貞操逆転的なウマ娘世界に転生したったwwwwww   作:アザミマーン

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一発ネタの短編です。


1話 トレセン学園の守護者

 

 

「はっ、はっ、はっ!!」

 

 息を切らせて走り続け、どれほど経っただろうか。

 しかしまだ止まるわけにはいかない。今止まればその先に未来はないからだ。

 めちゃくちゃに曲がり角を曲がり、追跡者を撒く。もう三年もここに居るのだし、道に迷うなんてことはない。そしてどこが入り組んでいるのかも把握している。今いる場所はとにかく分かれ道が多く、新参者を迷わせることで有名だった。

 だからこそ追っ手を撒くのにも向いている。もちろん、それを知ってここまで逃げてきた。物陰からそっと顔の一部だけ出して来た道を確認するが、誰かが来ている気配はない。ようやく一息つけると、男は少しだけ力を抜いた。

 実際、見つからなければ捕まりようもない。後は息を殺して隠れ潜み、助け(・・)を待つだけだ。

 

 そのはずだった。

 

(…よし、ここまでくれば)

「トレーナーさぁん❤︎」

「ひっ」

 

 真後ろから聞こえて来た声に思わず引き攣った悲鳴が出る。

 ありえない。ずっと、後ろから追って来ていたはずだった。それなのに何故? 

 その声がしたのは、警戒していたのとは逆方向だった。男、トレーナーは知っている。そちらから来るには建物をかなり大回りしなければならず、いくらウマ娘の足とはいえかなりの時間がかかる。だからこそ、一番警戒していない方向だったのだ。

 

 にもかかわらずそのウマ娘、ほんの数週間前まで自身が担当して、そしてトゥインクルシリーズを最後まで走り抜けた愛バだった存在は目の前にいた。

 

「どうやって後ろから…ま、まさかこれを見越して、初めから回り込んでいたのか!? 見失ったと見せかけて?!」

「そうですよ? トレーナーさんの考えてることなんてお見通しです」

 

 トレーナーの考えを肯定するウマ娘はにっこりとした笑顔だ。しかしそれが酷く薄ら寒い。

 そこで笑顔だったウマ娘は急に眉をへの字に曲げた。

 

「酷いじゃないですか、逃げるだなんて。私たち、あんなに一緒にいて、絆を深めたというのに」

 

 ウマ娘はとても悲しそうに話しかけてくる。これがレースに負けた直後の表情だったなら、トレーナーも悔しく思うし、奮起もする。しかし、今は恐怖しか感じない。

 

「あ、ああ。そうだ。君は俺の初めて担当したウマ娘で、一緒にたくさん練習して、レースに出て…君の言う通り、絆を深めてきた。だが、それなら何故?!」

「何がです?」

「何故俺を誘拐しようとするんだ?!」

 

 トレーナーの恐怖の原因はそれだった。

 

 

 

 ことの発端は今朝のこと。

 いつも通りの時間に起き、身支度。しかし頭はぼーっとしていた。眠いわけではない。今日でトレセン学園を去る愛バのことを考えていたのだ。

 中央トレセン学園に新人トレーナーとして採用され、最初にスカウトしたウマ娘。選抜レースで見たその走りに一目惚れし、まるで告白するかのようにぶつけたスカウトの言葉を、「よろしく!」の一言で受け入れてくれた相棒。

 辛い練習を課し、時に一緒に笑い、時に泣き、喧嘩し、それでも二人三脚で三年間を走り抜けてきた。G1を勝利させてやることは終ぞ出来なかったが、G2を3勝、G3を4勝と重賞レースを何度も獲った。

 

 そんな日々も、トゥインクルシリーズの終わりと共に契約終了と相なった。もっと走らせてやりたかった気持ちもあるが、愛バの意向もあり、引退することとなった。

 そして引退表明から二週間。あっという間だった。今日、愛バはこのトレセン学園を退所する。

 見送りの際に泣かないようにと思いながらも、結局泣くことになるんだろうなと苦笑していた、その時だった。

 

 ぱりーん、と。

 

 突然窓ガラスが割れたと同時に、件の愛バが窓から侵入して来ていた。

 

(…??)

 

 現実を認識できていないトレーナーに対し、ウマ娘は出会い頭にこう言ったのだった。

 

『あなたを拐いに来ました』

 

 

 

「どうして…もしかして、これまで俺にずっと不満があったのか? G1を獲らせてやれなかったから? それとも、練習がキツすぎたとかか?」

「いえ? 不満なんて何もないですよ?」

 

 トレーナーが思いつく限りの原因を言ってみるが、ウマ娘は不思議そうな顔をするばかりだ。トレーナーは余計に困惑する。ではなぜ、愛バは自身を攫おうとするのか? そこでトレーナーの脳裏に、ある仮説が過ぎる。

 しかしそんなバ鹿みたいなこと、自身の愛バに限ってありえないと思っていた。だってこれまで三年間で、一切そんなそぶりは見せなかったのだ。

 

(ウマ娘は本能的にトレーナーを求める。だから本能のまま性的に襲うことがあると聞くが、普段から冷静なこの娘に限ってそんなアホみたいなことを思うわけ)

「トレーナーさんを拐いたいのは私がトレーナーさんと××××したいからですけど」

(目が曇っていたのは俺の方だったか…)

 

 元愛バの言葉にトレーナーはがっくりとする。自分が甘かったのだとようやく気づいたのだ。

 確かにウマ娘たちは見目が良く、そういう対象として見なかったことが人生で一度もないとは言えない。しかし、それはトレーナーになる前の話。今は違うのだ。

 

 トレーナーになる際には、ウマ娘がどれだけ危険な生き物であるかをこれでもかというほど学ぶ。理由は単純、トレーナーとしてウマ娘に関わるのにそれらを知っていないと命に関わるからだ。

 ヒトと変わらない体格でありながら車と並ぶほどの速度で走ることができる強靭な筋肉、骨、身体能力。それを必死になって学んだトレーナーほどウマ娘に慎重に接するし、信頼関係を築こうとする。その身体能力が暴発しないように。誰だって愛バに蹴られて死にたくないのだ。

 

 そんなトレーナーたちは知っている。見た目は可愛いウマ娘が、その気になれば一撃で成人男性を木っ端微塵にできる蹴りをいつでも放てるということを。その圧倒的な暴力をコントロールするのが、精神的に未熟な少女であるということを。精神的に未熟なウマ娘は往々にして力を暴発させることがあるということを。

 

 もし告白なんてして、怖がられるだけならまだしも殴られでもしたら一発でお陀仏だ。仮に受け入れられても、何かの拍子で興奮したウマ娘が抱きついてきて、そのまま背骨ごと全身の骨を粉々にされて死亡なんてこともあり得る。

 だからこそ、トレーナーたちは担当ウマ娘を性的な目で見ない。制御されていない暴力が恐ろしいからだ。

 

 というか、トレーナーだけでなくウマ娘たちも授業でウマ娘の体について教わる。その体がいかに危険か、ヒトとどれだけ違うか。

 そして必ず、こんな標語を教わる。

 

『トレーナーは精神的に成熟してから落としましょう』

 

 しかし悲しいかな、それが簡単に守れるなら標語になっていないのだ。

 教師や先達の教えも虚しく、引退や卒業でトレセン学園を去る時期になると、毎年のようにトレーナーを襲ったり誘拐したりしようとするウマ娘が発生する。トレセン学園を出ると確実にトレーナーと離れ離れになる。それに耐えられないウマ娘が多いのだ。

 

 ウマ娘は本能的にトレーナーを求める。

 成長して大人になっても苦しむこともあるその衝動は、学生の時分のウマ娘では耐えられない者も多い。なお、そこに男女の区別は無い。女性トレーナーでも容赦無く襲われてしまう。

 

「さぁ…❤︎一緒にイキましょう…大丈夫です、最初は苦しいかもしれませんが、直に気持ち良くなります…! ❤︎」

「い、嫌だ。まだこれからなんだ。これからトレーナーとして成長して、多くのウマ娘を育てて…。俺はまだトレーナーでいたい…!」

「ダメですよ、トレーナーさんはこれから私だけの(・・・・)トレーナーさんになるんですから!!」

 

 連れ去られたトレーナーの末路は多岐に渡るが、まともな物はない。暴走したウマ娘に体を破壊されるか、心を壊して廃人になるか。よくてもトレーナーに戻ることは出来ない。

 こうならないためにも、熟練のトレーナーはウマ娘との距離を物理的にも精神的にも常に一定に保っているのだが…新人はその距離感を見誤ってしまうことが多い。特に、ウマ娘の本能による衝動を『自分の(ウマ)娘に限ってありえない』と根拠もなく思っている新人トレーナーは。

 

「ふふ、誰も来ませんよ、こんな入り組んだ建物の影なんて…❤︎」

「だ、誰か…誰か助けてええええ!!」

 

 恥も外聞もなく叫ぶ。しかし自らここに来たトレーナーは殆ど無駄だと分かっていた。ここは中央トレセン学園の中でも人通りが少ないところで、通りかかる人はほとんどいない。入り組んで見つかりづらいからこそ逃げ込んだのだが、見つかってしまっては無意味だった。

 それでも叫ばずにはいられなかった。トレーナーとしての道も、人生も何もかも諦められなかった。

 

 そして、その悲痛な声に応える者が、悲劇を良しとしない者が、このトレセン学園には居た。

 

「無駄で…」

「無駄じゃないんですねぇ、これが」

「誰っ?!」

 

 かかった元担当ウマ娘の魔の手がトレーナーに触れる寸前、そのさらに後ろから腕が伸び、ウマ娘の腕を掴んだ。ヒトを超越した聴覚を持つウマ娘が気配も感じなかったことに驚き振り向く。

 

 視線の先にいたのは、緩くウェーブした桃色の髪にネギを模した髪飾りをつけた、警備員の格好の小柄なウマ娘だった。

 

 トレーナーとウマ娘はその顔を知っていた。いつもトレセン学園の正門で警備をしている警備ウマ娘の顔だったからだ。

 

「「ネギさん?!」」

「はい、ネギですよぉ。もう、おいたはダメですよ?」

 

 ネギと呼ばれたウマ娘はのんびりとした口調で答える。

 ネギはトレセン学園に所属している警備員だ。毎日校内のどこかしらで顔を見かけるウマ娘であり、どのトレーナーもウマ娘も大抵顔見知りである。

 しかし、そのネギがなぜこんなところにいるのか。

 

「な、なぜネギさんがここに…?」

「それは勿論、そちらのトレーナーさんから通報があったからですよぉ」

「と、トレーナーさん?! なぜ通報を?!」

「いや、そりゃするだろ…。いやそこじゃなくて、俺は緊急連絡ダイヤルに通報したんですが…?」

 

 元担当ウマ娘が裏切られたかのようにトレーナーを呼ぶが、トレーナーとしては当たり前の対処だった。普通に考えて暴れウマに追われているなら通報する。

 しかし疑問なのは、なぜ通報したらネギが来たのかということだ。トレーナーが通報した先は、中央トレセン学園に所属するトレーナーのみに知らされる緊急連絡先であり、警備室ではない。なのにネギが通報に応じた理由、それは…

 

「それは、私が警備員であり、なおかつトレ警の所属だからですねぇ」

「トレ警…? なんなんですか、それは! ぐううううううトレーナーさああああん!!!」

「ひ、ひぃ…!?」

「まぁ、普通の生徒さん達には知らされませんからねぇ。対策されても面倒ですし。あと、力を込めても放しませんからねぇ」

 

 

 トレーナー守護秘匿警備隊、通称トレ警。それは(色々な意味で)あまりにも離職率の高いトレーナーという存在を守るために、URA主導の元、近年組織された秘密部隊である。

 普通の学園の生徒にはその存在を知らされることはなくトレーナーにだけ知らされる、トレーナーたちの最後の盾。

 

「ま、まさかお世話になることがあるとは思っていませんでした…」

「新人トレーナーさんはこういったことが多いですからねぇ。まぁ、そんな方々をお守りするのが我々の仕事なのですが」

「放してください!」

「勿論、だめですねぇ」

「ぐ…?! 何で、こんな警備員の一人くらい…!」

 

 元担当ウマ娘が拘束を逃れようと力を込めるが、びくともしない。それもそのはず、拘束しているのはただの警備員ではないのだから。

 トレ警はその役割ゆえ何らかの格闘技に精通していることが多く、特に暴徒鎮圧術に関してはトレ警の全員が覚えている必須技能である。たとえ暴走したウマ娘が相手だろうと捕らえなければならない彼ら彼女らは、高い戦闘技能と身体能力が求められるのである。

 

 もっともここまで戦闘能力が高いのは、トレ警で唯一(・・)のウマ娘であるネギくらいのものだが。

 

「改めまして、中央トレセン学園トレーナー守護秘匿警備隊、隊長のネギです。もう安心ですよ、トレーナーさん。あとは任せてくださいねぇ」

 

 ネギは未だ興奮して止まない元担当ウマ娘を当身で気絶させ、自身よりも大きい元担当ウマ娘を軽々と肩に担いだ。そして後から来たヒトのトレ警にトレーナーの保護を任せ、自身はウマ娘をどこかへと運んで行った。

 

 このトレセン学園の秩序を護る秘密部隊の隊長。そのよくある日常の一幕だった。

 

 

「すごい…あんなウマ娘がいるなんて…」

 

 助けられたトレーナーがその姿に魅了されてしまうのも、よくある日常の一幕だった。

 

 

 

 

 

 

「んん…」

 

 トレ警の朝は早い。いや、普通のトレ警は三交代制なので毎日早いわけではないけれど、私はトレセン学園(ここ)のトレ警の隊長と警備員を兼任しているので非番以外は毎日早いのです。何なら非番でも呼び出されれば行かなきゃいけないし、緊急事態だと寝てても起こされる。

 

 かかっただけならともかく暴走までしてしまったウマ娘を捕らえるのは、いくらトレ警の戦闘能力が高いとはいえヒトの力では至難のわざだ。だから、同じウマ娘の私が呼ばれることが多い。まぁ実際ウマ娘のトレ警ってそのためにいるんだろうし。

 

 ただ、この時期は毎日のように緊急の連絡が入る。だってトレセン学園にウマ娘のトレ警は私しかいないからね。

 

 ブラックです…つらい…寝させて…

 せめて人員増やして…できればウマ娘の…

 

 まぁそもそも他にウマ娘のトレ警が存在するかどうかも知らないんだけどね。

 というか私も最初は普通の警備員として理事長に雇われたはずなんだよ、でもいつの間にか成り行きでトレーナーを守護するトレ警にされていた。そしてこれまたいつの間にか隊長になってた。おかしい、おかしくない?? 

 

 トレ警の隊長にされたなら警備員辞めてもいいじゃないと思うのだが、トレ警自体が最近できた組織なのでその辺の調整がうまく行っていないのだ。

 これでも設立された3年前に比べたら色々とマシになって隊員の負担は減ったんだけど、肝心の私は殆ど仕事が減っていません。おかしいね。もうトレ警隊員の中で他の仕事を兼業してるの私だけだよ。

 

 まぁでも今日は夜中に起こされずに済んだので良しとしよう。朝ごはんを(ウマ娘基準で)軽く食べ、身支度をして鏡の前へ。

 

「寝癖よぉし、化粧よぉし、制服よぉし! さて、行きますかぁ」

 

 ウマ娘にTS転生して、はや25年。もうすっかりこの体にも化粧にも慣れてしまった。

 小さい頃はまだ男の意識が殆どだったのだが、両親の教育と体に宿るウマソウルによってそれもすり減り。今では半分男、半分ウマ娘といった感じだ。

 

 ごめん盛った。もう7割はウマ娘だ。ただやっぱり元男だったからか、ウマ娘になって25年経った今でも男性を恋愛対象にできるかと言われたら微妙なところ。完全に無理というわけでもないんだが。かといって女の子に欲情するかと言われるとそうでもない。そっちも完全に無理というわけでもないんだが。

 ウマソウルがそうさせるのか、若干トレーナーに惹かれることもある。けど、さっきの通りどちらの性別も微妙に恋愛対象にならないとあって、普通のウマ娘のように強烈にトレーナーに惹かれるということもない。

 

 別にその衝動が無いせいで困った、ということはこれまで一度もなかったのだけど、その、そろそろ両親から恋人事情とか聞かれる歳になってきてですね…トレーナーに惹かれる普通のウマ娘なら、こんなことに悩むこともなかったんだろうか。

 

「まぁ、そもそも普通の恋愛ができるかも微妙なところですしねぇ」

「またまた、ネギちゃんほどの器量良しならいくらでも引き手がありますよ」

「そうですかねぇ」

 

 思わず出た独り言を隣のたづなさんにしっかり拾われてしまった。いけない、仕事に集中しなければ。

 あ、ちなみにこの口調についてもウマソウルのせい。何か言葉を口に出そうとすると、強制的にこんなのんびり口調になってしまうのだ。もはや呪いである。

 

「たづなさん、ネギちゃん、おっはよー!」

「はい、おはようございます!」

「おはようございますぅ、トウカイテイオーさん」

 

 朝の最初の仕事は正門の警備。たづなさんと一緒に登校する生徒を見守りつつ、不審者がいないか目を光らせる。

 うん、みんな元気だね。何でもいいけどその元気さをトレーナーを襲うために使うのはやめてね()

 

 ウマ娘は本能的にトレーナーを求める。それは今挨拶して行ったような幼い中等部のウマ娘でも例外ではない。昨日トレーナーさんを誘拐しようとしていたウマ娘は高等部だったが、ウマ娘の本能に年齢はあまり関係ない。らしい。私はあまりその実感がないから何とも言えないんだよね。

 たづなさんは…どっちなんだろうか。あれ、なんか隣から悪寒が。止めておこう、世界の秘密に触れるべきではない(戒め)。

 

 そんなことをしつつ挨拶はしっかりと。お、今度は生徒じゃなくてトレーナーさんだ。

 というか、昨日助けたトレーナーさんじゃん。なんか緊張してる? 

 

「たづなさんと…ね、ネギさん! お、おはようございます!!!」

「おはようございますぅ。トレーナーさん、昨日は大変でしたねぇ」

「い、いえ! ネギさんに助けて頂いたおかげで、この通り何ともなく」

「それはよかったです」

「おはようございます、トレーナーさん! 昨日の、というと…もしかして、あの件、ですか?」

「ええ、そうなんです。この時期は多くて困っちゃいますねぇ」

 

 たづなさんは私がトレ警であることを知っているが、生徒の前で詳しいことを話すわけには行かないのでぼかす。本当、この時期は暴走するウマ娘が多くて困る。だからたづなさん、人員増やしてもらえませんか? だめ??? 

 あっと、トレーナーさんが何話していいか分からんみたいな顔してる。それもそうか、たづなさんはともかく私は大して仲良いわけでもないいち警備員だしね。

 

「あ、すみませんお引き止めしちゃって。それじゃ、今日もお仕事頑張ってくださいねぇ」

「あ、は、はい! 頑張ります!!」

 

 引き止めちゃったみたいになったな。さっさと会話を切り上げる。トレーナーさんは色々忙しいだろうしね。

 あと、昨日ウマ娘に襲われたばかりだというのにウマ娘の私が返事しちゃったのも良くなかったかな。たづなさんが居るんだし、対応を任せればよかったか。顔がちょっと赤かったし怒らせた? いや、どっちかというと挙動不審だったし、もしかしたら怖がらせちゃったのかも。

 

「むむぅ、怖がらせちゃいましたかねぇ…」

(また絶体絶命のところを助けたんだろうなぁ、無自覚たらし…)

「どうしましたぁ? たづなさん。こっち見て」

「いえ、何も?」

 

 うーん、惹かれていなくてもトレーナーさんとの会話は難しいなぁ…

 トレセン学園で働く者同士仲良くしたいところだけど、やっぱりウマ娘とトレーナーじゃ難しいか。

 この世界のウマ娘は本能が強すぎて、トレーナーからしたら愛バであると同時に危険生物扱いだし。少なくとも色んな意味で対等の扱いというのは難しい。もう少しウマ娘が自重できればいいんだが…大人でも難しいと聞くし、学生じゃ尚更か。

 

「それよりネギちゃん、今日飲みに行きませんか?」

「いいですねぇ。呼び出しがあるかもなので遠くにはいけませんが、ぜひご一緒させてください」

 

 久しぶりの飲み会、やったね! ぼっちだからあんまり仲良い人いないんだよね。たづなさんは仲良いと思ってるけど。私が勝手に。

 トレ警の仲間はどちらかと言うと部下だし、私から飲みに誘ったらパワハラになっちゃうかもだから迂闊に誘えないんだよなぁ。一応、ランチとか飲みに誘ってくれるトレーナーさんとかも居るには居るんだけど、同じ人と行く機会はあんまりないんだよね。私としては純粋に仲良くなりたいんだけど、やっぱり警戒されちゃうんだろうか。

 

 はぁ、もうちょっと気軽に飲みに行ける同僚が欲しいよ…

 

 

 

 

 

【トレセン学園】アネモネギフトとかいうウマ娘wwwww【トレーナー専用板】

 

1:名無しの中央トレーナー ID:1GgEYcFtV

可愛すぎる

 

2:名無しの中央トレーナー ID:h5c1RFxmO

マジで結婚したい

 

3:名無しの中央トレーナー ID:r0MQVNN47

トレーナーになってからウマ娘を恋愛対象にしなくなったんだけどあの娘だけは例外だわ

 

4:名無しの中央トレーナー ID:SggqB5YKs

一体何度助けてもらったか分からん…命の恩人だよ…

 

5:名無しの中央トレーナー ID:/0Bq+ZJom

>>4 それはウマ娘との距離の取り方が下手くそすぎるのでは?

まあ担当に入れ込むのはトレーナーとして分からんでもないけどね

 

6:名無しの中央トレーナー ID:mzc4PaLfr

アネモネギフトって誰?そんなウマ娘いたか??

 

7:名無しの中央トレーナー ID:EntmPU2Kd

>>6 モグリか???

 

8:名無しの中央トレーナー ID:Ulide6qnA

>>6 ネギさんを知らないとかお前さては新人だな?

 

9:名無しの中央トレーナー ID:LB2FPLm3k

>>6 毎日正門で挨拶しとるやろがい!!

 

10:名無しの中央トレーナー ID:mzc4PaLfr

あ、ネギさんのことか。そんな名前だったのね。アネモ「ネギ」フトか

 

11:名無しの中央トレーナー ID:7tJPlew3U

もう慣れたけど、ほんとなんでそこを抜き出したのか

 

12:名無しの中央トレーナー ID:/VuSwDex7

ネギさんが自分で言ってるらしいぞ。なんか、アネモネがあんまり好きじゃないらしい

 

13:名無しの中央トレーナー ID:gt7x/4TZk

ほーん、サンクス。また一つネギさんに詳しくなった

 

14:名無しの中央トレーナー ID:fBugvsEzl

実際に守ってもらえてるのは分かってるのに、未だにウマ娘が暴走せずにトレーナーを守ってくれてることが信じられない。

 

15:名無しの中央トレーナー ID:RNhFI8+05

それな。鋼の精神力

 

16:名無しの中央トレーナー ID:Ir0dQI6Pf

トレーナーを見て暴走しない、安心して接することができるウマ娘ってあんなに可愛いんだな…

 

17:名無しの中央トレーナー ID:Oqhbv+C9q

ネギさんめっちゃ気さくだしな。飲みとか誘うと普通に来てくれる

 

18:名無しの中央トレーナー ID:3IQgTQVdt

え、マジで?今度俺も誘ってみようかな。ワンチャンある?

 

19:名無しの中央トレーナー ID:/NcSkwkT+

いいんじゃない?ワンチャンはないけどな^ ^

 

20:名無しの中央トレーナー ID:8d7+q+/kv

ないというかさせない

 

21:名無しの中央トレーナー ID:OBVAJkNGI

阻止安定すぎる

 

22:名無しの中央トレーナー ID:oDNoRq6y8

同じやつが何回も飲みに行けると思うなよ

 

23:名無しの中央トレーナー ID:j2kqebKAQ

ほんと好き。優しいし、俺らを見ても何より暴走しないのがね…

 

24:名無しの中央トレーナー ID:EZHTua9rb

決してトレーナーに向けない強さと優しい気性に一体何人のトレーナーが落とされたのか…

 

25:名無しの中央トレーナー ID:UbmseNTgH

>>24 そういうお前は?

 

26:名無しの中央トレーナー ID:EZHTua9rb

もちろん落とされてます。どうにか担当ウマ娘のアピールを躱してネギさんに近づきたいが…

 

27:名無しの中央トレーナー ID:Lks3QWSjL

>>26 させんぞ

 

28:名無しの中央トレーナー ID:4InUJsQ3L

>>26 許さん

 

29:名無しの中央トレーナー ID:IhKWGSrWK

>>26 狙っているのがお前だけだと思うな

 

30:名無しの中央トレーナー ID:d0MmfFfXr

おいおい、トレ警とはいえウマ娘だぞ?いくらなんでも暴走が怖くないか?

 

31:名無しの中央トレーナー ID:agw16yZVh

>>30 ネギさんは暴走しないんだよなぁ…

 

32:名無しの中央トレーナー ID:XwLdiOgrf

>>30 ネギさんは例えベロベロに酔っ払っても暴走しないし、絶対に力加減間違えないぞ。ソースは俺

 

33:名無しの中央トレーナー ID:QGSp+7Avy

何したん?

 

34:名無しの中央トレーナー ID:XwLdiOgrf

タイマンで飲みに誘って酔わせた。俺もベロベロになった代わりにネギさんもフラフラしてた。んで、俺が行けるか?!って支えるフリして腰を抱いたらやんわり手を外された

 

35:名無しの中央トレーナー ID:DSzdocmqv

>>34 普通のウマ娘にそんなことしたらかかって誘拐してくるか、脈なしだったら蹴り飛ばされてお陀仏だからな

 

36:名無しの中央トレーナー ID:qoBwSqBQd

酔っ払って力が出なかっただけでは?

 

37:名無しの中央トレーナー ID:XwLdiOgrf

>>36 と思うじゃん?その飲み会の直後に10人のウマ娘の暴走が発生したんだが、ネギさんが酔ったまま3分で全員制圧したらしい

 

38:名無しの中央トレーナー ID:+Nku6eynz

つよすぎる…

 

39:名無しの中央トレーナー ID:s+CoDB7FR

ネギさんって柔道空手合気道合わせて15段らしいしな。その上で暴徒鎮圧術も覚えてる、と

 

40:名無しの中央トレーナー ID:uUXzS3TKf

ヒェ…でも好き

 

 

 




続きは考えてないです。
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