えぇ、性格もさることながら名前の響きが某私が執筆中であるアレのアレに似ていらっしゃいますね。
これで…中等部…嘘おっしゃい!
赤が好きなんですかね…私は…。
何がともあれ供養です。
3年目に差し掛かった4月某日、俺の担当であるダイワスカーレットは皐月賞にてもう二度と走れないような大怪我を負うことになった。俺とスカーレットはその事実を受け入れることが出来ず何度も挫けずリハビリに励んだ。だけど結果は変わらず彼女は走れないままだった
―私はもう走れない。そんなのことを身をもって痛感したのは7月に入ってからだった。私の為に頑張ってくれているトレーナーは今も自室にこもり本を読み漁っている。私の取り柄は1番であることだけ、ずっとそんなことを考えながら走っていた。2年目の春初めてアイツに。ウオッカに負けた時に私は初めて彼をトレーナーとして私の隣にいて欲しいと心から願った。だけどもうそれは叶わない。私の心はもう決まっている。―
「ねぇ?トレーナー。私紅葉を見に行きたいのだけれど。」
彼女が珍しく自分の意見を口にしてくれる。つい最近まで癇癪を起こし俺や他のウマ娘でさえ手に負えなかったスカーレットが自分から行きたい場所を告げてくれる。考えたくもないが彼女はこれからどうするべきかを自分で決めたのだろう。俺の初めての担当、その子がこんな嫌な結末を迎えるなんて考えたくもなかった。
―トレーナーには寂しい思いをさせてしまうだろう。それでも私はもう走れない。何度も悩んだ、彼が隣にいたらきっと走れる時が来るなんて甘い願いに心を寄せてそれでも上手くいかない日が続き何度も彼に、同室のウオッカに迷惑をかけた。けど、それもこの旅行でおしまい。私はもう迷わないと決めたし彼の足枷にはなりたくないもの。―
「ありがとう。スカーレット、君から行きたい場所を教えてくれるなんていつぶりだろう?今回は楽しい旅行にしようね。」
なんて何も知らないように彼女に答えてみる。きっと彼女は僕がどういう気持ちでこの旅行に望んでいるのか理解出来ているだろう。平日にもかかわらずこの無茶な旅行に許可を出した理事長も、それにスカーレットのお母さんも。全てわかった上で俺たちをこの旅行に行かせたんだ。
―私のトレーナーはばかじゃない。だからきっと私がこうやって言い出したことの意味を理解していると思う。それでも心配をかけないように不安を口に出さずずっと笑顔で振舞ってくれる。だから私は彼が好き。本当はずっと隣にいて欲しかった。そんな思いを心の奥に閉じ込め私は最後の言葉を考えながらトレーナーと新幹線に乗り込む。―
「ありがとう。この場所に連れてきてくれて。1年目の秋に連れてきてくれたのずっと忘れてないんだからね。」
―ここは私とトレーナーの思い出の場所。私がまだ彼に素直になれなかった頃。仕事の合間を縫って休日に連れ出して連れてきてくれた場所。ここに連れてきてくれたから私はトレーナーに心を開けたしなんでも話せるようになった。その時に誓った私が1番になってトレーナーを1番にしてあげるという夢はもう叶えられないけど―
スカーレットが覚えてくれているのはとても嬉しい。ココは俺が何もかも嫌になった時に何度も逃げ出した場所だ。この山間から見える景色は嫌なことをわすれさせてくれる。春には桜が咲き誇り。夏には新緑が燃える。秋には赤と黄色の絨毯が敷き詰められ、冬には白く積もった雪が俺の心を癒してくれた。スカーレットにとってもそんな場所になればいいなと思い連れてきた。
「はぁ。やっぱりここは綺麗ね。本当はもっと元気な姿でここに立ちたかったのだけれどね?」
―嫌味っぽくなってしまった、けれど今の私に言葉を選ぶ余裕なんてない。本当は彼ともっと一緒に居たい。私の為に、彼の為に走りたかった。ここに着いてからその言葉がずっと私の心を駆け巡る。いっそ言葉にして彼に伝えてしまいたいくらいに。―
「ごめん。俺はお前を1番のウマ娘にしてやることは出来なかった。」
言うはずのない言葉が口に出る。後悔から出た言葉なのかそれともスカーレットへの当てつけなのか今の自分には判別できない。何よりも今自分の中で勝っている感情はどこにも行かないで欲しい。だ。
「ふぅん。やっぱりアンタ気づいてたんだ。私が言うこと。」
―きっと彼自身言うつもりの無い言葉だったのだろう、自分の言ったことに目を丸くして驚いている彼を見てそう感じた。だけどきっとこれが彼の本心でそれが嫌味では無いのがは感じ取れた。謝るのは私の方だ。彼の思い出の場所を私のわがままで別の意味で忘れられない場所に変えてしまうのだから。―
場の空気が重くなる。もう引き止めることも泣くことも決してないのだろう。きっとスカーレットも同じだ、もう何かに縋るのも辞めたそんな表情を浮かべ俺の目をじっと見つめている。
「私、もう走るのやめようと思うの。」
―意を決して伝えるべき言葉を並べる。遠回しに伝えるよりもちゃんと伝えるべきだ、トレーナーもきっとそれを望んでいるだろう。声が震えて上手く伝えられたか分からない。言葉にした途端、彼との思い出がポツポツと思い出されて涙が溢れそうになる。―
「うん。俺はスカーレットを引き止める権利は無い。もう俺もお前も最善を尽くしたと思うんだ。もう休んでもいいと思う。」
真摯にスカーレットの言葉を受け止め、自分の考えを口にする。今思い出されるのはスカーレットが初めて有馬を勝ち取った時の嬉しそうな顔。レースの後だと言うのに駆け回り歌うライブ。あの頃は楽しかったなんて言葉では纏められず不意に涙が頬を伝う。それを見たスカーレットも思わず涙が零れる。たくさんの思い出が出来た2年半だった。それが1度の故障でこんなことになるとは考えもつかなたった。
「アンタは私の為に頑張ってくれたと思う。けどこれでトレーナー辞めるなんて言い出したら私承知しないんだから。」
―涙が溢れ止まらない嗚咽の中拙い言葉を並べる。今の私に言えるのはこれしかなかった。トレーナーも涙を拭いながらうんうんと頷く、彼を見ていて私にも新しい夢ができた、それはもう一度彼と肩を並べること。けれども今は伝えなくてもいいかなと思う。伝えてしまったらきっとまた私という楔がある状態でトレーナーを続けると思うから。―
「もう!湿っぽいのは終わりにしましょう?楽しい旅行にしてくれるんでしょう?」
そう彼女は言うと僕の手を引き階段を掛け下りる。そうだまだこの旅は始まったばかりだ。彼女に悔いが残らないよう楽しい旅行にしようと心に決めたはずなんだ。階段を掛け下りる最中に見えた彼女の年相応の笑顔が俺にその事を思い出させた。時が過ぎるのは一瞬だ、だけどその一瞬一瞬を大切にしていかなくちゃいけない。
―彼の手を引き階段を掛け下りる。普通に走るのには全然平気なのになんてことを一瞬でも考えてしまった私を許して欲しい。だってもう、私たち二人の中で終わった話だから。私のやるべきことは一つだけ。そう心の中に気持ちと一緒にその言葉をしまいこんだ。―
あっという間だった。あの旅行は直ぐに終わりを告げいつもの日常に戻って行った。あの日から変わったのは俺がトレーナー室に籠り解決の糸口を探すことをしなくなったのとスカーレットが俺の目の前に現れなくなったことだ。きっと彼女なりのケジメだったのだろう、俺も無理に会わないようにしていた。そして中等部の卒業式、俺は最後に彼女に一言おめでとうと別れを告げたかったのだがあいにく見つからずそのまま卒業していってしまった。俺は1度だけ電話を鳴らし、繋がらないのを確認したあともう彼女に連絡を取ることは辞めた。
幾許かの時が過ぎて俺にも新しい担当が出来て3年を迎えた。俺はスカーレットと共に成し遂げられなかった三冠を成し遂げた。厳密には俺の担当がだが、それだけのウマ娘を育てたのだ世間からの注目を浴び何度もインタビューを受け正直疲れ切っていた。
それから数ヶ月、桜のまう季節になった頃、疲弊しきっていた俺の元に1本の着信が入る。ふと目をやり表示されている名前にびっくりする。有無も言わさずすぐに電話に出る。
『久しぶりね?元気にやってそうじゃない。』
なんて言い出す。三年経っても相変わらず変わらないものなんだなと感じた。ガヤガヤと後ろから声が聞こえる。どこかの入学式だろう。そうか、スカーレットももう大学生になる年齢か。感慨深いものがあるな。
『…もう少し周りの音に敏感になりなさいよ!全く…。私は入学じゃなくて採用よ。採用!』
なんて言うスカーレット、そういえば聞き覚えのあるガヤだ。…?ハッと我に返りトレーナー室の窓から校門側に目を向ける。そこに立っているのは見覚えのある色の女性が目に入る。けど服装は俺たちと同じトレーナー服だ。
『やっと気づいたのね?早くこっち来なさいよ待っててあげるから。』
俺は携帯をそのまま放り投げ校門に向かって全力で駆け出した。スカーレットがしたかった事、まだ夢を諦めきれていなかったこと全部理解出来た。最後に俺にトレーナーをやめないで欲しいって言った理由も全部。
「ね?だから私はアンタにさよならって言おうとしなかったのよ。わかる?」
校門前にたどり着いた俺は肩で息をしながらスカーレットに対面する。あの頃よりも身長も伸びてなんだかおとなっぽい雰囲気を纏っている。そうか、だから彼女は俺にサヨナラと言わなかったんだ、自分がこうやってトレセン学園に帰ってくる時のために。
―多少は老けたみたいだけどあの頃よりもずっとずっと逞しくなってる。私の知らない間にどんなことがあったんだろうか。ちょっと嫉妬する。けどもう今はどうでもいい、彼にまた会えたのが本当に嬉しいから。―
「言ったでしょ?アンタは私の一番なんだから誰の面倒見たって1番になるのよ!」
そう言い切る彼女の顔は何か誇らしげで自分のことのように俺の事を喜んでくれていた。
「もう私も負けてばっかり居られないんだからね」
―また彼と肩を並べて仕事ができるのが嬉しい。ここから先私はどういうトレーナーになっていくべきなのか不安も沢山ある。けれど隣にいてくれるトレーナーが助けてくれるから。私はきっとまた強くいられるだろう。―
授業開始のチャイムが鳴り響く。もう校庭には誰もいない。静かになった2人を取り巻くのは桜の花びらとそよそよと吹く春風だけだった。
いつもの如く読んじゃあ居ませんよ。
当時のそのままを投げてます。
これもpixivに投げたっけ…。
赤×ツンデレ=正義の方程式は1995年より始まっていますよね?
灼眼のシャナから生まれたんでしたっけ…ツンデレって…。
ツンデレの代表格ですよね。赤色。
筆者はウマ娘、ついていけなくなって三女神でおじゃんです。クリオグリ強かったなぁ(遠い目)
ウマストック残り7個…吐き出せ…吐き出せ…。