【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア! 作:Cran
雄英高校入学後が本編にあたるわけですが、いきなり突入してもなあというわけで、中学生です。年齢詐称です。
前話から雄英高校入学までのいきさつだとか、どんな日常を送ってきたのかとかの解説を兼ねた感じで、数話はこんな具合で中学生時代(今話はその直前ですが)をお送りします。
これらの時期をあんまり長々と書いてもダレてしまうでしょうし手短に。
もし何かしらご要望があったらおっしゃっていただけると嬉しいです。
例えば、ペルソナ3もヒロアカもわかっている前提で描写しているので、もっと説明が欲しい! とか、なんでも。
静岡県立月城中学校。
全国的に有名なヒーロー育成のための教育機関である雄英高校に立地が近い、かなり学業レベルの高い私立中学校である。ヒーローファンの住民が多いことや、ヒーローへの嫌がらせめいた突発的な
「そんなところに楽々合格できちゃう私ってばてんさーい、ただいまー」
などと、病院からの帰宅早々に、その表面上の自賛の言葉とは裏腹の死んだような目をしながら紙の合格通知を見せてくる娘に対して、その父親のほうは半目で応じる。
「おかえり。もっと喜んでみせたらどうだ」
「年齢詐称にもほどがある合格生なのでお断りしまーす」
「ほかの学生の入学枠は削られないんだし、学力が認められたってんだからありがたく思っとけ」
「中身は高校生ですー」
今更中学校合格で喜べませんとばかりに不本意そうに舌を出す娘に、ラップトップPCの画面に視線を戻しながら消太はため息をつく。
「もう決着した同じ話をなんども蒸し返すのは合理性に欠くぞ、
ちょっと前までは確かに独身だった彼に
俗にいう綺麗系と可愛い系で考えるとやや前者寄りの赤い目の少女。父娘で外出した時に説明なしで親子とみてくれるものは、まあ滅多にいない。誘拐犯やその他の人にいえない関係などと疑われることさえなくても、「何か事情があるんだな」といった目を向けられることはしばしばある。
さっさと手を洗って、ぴらぴらと合格用紙を振りつつ炬燵に寄っていく。
「お父さんにはわからないだろうけれども、決着してても受け入れられない女心と冬の空っと」
「女心を語るにはまだガキだろうが、……おい、まだ仕事中」
ひょいと掛布団をめくりあげて自身の足の中に収まる公子に、さすがに受け持ち生徒たちの情報は見せられないためラップトップPCの蓋を閉じる。
「いいじゃない、今日の午後からはもう保護者の日の領分でしょ? ほら、睡ちゃんと山田さんお祝いに来てくれるってさ」
保護者の日。ちょっと複雑な事情のためにこの父娘に対して特別に試験的に設けられた、イレイザーヘッドの休暇制度で、彼が休暇を取っている間は学校では彼の代わりの教員が生徒を見ている*3。
「俺は聞いてないが」
「いつものことじゃん」
「香山さんはともかく山田の奴はラジオどうすんだ」
「いつものことじゃん」
山田ひざしこと、ヒーローネームをプレゼント・マイクは本人曰く人気絶頂のチャンネルを持っており、毎週金曜日は深夜から早朝までぶっ通しでしゃべり倒す時間である。
そのはずだが、公子が肩越しに見せてくるスマートフォンの画面にははっきりと、スタンプと一緒に「おめでとう! 今夜は4人で乾杯して朝まではしゃごうZE!」的なことがもっと豊富な文章でハイテンションに並べ立てられている。
ちなみに雄英高校の先輩後輩と公子で結成されているグループチャットに消太は参加していない。ひたすら山田がうるさいので。
なお、プレゼント・マイクがラジオの放送を欠かした事例を少なくとも公子は知らない。消太は特に興味がないという意味で知らない。敵事件で呼び出しがあった日も空きを作っていなかったはずだから、公子はひっそりとプレゼント・マイクは影武者でも持っているか、それこそペルソナかシャドウかそれに似たなんかなのではないかと指摘したくなったことがある。もちろん本気ではないが、あのバイタリティは刺しても死ななさそうなキャラクター性にあふれている。
天板に並べられた合格通知とその他の書類を見はじめた消太の胸元に、公子は後頭部をこすりつける。後ろでくくられた髪の毛がごりごりと存在を主張する。
「それでお父さまお父さま」
「あん?」
振る舞いが猫みたいなんだよなと、これまでのそれほど長くない生活の中で何度もよぎった感想が頭にわいてくる。
「そういうわけで今日は夕飯はリカちゃんたちが買ってきてくれるから時間があるし、訓練付き合ってくれない?」
「訓練か。……ま、食事前の運動にはいいだろ。ジムに予約入れとけ」
「入れといた」
「はええよ」
「決まったことなら割り込みがないようさっさと予約をしておくのが“合理的”でしょ?」
「うるせえよ」
背中越しに見上げて得意そうに自身の口癖をまねる娘に決定事項なら聞くなとぼやくと、消太は立ち上がりつつ公子を持ち上げる。
「あー」
それこそ猫のように両手両足を伸び切らせ、素直に持ち上げられて動かされて最後におろされる様子に、くっと消太は笑みを浮かべて、娘の頭に手をのせる。
「なによー」
「やっぱ女心だとか嘯くのは、はええだろ」
「ひどいこといったね?」
自身が申し出た訓練に付き合うための準備をしにいったであろう父親の背中を見送り、公子も笑みを漏らす。
口の利き方や振る舞いはぶっきらぼうなのに優しかったり生真面目だったり、妙にかわいいところがある父親であり、
(本当に誰か*4に似ているんだよねえ……)
髪の長さも。
楽しくなった気分そのままに口笛*5を吹きながら、公子も訓練の準備にかかる。それは着替えと得物。
得物はウォークインクローゼットの中に鎮座ましましている使い込んだ方ではなく、訓練用の薙刀だ。長さこそ公子に合わせて短めだが、重さや取り回しは実戦にも耐えられそうな本格的な代物である。
訓練場所はこの
プロヒーローを中心とした顧客を主に見込んだこの物件ならではの戦闘訓練用のジムである。
「ひっさしぶりーの、くんれんーじっかん、きょうはーなんじ、かんで、きーるかっなっ♪」
「シャワー浴びる時間ぐらい考えとけよ?」
そのあと、休憩をはさみつつもたっぷり3時間は運動した公子は、食事中もひたすらにご機嫌だったという。
もっとも、これはただの休暇や代理の制度ではない。代理が入っても本来の担任と同等の指導レベルを保てるようにしつつ休暇をとれることを目的としている。日々課題に向き合う生徒を休みなく導くことが必要で、引き継ぐ側も引き継がれる側も労力がかかり、消太も休暇とはいえ完全に仕事から解放されるわけではないのが実情だ。
といって、この制度が否定的にみられているかというとそうではない。
ヒーロー科は他の科よりもひとつの授業の重要性が高く、生徒はもちろん教師も非常に穴をあけにくい。とはいえ彼らはヒーローでもあり、緊急のヒーロー活動などでの臨時欠勤や負傷での欠勤はいつでも起こり得る。このため、いつ学校を休んでも誰かがしっかりと代わりを務められる環境を十全に整備することはもともと必要だった。
それに加えてヒーローであると同時に教師も人間。リフレッシュのための休暇も冠婚葬祭の休暇も取りにくい(もともと教師という職業柄、ヒーロー云々関係なく全体的にその風潮はあるが、ことさらに)ため、教師の健康や士気の観点、組織的なリスク管理の観点などからも、経営側としても長年の課題認識を持っていたところでもある。
そういったもろもろがあったがため、イレイザーヘッドの複雑な事情の発生から本制度の試験的導入までの期間は非常に短かったそうだ。消太としても、教師の急な欠勤等でダメージを受けてしまうような組織であるなら改善しないのは非合理的だとの考えから、周囲の面々の予想を反してすんなりと受け入れて、むしろ自身の経験を踏まえたさらなる改善に率先して取り組んでいるような次第である。
そして、現在のところ、特に所帯を持つことに興味の高い一部の教師陣を筆頭に、本制度は好意的に受け取られており、正式な制度化が地味に望まれている
解説の一部でした。どかっとまとめて説明を入れる方が話としては早いと思いつつも、ちょっとずつ見せていく方が好みなのですが、どんなものでしょうね。
注釈部分が一部長いです。もちろん捏造設定です。
検索したところ、月城中学校は国外に同名の学校があるようですが、もちろん関係はございません。
次回は、相澤消太の述懐です。
結城公子さんのコミュの恋人関係は? 必ず設定に反映するというアンケートではなく、皆さんはどのように感じていらっしゃるかなというものなので、お気軽に。
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真田先輩(熱血アニキ、真田 明彦)
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乾くん(侮れないショタ、天田 乾)
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荒垣先輩(我らがオカン、荒垣 真次郎)
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男主人公(禁断の双子の弟、男主人公)
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いない
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全員
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全員-男主人公