シャングリラ・フロンティア〜兄を超えんとする者、神ゲーへと挑む〜 作:凌介
その日神ゲーシャングリラ・フロンティアにログインしていたプレイヤー全員が震撼した。
『現時刻を持ちましてユニークモンスター【墓守のウェザエモン】の討伐を確認致しました討伐者プレイヤー名は「サンラク」「SHINE」「オイカッツォ」「アーサーペンシルゴン」の4名ですさらにユニークモンスター討伐に伴いワールドストーリー『シャングリラ・フロンティア』が進行しました』
そのアナウンスを聞いていた大規模クランや阿修羅会残党がそれぞれ動きだす。
考察クランライブラリ
本と一緒に剣と羽根ペンが描かれたエンブレムが目印のシャンフロの世界観を考察するクリアでは…
「おい!緊急事態だ!誰か『教授』にリアルで連絡出来るやついないのか?」
「確か『黒狼』に奥さんいるだろう頼んで呼んできてもらえ」
「『教授』の事だユニークモンスターが倒されたって聞けばすぐ飛んで来るだろう」
「奥さんがログインしてればいいが…」
「てかさ…GMアナウンスで言ってた『ワールドストーリー』って何?」
「初めて聞くよな」
「普通のストーリーとは別扱いとみていいでしょうね」
「大まかなストーリーが『NPCと協力して世界を開拓する』…なら」
「『ワールドストーリー』は『世界そのものが次のステージへ進んだ』…とか?」
「だとすれば何らかの変化が起きている可能性があるな!『黒狼』辺りに頼んで調べてもらうか?」
「それよりも【墓守のウェザエモン】を考察してみないか?」
「賛成!なんてったって今まで完全未確認だったユニークモンスターだからね!」
「まずは討伐したプレイヤーとのコンタクトを…おっ!
奥さん教授を叩き起してすぐ呼んでくれるってよ!」
「よっしゃー!!」
「叩き起されるキョージュ可哀想…」
考察専門クランだからこその完全未確認のユニークモンスター討伐に彼等は浮き足立ち騒ぎ立てる。
-その頃-
剣を加えた狼のエンブレムが特徴のクラン『黒狼』(ヴォルフシュバルツ)の方でも…
「サンラク…SHINE、オイカッツォ、アーサーペンシルゴン…
やれやれまさか我々より先んじてユニークモンスターを倒すプレイヤーがいたとは…トップクランも形無しだな」
「阿修羅会のアーサーペンシルゴンか…襲撃時に姿が見えないからみょうだとは思ってたけどまさかユニークモンスター討伐とはね…」
「チッ奴め…ユニークモンスターの為に情報屋を介して『阿修羅会』を売った…我々は体良く使われたわけだ」
「逃げたオルスロットよりも厄介でしょうね」
「他2人は阿修羅会じゃないんだよな?」
「『オイカッツォ』というのは何者か不明だが『サンラク』と『SHINE』というプレイヤーは…例のリュカオーン絡みの者とみて間違いないだろう」
そんな中サイガ-0とThe・momentは別な事を考えていた
(……ペンシルゴンさんと陽務君仲良いのかな?)
(……もしかして既に太陽と良い仲だったりするわけ?めっちゃ気になるんですけど…)
なんて別な事を考えていると【救難信号】が届く
「「!!」」
アタシと0は顔を合わせて頷き合い拠点を出て【朋友救助(フレンドワープ)】を発動し助けに向かった。
そして黒狼の面々もユニークモンスター討伐を成した者たちにコンタクトを取る事が決定し行動を開始した。
-千紫万紅の樹海窟-
【秘匿の花園】から出た俺たちを出迎えたのは阿修羅会の残党だった
「おっ!」
「やっぱりいたね」
「ペンシルゴンさんの言った通りでしたね」
「あ〜アイツが例の?」
「お…おま…お前らァ……」
「なんだっけ?『赤点のオルスロット』だっけ?」
「『赤っ恥のオルスロット』じゃなかった?」
「何そのショボそうな二つ名ウェザエモンかよ」
「【墓守】の方がマシでしょ!カッツォさん」
「それもそうか…」
「あははウチの愚弟にそんな仰々しい名前はいらないよこいつらはPKの粋を理解してないイキってるだけの三流だ」
「やはり拠点の場所を漏らしたのはお前だな…!!」
「やったらやり返されるぶくぶく太って痩せるのが怖いからってチキンになってちゃさぁ…」
「だから私が腹パンして腹の中のもの全部吐かせたそれだけだよ」
とても清々しく悪い顔で告げるペンシルゴンさんに俺たち3人は軽く引いた
「うわぁ…」
「PK一家言姉貴怖いですわぁ」
「さすが外道鉛筆…」
「余裕かましやがって…どうせウェザエモン戦で疲弊してんだろ!?
お前ら全員ぶっ殺してドロップアイテム根こそぎ接収してやるぜ…」
「悪いけど君達の相手は俺たちじゃないよ!君達の言う通りウェザエモン戦で疲弊してるからね俺達は…ね」
俺達とオルスロット達との間に魔法陣が現れる
「!?」
「だからあんたはダメなんだ大局的な視点を持てといつも言ってるのに目先の利益に釣られる」
PK対策の1つ【救難信号】PKに遭遇し襲われた時フレンドに
救難信号を出すことが出来る受け取ったフレンドの中に
【朋友救助】を会得している者がいればその場に召喚可能
「オルスロットさん…!!こいつらは…!!」
「んな!?またテメェか!!サイガ-0!Themoment!」
「急に悪いねサイガ-0さん!」
「来てくれてありがとねmoment!」
「…いえ」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん!ってね!」
「…阿修羅会の残党''また''逃げたいのなら見逃してもいいがどうする?」
「来る者拒まず去るもの追わずってね、どうする?」
「どいつもこいつも舐め腐りやがって…!!このクソ野郎がーーー!!」
まぁ、この後のことは…わかってたことだけど2人が圧倒過ぎてびっくりだとだけ言っておこうかな。
「ち…畜生が…俺が築き上げて来た…ものを…テメェらなんぞに…!!」
散り際の一言とでも言うのかその言葉を聞いた後ペンシルゴンさん
がナイフを投げてトドメをさした。
「MMOで全て思い通りになるわけないでしょ?あんたはオフラインの1人用ゲームがお似合いだよ」
「だったら『フェアリア・クロニクル・オンライン』ってのがおすすめだよ!」
「いっそ『辻斬り・狂想曲・オンライン』に行ってきたら?あっちではPKし放題だよ」
「お前ら鬼かよ…」
なんて話してる間にペンシルゴンさんがオルスロット達のアイテムを全て拾い終えたらしく所有権が全てペンシルゴンさんに移った様だ
「あらあら、阿修羅会が保有していたレアアイテムをたんまり抱え込んで…まるで夜逃げだね」
「なにはともあれ1件落着かな?とりあえずありがとう助かったよサイガ-0さんmomentも!」
「まさかこんなに早く来てくれるとは本当にありがとう」
「い…いや気にしてくて…いい」
「本当に気にしないでよ!フレンドを助けただけなんだからさ」
「それよりもユニークモンスター討伐おめでとうございます」
「本当にびっくりしたよ。おめでとう」
「あぁ、ども」
「ありがとう」
アナウンスで壮大にバラされたもんな…ますます表通りを歩きづらくなるな〜俺達は…
とりあえず急に呼び出して要件終わったし帰って良いよとはならないよな〜
「まぁ、なにはともあれ後日お礼はなんかしらで返すからさ」
「じゃあ期待するわね」
「それはそうとサイガ-0ちゃんかmomentちゃんのどっちかさ、
悪いけどついでに私の事もキルしてもらえる?」
「は?」
「報酬は『再誕の涙珠』2つを含んだ今私が持ってるアイテム…つまり「阿修羅会が保有してたレアアイテム全て」でどうかな?」
「「……」」
「オイオイ良いの?たしかPKKのペナルティは全アイテムの没収に加え罪の重さに応じて莫大量の罰金も支払うことになるんだよね」
「ペンシルゴンの事だからとんでもない金額になりそう」
「少なくとも億はいくだろうねェ〜ディストピアではキリングされた女帝(ジャイアント)の方だったのにね」
「「あぁ〜そういえばそうだったな(ね)」」
「はい、そこ!うっさい!とにかく!私だけノーリスクなんて愚弟以下のマンチキンだし?いい加減PKも飽きてたからここらでスパッと罪精算しようかなって」
「なるほど今まで誤魔化して来た罪と巨体の重さを誤魔化しきれなくなったから押しつぶされる前におろしてしまおうと」
「「ブッふぅ〜!! 」」
「オイオイ!SHINEいくらなんでも言っていい事と悪い事があるってもんだぜ!」
「そうだよ!どうせ精算したって綺麗さっぱりとはいかないんだからさ!」
「あんたらねぇ〜!!なんなら最後のPKって事で私はあんたらをキルしても良いんだからね!」
「出来ます?疲弊してるとはいえ俺達の天誅に陰りはないですけどどうせなら格上にキルしてもらったらいいんじゃないです?ほら望み通りになる訳ですし」
「……たしかに…私もプレイヤーキラーの端くれだし首切り介錯を大人しく待つ程いい子ちゃんでもないしね…【最大火力】や【最大の禁じ手(バランスブレイカー)】の称号と本気で殺り合いたかったんだよね!」
「アタシはパス!本気の武器じゃない貴女とやり合っても得るものなさそうだし、レアアイテムとか正直興味無いしって事で0、頼んでいい?」
「任された…受けて立つ!【魔王天帝(サタナエル)】…反転【天帝魔王(サタン)】」
「噂に名高い最大火力のユニーク武器【神魔の大剣(アンチノミー)】かまさか『反転』まで見せてくれるなんて太っ腹だねぇ」
「姉さ…団長から貴女の事は聞いているすぐ逃げるので油断せず見つけ次第一撃で確殺しろと」
「ゴキブリの話してる?」
「いや、台所の悪魔よりタチ悪いんだから違うって!」
「あ?あんたら確殺決定」
「俺はまだ何も言ってないでしょ!」
「廃人狩り(ジャイアントキリング)が相手ならこっちも本気で行く!」
「おおーっサイガ-0選手よく分からないが凄そうな強化のてんこ盛りだァ!」
「もはや魔王だね」
「一応サタンって言ってますし実質魔王の力なのでは?」
「血を啜れ肉を食い千切れ死を噛み締め吐き捨てよ汝は殺戮者屍の山で高らかに謳え」
「うぉぉっこっちはこっちでえげつない事になってるぞぉ!」
「なにあの武器キモ…」
「昔のアニメ映画であんな感じの武器見たことありますよあれは天・地・人の地を司るとか言ってましたけど、地って言うか冥界?だったかな?」
「さぁ!始めようか!」
「いったぁー!互いに最大強化でのぶつかり合いだああ!」
「なんであの激闘直後にそのテンションでいけるのお前」
「カフェインまだキレてないんですよ多分」
「【マサクルバイト】もらぁった!!」
「甘い!」
ギィンと甲高い音が響きサイガ-0は手の甲で受け止める
「武器が…相手から離れない…!?」
サイガ-0は神魔の大剣を振りかぶりペンシルゴン目掛けて振り下ろすが紙一重で躱したのだろう手首だけが千切れその手首事ペンシルゴンは反対の手で武器を掴む
「危ない危ないまたうっかり真っ二つになるところだったよセッちゃんの手前…ヘタレた真似は出来ないんだよねぇ!」
剣同士がぶつかり合う
「…だったらとっておき」
サイガ-0は詠唱に入る
『相反する摂理反発する光と闇拒絶を否定し断たれし運命を縫い紡ぐ我が身は光に染まり闇に浸る混沌よ世界を喰らえ【ケイオス・ヴォイド】』
辺りは光に包まれペンシルゴンは塵になった
「「「わーお」」」
「あれが0の切り札の1つケイオス・ヴォイド、PKを確殺する魔法だよ」
「へぇ〜凄いな跡形も無いことから見るにLvと同等かそれ以上のダメージを与える系かな?」
「正解」
「ってかこの後どうするの?ペンシルゴン塵になったけど」
「あ!1つ聞いていいかな?サンラク、SHINE」
「何?」
「ペンシルゴンさんとはどんな関係なの?」
「え?ペンシルゴンさん?ん〜強いて言うならゲーム友達だね」
「だなぁ〜それ以上でも以下でもなく腐れ縁のゲーム友達ってのがしっくりくるわな」
「そっそうですか…」
ホッと胸をなでおろしたのも束の間サイガ-0とmomentが光に包まれ始める
「時間みたい」
「 あぁ、じゃあ改めて助けてくれてありがとうこのお礼はいつか必ずね!」
「なら今度一緒に探索しましょう!それじゃね!」
返答を返す前にmomentは消えていった。
「ふー…なんかコミュ力高めるゲーム世界ないかな?」
「ラブ・クロック」
「ん〜幕末?いや、ギャラトラ?」
「ピザ留学じゃん!幕末なんてコミュ力鍛えられる訳ないじゃんか!それにギャラトラってもっと論外じゃん!」
「あれ?つかあのキモい剣残ってるんだけど」
「生臭そうだし捨てて行ったんじゃねーか?捨ててくのもなぁ〜仕方ねぇ一応預かっとくか…」
「あー…しっかしここまで神経疲れたのは久々だよ今日はぐっすり眠れそう」
「ぐっすりというか爆睡しそうだ」
「たしかに死んだように眠れる自信があるね」
「同意…サードレマ着いたら落ちるわ」
「…ん〜俺達はちょっと顔出したいところあるからもう少しプレイするわ」
「あぁ〜確かにもうちょいだけプレイしないとか…」
「了解…サードレマ着いたら各々って事で」
そうしてウェザエモン戦後のゴタゴタも片付き俺達はサードレマに歩を進めるのだった。
-現実-
とある場所でPC画面を見ていた人物が机を叩いて立ち上がる
「なんだ…って…【墓守のウェザエモン】が倒された…?
なんてことを…だから弱体化は反対だったんだ!!」
「ウェザエモンはこんな…こんな『序盤』に倒されていいユニークじゃない…!!最初に討伐されるのは『クターニッド』でなければい
けないのに『アーサーペンシルゴン』『サンラク』『SHINE』『オイカッツォ』こいつ等のせいで…''私の''シナリオが崩れてしまう」
画面には
【ワールドストーリーシャングリラ・フロンティア】進行度12%の表示ゲーム世界のみならず現実世界にも大きな衝撃を与えた事を4人は知る由もない…
16話目です。次で彼岸より愛を込めて花束をは完結になりますのですがお楽しみに
次回「それぞれの今と次」
GGC編も欲しいですか?
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お願いします。
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そのまま深淵の使徒を穿てを進めてください