戦いは嫌なので音楽をしたいと思います。   作:名無し

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初投稿なので温かい目で見てください


一章
音楽少女と初期設定


「届いてしまいましたか……」

 

腰まで伸びた銀髪を持つ少女がゲームのパッケージを見ながら溜息を吐く。

手に持っているゲームの名は『NewWorld Online』、現在話題沸騰中の新作VRMMOである。

 

「本当に欲しかったわけでもないというのに……なんで当たるんでしょう」

 

少女の名は伊沢 浩(いざわ はる)

かつて「神童」の名を欲しいままにした音楽の天才でありながらも、交通事故に遭ったことで全てを諦めてしまった少女である。

 

「転売ヤーになるつもりはありませんし……やってみますか」

 

一通り説明書を読み、初期設定を終える。

 

「電脳世界……久しぶりですね」

 

一度目を瞑り、再び目を開けるとそこは電脳空間だった。

まだ町の中ではないのはアバター作成や名前設定などが残っているからだ。

 

「名前……本名でいいでしょう」

 

浩は迷わず『ハル』と入力する。

本来ならネットリテラシーから見ても本名は避けるところなのだが、幼いころから音楽方面で有名になっていた浩からすれば今更な問題だった。

 

「次は……初期装備ですか」

 

空中に浮かぶパネルの内容が変わり、様々な武具が浩の周囲に浮かび上がる。

 

「片手剣に大剣、メイスに杖に大楯……色々ありますね」

 

いくつか武器を見ていくが、浩の琴線に触れるものはないようでスライドさせていく。

 

「弓に大槌、槍、短剣、斧……格闘用のガントレットまで……戦いは嫌いなのですが……」

 

浩自身、護身術や複数の武道を修めているものの、本人は余り戦いを好む気質ではない。

以前体験させてもらったVRMMOでも戦闘は好きではなかった。

 

「諦めて杖を選んで生産職にで……も……」

 

諦めて杖を選ぼうとした瞬間、目に入ってきた装備が浩の琴線に触れた。

 

「これは……フルートでしょうか」

 

その装備は木製のフルートのようで、とても戦闘に使えるものとは言えなかった。

実際、『NewWorld Online』において楽器はネタ枠の評価を受けていて、β版でも大楯以上に不遇評価を受けていた。

 

「横笛……攻撃力は殆ど無く、装備としては《楽器》に位置する……戦闘は嫌いですし、これにしましょう」

 

浩がフルートを選択すると、続いてステータスポイントの割り振りが出てくる。

 

「ステータスですか……戦闘はしない予定ですし、【HP】、【STR】、【VIT】は要らないでしょうし……」

 

説明を見る限り楽器のスキルには【MP】を使用するものがあり、【DEX】や【INT】依存のスキルもあるだろうと予想したため【MP】をやや重視しつつ割り振って行く。

 

「【MP】に50、【DEX】と【INT】に15ずつ……残り20は移動のために【AGI】にしましょう」

 

戦闘は絶対にできないようなステータス構成だが、本人にその気がないので問題はないだろう。

 

「見た目は……目と髪を弄れるのですか……弄る必要はないですね」

 

見た目への頓着が無い浩は見た目を一切弄らなかった。

数ヶ月前に活動終了を発表したとはいえそこそこ有名人だった浩がこれで大丈夫なのかは未だ分からない。

 

「では行きましょう」

 

体が光に包まれ、浩……ハルは目を閉じる。

次に目を開けたとき、そこは活気あふれる城下町の広場だった。




web版の防振りにあったキャラ紹介をモチーフにした主人公の設定紹介となっています。
読み飛ばしても問題はないです。

伊沢 浩/ハル
誕生日は10/1(国際音楽の日から)
銀髪碧眼で、髪は腰に届くくらい。
身長は173cm(シンとペインの中間で女性だと一番高い)。
筋肉が付きつつも女性らしい柔らかさを持つ。
胸は割とある。
通信制の私立高校二年生。

装備は白を基調とし、金の刺繍が入ったドレスがメインで武器はない(強いて言えば楽器たちだが本人に武器と言えばキレる)という風になる予定。
相棒は未定。
基本的に戦闘能力は皆無だが、演奏による支援や一部のモンスターに対する特攻があったりする。

勉強はその記憶力と柔軟な思考でかなり上位、若くして大人の世界に入り、世界各地を巡ったため年齢不相応なこともしばしば。
運動も得意だったが事故の後遺症と無気力で底辺に、学力も今や並くらいである。(それでも勉強貯金でオール5ではある)

僅か5歳の時から音楽界で活躍をする才能の塊であり、大抵の楽器は使いこなせるし歌はソプラノ~テノールまで可能。バスは歌えるが声帯が辛いらしい。
なお作詞作曲は「できないことはない」レベルで世に出すほどのものはできない。
フィジカルギフテッドで勉強面も天才的、体も高校生とは思えないほど成熟している上に美人だがチート転生者でもない単なる逸般人。
日本人の父とフィンランド人の母を持つハーフであり、金銭的にも恵まれているなど世界に愛されたとしか思えない才女だったが高校1年生の冬に交通事故に遭った影響で全力で音楽を奏でることができなくなった結果無気力になる。
基本は丁寧語で話し、長い物には巻かれろという感じだが一本筋が通っていて譲らないところは絶対に譲らない。

行動原理は「世界に音楽を届ける」であり、ナチュラルボーン初音ミク。
再び手に入れた自由な体で思い切り楽しむことを決めている。

ハルは相棒を手に入れる?

  • 七層まで待て
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