【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア!   作:Cran

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みんなやっぱり女神転生シリーズの悪魔的料理好きなんだなって。


2回目の中学生時代⑯~轟家からの招待・後編~

 お昼時。

 

「おっきいですね」

「うん、なんとなくそんな気はしていたかな」

「そうか? 大したもんでもないだろ」

 

 焦凍と公子と被身子。到着した轟家の前、3人の間でそんな会話がなされた。

 

(T字路の突き当りのところって、確か、あまり縁起が良くないんだったよね)

 

 前の世界における薄っすらと思い出せる不審者然としたビジュアルの保険教師によって、やたらと詳しく語られる山ほどのオカルト的なうんちく話が脳裏をよぎる。

 

 そう、轟家は丁字路の横と縦の部分が接続される位置の上側に、堂々たる門を構えていた。これは、風水的には事故や不運、家族仲の険悪化などよろしくないものを呼びやすいとされている。まあ、公子としては、丁字路の下部分から直進してきた車が止まらず門に突っ込むような連想がわいてきて、そりゃあこの位置じゃ事故だって飛び込んでくるわといった感想が出てくる程度で、特に問題視をしているものでもない。

 

 さて、それはそれとして、被身子がおっきいと漏らしたとおり、このはじめて訪問する友人のおうちは、ご立派*1なものであり、焦凍に促されて敷地内に入るときには、少し不思議ちゃんめいた被身子も少しおっかなびっくりとした足取りとなった。同じく本人的には認めたくはないであろうが不思議ちゃん属性持ちの公子は、記憶しているかはともかく別の種類のトンデモ建築物*2の経験があるからか平然としたものだった。

 

  

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「ただいま」

「お邪魔します」

「お邪魔しまーす!」

「いらっしゃい! わあ、本当に女の子たちね。はじめまして、焦凍の姉の冬美です。今日は来てくれてありがとう! 焦凍もお帰りなさい」

「こっちが公子で、こっちが被身子」

「はじめまして、相澤公子です」

「はじめまして! 渡我被身子です」

 

 2人でぺこりと挨拶をします。

 焦凍くんのお屋敷、いえ焦凍くんちのお屋敷ですね。そこに入った私たちを出迎えてくれたのは、焦凍くんから紅色をかなり取っちゃって、ちょっとしたおしゃれなメッシュにしたような髪の女のひとでした。焦凍くん自体が中性的なところがありますしよく似ていますが、目元がもっと優しい感じですね。はい、カァイイっていうよりも、きれーです。

 

「こちら、大したものではないですけど、お菓子です。こちらは父からで、こちらは例によっての葛餅です」

「ありがとう。お父さまにもお礼を伝えてね。葛餅、おいしかったからうれしい」

 

 中にどうぞと案内してくれますが、汚したり置物を倒しちゃったりしないか心配ですし、緊張してしまいます。キミちゃんはさすがで落ち着いてますね。あ、でもちょっと飾ってあるお皿にぶつかりそうになってたよ? 気を付けましょう。

 

「いらっしゃい。本当に女の子たちなんだな」

 

 それから、冬美お姉さんと同じことをいいながら顔を出してくれたのは、こちらは背が高くてがっしりとした男のひとです。

 

「俺は夏雄。よろしくな」

 

 こちらにもご挨拶です。

 もうお食事の準備はできているそうです。時間ぴったりですね。公園で待ち合わせでしたけど、行く途中で、焦凍くんが珍しく歩きながらぽちぽちスマホをいじってくれていたおかげなのでしょう。

 

  

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 おいしいです。ママもスーパーのお弁当じゃなくって、最近は前みたいにご飯を作ってくれるようになりましたが、キミちゃんほどではありません。そして、そのキミちゃんよりもおいしいと評価せざるを得ません。自他ともに認める一番のキミちゃんファンたるトガともあろうものが、ぐぬぬ。

 

「あ、ごめんね、お口に合わなかったら無理しないでね?」

「ふぉんふぇもふぁいふぇふ*3

 

 違います。慌てて首を振ります。

 

「とんでもないそうですよ。本当、おいしいです。今度教えてもらいたいくらい!」

「ふぁい!*4

「……」

 

 焦凍君はもくもくともぐもぐしています。食べなれているからでしょうね。

 

「竜田揚げもおいしいですけど、トガはこのお豆腐のサラダも好きです。和風ドレッシングでしょうか、あまり食べたことない味がします」

「うん、私も思った。これ、お手製のドレッシングですよね?」

「ふふ、ありがとう。でもね、作ったのは私だけじゃないし、サラダは私のじゃないのよ」

「ああ、竜田揚げは姉ちゃんだけど、そっちは俺が作った。ネットで見たのをアレンジしたやつ」

「!?」

 

 焦凍くんが寝てるところをいきなりつつかれた猫ちゃんみたいにびくりと反応して夏雄お兄さん――縮めちゃいましょう。発言者の夏お兄さんを勢いよく見ます。

 

「用意しているときには焦凍は大抵いないから、知らなかったでしょ。夏くん、よく作ってくれるのよ」

「知らなかった」

「サラダのほかは餃子と炒飯で、要するに味濃いのが俺。あとは全部姉ちゃん」

「料理ができる男のひとだ」

「カッコイイですね!」

「どれもうまい。すごいな、夏兄」

「お手伝いさんが腰やっちゃってから姉ちゃんと一緒にやってっから、それなりにはな。バイトもあるし受験勉強に本腰入れるようになったら、できなくなっちゃうだろうけど」

 

 夏お兄さんって高校生ですよね。やっぱり今どきの男のひとは高校生くらいになれば料理をできないといけないのかもしれません。今どきじゃない轟パパさんはまったく料理できそうなイメージないですね。大きな豚さんとかを仕留めて丸焼きにするとかなら似合うんですけど。うちのパパはどうなんでしょうね。おにぎりはできるでしょうか? 私よりはできるかも。朝の訓練でおなかが空くこと多くなったので作ってみたら甘くなっちゃいましたし。おいしかったですけど*5

 

「俺、野菜の皮むきしかやったことないな……」

「あら、焦凍もお料理するの興味ある? 今度教えてあげよっか」

 

 あ。ナイスです冬美お姉さん! 焦凍くんと2人でキミちゃんに教わることになっていましたが、キミちゃんと二人っきりでやった方がトガとしてはうれしい。焦凍くんのことは嫌いじゃないですけど、2人の愛の共同作業には勝てません。

 

「……いや、公子に教わることになってるし、大丈夫だ」

 

 残念です。あっ、「んまぁ!」って感じで口元おさえなくていいんですよ冬美お姉さん! 先約があるって意味であって、そういうんじゃないですからね!

 

 あれ、でも、焦凍くんのママは教えてくれないんでしょうか。さっきの話だとお手伝いさんが料理を作ってくれてたみたいだし、共働きとかなのかな。うちのママみたいにあまり料理が上手じゃないのかもしれないですね。

 

「そういえば、おうちで訓練のときにご馳走になってるって聞いていたけれど、公子ちゃんも作ってるのね」

「あ、はい。うちは母はいないし父は作れないので、私が専任です」

 

 キミちゃんはけろっといいますね。

 

「それに父は食事の優先度が著しく低いので、作ってあげないとすぐにパンとかおにぎりだけで済まそうとするんですよね。さすがに娘の手作りがあるのにおろそかにするようなことはしないので、健康のためにも作らないといけないんです」

 

 はい。キミちゃんが作ってあげるようになるまでは一日三食ゼリー飲料になることもざらだったというお話でした。さすがに毎日じゃないでしょうけど。いくら先生のお仕事が忙しいからって、食事がきちんとできていないと体力なくなっちゃいそうです。

 

「そうなのね。ごめんなさい、悪いこと聞いちゃったかしら。大変だったのね」

「いえ、大したことないですよ。両親が事故で亡くなったのも10年位前ですし、一人暮ら――、自炊してたのもだいぶ長いですから、もう慣れちゃいました。それを考えると、私がいまのお父さんに引き取られたのは、お父さんにとってはその辺も含めて幸運でしたね!」

 

 さらっとお父さんが養父だっていってる。ところで私も知らなかったんですけど、キミちゃん? どうりで似ていないわけです。あと、キミちゃんと一緒に生活できるようになったお父さんは本当に幸運だと思います。

 

「そ、そうなのね」

「おまえも、いろいろあんだな……」

「人生いろいろっていうけど、うん。大変だったろうに、すげえまっすぐに育ったな」

「キミちゃんはメンタルさいつよな女の子なのですね……」

 

 似た雰囲気の顔が3人分、なんだか遠い目をしているような気がします。たぶん私もですが。

 

「でも、料理経験の長さは自信があったんですけど、冬美お姉さんも夏雄お兄さんもお料理が上手で私よりおいしいし、焦凍がうらやましいです。轟お父さんは無理でしょうから、お母さまとか、そのお手伝いさんが教えてくれたんですか?」

 

 あ。キミちゃんがそういったら、なんか3人の雰囲気が少し変わりましたね? 私、こういった変化には敏感な方なのです。

 

「そう、ね。作るようになったのはお手伝いさんが来られなくなっちゃってからだし、母はそれよりも前、私たちが子供のときに入院したっきりだから……」

「ああ、俺と冬姉でネット見たり本読んだりして勉強したな」

 

 お2人が視線を交わしてる横で、焦凍くんがちょっと暗い顔をしてますね? キミちゃんは素知らぬ様子です。

 

「入院だとそれも大変ですね。独学……、あ、二人三脚学か。それでこんなにおいしいなんてすごいですね。ぜひ今度、私も教えてもらいたいです!」

 

 キミちゃん動じません。天使のような笑顔です。

 

  

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 少し雰囲気がおかしなことになる場面を挟みつつも食事は終わり、食後のお茶をいただきながらのご歓談。

 

「焦凍よりも強いって、あんだけ訓練してんのに?」

「ああ、本気出した公子に、まだまだ勝てる自信ねえ」

「ふふーん、年季の違いってやつかなー?*6

「同い年だろ」

「キミちゃんも焦凍くんも早いし力強いしですし個性はインチキですし、私いつもコテンパンです」

「ヒミちゃんこそ、訓練するようになってからそんなに経ってないのに、とてもそうとは思えないくらいの動きしてると思うけど……」

「猫みたいだよな。フェイントの入れ方とか避け方とか、俺らが見習うことがだいぶ増えた」

「えへへー、嬉しいです」

「3人ともすごいのねぇ」

 

 そんな具合に、普段の3人の過ごし方であったり、主に焦凍の学校での生活の話だったりが続く。どうも炎司だけではなく、普段は焦凍もあまりのんびりと家族と話す時間を作っていなかったそうで、学校の話などは冬美も夏雄も興味深く聞いていた。

 

「焦凍の学校の話を焦凍の友達と、ましてや女の子の友達を交えて聞いたりすることになるとは思わなかったな」

「私も」

「まあ、連れてきたくても、公子ちゃんたちぐらいじゃなきゃあいつが黙ってなかっただろうし、難しかったかもしれないけどな。どうせ、そんな時間などないとかいいだして邪魔しに来やがるんだ」

「こら、夏」

「いいだろ、事実じゃん」

「ああ、あってる」

「夏くんも焦凍も、2人が困るわよ……」

「あ、大丈夫です。轟お父さんのキャラは十分わかっているつもりなので」

「はい、轟パパ、解釈一致です」

「そ、そう?」

 

 それはそれでどうなのかしら、と首をひねる冬美である。

 

「焦凍がすごいかわいくてつよーい女の子を2人も連れてきたって、お母さんにちゃんと教えてあげないと」

 

 聞かせるというよりも、つい口から洩れたというのに近い冬美の声に、公子が真っ先に反応する。

 

「焦凍だけだと強い部分ばっかり話しそうですから、ちゃんとかわいいって念押しして伝えてくださいね」

 

 ね、焦凍? とみると、焦凍が珍しく困ったような表情を浮かべている。姉兄も気まずそうだし、それを見て取った被身子は首をかしげている。

 

「ああ、なんだ。俺、お母さんの見舞いいったことねえんだ」

「そうなの……?」

 

 目線を下げながらの言葉に、公子は思案気に返す。

 

「そうね、焦凍は訓練で忙しいから、なかなか時間取れないのよね」

「あ、いや……。姉さん、夏兄、いいか?」

 

 少し焦ったようなフォローめいた口を挟む冬美を遮る焦凍に、夏雄も困った顔をした。2人で顔を見合わせ、

 

「あなたが話したいのよね? だったら私たちは」

「ああ。俺と姉ちゃんのことは気にすんな」

 

 焦凍を見て、うなずく。

 

「悪い……。公子も被身子も、ちょっと気分いい話じゃねえが、聞いてくれるか?」

 

  

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 焦凍が話したのは、この“個性”社会だからこそ起きた事件。……とまではあまり公子には感じられなかったが、十分に悲惨といえる家庭環境の話だった。

 

 超えたい、超えると想い続けてきたNo.1ヒーローであるオールマイトに追いつき、追い越すことを半ばあきらめ、自身の子供にその夢を押し付けるために彼が行った個性婚と、その犠牲者である冷という女性の話。そして、不本意な結婚をする羽目に陥り、やがて心を壊して、愛する息子の、夫由来の個性を宿す左側の顔に熱湯を浴びせかけるという事件を起こし、入院するにまで至った母親の話。

 

「そっか、それで、戦闘では炎は使わない様にしてたんだ」

「ああ。そんなになるまでお母さんを追い詰めたクソ親父の力には頼りたくねえ。あいつが間違ってたんだって証明するためにも、お母さんの力だけで強くなりたいんだ」

「焦凍……」

 

 淡々と告げる弟に、姉も兄も痛ましそうな目を向ける。

 

「……まあ、そういうことだ。悪いのはあいつだとしても、俺がお母さんを追い詰めちまったんだと思うと、どんな顔して会いにいきゃいいのかわかんねえし、お母さんも俺の顔なんて見たくねえだろ」

「いやそうなるの?」

 

 即座に差し込まれる公子の素早い突っ込み。

 

「そうじゃねえか?」

「え、そうなんですか? お姉さんとお兄さん」

 

 不思議がる弟に、姉と兄も今度は意外そうな目を向ける。

 

「お母さんは特にそんなこといってないわよね」

「どっちかっていうと、お母さんは顔見たがってると思うぞ」

「そうなのか?」

「……もしかして、お母さまのほうはお母さまのほうで、焦凍が自分を恨んでいるとか思い込んでたりしない? 焦凍、別にいまの感じだと、ぜんぜん恨んでなさそうだよね?」

「なんで俺がお母さんを恨むんだ?」

「……」

「……」

「……」

「……あのう」

 

 おずおずと、被身子が手を上げる。

 

「私がいうお話じゃない気はするんですけど、ご家族、おハナシが足りていないことないですか……?」

 

 足りないどころか対話が成り立たなかったご家庭出身の被身子の言葉に、三者三様の表情でそれぞれ視線を交わす。

 

「そうかも、しれないわね」

「俺は焦凍が会いにいきたがらないから、気まずさがあったのかとは思ってはいたけど……」

「まあ、そんなこともあるよね!」

「そうか……」

 

 そういった次第で、焦凍の杞憂であった可能性が高いと思われることから、まずは最初に焦凍が手紙を書くこととなり、それを持った冬美たちがお見舞いにいき、問題なさそうであればその次は焦凍も一緒にいく。ということになったのである。

 

「それはそれとして、今度、轟お父さんぶん殴っておきますね!」

「ぜひよろしく」

「私の分もお願い」

「俺は自分でやる」

「私も一発はあててみたいです」

 

 そういうことになった。

  

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 そのあと話の流れで、あまりに大きな期待を向けて育てておきながらも、後に個性と体質の相性が悪かったために見放されたことで関係をこじらせ、結局は個性事故で亡くなってしまった長男の話という本日一番の重い話が出たのだが……。

 

「今度、私ができる一番の組み合わせ*7で轟お父さんにぶちかますね*8

「囮は任せろ」

「私は隙を見て膝カックンします!」

 

 基本的にエンデヴァーが父親としても人間としても大変に罪業を重ねているため、制裁するという方向で盛り上がってしまい、あまり悪い空気にはならなかった。

 

「そもそもお母さんがあんなに思いつめちゃったのも、燈矢兄のことがあったからかもしれないな。燈矢兄も親父のせいでだいぶ参っちゃってたし」

「入院し始めたときよりもっと悪くなっちゃったのも、燈矢兄の事件が後押しになっちゃったからだと思うんだよね」

「それを考えたら、いくらぶん殴ってもらっても足りないな……。てか、俺らが当時ぶん殴ってなきゃいけなかったんだけどな」

「無理だろ」

 

 そうだよねえ……、と公子も思う。話を聞くに、どちらもまだ小学生や中学生という時代のころになる。前に読んだことのある、熱血野球漫画のような環境であれば、子供にはどうしようもできない。といったことを、「こんな話」としてその漫画のエピソードを紹介しながらいうと、冬美も夏雄も、

 

「どっちのほうがマシだ……?」

「どっちもいやよ」

「さもありなんです。でも、キミちゃんそういうのも読むんですね」

「うん、弟が好き()()()の」

 

 また少し微妙な空気になったりもしつつ。

 

「なんだろう、こうして親父のこと愚痴ったりこき下ろしたりするの初めてかもしんねえ」

「私もなかったわね」

 

 No.2ヒーローのエンデヴァーは知名度も相当なものであり、彼らの父親がそれだということも周囲には公然のことであるから、下手な話はできないのは当然だろうなと公子は思う。

 

「そうなんだよ。あいつ、普段家にはいないくせに行事には何かと顔出すんだよな。入学式とか」

「そうね。そのたびにほかの保護者の方とか、ファンの方とかも集まってくるから、恥ずかしかったわ」

「授業参観なんてどんな拷問だと思ったわ、俺」

「……ここ数年は特に忙しいみたいだし、さすがに私の卒業式に来たりはしないわよね、多分」

「今年、俺の入学式のときは姉さんだけだったもんな」

「私は一応、ママが来ましたね」

「お父さん、またスーツ着てくれないかなぁ」

 

 きちんと身だしなみをしても目つきは鋭いので、少しその筋のひとにも見えなくもないのだが、公子としてはわりと気に入っている姿だった。

 

「って、もう16時か。随分引き留めちゃったな」

 

 という夏雄の言葉で、昼食会・兼・エンデヴァー関連のぶっちゃけ話なおしゃべり会という、轟家の面々にとってもいい気晴らしになったイベントは幕を閉じる。

  

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「それじゃあ、今日はありがとうございました!」

「ご馳走様でした!」

「こちらこそ、本当に楽しかったわ。いろいろお話も聞いてくれて、ありがとう」

「またいつでも来てくれよ。焦凍の友達なんてレアキャラなんだし、大歓迎だよ」

「ふふ、末永くよろしくお願いしますね」

「キミちゃん!?」

「おう、よろしく。また明日な」

「焦凍くん!?」

 

 何かしらの事件などの関係でマスコミが集まってくるのでもない限り、轟家の門前で若者たちが騒いでいる姿があるのは珍しいのか、ご近所さんらしき方々が興味深そうに見ながら通り過ぎていく。

 

「あ、今度もしよかったら、私もお母さまのお見舞いに伺わせてくださいね」

「ええ、わかったわ。きっと、母も喜んでくれると思う」

「わーたーしーもー!」

 

 そんなこんなの初顔合わせ。いろいろな意味でも意外なほどに長い付き合いになるという、そんな予感は、それぞれが無意識ながら感じていたかもしれない。

 


 

 子供にとっての1年間と大人にとっての1年間は長さが違うとは、さて誰がいいだしたものだろうか。それまでに生きてきた時間の長さと1年とを比較したときの割合の問題で大人の方が早く感じるということのようだが、そうすると、少なくとも3年以上を余分に経験してきた公子にとっては、他の同級生たちよりもこの日々は少しだけ早く感じられたかもしれない。

 

 いずれにしても、学業も青春もしながらの戦い続けたあのときと比べると平和で、それでいて、濃密な日々はそれなりに刺激的であり、それなりに退屈でもあり、それなりに騒ぎや事件には事欠かない時間であった。

 

 どのような騒ぎや事件があったかは別の機会に語られることもあろうけれど。

 

 迎えるのは中学校の卒業、雄英高校への進学であり――

 

 ――相澤公子が仲間と、最高のヒーローたちになるまでの物語である。

 

 

*1
「ふふ…ご立派ですわね」

*2
説明不要なタルタロス。なお、200階以上ある。

*3
とんでもないです。

*4
はい!

*5
塩味と思い込んでかぶりついたときは衝撃的だが、その先入観がなければ、砂糖だけなら食べられなくもない。具次第では致命的と思われる。もちろん、人による。

*6
実戦経験の回数と濃度とペルソナの有無の差。訓練期間の長さなら公子の圧倒的完敗。

*7
【チャージ】【タルカジャ】【ラクンダ】。

*8
できれば【ゴッドハンド】。




長かった中学生時代の章ですが、こちらで終了となります。

ペルソナ3、ヒロアカともに、わかっているひとにはいわずともわかる部分、逆にいえば未履修の場合はよくわからない部分などもあったかと思います。ここはどうしてこうなった! というところなどがありましたら、ご質問いただければご説明いたしますので、どうぞお申し付けくださいませ。

あと、皆さんヒロアカで思っていただろう「轟家、溜め込みすぎだろ問題」については、こうなりました。あの人たち会話もしなさすぎですよね。主にエンデヴァーが悪いんですけど。

というわけで、次は新章の始まりです。引き続き、よろしくお願いいたします!
なお、明日は所用のため更新なしの予定です。

■幕間(上述の明日にあたる今日)

「キミちゃん、あんまり気にしてない感じでしたね、個性婚」
「そう?」
「私も別にですけど」
「だよね。家柄や能力目当ての政略結婚って当たり前な気もするし……」
「そうなんです?」
「歴史的にはね。あと、ほら。この子とこの子を掛け合わせると、引き継いであーなってってあるじゃない。天使系に闇耐性をつけるとか」
「はい?」
「あー。えっと、ほら。お馬さんでも因子で決めるとことかもあるし」
「お馬さんですか、あんまりわかんないですけど」
「うん。まあ、自分でされたら嫌かもしれないけどね」
「はえー」

そんな会話があったそうです。
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