【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア!   作:Cran

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不定期更新とはしつつも続いていた更新がいきなり止まっており申し訳ありません。外出先からいきなり入院となりましてドタバタでした。
やっとスマホで、書き途中のやつを少し区切りがつくところまでにできましたので、投稿です。
入院は長引かなさそうですがパソコンとだいぶ勝手が違うので、それまでお休みさせていただくことになりそうです。すみません……。
以下の前書きは、書き途中だった部分をお送りしています。

※※※

先日寝る前に確認しましたら、UAとお気に入りの増加数がありがたいことにすっごい増えていることに気がついて、ふと確認しましたところ。日刊ランキング9位におりました。
口からなんか飛び出るかと思いました。玉みたいなのが。ピッコロさんかな。

感想や評価やお気に入りなどなどで私に絶え間なく喜びを与えてくださる皆様のおかげです。ありがとうございます。あと、やっぱりみんなペルソナ、ヒロアカが好きなんだなって、その偉大さにも感謝です。


2回目の中学生時代⑫~カオの見えないトモダチ・中編~

「眠ぃのか?」

「眠いの?」

 

 異口同意。完全な異口同音ではないが、そんな似たり寄ったりの2人の言葉に、公子は苦笑いを返す。

 

 時は大方の皆様の起床より少し早いくらいの頃。空は晴天、風は澄み涼やか、少し暖かみを感じる気温。ぴぃぴぃ、ちちち、鳥の声や歌がさざめいており、すっかり桜の花びらも散っているが、その代わりというかのように、八重桜やバラなどが色鮮やかさを競い合うようにして咲き誇っているそんな公園の、芝の広場に到着した矢先のことだ。

 

 いつもなら、公子と焦凍と被身子の3人でランニングというには少し早い速度でやってきて、準備体操を行って、さて公子と焦凍での戦闘訓練の開始という流れであったが、しきりにあくびを繰り返す公子に対して、示し合わせたわけでもないのに、焦凍はわずかに被身子は明確に、表情にそれぞれの心配さを出している。

 

「昨日はちょっと対戦がはかどっちゃって、あふ」

 

 ゲームにのめり込みすぎて止め時を忘れ、いや節度を忘れて、新しい一日が始まる時間をかなり過ぎるほどに夜更かしをしており、その代償を現在支払っているところということだ。父親である消太も、夜更かしが常態化しているなら苦言を呈するとは思われるが、平時は早寝早起きの健康優良児の生活を徹底できているためよほどのことでもなければ口出しをしない方針ということもあり、ストッパーなしだったのも、まあ敗因のひとつである。

 

「それじゃあ戦いの訓練は危ないんじゃあないです?」

「うーん、どうだろう。動いていたら目は覚めるかも」

「やめといたほうがいいだろ。無駄な怪我させちまいそうだ」

「無駄じゃないならキミちゃんに怪我させてもいいみたいないい方ですねえ」

「実際、何回かお互い怪我させてるしね、怪我をしないと覚えませんってところもあるし。でも、そうしたら焦凍が無駄足になっちゃわない? まあ、もともと焦凍はひとりで走ったり訓練してたみたいだから、それまでと同じといわれればそうなんだけど」

 

 焦凍は少し考えると、被身子に目を向ける。

 

「ちょうどいいかもしんねぇ。被身子、付き合え」

 

 被身子は公子と仲良くなってから早々に、この早起きしてのトレーニングに参加するようになっていた。まず、「朝、キミちゃんと一緒に登校したいです!」という被身子の申し出があり、その話の流れの中で別の中学校の男子生徒と行っているトレーニングの話につながり、となると「私も一緒にやりたい」という希望があがるのはもはや必然といえる。

 

 ただ、そんじょそこらのヒーロー志望学生ではついていけないようなレベルの戦闘訓練に被身子が早々に参加できるわけもなく、まずは2人の訓練を行った後に、公子の発案で導入されたインターネット上から拾ってきた動画を基にしたダンストレーニングや、公園のアスレチック施設を使用した基礎的な運動訓練を行っていた。なお、戦闘訓練以外にはあまり興味がなさそうな焦凍だったが、公子が無理やり突き合せたところ適性があったらしく、現在のところダンスの上手さは被身子、焦凍、公子の順での格付けとなっている*1

 

 とまあ、そこへきての焦凍の発言であるため、公子と被身子は2人で意外そうに顔を見合わせることとなった。

 

「ヒミちゃんとやるの?」

「ダンスの動きとかも見てて思ったけど、被身子も柔軟性とか機敏さは結構なもんだろ。避ける訓練をするのは悪くないんじゃねぇ? ヒーローを目指すんじゃなくても、敵じゃなくても犯罪者に襲われることだってあるんだし、最低限、逃げるための自衛能力はあるに越したことはないだろ」

 

 ふむふむ、と公子はうなずく。被身子もそれを見て、ふむふむとうなずいている。

 

「俺もただ避けることに専念したやつを相手したことねぇし、今日はそれだけでも十分だ」

「じゃあ、そうしよっか、ヒミちゃん。私は2人の動きを見てて、何か気がつくことがあったらいうって感じで」

「なら、やります。ショートくん、よろしくお願いします!」

「おう」

「あ、でも、変なとこ触ったら怒りますからね」

「変なとこってどの辺だ? 顔とかに当てるつもりはねぇが」

「ど天然」

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 そんな朝から始まって授業が終わった帰り道。

 都合があえば途中までは一緒に帰る美衣も今日は部活動のために不在で、2人での下校である。

 

「キミちゃん、今日もゲームするの?」

「そうだなあ。うん、多分。あっちの都合次第だけどね」

「いいなあ、私のうちにもゲームがあったらキミちゃんと遊べたのに、おトモダチがずるいです」

「今やってるのはロボットとかだから、ヒミちゃんには好みじゃないかも」

「かぁいくないんです?」

「んー、大きな金属製のロボットで銃とかミサイルとかをどっかんどっかん撃ち合ったりするゲームだから、どちらかというとかっこいいというか、硝煙の香り漂う男の世界というか」

「かぁいくなさそうですね……」

「いつかは私も友達たちも飽きたりするだろうし、ヒミちゃんが好きそうな別のゲームに移ったら、私のうちで一緒に楽しんでもいいかもね」

「楽しみ! ……でも、まだまだ飽きなさそうですよね?」

 

 被身子は感情の動きが手足だけではなく、いろいろなところに現れる。いまも、まっすぐ歩く公子の顔をのぞき込んだり、それまでと逆側の位置に移動したりと、散歩中の犬のようなふるまいだ。

 

「まぁ、そうかも」

 

 との返答にわかりやすくぶーたれても見せるので、公子としてもくすくすと笑いが漏れてしまう。

 

「そういえばあまり聞いてなかったですけど、キミちゃんのお友達たちってどんなひとななの?」

「そうだねー」

 

 うーんと、思春期の男の子心が滲み出ているようなハンドルネームの2人を思い浮かべる。

 

「年齢相応の悪ガキかな? ジャハンナとハウスケルベロスって名前」

「キミちゃんのママセンサーに反応しちゃう感じのひとたちです。手ごわい」

「ママかどうかはさておき、しばらくは一緒に同じゲームやってるかな」

「むー。あ、キミちゃんはなんてお名前でやってるんです?」

「ペルソナガール」

「かぁいい感じの不思議ちゃんな名前ですね!」

「ヒミちゃんも十分不思議ちゃんですよーだ」

 

 それで、その場は終わり。

 

  

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「眠い?」

「眠そうだよな」

「眠ィ……」

 

 その日の夜、どこかで見たようなシーンが展開されたのは、テックウォリアー・オンラインの拠点である。今日は集まって早々に1戦を行ったのだが、やけにミスの目立つジャハンナに統制が乱される展開となり、スコアとしては格下の相手チームながら、惜しくも敗北した後のことである。ジャハンナがいつもの悪態をつくわけでも、負けの検討を開始するわけでもなく、ぼんやりとした様子でやたらとあくびを繰り返しているところに、ペルソナガールとハウスケルベロスが指摘をしたという次第だ。

  

「珍しく夜更かしが響いたのかな。私も今日は朝ものすごく眠かったけど」

「俺は昼夜のこだわりのない長男だから平気だ。次男だったら危なかった」

「うるせえ駄犬。先生からの課題がキツすぎんだよ、クッソ……」

「いつもの家庭教師の先生? 相当なスパルタっぽい感じだったけど」

「キツいだけならともかく、そうだな、さんざん経験値貯めてレベル上げてようやくその辺のモンスターをある程度楽に狩れるようになったと思ったら、いきなりモンスターが全部、上の種族にクラスアップする感じだ」

「希望からの絶望って感じか。さすがだな、地獄」

「洒落になんねえ。10年以上そんなんだ。それで今日の訓練が何時間もぶっ通しでリアルなモンスターを相手するやつだぞ。倒しても倒してもお代わりが追加されやがる。飛んだクソゲーだ。おかげでクソ眠ィ」

 

 これは今日は対戦は無理だろうなーと思いつつ、ペルソナガールは画面を見つつ、はてと疑問に首を傾げた。

 

「そういえば、勉強も戦闘訓練もみっちりやってるからもしかしてと思ってたけど、ジャハンナはヒーローとか目指してるの?」

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「あ?」

 

 ジャハンナは彼からすれば素っ頓狂な質問に、こいつ何いってんだと声が漏れる。ヒーロー? 社会のごみに俺が?

 眠いのもあって、いつも多少は取り繕っている皮が剥がれてかけていることには気づいちゃいるけど、返答する。

 

「目指してるわけないだろ。あんなの、ごみだろ?」

「あ、目指してはいないのね。ゴメン。えーっと、ごみっていうのはどんな感じの評価なんだろ」

「あん? ヒーローってのは助けてほしい時には助けてくれないもんだろ? 助けたり助けなかったりしてやがるし。選り好みしねぇで助けんのがあいつらの仕事だろが。それに、やつら敵どもが何かぶっ壊したりぶっ殺したりしたあとに来やがって、手遅れになってから私が来たっていわれても、遅えよって思わないか」

 

 痒さを感じてがりがりと爪を立てて顔をひっかく。

 

「まあ、そういう部分はあるな。ぶっちゃけ、ヒーローに助けてほしいって思ったことは何回もあるがよ、助けてもらったことは一度もないな」

「だろ? あいつら給料だってもらってんだろ。仕事は敵や犯罪からのほほんとしたクズどもを守り助けること、だってんなら、それができないならただの給料泥棒だろうし、下手に期待させる分、クズより性質が悪いごみ」

「うーん……」

 

 ペルソナガールはうなっている。納得いってなさそうだな。なんかイラっとくる。

 

「なんだよ?」

「うん、そうだね、そういう評価はありそうかもなって」

「っつっても、全部がそうだとは俺も思わねェけど、そうしたらジャハンナはなんでそんな気合入れて鍛えてんだ?」

 

 俺が聞きたいよ。

 先生とドクターにもらった俺が殺しちまった家族の手、安心すると同時に湧いてくるどうしようもないイライラ。閉塞感っていうのか。何もかもぶち壊したくなる衝動だ。

 だけど、衝動のままに暴れるのも駄目なんだと。なんでだ、先生?

 

『きみはきみが思うように生きればいい』

 

 そうだよな?

 

『けどね、そのためには知恵も力も必要になるんだ。だから、頑張って、僕の最高の教え子になれるよう、努力してもらいたいのさ』

 

 そういわれてるから頑張ってるさ。強敵を倒すにゃレベルを上げないとな。でもな、先生。俺がしたいのは本当に……なんだ?

 

「わかんない」

「え」

「ハァ?」

 

 俺は何をぶっ壊したかったんだ? 目の前にムカつくやつがいたらぶっ殺したくなるけど。それだけじゃないよな。眠い。眠いとよくない。そうだな、何かをしたかったから壊したかったんじゃなかったっけ。

 

「いや、いわれてみれば真面目にわかんないや。助けないヒーローにムカつくのはそうだけど、そうだな、いや、どうだ……?」

 

 俺、わけわかんないこといってんな、ウケる。

 

「来もしねえヒーローにもヒーローがいりゃ大丈夫だってへらへらしてる奴らもムカつくから、そういうの全部ぶっ壊したくはなるな。けど、それだけじゃなくて、もっとなんかをぶっ壊したいってのはある。思い通りにならねえのは嫌だ」

 

 そうだ。そうだな。

 

 先生に助けてもらったけど、俺はずっとイライラしてた。なんで全部俺の思うようにならないんだって。俺はずっと檻の中にいたような気がする。朧気な記憶しかない家、家族、助けが欲しくても助けてもらえない絶望と、助けてくれた先生と、先生に与えられたこの場所。そして――。

 

『キミはボクのコウケイシャなんだから』

 

 目標?

 俺は別に先生になりたいわけじゃないぞ。枷をつけられるのはムカつくなあ。先生には感謝してるけど。俺を思うようにしようとしてるのは分かるんだよな。俺は育成ゲームのモルモットじゃないんだよ。だからムカつく。反抗期か?

 

「……いいや、眠い。今日は俺、寝る」

「あ、うん。おやすみ」

「お疲れー、しっかり寝ろよ」

 

うざったくなってきたから、今は寝る。起きればこんな変な感じはなくなるだろ。

 

*1
公子「解せぬ」




尻切れトンボなところがありますが、ひとまず。
まだ彼は原作の初登場の方までははっきりとした指向性ができているとは言い難い感じで、整理されていない感情で混沌としています(原作部分ですら、主人公との会話でエウレカ! するまではただヒーロームカつく死ね死ねで無軌道な小さい悪党なだけの感じですし)。

それを一人称で独自解釈も込めつつ描写するのってしんどい……。解釈違いというところも多々あろうかとも思います。

中編と銘打ってはいますが、次が後編でいったんの彼のエピソードが終わりになるとしても、この3エピソードで描くのは種がまかれるまでとなります。
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