ポケットモンスターSpecial 冒険記録   作:KAZ1421

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番外編です。


内容は短いですが、どうぞ。


育て屋での出来事

─── 育て屋 ───

 

「ふ───。」

 

 

ゴールドは砂まみれで汚れながら滴る落ちる汗を手で拭う。

 

最初はこの凶悪なポケモン達と対峙するだけで精一杯だったのが今ではようやくではあるが、鎮める事が出来るようになったのだ。

 

 

「(ほう? 中々覚えがいいね? あの3人に比べたらまだまだだけど、ここまで出来るようになるなんて。)」

 

 

育て屋のお婆さんはゴールドの成長に感心する。

 

教えたのはトレーナーとして基本中の基本のみではある故に覚えやすいというのも理由だろう。 だが、

 

 

「(今までの戦いでの経験。 その経験と此処で学んだ基礎が今の小僧の強さになっている。)」

 

 

ゴールドはレッドやイエローのようなポケモントレーナーとしての能力が優れているという訳ではない。 それは修行の動きでわかる。

 

そんなゴールドでもこの歳でここまで強くなったのは。

 

 

「(強い憧れか。 サトシへの憧れがここまでこの小僧を強くしたのか。)」

 

 

お婆さんはゴールドに質問する。

 

 

「小僧、どうしてそこまで強くなりたいんじゃ?」

 

「…なんだよいきなり。」

 

 

突然の質問にゴールドは驚き、そう返す。

 

 

「いや、確かに小僧は強くなっておる。 しかし、キツイ事を言うがあの3人と比べれば凡庸と言わざる得ない。 それでもなんで彼らと肩を並べる事を望む?」

 

「………」

 

 

お婆さんの言葉にゴールドは不満な顔ではあるが、語る。

 

 

 

「……サトシさんはオレの事を認めてくれたからだ。」

 

 

 

 

─── ワカバタウン ───

 

 

 

時はゴールドのポケモン、エーたろうが巨石で暴走した時に遡る。

 

 

ゴールドの母親がゴールドとエーたろうを助けてくれたその礼として、ゴールドの好物のグレン風火山ハンバーグをサトシと共に食事をしていた時、

 

 

『? どうやったら強いポケモントレーナーになるかだって?』

 

『ピカ?』

 

 

ゴールドはサトシの様に強くなりたいと思い、どうしてそこまで強いのかと聞く。

 

 

『オレが弱かったからエーたろうが暴走した。 サトシさんみたいな強いポケモントレーナーになりてぇんだ。』

 

 

真剣にそう言うゴールドにサトシは困った様に頬を掻く。

 

 

『うーん。 困ったな。 俺そういうのはあまり得意じゃないんだよな。』

 

『……やっぱ才能っすか。』

 

 

 

その反応を見て目の前の人物は才能に溢れ、そこまでの強さになったと思い、落胆する。

 

自分にそんな才能があるとは思えなかったからだ。

 

 

 

『違うよ。 才能じゃない。 俺は強くなったんじゃなくて()()()()()()()()()()()()()。 みんなにさ。』

 

『貰ってる?』

 

 

サトシのその言葉にゴールドは疑問を持つ。 強くして貰っているとはどういう事なのだろうかと。

 

 

『俺自身にはトレーナーとしての才能はそんなにないって思ってる。昔初めて旅をした時、ポケモンは全然捕まえられなかったし、みんなと比べて修行とかそういうのは苦手だったし、ジムバッチとかもみんなより1番少なかったんだ。 まあ、最下位だったんだ。』

 

 

“ははは”と笑うサトシにゴールドは信じられないという表情でサトシをみる。

 

ご飯の前にサトシのポケモントレーナーとしての修行を見たが、レベルが高い。 1人で自分のポケモン2体を互いにバトルさせたり、一緒に動いて訓練と相当な鍛錬をしていたのだ。

 

そんな彼が修行が苦手という事、ポケモンをほとんど捕獲できなかったなど全く想像がつかない。

 

 

『しかもすごい見栄っ張りでさ。 失礼な事をいっぱい言ってたよ。 でも、そんな俺でも一緒についてきてくれた仲間がいてくれた』

『仲間?』

 

 

ゴールドの言葉にサトシは頷く。

 

 

『未熟な俺にさ色んな事を教えてくれたんだ。 一緒に旅をして、喧嘩して、笑って、一緒に泣いて。 一緒に強くなるにはどうすれば良いかとか色々助かった。 それだけじゃない。 色んな人やポケモンと出会ってそこから色々学んで支えてくれて、それで今の俺がいる。』

 

 

カスミやタケシなど様々な仲間と出会わなければここまで来れなかった。 そうサトシはゴールドに話す。

 

 

『もし、俺が強いならそれはピカチュウや出会って来た仲間や人達が俺に色々な事を教えてくれたからだよ。 俺1人じゃあ何も出来ない弱いトレーナーさ。』

 

 

そう言いながらサトシはゴールドをみる。

 

 

『ゴールドだって俺みたいになれるさ。 きっと成長して旅をして、色々なポケモンや人達と出会って、色んな事を学んで、それを積み重ねれば必ずなれる。 今回だってバクたろうと出会ったからトゲたろうと会って、エーたろうを助けられただろう? ゴールドはこうしている今でも少しずつ強くなってるよ。』

 

『そ、そうっすかね?』

 

『ああ。 きっと、いや絶対ゴールドはすごいトレーナーになれる。俺はそう思うぜ。 だってゴールドは今日だけでトゲたろうとバクたろうと心が繋がったんだから。』

 

 

そうサトシは断言するのだった。

 

 

 

 

 

─── 育て屋 ───

 

 

 

「サトシさんはオレが強くなれるって認めてくれた。 だったら全力で目指したいって思った。 オレが初めて憧れて、認めてくれた人だから。」

 

「……そうかい。」

 

 

お婆さんは笑いながらその場か去ろうとするその瞬間だった。

 

 

“どーん”と大きな音が聞こえてきたのだ

 

 

「「!?」」

 

お婆さんとゴールドはその音に驚き、その発生源の場所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツ、勝手に行動しやがって。 あの人になんて報告すれば良いんだよ。」

 

 

 自身の上司から、ゴールドを含めた4人の捜索を命令された2人だったが、一緒に来た同じ組織の人物が功を焦りゴールドのみになった今のタイミングを狙って攻撃を始めたのだ。

 

彼は最近大きな失敗をしてしまい、もう後がない程追い詰められていたのも理由の一つだろう。

 

 

「……仕方ない。 あの馬鹿を利用して情報でも集めよう。」

 

 

既に上司から“また失敗すれば見捨てろ”と言われていたので、これ幸いとこれからターゲットの1人でもあるゴールドのポケモントレーナーとしての実力を探ろうと遠くから観察するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「! こりゃ一体……どういう事だよ!」

 

 

ゴールド達が音がした場所へ向かうと多くのポケモン達が倒れている光景があった。

 

 

「一体誰がこんな事をしやがった!! ぜってえー許せねえ!!」

 

 

そうゴールドが怒っているとある場所で怪我をしたお爺さんが見え、ゴールドとお婆さんはかけ出す。

 

 

「じいさん、大丈夫か!?」

 

「お、おお。 大丈夫じゃ。」

 

「一体何があったんだ?」

 

 

爺さんはこの場所で何が起こったのかを話す。

 

 

「実は、レッド君とイエロー君のピカとチュチュがタマゴを抱えていたのを見てな。 預かろうとしたその時、預かった覚えの無い『クヌギダマ』が急にきて“じばく”を……。」

 

 

そう言い、爺さんが指を刺した所を見るとタマゴを守ろうとしたのかピカとチュチュがぼろぼろになって倒れていた。

 

 

「ピカとチュチュが咄嗟にクヌギダマをわしらから離してくれたおかげでわしらは直撃は避けたが、あの子達はもろに受けてしまった。 それにあのポケモン、間違いなく何者かのポケモンじゃ。」

 

 

その言葉に反応するようにある人物が姿を見せる。

 

 

「お? ようやく出てきたか、ガキ。」

 

「……てめえか? これをやったのは。」

 

 

ゴールドは怒りながら目の前に現れた男性に聞く。

 

 

「へへへ、そうだ。 さて、さっさと始めるぜ!」

 

 

そう言い男はアーボとズバットを繰り出し、ゴールドを攻撃する。

 

 

「……遅え。」

 

「何!?」

 

 

だが、今まで戦ってきた経験と此処で学んだ事が力となり、この程度の攻撃ならポケモンを繰り出さずとも簡単に回避できるようになっていた。

 

 

「バクたろう、“かえんほうしゃ”!!」

 

 

そのままヒノアラシのバクたろうを繰り出し“かえんほうしゃ”で攻撃、その攻撃でアーボは戦闘不能となり、

 

 

「“スピードスター”!!」

 

 

ズバットに対してはバクたろうの“スピードスター”で攻撃。 どちらも戦闘不能となるのだった。

 

 

「な、馬鹿な!? 一度撤退を───」

 

 

その力量を見て男は一度撤退を考える。

 

 

「逃すかよ!! 婆さん、キューを!!」

 

「ああ!」

 

 

ゴールドの言葉に応え、お婆さんは没収していたキューをゴールドに渡し、すぐにゴールドはキューを構えてボールを打つ!

 

 

すると打たれたボールは正確に男の近くに接近。 すぐにエイパムのエーたろうが現れ、男の足を引っ掛ける。

 

 

「おわぁ!?」

 

 

そのまま男性は転び、立ち上がろうとする。

 

 

「おっと! 動くんじゃねえぞ!!」

 

 

しかし、キューを顔に向けられ、動けなくなってしまった。

 

 

「が、ガキの癖になんて強さだ。 ()()()()()()()()()()()!」

 

 

男は歳が幼いゴールドの実力に驚き、後悔する。 一方、ゴールドは男の言葉に違和感を覚える。

 

 

「こいつ()()? まさかてめえの目的はこの育て屋のポケモン達じゃなくてオレやサトシさん、先輩達なのか!?」

 

「…………。」

 

 

ゴールドの質問に男は黙るが、その沈黙が肯定を示していた。

 

その事実に驚いていた故に気づくのが遅れた。

 

 

突然、ゴーストが現れ、ボロボロになっているピカとチュチュが抱えているタマゴ諸共捕まえてしまう。

 

 

「な!?」

 

「動くんじゃねえ!! てめえが何かをすればすぐにこいつらの命が無いぜ、タマゴもな!!」

 

 

まさに形勢逆転。 有利な状況が一転、絶対絶命のピンチとなった。

 

 

「まずはそのキューを捨てて貰おうか? それにポケモンも何かしてみろ? ポケモンの命が無いぞ。」

 

「く、くそ!!」

 

 

その言葉に従い、ゴールドはキューを捨てる。

 

 

「良い子だ小僧。 オラ!!」

 

「グッ!?」

 

 

これまでの鬱憤を晴らすように男はゴールドに暴力を振るう。

 

 

「さて、此処で始末すればいいが、おいガキ!! これから来るあの3人」は強いんだろう?」

 

「………。」

 

 

男の言葉に何も答えず、ただゴールドは睨み付ける。

 

 

「だったら、お前を人質にアイツらも始末するか。 これで仕事は完了───」

 

 

その瞬間だった。 突然男の後ろからオコリザルが現れ、男性を攻撃する。

 

 

「ガハ!?」

 

 

突然の攻撃に驚くがすぐにゴールドはゴーストの方へ向き、

 

 

「“かえんぐるま”!!」

 

 

バクたろうに指示をする。 バクたろうはトレーナーを傷つけた怒りのままゴーストへ攻撃。 その攻撃を受けたゴーストはピカとチュチュ、そしてタマゴを落とし、

 

 

「! (間に合え!!)」

 

 

痛む身体を無理やり動かしてピカとチュチュ、タマゴを受け止める。

 

 

「………く!! ぶ、無事か?」

 

 

ゴールドの言葉にピカとチュチュは頷き心配そうにゴールドを見る。

 

 

「ぐ、この場所のポケモンか? 邪魔だ!!」

 

 

一方で男性はそのままラッタを繰り出し、オコリザルを攻撃する。

 

 

「はあ、はあ、いけるか? バクたろう。」

 

 

ゴールドの言葉にバクたろうは“コク”と頷く。

 

 

「てめえ、さっきは良くもやってくれたな!! バクたろう、“かえんぐるま”!!」

 

 

ゴールドの指示にバクたろうはそのまま駆け出し、ラッタに攻撃する直前! 

 

バクたろうの様子の変化が現れる。 徐々に姿を変え、“かえんぐるま”を繰り出し、ラッタを攻撃する。

 

 

“かえんぐるま”が終わり、その姿がゴールドに映る。

 

 

「! 進化したのか!!」

 

 

バクたろうはヒノアラシからマグマラシに進化したのだ。

 

 

「……おまえ、訓練の時のオコリザルだろう?」

 

 

助けてくれたオコリザルはさっきまでの訓練で一緒にいたオコリザルだった。 そして今も男が逃げられない様に拘束しているのだ。

 

 

「……サンキュー、おかげで……助かっ…たぜ。」

 

 

そのままゴールドは気絶するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以上いかがでしたでしょうか?

 
少しでも楽しめて頂ければ幸いです。


ではまたの機会に。
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