シャングリラ・フロンティア〜兄を超えんとする者、神ゲーへと挑む〜 作:凌介
ゲーム世界で夜明けを見たのはいつ以来だろうか?
「おっ明るくなって来たな」
「あ〜疲れた〜すげーダルい」
「朝日でござるな」
「いつの間にかそんな時間になっていたんですね」
「結構時間掛かってしまいましたもんね」
「そうね〜結局SHINEがブチ切れて剣ぶっ刺して地面にあのドラゴン縫いつけたと思ったら次元ごと斬り裂くし参ったわよ」
「それも剣1本犠牲にしたしな」
「また新武器用意しないとな〜斬剣、直剣、白刃、光剣、あと槍1本しかないしな〜籠手と脚鎧は別としてさ...」
「俺も新武器必要だなぁ〜刀が欲しい」
「イカルガはフィフティシアに来たらラビっツから使者が来るだろうしなそしたら兄貴に会うか、ビィラックがいるから大丈夫だよ」
「結局〇バ〇ア〇⚪︎ミリーの所にいかないといけないのか...俺今回致命の刀使ってないけど大丈夫なのか?」
「って言ってるけど?」
「多分大丈夫ですわ!全く使ってなかった訳じゃないですし、耐久値気にしながら手を替え品を替えって感じでしたから大丈夫だと思いますわ!」
「まぁ、新しい刀が手に入るならなんでもいいや!つか、SHINEはあのコソ泥竜の牙と鱗数枚で何作る気なんだ? 」
「ん?レイピアとエストック辺りかな?」
「SHINEのスキル的には耐久値の高い武器の方が良いんじゃないの?」
「そうもいかなくてな〜色々試した結果壊れないギリギリで使うしかないって結論に至ったんだよ」
「すいません私の弱体化が無ければもっと楽に攻略できたのでしょうが…」
「ごめんねぇ〜あたしらのアレは代償も大きくてさ」
「仕方ないさ【アルマゲドン】の反動なんだろ?1日ステータス半減するってエグいよな」
「momentも使用スキルに制限が着いたんだろ?」
「えぇ、そうなのよおかげであんまり強いスキル使えないのよ」
「まぁ、結局SHINEが暴走してスキル発動して地面に縫いつけて次元ごと消し飛ばしたし結果オーライだろ!」
「あのドラゴンの素材譲ってくれて助かったけどさ」
「そうこうしているうちに見えてきたでござるよ」
「おおあれが...」
「アップデート以前ではプレイヤーが到達できる最後の街であり今は新大陸へ向かうため港町として多くのプレイヤー達が集う2度目の旅立ちの街フィフティシアです」
「おお〜さすが大陸最後の街立派な建物が多いな!」
「ですね」
「まぁ、裏とか酒場が荒れてるのはお決まりなんだけどね」
「そういえば街中ではお面付けるんだなやっぱジークヴルムにつけられた【呪い】隠しの為?」
「え!?あっはい!そうですね!人の多い場所では一応」
あ〜コレまた別方向にやらかしたヤツだ
「以前サンラクさんは白い布?を被ってましたよね」
「SHINEはピエロマスク被ってたよね?」
「普段は舞踏の蝶面だけどね、ペンシルゴンさんから貰ったやつ」
「あれ、あの人からの貰い物なの?」
「うん、ウェザエモンの打倒の協力報酬でね」
「つか、なんで【呪い】が顔に付いてるのにお面装備できるんだ?」
「コレ頭装備ではなくアクセサリーなんですよ」
「へ〜」
「なるほどね、アクセサリーなんだ!俺のマントと同じだね」
「サンラクさん!このお店魔術書が沢山置いてますわ!掘り出し物があるかもですわ!」
「SHINEさん!寄ってみて良いです?」
「人参とマナポーション沢山買ってあげたでしょ!」
「余裕ある時にして今は時間がない」
「「むぅ〜」」
「もう5時過ぎか...」
ルストさんとモルドさんとの待ち合わせは9時アイツらの持つクターニッドの情報は逃せないしやる事は目白押しだ
それまでにここフィフティシアにランドマークつけてラビッツと行き来可能にしてから煌蠍の籠手と脚鎧をビィラックさんに修理してもらって新武器お願いしないとだし
「2人と合流後は長くなりそうだし仮眠も少し取っておかないとな」
「だよね、それに諸々必要なアイテムや装備揃えて待ち合わせの場所へそれと変化した【呪い】の効果もやらないと」
「そうなると時間ギリギリかもな〜」
「エムルさんとジーラさんの人化凄いですよね!シークルゥさんはできないんですか?」
「シークルゥさん?もしもーし?」
「は...箱は返事をしないでござる」
「あっそうでした」
「それ箱だったんだ」
擬態の上手いヴォーパルバニーって存在するんだろうかなんてアホな事を考えている間にちょうど良さそうな路地裏を見つけた
「ここなんか良さそうだな」
「だね!ちょうどいいと思うよ!」
「さすがにラビッツへの扉は路地裏じゃないと目立つから」
『強きに至りし者たちよ汝がアルカナムを覚醒してしんぜよう』
「わっ!!びっくりした!何だこの爺さん!?」
「俺はラク兄の声に驚いたよ、さしずめ占い師のNPCじゃないかな?」
「その人は覚醒の導師アーカヌムよSHINE」
「導師?」
「お2人共確かレベル99でしたよね?」
「あぁ」
「そうですね」
「覚醒の導師アーカヌムはレベル99になったプレイヤーの前に現れるNPCでね、特殊なサブ職業【神秘(アルカナム)】の取得が可能なのよ」
「魔法使いであれば魔法が二刀流使いであれば剣や立ち回り系のスキルを覚えやすくなるといった具合に」
「それはなんとなくわかります」
「その中でも【神秘】は特殊な職業なの」
「と言うと?」
「影響が出るのはスキル習得ではなくプレイヤーの【ステータス】に対してなんです」
「ステータスに強化効果ってことか!?」
「単純な強化ではなく明確なデメリットも付与される事になります」
「【神秘】は様々な種類がありまして例えば私は【世界】と言う【神秘】を持っているのですが【全ステータスに上昇補正が入る代わりにスキル・魔法などで発生するデメリットが2倍になる】といった感じですね」
「アタシの【神秘】は【悪魔】で剣を使うスキルの威力は倍になるし攻撃が決まればステータスが上昇するの上限は3倍までだけどね
デメリットとしては剣以外を装備するとステータス半減するのよ」
「確かにお前にはあってんのかもな」
「そう、私の職業は聖剣士、サブに魔剣士そして特殊な称号【最大禁じ手-バランスブレイカー-】を持ってるのつまりあのゴッドブリンカーも聖と魔、光と闇を自分の体を起点として混ぜ合わせて発動するの」
「なるほど、ならその【神秘】の種類は自分で決められるものなのか?」
「いえ、試してみないとわからないわ」
「ならやってみるしかないか!」
「ですがプレイヤーの何らかのパラメータを参照しているのではと言われています」
「成程...モノは試しだやってみようじゃねぇか!その【神秘】チャレンジとやらを!」
『……強きに至りし者汝が神秘を覚醒してしんぜよう』
その瞬間俺達は
布に包まれる
『さぁ汝が神秘は運命が決める札を引き給えよ』
「……なら俺の【神秘】はコイツで決まりだ!」
俺が引いた【神秘】は【月】だった。
「【月】か...」
『...ほう汝は幻想と現実の狭間に立ち真実を求め闇の中を彷徨うか
その歩みは真実へと至るかはたまた…自分と向き合う旅路となるか』
【月】のタロットカードが身体に吸い込まれる
【神秘・月】-STR・AGIに上昇補正スキルの再使用時間が全て90秒で統一され反動、代償のダメージ等が1度だけ無効になる代わりにスキルによる強化等は1,5倍以上上昇せず回復薬以外での体力等の回復が行えない
「なるほどねぇ〜悪くはないね反動、代償ダメージ等の1度だけ無効化ってのは俺のスキルと相性良いし武器の耐久値等の肩代わりが1度でも行えるなら戦闘の幅は広がるね!」
「SHINE、【神秘】なんだったの?」
「【月の神秘】だよ」
「てっきり愚者か戦車かと思っていたけど知らないのが来たわね、
アーカヌムはなんて?」
「幻想と現実の狭間に立ち真実を求め闇を彷徨うその旅路は真実へと至るか自分と向き合う旅路となるかって」
「なるほどね、それでダメージ肩代わりと他のスキルや回復の統一って事」
「ラク兄は?」
「【愚者】だ!スキルの再使用時間半減はかなり良いぜ!」
『【神秘】は汝等の助けとなろうだが、汝は他に助けを求める事はできず全ての代償を背負い真実へと辿り着かねばならぬそれは己と向き合う事にもなるであろう故に病は汝の首により鋭い刃を突きつけるであろう』
「浮かれるなってか?」
「さあ?この先全ての代償を背負い真実へと至るか自分と向き合うかって言ってたし、反動や代償を肩代わりする代わりに全てが制限されるって事かもね」
「まぁ、俺の場合回復薬でしかこの先回復は出来ないしスキルの再使用時間は一律90秒統一だし上昇値も一定となればね...」
「お前にはピッタリだろ!回復が確率になるよりはな」
「一概にどっちとも言えないよね」
「サンラクさんは【愚者】SHINEさんは【月】でしたか」
「え?なに?」
「あ...いえ...プレイヤーの行動によって取得できる種類が変化する【神秘】...その取得条件の多くは謎に包まれていて今も盛んに考察が行われているんです」
「ライブラリとか好きそうだよなそういうの」
「だね、あの人達は好きそうだ」
「その中で【愚者】はある程度条件が判明している数少ない【神秘】でしてそして【月】は条件が不鮮明なものの代表格でして」
「【愚者】は、レベル99に至るまでの時間が短ければ短いほど獲得しやすくなると考えられていて、【月】はおそらく敵に最も多くダメージを与えた、もしくは一定回数攻撃をカウンターによってはね返すかなど考えられてるけど、試して獲得に至った人はいないからわからないのよ」
「ある意味今の条件なら当てはまるっちゃ当てはまるけど、そうじゃない可能性あるのか...とはいえ俺もラク兄も結構早い方だったんだな」
早いなんてものじゃないサンラクさんとSHINEがシャンフロを初めて約1ヶ月ただレベル99にしただけじゃなくてレベル100オーバーのモンスターを倒す事で到達できる領域【Extend】すらも取得している
レベル条件解放に必要な要素のため私達も挑戦したけどあの時は姉さんこと団長含め6人で協力しての条件達成だったから本来はかなりの高難易度のはずなのにアタシ達がどれも苦戦して諦めたあの「超難易度ゲーム」をSHINE達は簡単に攻略しているわけだし、そんな彼等がシャンフロを始めればたちまち【墓守のウェザエモン】をたおし更には影狼...偽物だったとしても『黒狼』が1年間追ってきた【夜襲のリュカオーン】をたった1晩それもぶっつけ本番で倒したんだものね
「驚きよりも納得ですね」
「本当にそうね、ゼロ。今日の事うちの団長様に正直に話そうものなら...わかるわよね?」
「話すのは1週間後くらいが良いかもですね...」
「?大丈夫ですか?」
「ええ、ちょっと色々厄介事が増えそうでね、個人的なことだから気にしないで」
「何はともあれ思わぬ収穫もありつつ目的達成って事でそろそろラビッツに行くかな!」
「だね!イカルガは?ずっと黙ってるけど、大丈夫?」
「頭がこんがらがってるだけだから気にするなレベルが上がったのはいんだが、スキル構成見直したり、この後ラビッツからの招待来る可能性とか神秘?やらで頭がこんがらがってな」
「そっかそっか、じゃあラビッツで会ったらよろしく」
「おう!」
そしてエムルがゲートを出現させた時勝手に扉が開きビィラックやアラミースと同じくらいの背丈の兎が出てきた
「待ってましたよ!刀の人!」
「俺か?」
「もちろん!あなたっス!鳥の人や仮面の人と共に夜の帝王に挑みその刀で道を斬り開く闘志はまさにヴォーパル魂!オカシラが会いたいそうッス!だから同行して欲しいっす!」
「お前の名は?」
「こりゃ失敬!アッシのなはジェイド!ジーラの弟でエムルの兄貴ッス!」
「ジェイ兄ちゃんがお迎えだったんですわ!」
「みたいだねぇ〜ジェイドも刀好きだしお似合いかもね〜」
「確かに似たもの同士かもしれないですわ!」
「つーわけで一緒に行くわ!」
「秋津茜はどうする?」
「私はせっかくなので街を見て周ります!」
「そうか!じゃあまたラビッツでな!」
「バイバイですわ〜!」
「また会いましょう!」
そうして俺達はラビッツへと帰還しラビッツにイカルガがやって来たのだった。
「」
34話目です。会話多めで書きました。とりあえずキリが良かったので【神秘】を手に入れてイカルガもラビッツ入りという形で終わらせました。次回はルスト達と合流し本格的にシナリオ進めていきますのでお楽しみに
次回「精神的ゾンビはカフェインで蘇生する」