戦いは嫌なので音楽をしたいと思います。 作:名無し
本作の更新的には未来の話になってしまうけど、クロムとイズ以外とも絡みを作りたかった……
まあ特別回なんてパラレル時空みたいなもんですし、ゆるーく見ていてください。
音楽少女と七夕の日
「こんにちはー!ってあれ?」
メイプルがいつものように『NewWorld Online』にログインしたとき、ギルドホームには飾り付けがされていた。
「あら、メイプルちゃんこんにちは」
「イズさんこんにちは!この飾りはなんですか?」
「それは外で料理している彼女に聞いてみなさい」
そう言ってイズは外で大量の麺を茹でているハルを指さす。
窓から見えるだけだが巨大な鍋と菜箸でかなりの量を茹でているようだ。
「はい!行ってきます!」
そう言ってメイプルはギルドホームを出てハルの下へ向かった。
「ハル!何をしてるの?」
「ああ、メイプルさん……素麵を茹でているんですよ」
「素麵?」
「はい、素麵」
ハルの返答にメイプルは頭の上に?マークを浮かばせ、こてんと首を傾げる。
その様子に「ふふっ」と笑いながらハルはメイプルに問いかけた。
「さて、今日は何月何日ですか?」
「えっと確か七月七日……あ!」
「はい、今日は笹竹の節句*1です」
「笹竹の節句?」
「……七夕の節句です」
「だよね!*2」
再び首を傾げたメイプルにハルは少し間を置いてから言い直す。
少し呆れたような空気を出しているが、それに気づかないメイプルは更に質問を続けた。
「でもどうして素麵?」
「一部の地域*3では七夕に素麵を食べる風習があるので、それに倣いました」
「なるほど!」
ハルの言葉にメイプルが納得の声をあげる。
「夜……大体20時くらいに集まるように皆様に声をかけているのですが、メイプルさんもどうですか?」
「分かった!絶対にログインするね!」
そう言ってメイプルはギルドホームへと戻っていき、それを見届けたハルは再び素麵を茹でるのだった。
時は過ぎて20時頃、ギルドメンバーの全員がギルドホームへ揃っていた。
「よかったじゃないハルちゃん、全員が集まって」
「はい……ありがたい限りです」
今回の発起人であるハルにそれに乗っかって物を用意したイズが声をかける。
メンバーは全員、浴衣を身に包んでいた。
「誘ってくれて」
「嬉しいです!」
「これは中々にいいな……」
「和服なんて中々着ないけどいいものだねー」
ユイ&マイとカスミ、カナデが声をあげる。
「メイプルも中々似合ってんじゃん」
「えへへ……そういうサリーこそ!」
メイプルとサリーも互いに褒め合っている。
「眼福だわ」
「口に出さないでくださいよ」
その様子につい口から言葉が漏れ出たイズをハルが窘める。
そこにクロムが話しかけた。
「で、そこの笹に短冊を吊るすんだよな?」
「そうですよ。それと……そろそろ外へ出ましょうか」
ハルがクロムの問いに答え、更に外へ出るように促す。
ギルドメンバーたちが不思議がりながらも外へ出ると、空には天の川ができていた。
「わあああ!」
「「綺麗です!」」
「これは」
普段とは夜空に皆が息を飲む中、サリーがハルに話しかけた。
「ねえ、ハルはこれを知ってたの?」
「知ってたも何も、私が運営に直訴したので」
「へ~……って運営に直訴!?」
予想外の返答に驚く皆を見てハルは笑いながら続ける。
「これでも私、ゲーム的な強さを除けば運営と"仲良く"してもらっているので」
「確かに、まだ無いはずの楽器を持っていたりPVに採用されていたな」
ハルの説明にカスミが頷くと、他のメンバーも一応は納得する様子を見せる。
「じゃあ皆様、素麵を食べましょう!」
そして、皆で喋りながら星を見上げ、素麵を食べている様子を見てハルはアイリッシュハープを取り出して歌っていた。
「笹の葉 さらさら 軒端に 揺れる
お星様 きらきら 金銀 砂子
五色の 短冊 私が 書いた
お星様 きらきら 空から 見てる」
誰に聞こえるわけでもなく、夜闇に歌声は溶けていく。
「ハルー!一緒に食べようよ!」
「ふふ……今行きますね」
歌い終えたところでメイプルに呼ばれ、ハルはメンバーたちと合流する。
和やかな時間が過ぎて行った。
普段より早い理由は「夕飯に素麺どうですか?」ということです。
メイプルの敬語が外れているのはミスじゃなくて仕様です。ネタバレというほどではないかな?
久々に注釈を使ったのですが、読みにくかったら感想で教えてください。
今回の曲は
『たなばたさま』
でした。
童謡として有名ですが歴史は浅く、1941年に教科書への掲載を目的に作成されました。
権藤花代作詞、下総皖一作曲の曲で、今も日本で親しまれています。
いつも通り21時に本編最新話が投稿予定ですよ!
ハルは相棒を手に入れる?
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蛇
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鷹
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牛
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馬
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七層まで待て