ポケットモンスターSpecial 冒険記録 作:KAZ1421
ではどうぞ
───コガネシティ ラジオ塔───
「どーしても駄目なんですか?」
目の前の人物にゴールドが無垢な子供の振りをしてお願いする。
「ごめんな坊主。 ここから上は関係者以外立ち入り禁止なんだ。 クルミちゃんのファンで会いたいと言ってもこれは規則だからな。」
そうラジオ塔の警備をしている男性がゴールドに申し訳なさそうに言う。
「……分かりました。 無理を言ってしまいすみませんでした。」
「いや、良いさ。 こんな坊主までファンだと知ればクルミちゃんも喜ぶだろうさ。」
サトシがそう謝罪するのを見て警備している男性はそう言う。
「残念だったな、ゴールド。」
「やっぱ駄目だったか。 (それにしても一目ぐらい見ていいじゃねえか、ケチめ。)」
ゴールドがそう警備している男性に心の中で悪態をつきながらクルミちゃんに会うのを諦める。
「みんな、この後、ポケモンセンターやコガネ百貨店に行って旅の準備しようぜ。 色々と買い出しが必要だしさ。」
「ピカチュウ。」
サトシとピカチュウの提案に3人は頷く。
「そうですね。 ポケモンの回復や食べ物、飲み物を買わないと。」
「それにポケモンセンターでオーキド博士に連絡しようぜ。 ジョウトで捕まえたポケモンも博士に贈りたいし。」
そうレッドが言うと警備の男性が反応する。
「オーキド博士? 君達はオーキド博士の知り合いなのかい?」
「え? はい。 そうですけど。」
イエローが男性からの質問の意図を理解できずに戸惑いつつ答える。
「そうか。 なら坊主、クルミちゃんと会う事やサインとかは俺たちじゃなくてオーキド博士に頼んだ方が良いぜ。」
「───どういう事っすか?」
そんな事を言われたゴールドは驚き、質問する。
「実は今度、クルミちゃんとオーキド博士で
「そ、それは本当なのか!!?」
「あ、ああ。」
男性の言葉にゴールドは詰め寄る。 あまりの気迫に男性は戸惑いつつも肯定する。
「よし! 早速オーキド博士に頼んでみるぜ!! サンキューな。」
そうゴールドは感謝を言い、そのままポケモンセンターへと走りだす。
「あ! 待てよゴールド!!」
「教えてくれてありがとうございます。」
レッドとイエロー、サトシの3人は走り出したゴールドを追いかけていく。
だが、ゴールドは一つ大きな見落としがあった。 それは!!
「………番組が始まるのは来年なんだけど。」
番組が始まる日時。 あまりにも興奮してゴールドは重要な情報を聞きそびれたのだった。
─── コガネシティ ───
「よし! これで準備はいいかな。」
「次の町は………エンジュシティだな。」
コガネ百貨店で旅に必要な物を買い、整理したサトシ達はマップを見て次の町エンジュシティへ向かう事を決める。
そんな中、イエローはガッカリしているゴールドに声をかける。
「げ、元気を出してくださいゴールドさん。 番組が始まったらサインを貰ってくれるってオーキド博士が約束してくれたじゃないですか。」
「貰うって来年じゃねーかよ。 遅くても数週間後に貰えたり、実際に会えるかもしれねえって思ってたんだけどな。」
ため息を吐くゴールド。
ポケモンセンターでオーキド博士にクルミちゃんとのラジオ番組があると知ったゴールドがオーキド博士にサイン、あわよくば直接会うことができないかと聞いた時に番組が来年に始まると知り、メチャクチャ落ち込んでしまった。
(それを見たオーキド博士がゴールドを不憫に思い、提案した。)
「……まあ、来年にはクルミちゃんのサインが絶対に貰えるって事実だけでいいか。 オレも今日会えるのは難しいって思ってたからな。」
そうゴールドがどうにか立ち直ったのを見た3人は安堵する。
「よし! ゴールドも立ち直った所で早速出発!!」
「ピーカー!」
サトシの言葉に3人は頷き、エンジュシティへ向かい始めるのだった。
─── オーキド研究所 ───
「オーキド博士、どうかしたの?」
疲れた様に見えたオーキド博士を心配し、現在居候兼、研究の助手のような立場であるブルーがオーキド博士に質問する。
「ああ、来年からわしとクルミちゃんという歌手で始まるラジオ番組があっての。 それを聞いたゴールドがクルミちゃんのサインが欲しい、もしくは合わせて欲しいと電話越しで詰め寄って来てな。 それで疲れたんじゃよ。」
「……アイツ、一体何をやっているんだ。」
オーキド博士の言葉にブルーと同じ立場のシルバーは呆れ果てる。 来年の番組なのに今できる訳がない。
「大方、始まる日時とか知らずに頼んで来たんだろう。 しかし、ラジオ番組か。 それに出演するとは驚いたな。 どんな内容なんだ?」
「ポケモン講座じゃ。 ポケモンの生態や技、タイプなどを解説する番組じゃよ。」
「でも大丈夫? サトシからの情報で検証やレポートとか常に忙しいのに。」
ブルーはオーキド博士を心配する。 サトシから得られた情報はこのポケモン世界を向上させる物ばかり。
しかし情報量が多く、その検証だけで時間が過ぎる状況だ。
そんな中ラジオに出演するのはオーキド博士の身が持たないのではないかと聞く。
「まあ、大変じゃろうが多くの人にポケモンの事を理解させるにはいい機会じゃと思ったんじゃ。 それにクルミちゃんとは良い関係でいたいんじゃよ。」
「同じ出演者だから?」
ブルーの言葉にオーキド博士は頷きつつ“それだけじゃない”と言う。
「彼女が今度歌う歌はワシ等が作った歌なんじゃ。 それを歌うというからの。」
「オーキド博士って歌を作った事があるの!? 意外ね。 どんな名前の曲なの?」
ブルーの質問にオーキド博士は一瞬
「……【ラプラスに乗った少年】という曲名じゃ。」
その反応と曲名にブルーとシルバーは察する。
「……オーキド博士、その曲のモデルはまさか──」
シルバーの疑問にオーキド博士は頷く。
「ああ。 ヤナギじゃよ。 ラプラスを失ったヤナギの為にワシとキクコ、ガンテツ、そして育て屋にいるあの2人。 全員でこの歌を作ったんじゃ。 ヤナギの心を開く事は無かったがのう。」
オーキド博士が寂しそうに思い出を語る。
「もし、今ヤナギがこの歌をもう一度聞いて、こんな事をやめてれれば─── いや、すまんな2人とも。 お主等に話す内容じゃなかったのう。」
「いえ、気にしないでください。 それよりこの資料はどこに置けば?」
「ああ、それはあそこの棚にある───。」
─── 自然公園 ───
エンジュシティに向かう4人は道中、自然公園という場所に立ち寄っていた。
その理由は───、
「【虫取り大会】の受付はここか?」
自然公園で開催される大会、【虫取り大会】に出場する為だ。
時は少し戻り、自然公園に到着した4人はあるポスターが目に止まる。
「【虫取り大会】? へえ、自然公園でそんな大会があったのか。」
「大会か、懐かしいな。」
「? サトシさんは参加したことがあるんですか?」
イエローの質問にサトシは答える。
「この世界じゃなくて俺の世界だけどな。」
「で? サトシさんは何位だったんですか?」
ゴールドの質問にサトシは答える。
「大会中色々あったけど
「ピカチュウ!!」
サトシとピカチュウの言葉に3人は驚く。
「なあ、みんな。 この大会オレ達も出ないか?」
レッドのそんな質問に3人は驚きつつも頷く。
「良いですね! 大会に出てみたいです!」
「オレも!!」
「この世界の虫取り大会には出た事ないから出てみようか。」
3人の反応にレッドは頷き言う。
「よし! なら早く受付に行こうぜ!! まだエントリーできるはずだ!」
レッド達4人は虫取り大会に参加する為に受付へと向かうのだった。
以上いかがでしょうか?
次回、ジョウト編は虫取り大会です。