【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア! 作:Cran
構想はある程度決めてあっても、構想通りにいくのかが不透明ですし構想通りじゃない方が自然でかつ面白くなることもあるかもしれないという予感もありまして。緊張。
原作の話ですが、皆様原作で名前だけ情報が出てきたLoLってなんだと思います?
名前が一致するだけの偶然という別ゲーム扱いでなくって、普通のヒロアカ世界でもあれと同じという設定だとしますと、ものすごい長寿だなあって。
あと、P3Pの男主人公ことキタローさんですけど、たまたまプレイしたオンラインゲームでの知り合いがリアル知人だったあたり、やっぱりワイルド系主人公はそういう運命に導かれてるんでしょうねー。
この出会いの一連のはトガちゃんのような展開にはならず、割とあっさり終わる予定です。
そして投稿前に見たら評価ランクが9.0いってる! スゴイ!
皆さんに大感謝です。これからももっと楽しんでいただけるように頑張ります。
その青年は大いに憤っていた。
「あああ、クッソ。レベル上げするスポットに入んのにレベルが必要とか、めちゃくちゃクソゲー。プレイヤースキルで突破できるんならいいだろ。なんで推奨レベルじゃなくって、レベルでの制限なんてやってくれちゃってんだよ、クソゲーじゃなくってクソ製作者か、クソ。ぶっ壊れろ。死にそうになりながらスポットまで来てやった俺の時間を返せ、あとポーションと金返せ、死ね」
ゲーム機からソフトを出すと指サックを外して、握りつぶすように塵に変えようとしたところで、少し沈黙してから、舌打ちをして放り捨てる。
「つーか、ここでレベル上げスポットにいって修行するのがベストって書いてたサイトが悪いんだ。デマの情報書きやがって*1。あー、腹立つ。まだやってないのはどれだ?」
小指を立てた片手でコーラを飲みながら、ギリシャかどこかの遺跡のような雑然としながらもある種の規則性と調和を持ってうずたかく積まれたゲームの山を睨む。
「勉強も訓練も楽しいけど上手くいかない、上手くいかないと苛々する、苛々すると腹も減るし痒くなる、腹減って痒くなると苛々するんだよ。知ってるか、こういうのを悪循環っていうんだ。何より苛々を解消するためのゲームでクソな目に合うってのが一番苛々するよ、クソ」
青年の年齢は17歳。学校にこそ通っていなかったが、幼少期から
学習の内容は非常に多岐にわたり、ごくシンプルな国語算数理科社会といったような基本的なものから、弾圧された個性、宗教、被差別人種や信教などの社会的な歴史などのほか、将棋やチェス、論理パズルなどもある。また、そういった座学だけにとどまらず、長・短距離の走力トレーニング、クライミング、足場の不安定な状態でのダンス、ピッチングマシーンを相手にした速度も焦点も不作為に変わるボールの乱打からの回避訓練、物言わぬ生き人形との負傷前提の戦闘訓練など、さまざまであった。
独り言に出ていたとおり、そういった学習を青年は厭っているものではなかったが、どうしてもうっ憤はたまっていくわけで、娯楽によって解消する時間は必要だった。
いつからか付き人としてあてがわれた黒い姿の人物以外には話し相手もいないし、それもどちらかといえば召使のような立場である。他にはテレビや漫画、数多の娯楽本などはあれど、青年にとっての現時点で一番のストレス解消法はゲームと、ゲームでの付き合いだった。
「ちっ、今んところやる気になりそうなやつはないな……。あいつらが来始めるまで、まだ時間があるんだよな……。先生のお勧めだっていうLoLはこっちのいうこと聞かねえバカばっかのクソ環境だったからやる気にならないし。トロフィー集めでも再開するか?」
死んで覚えるゲームとして知られるアクションRPGの難易度マックスモードをプレイすることにした青年は、先ほどとは違うゲーム機の電源を入れるが、ほどなく起動画面とそこに浮かんだオンラインのフレンド情報を見て、予定を変更することを決める。顔には、嬉しそうな笑みが浮かんでいる。
「珍しく早いじゃん、“ペルソナガール”」
いそいそとゲーミングヘッドセットを装着しながら、いつもそのフレンドたちと遊んでいる、別のゲームを開始することにした。
υ´• ﻌ •`υ
「ふーん、サイトに騙されたって?」
「ああ。距離は近いけど途中の雑魚どもがレベルが高いから、さんざん死にかけてポーションも使いまくったのに、無駄足どころか大赤字だ」
「んー。でも不思議だねー、攻略サイトなんだったらレベル制限とかあるんだったら、ちゃんとどこかでわかるように書かれてるのが普通だと思うんだけど*2。ところでガサガサ聞こえたけど、次は何開けたの?」
「歌舞伎揚げ」
「また? “ジャハンナ”、それ好きだよねー」
「うまいし、小袋ごと食えば汚れないしな」
ボイスチャットで会話をしながら、テックウォリアー・オンラインというロボットゲームのハウスモードをプレイしている。対人でのオンラインバトルもできるが、これは敵キャラクターのドロップ品収集、資材の発掘、拠点の強化などをフレンドと一緒に行うモードである。いまは古代文明の遺跡*3に赴いての発掘作業中だ。
「今度は対戦中はやめてね? 前にきみがそれ食べてたとき、音声こっちも聞こえなくなるし、ジャハンナもたまにこっちの声聞こえなくなってたからね」
「“ペルソナガール”の場合はしゃべりが多すぎてて、どれが連絡なのかがわかんないことも多いんだけどな。マジで――お、インしたな。拠点戻るか」
ジャハンナと呼ばれた青年はコントローラーを操作して、帰還専用のワープポータルを開く。早速、パーティ加入のやり取りをして、パーティチャットをつなぐ。
「よう、ジャハンナ。ペルソナガールは今夜は早いじゃねェか」
「きたな、“ハウスケルベロス”」
「やっほー、ハウきっち」
「それやめろっつったろーが」
「じゃあ、ハウ太郎」
「可愛くすんな」
「ハムスターみたいだな」
「やっぱりやめとく、ハウきちで」
「だからやめろっての。ハ・ウ・ス・ケ・ル・ベ・ロ・スだ、ペルペルって呼ぶぞコラ」
「ペルペルペルペルーって?*4 かぁいくないからヤダ」
「主人公に保護された少女パイロット*5かよ」
ハウスガーディアンの今夜のお供はせんべいらしく、ガリガリと音がする。
「この欠食児童たちはお菓子食べなきゃゲームもできないんですかねー」
「俺はそんなガキじゃない。この前17になった」
「あ、私と同じだ」
「へェ、俺たち3人とも同じか。っても、俺は8月に18になるから俺のがアニキってことだな」
「私たちハウきちの弟かー」
「よろしくな、ハウニキ」
「オラァ!」
ハウスガーディアンがロケットミサイルをかっ飛ばし、直撃した2人をどごーんと吹き飛ばす。このゲームではパーティアタックが普通に通る。そして、放たれたミサイルがよりにもよって、ゴリラミサイルと愛情を込めて呼ばれるきわめて弾速が遅く回避や迎撃が容易な代わりに、とんでもない高威力の武装であったために大いに効いた。
「あー! ジャイロ*6が壊れたー! 2個とも壊れたー!*7」
「こっちは中枢が半分死んだ*8。何てことしやがるんだ、人の心はないのか」
大惨事。
もっとも、対戦中ではないし拠点にいるので、修理は可能である。ただしコストはかかる。
「俺は装甲はほとんど減ってねェのに中のひとのライフがやばい*9。臓器ダメージ負いやがった」
「至近距離だし爆風に巻き込まれるのは当然だけど……」
「撃ったやつが一番ダメージ受けてんのウケる」
パイロットの負傷は治るが時間がかかる。コストもかかる。
「どうすんだよ、俺のキャラ3時間入院になっちまったじゃねェか」
「メインキャラで自爆決めたやつが悪い。サブで対戦行けるのいたか? この前育てるっていってた気がするんだけど」
「情報支援で育成してたから、ちょっときついな」
「あ、ごめん。いってなかった。私、今日インは早かったけど、落ちるの早いから、どのみち対戦は無理」
「なんだよ、今日こそは俺の名指揮官っぷりを見せてやろうと思ったのに」
「LoLをソロでやってたやつがなんかいってんぞ」
「それについて私は尊敬するよ」
「あのクソゲーの話はすんな*10。……まあいいか。今日はだべりながら掘りにしとくか。出かけるぞキープしてないハウスキーパー」
「リアルネタ持ってくるのやめろ」
「自分でよくネタにしてんだろ。そもそも名前」
「いわれるのはそれはそれでムカつく」
「あはは……」
まだそれぞれフレンドになってそんなに長くはないが、和気あいあいと鉱物掘りに励む。
「私はそろそろ終わりー」
「りょ。ジャハンナは続けるか? 俺はまだいけるが」
「俺も。そろそろ発掘装備が欲しいな、買える装備だと貧弱すぎる。ハウスケルベロスのゴリラミサイルほどじゃなくていいから、戦場ごとぶっ壊せそうなやつがいい」
「控えめそうにいっときながらゴリラミサイルより強力そうなの笑える」
「ジャハンナムだけに、まるっと地獄に変えるのね……」
「ムをつけるな、かっこ悪くなる」
「ああ、男の子よ。私のような純粋な女の子にはそれの違いがよくわかりませんのです」
「ジャハンになるとさらにかっこ悪く感じるだろ? その違いじゃねェの?」
「わかるか? さすがだな、家犬」
「お前を地獄に送るぞ?」
「そういえば地獄に地獄の番犬の間柄だから、私、仲間外れだったっぽいことに今気がついた」
「その番犬、家につながれてるぞ」
「よく考えろ、地獄が俺の家ということだ。リアルは逆で家の外が地獄なんだけどな、ガハハ!」
「たまに思い出したように自虐ネタ入れてこないで! 心が痛い!」
「ウケる。まーでも」
ふっと、思い出したようにジャハンナがいう。
「
「まあ、間違ってねェか」
「あはは! なら私はきみたちの飼い主だ!」
「調子乗んな壊すぞ」
「噛むぞ」
もしかしたら、どこかで誰かが悶えるかもしれないような会話*11を交わしつつ、「じゃあ、おやすみー」と、ペルソナガールがログアウトする。そうして、なんやかんやとそんな夜は過ぎたのだった。
はて、あっさりとはいったい?
導入部分という構成上の問題で今話はこれくらいです。
気を持たせるような感じになってしまったかも。続きが気になる症候群を発症してしまったら申し訳ありません(でも続きが気になるって思ってもらえたらそれはそれで嬉しい)。
作中に出てくるロボットゲームは、実際にそういう作品があるわけではありません。
モデルにしたものはありますが、お分かりになる方がいたら教えてくださいw
書いていて、こんな感じのオンラインゲームがあったら楽しそうだなーとは思いました(追記:調べたら普通にモデルにした作品がコンピューターゲームに実在してました。モデルは古いテーブルゲームだったので驚きました)。
余談ですが、セリフを書いているのとても楽しいのですけれど、あんまりセリフばっかりだと面白くないんじゃないかなとも思うので、絞るのがそれなりに大変だったりします。ぐぬぬ。
次は、青少年たちの燻りです。
・2025/6/26:ジャハンナくんが特定のゲームをクソゲーなどと呼ばわっていますが、彼の性格上、ちょっと痛い目にあっただけで発言するように思われるものでございまして、同名の実際のゲームについて貶める意図等はまったくございません。ですが、もしご不快に感じられることがありましたら申し訳ありません。この場でお詫び申し上げます。反応に甘える格好になってしまいますが、ご指摘がありましたら修正・差し替え等させていただければと思います。