

 

 強い気持ちは魔法を強めるが、感情は時として魔法の使い手の視野を狭くする。

 

 フローレス家でそれを学んだからこそ、ウィンの目は曇らない。

 

(この攻撃は通らない。となれば反撃がくる)

 

 そう判断したウィンは、深追いせずにすぐさま距離を置く。

 

 巨人が手を伸ばす頃には、すでにウィンはそこにはいなかった。

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 こちらの魔法を凌ぎ続けるウィンを見て、テファニーは内心面倒くさいと感じていた。

 

 巨人の肩の上にいれば、大丈夫だと油断していたのだ。

 

「『土の盾(ソイル・シールド)』」

 

 至近距離から放たれるウィンの『風の刃(エア・カッター)』による斬撃を、テファニーは土で作った使い捨ての盾で防ぐ。

 

 少しでも反応が遅れていれば首が切断されていたことに、思わず冷や汗をかくテファニー。

 

 すぐさま反撃しようとしても、攻撃直後には距離を取られてなかなか決着がつかない。

 

 再び接近しようとするウィンを、巨人の手で付きまとう虫を払うかのようにテファニーは遠ざけた。

 

「そんなに怖い顔しないでくださいよ。あなたの時は優しくしてあげたでしょう? 今回みたいに治療の薬をふんだんに使えない当時は、肉体への苦痛も鞭打ちぐらいだったじゃないですか」

 

 こちらに対して鋭い目を向けるウィンに、テファニーは語りかける。

 

 もちろん、これは本心ではない。

 

 当時も今も、テファニーはウィンのことを玩具としてしか考えていなかった。

 

 優しくしてあげようなどと思ったことは、一度もない。

 

 こんなものは、ただの挑発である。

 

「……」

 

 しかし、期待外れなことに、ウィンが調子を崩すということは無いようだった。

 

(これだから、泥臭い戦いは嫌いなのです。支配こそ貴族の本懐。自ら正面切って戦うなんて、面倒極まりない)

 

 ウィンの力は想定以上だ。

 

 テファニーが一手間違えれば、このまま押し負けかねない。

 

 どうやってこの場所にたどり着いたかは知らないが、単独で来たとは考えにくい。

 

 グラント家の利益を考えるなら、クロを始末して撤退するのも一つの手である。

 

 だが、元よりグラント家のために動いたことなど、テファニーには一度もなかった。

 

 『ブラックムーン』を完全に飼いならして、裏から未来の王妃を支配する。それが、テファニーの目的だ。

 

 リア・グラントが『ブラックムーン』の力で婚約者になれば、リアは『ブラックムーン』の手綱を握る人間に逆らうことはできない。

 

 そのためには、テファニーの命令のみを聞くようにクロを教育する必要があった。

 

 貧民街地下の穴掘りなど『ブラックムーン』への復讐の準備に時間も労力も費やしていたフォレス家にとって、『ブラックムーン』が『紋章』を宿したという知らせは吉報だった。

 

 問題は子供のウィンを洗脳するのとは違い、『ブラックムーン』を従順に教育するにはやり方を考えなければいけない。

 

 過不足なくその力をフォレス家に服従させるには、精神的な枷を付ける必要がある。肉体的な枷を付けた『ブラックムーン』では、価値が下がる。

 

 そのために必要なのは、魔力封印の首輪なしでも従順になれるように苦痛をもってして躾をすることであった。

 

 なるべく睡眠をとらせないようにするために、四六時中クロの檻を監視して苦痛を与えた。

 

 外国から取り寄せた、精神だけを壊す魔法薬だって与えた。

 

 成熟した精神を飼いならすため、テファニーはそうして懇切丁寧にクロの心を潰していったのだ。

 

 ここで手放して、苦労を水の泡にするという選択肢は考えられない。

 

 さらには、玩具(ウィン)まで取り戻せるかもしれないのだ。あわよくば過去になくしたはずの物を取り戻したい。

 

 そんな絶好の機会を諦めるつもりなど、テファニーには毛頭なかった。

 

 ここまでウィンの優れた戦闘力を目の前にして、まだ勝機を見いだしているのには理由がある。

 

 それは、囚われたクロという切り札である。

 

 クロが檻の中にいる以上、ウィンはクロを連れてすぐさま逃げるということはできない。

 

 テファニーは巨人を操作して、クロの檻に向かっていく。

 

 無論、黙ってみているウィンではない。

 

 人質を取るつもりなのは、ウィンの目からも明らかだろう。

 

 だから向かって来ざるをえない。止めに入らざるをえない。

 

 苛烈な風属性魔法の攻撃により、巨人が足止めされる。

 

「かかりましたね」

 

 その隙に地面に降りたテファニーは、地下空間に流れている魔力を掌握した。

 

 想定通りの展開にほくそ笑みながら、広い地下空間を維持している魔法の一部を解除する。

 

 この地下空間は合体魔法の産物だ。

 

 大勢の貴族によって作り上げたとき、その場にはテファニーも加わっている。

 

 その魔法を再び掌握することも、造作もないことだ。

 

 崩落が始まる前にテファニーは巨人を自分の上に覆い被らせ、そのまま土で自分の周りを固める。

 

 これで耐えきれるかは、正直賭けである。

 

 さすがに完全に埋まってしまえば、地属性魔法の使い手とて危険だ。

 

 だが、テファニーは賭けに出ることができる程度には、魔法に自信があった。

 

 憎き『ブラックムーン』への復讐という目的意識によって、テファニーの魔法は父をも超えていた。

 

 地響きの中で、必死に巨人の体を維持する。

 

 完全に魔法を解除したわけではないので、天井の一部の崩落がおさまるまでの辛抱だ。

 

 崩落したあとに、生き埋めになったウィンとクロの檻を回収すれば、テファニーの勝ちだ。

 

(この地中深くの崩落。上から降る土や石の重量には、さすがのウィンも耐えらないでしょう!)

 

 しばらくして地響きが鳴り止んだ。

 

 地面に魔法で穴をあけて、崩落した地下空間に戻る。

 

 空中に浮かぶ人影を見て、テファニーは驚いた。

 

 なんとウィンが生き埋めを回避していたのだ。ボロボロになりながらも、その眼には闘志が残っている。

 

 どこまでもテファニーの予想を上回ってくるウィンに、目が釘付けになる。

 

「まだ飛んでいられるとは……」

 

 テファニーは、目の前のものを欲しいと思った。

 

 莫大な魔力、卓越した魔法、折れない意思。

 

 その全てを支配できたら、どんなによいか。

 

 特にその往生際の悪い意思を、折って溶かして奴隷の型に流し込む快感は想像を絶するだろう。

 

 テファニーは、欲望のままに魔力を練る。

 

 感情が魔力に追従する心地よい感覚とともに、魔法が強化されていく。

 

「『土の巨人(ソイル・ギガント)』……いえ『苦痛の巨人(ペイン・ギガント)』といったところですか」

 

 崩落したばかりの岩の混じった土が蠢く。

 

 やがてそれらは大きな人の形となるが、先ほどのものとは異なる点があった。

 

 さらに一回り大きくなった巨人の胸元には、クロの入った檻が埋め込まれていた。

 

 巨人がテファニーの意思に呼応して、ウィンに手を伸ばす。

 

 それと同時に、巨人の胸から苦悶の声が響いた。

 

「……っ! 何をっ……!」

 

 逃げ回るウィンに、テファニーが恍惚とした表情で語る。

 

「あなたの示した価値が、私の魔法を進化させたようですよ。ウィン、見てください。この巨人に魔力が流れる度に、あなたの大事なお友達に鉄の棘が食い込んでいく。あなたのためだけの、私の魔法です」

 

 満身創痍の体で、ウィンは巨人の攻撃を避け続けた。

 

 ウィンが逃げ回る度に、巨人の胸でクロが苦しむ声が地下に響く。

 

 て顔を歪めるウィンを、テファニーは恍惚とした表情で追い立てていく。

 

 逃げるのがやっとのようだ。動きも冷静さを欠いている。

 

「『嵐の(ストーム・)……っ!?」

 

 ついに巨人の手が、ウィンに届いた。

 

 掠った巨腕にバランスを崩しながらも、ウィンは反撃を諦めていない。

 

 だが、隙をくれてやるわけがない。

 

 テファニーは、土の巨人の腕でウィンをしっかりと掴む。

 

「捕まえた」

 

 テファニーが拳を振り下ろす動作をするのと同時に、ウィンを握る巨人の手が地面へと叩きつけられる。

 

「……つ……あっ……ぐ……」

 

 体中の骨を軋ませ、ウィンは苦痛に顔を歪めた。

 

「これでやっと魔力封じの首輪を付けられます。仲良く檻の中に入れて運んでさしあげますね」

 

 激痛に喘ぎながらもこちらを睨むウィン。

 

 その心地よい視線を浴びながら、テファニーは勝利を確信するのだった。

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 ウィンは、悪あがきを続けていた。笑顔でこちらに歩み寄ってくるテファニーの周囲の空気に意識を集中させる。

 

 しかし、魔力はもう限界に近い。大崩落から逃れることに、かなりの魔力を使わされた。

 

 地響きによってレインも異常を察知しているだろうが、通路が塞がっているため救けは期待できない。

 

 今頼れるのは、自分の力だけなのだ。だというのに、魔法を使えない。

 

 なんとか魔力を練ろうとするが、激痛により集中できない。

 

 おそらく骨も折れている。

 

(私は、無力のままなのですか。大切な人を守ることも、かなわないのですか)

 

 諦観が胸の中に広がる。

 

 土の巨人の胸についた檻──その中のクロが視界に入る。

 

(ごめんなさい、クロ。助けられない……)

 

 心の中で謝るウィンは、クロと目を合わせた。

 

 衰弱したクロの瞳は虚ろだった。

 

 その黒い瞳の奥に、ウィンは何かを感じ取る。

 

 黒く淀んだ奥に揺らめく何かから、目を離したくても離れない。

 

 金縛りにあったかのように体は硬直し、時間が緩やかになったかのような感覚に陥る。

 

 そんな異常事態の中で、ウィンは誰かの声を耳にした。

 

「……力を求めるか? 己の無力を呪う者よ」

 

 その正体も分からない声に、ウィンは縋るしかなかった。

 

 私には力が必要だ。

 

 友を助けるための、敵を倒すための力が。

 

「ならば、思い出せ。苦しみを、怒りを、憎悪を」

 

 フォレス家に監禁されていた頃の記憶が、声と共に走馬灯のようによみがえる。

 

 思い出したくもない、私の人生の最悪な欠片。

 

 ご飯を与えられず、空腹で眠れなかった夜。

 

 鞭による折檻で、泣き叫んでからからになった喉。

 

 亡き父と母を、自分を責める口実にした後悔。

 

 それらの記憶が鮮明に浮かんでは、焼き付いていく。

 

 過去の想起によって燻ったウィンの心は、止まらない。

 

 自分だけではなく、あの女(テファニー)はクロに手を出した。

 

 過去の所業では飽き足らず、ウィンの大切な人を傷つけたのだ。怒らないわけがない。

 

 心の中が仄かな熱を帯び、瞬く間にそれは燃え広がった。

 

 目の前のテファニーという人間への負の感情で、ウィンの何もかもが塗りつぶされる。

 

 この女を生かしておくことが、我慢ならない。

 

 殺意によって溢れんばかりの魔力が形となり、どす黒い旋風を巻き起こす。

 

 ウィンは最後に残った意識を手放して、闇に身を任せる。

 

 吹き荒れる暴風が、全てを飲み込んだ。




 暴風域というタイトルはウィンの地雷という意味も含めています。
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