【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア!   作:Cran

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小説情報にちょっと注意書きとタグ:バタフライエフェクトを追加しました。

公子関連で、誰とかどことかいいませんが、登場人物の家庭環境や人生自体も変わっているため、それに付随して原作では違う道をたどっているひとや今後たどることになるひとなどもいるので、あらかじめです。焦凍くんやトガちゃんは述べるまでもなく。夜嵐くんの雄英進学などもそのうちのひとつですね。

今回は予告どおり戦闘訓練ですが、この組み合わせもごく一部を除いて変わります。
具体的には、緑谷・爆豪ペアの対戦以外は、原則、ヒーロー側かヴィラン側かも含めて編成はランダムです。

訓練における作戦や立ち回りも、私の認識している彼らの性格や個性に基づき、こうなるかなと考えたものになります。正気か。

なので、ちょっとイメージと違うところがあるかもしれません。
あらかじめ、お詫び申し上げます。合わないようでしたら、結果だけご覧いただいても話に支障が出ないようにしますので、どうかご容赦ください。

とはいえ、今話はその事前段階の話。前編です。
実際の訓練は次回から。


戦闘訓練①~個性だらけのタッグ(トリオ)戦・開幕~

「ねえ、ちょっと。ねえったら」

 

 うとうとしてしまったのだろうか。デスクに突っ伏して眠っていたようだ。

 

 顔を上げて振り返ると、彼女が立っている。

 

「………?」

「何よ、あなたが勉強してるから出来たら呼んでっていったんじゃない。もうみんな揃ってるわよ」

「…………」

「そうね、確かにこの時間に全員がそろうのは久しぶりかもね。ちょっと前回と間が空いちゃったから、今夜は行く前にしっかりここで食べて、気合いをいれてこうってみんなが思ったっていうハナシ」

 

 なるほど、と。妙にふんわりとした気持ちで、一緒に階下に降りていく。

 

 やけに懐かしさを感じる階段を降りて、1階のラウンジへ。先輩たちもキッチンから料理を運んだり、食器を準備しているのが伺える。こちらに気が付いて、弟が近寄ってくる。

 

「公子、やっぱり寝てたね」

「…………」

「駄目。バレバレ。突っ伏して寝た時の跡、顔についてる」

 

 呆れたように頬を突いてきた。

 気が付くと、横にエプロンを付けたあのひとも来ている。

 

「だからいっただろうが、どっか疲れた顔してっから、寝るかやるんならせめて下でやったほうがいいんじゃねえかって。ほら、もう座っとけ」

 

 彼に誘われて、椅子に腰を下ろす。そういわれてみると、なんだか世界を遠く感じる。

 

「ふ……、そういうところを見ると却って安心できる。無理をしても顔に出さないからな、君は」

「サブリーダーが疲れてんなら、オレが一段と頑張るっきゃねえな!」

「ほう、せっかくの機会だ、今日は切り込み隊長は譲らんぞ」

「僕も負けませんからね。あー、でも本当に大丈夫ですか? 今日は休んでいてもいいんじゃ」

「公子が控えに入るなら、最初は前衛に天田とコロマルのタッグで中央が僕、後ろに美鶴先輩かな。あとは、疲労を見ながらローテーションでいこうか」

「ワンッ」

「任せろ、だそうです。……バイタルは問題なし。寝不足である可能性が高いと判断します」

「なァ、なんか初っ端からオレの出番なくなってね?」

「心配するな、俺もだ」

「真打は最後ですから、ね?」

「風花は優しいわねぇ」

 

 いつの間にか、仲間で友人のみんなもテーブルについている。

 

「……あん? どうした、変な顔しやがって」

 

 隣で、彼がじっと見てくる。

 

「なんだ、いいたいことでもあるのか」

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「食堂から戻ってみたら、よく寝とるねえ」

「珍しいです。すやっすやですね。お弁当はちゃんと空っぽですけど」

「朝練で気合入れすぎたか?」

「それ、朝5時起きとかでやってるってやつでしょー? 私無理だぁ」

「三奈ちゃんは朝が弱そうな印象ね」

「あたり!」

「私は苦手でもないけど、寝癖がすごいから時間がかかるんだー」

「見えないけどね☆」

「バッカ、青山。乙女心ってやつだ、たぶん!」

「はっ、今なら接写で乙女の顔を持ち帰っグホァ!」

「イエローカード1枚目よ峰田ちゃん」

「すごい、オールマイトがサインを書くときみたいな速度だ」

「高次にして深遠なる存在を使役するとなれば、その精神への負荷がどれほどのものかは想像もできん」

「朝練じゃペルソナ使わねえぞ」

「ふむ。しかし、そろそろチャイムが鳴る。気は引けるが起こしてあげたほうがいいだろうな」

「そうですね、キミちゃーん」

「ん-……。ぃ……」

「およ?」

「あらがき、せんぱい……」

「先輩?」

「……だい、すきぃ……」

「「「「「!?」」」」」

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 公子はぱちりと目を覚ます。なんかよく寝たなあと思いながら、ぐぐぐっと大きく伸びをして――。

 

「うぉ」

 

 乙女にあるまじき声を漏らす。いつの間にか自席の周りをクラスメイトが取り囲んで、一様に雷にでも打たれたような表情で固まっている*1。馴染みの顔の被身子も、あまり表情に出てはいないが焦凍も似たような具合だ。

 

「お、おはよう?」

 

 気圧された声に、即座に反応したのは三奈である。がばっと公子の机に飛びついて迫る。顔が近い。

 

「ねねねねねねねね!」

「寝寝寝? うん、寝てた。起きたよ?」

「そーじゃなくって!」

 

 ぶんぶんと大げさな身振りで、ちがーう! とアピールする。魅力的な独特の目が宝石箱の中身を散りばめたように輝いている。いまだ凍り付いている被身子を除き、他の女子たちも興味津々の様子だ。

 

「先輩って、荒垣先輩って誰? 大好きっていってたもんね、今度こそカレ!?」

「あー……」

 

 やらかしたかと、三奈のすげぇ勢いに状況を察する。たじたじの様子であるが女子たちも気になる話題のようで見守る姿勢だ。

 

「そうだね、まあ」

「もしかしてうちに在学してるのかな、気になる! 写メとかない? 見てみたい!」

「んーと、在学してないし、写メはね、あったけど当時の携帯なくしちゃったかな」

 

 珍しくいい淀んでいる様子を見て、それまで被身子と同様に固まっていた焦凍がはたと気が付いて、静止するために進み出つつ声を挟もうとするが。

 

「私も見たいし、また、会いたいんだけどね」

 

 眉根を下げた困ったような微笑みとともになされた返答には間に合わなかった。

 

 三奈のハイテンションな騒ぎっぷりに、爆豪も含めたクラスの全員が少なからず注目をしていたこともあり、染み込んでいくようなその声をそれぞれが聞いていた。そして、否応なく理解する。相手が遠い国や地域に住んでいるとか仲がこじれたとか、そういった理由ではなく、本当に何をどうしたところで、きっと公子がその先輩に会うことは決してかなわないのだろうと。

 

「あ……その……」

 

 三奈がいい淀み、訪れた静寂の中にチャイムが鳴り始め、そして鳴り終わると同時に、スパッと扉が開く。

 

「わーたーしーがー!! 普通にドアから……来た?」

 

 笑顔で飛び込むように入ってきたNo.1ヒーローは、予想外のクラスの様子に目を見張った。そしてぐるりと面々を見渡してから、うむとうなずいて、グッと親指を立てる。

 

「HAHAHAHAHA! どうしたんだいヒーローの卵ども、やけに元気がないな! 午後一の授業はヒーロー基礎学! 笑顔で行こうぜ!!!」

 

――無理……!!

 

 示し合わせたわけでもなく、1年A組の心はひとつであった。

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 既に道中から重苦しい雰囲気があったが、更衣室についても、女子たちは気まずそうな空気である。とりわけ、

 

(私、サイテーだ……)

 

 三奈は涙目になってしまうほどである。

 

 当然に、悪気があったわけではまったくない。単にそういう話が好きで、とても面白く楽しそうものに飛びついただけのつもりだったが、出会ってそう間もないクラスメイトの心を傷つける、いや、傷をえぐるようなことをしてしまったと後悔に苛まれていた。周囲の女子たちも多かれ少なかれそのような様子で、例外は被身子くらいなもので、こちらは何か物思いにふけっているようだ。他はみな、着替えの手を動かしつつも、気遣わし気な視線を、ちょいちょいと三奈や公子に向けている。

 

(失恋とかそういう話じゃ絶対ないもん。病気とか事故とか、もしかしたらヴィランの事件に巻き込まれちゃったとか、多分、そんな感じ。最初、あれ困ってたよね、ちゃんと見てたら照れてるとかの反応じゃないってわかったかもしれないのに)

 

 しかしまあ、そんな雰囲気にも三奈の動揺にも渦中の公子が気が付かないはずもない。郷愁じみた思いは胸の中に残っているが、それはそれである。寝起きでぼんやりしていたとはいえ、公子としてももう少しうまい流し方はできたはずだったと、こちらも罪悪感がある。

 

「ごめんね、三奈ちゃん。嫌な気持ちにさせちゃってるよね」

「ぅえ」

 

 自分の身支度は急いで終えてしまい、のろのろとコスチュームを着ようとしている三奈のところに行き、声をかけつつ着替えを手伝う。

 

「ううん、私がごめん。無神経なこといったみたいで、公子ちゃん傷つけちゃった」

「いーのいーの、気にしないから気にしないで」

「ごめぇん……」

 

 俯いたままの三奈の頭をうりうりと撫でる。それから顔を上向かせ、滲んだ涙を拭ってやり、ついと口元の両側に指で軽く触れて上げさせる。

 

「オールマイトじゃないけど、笑顔で元気よく行こ! せっかくのオールマイトの授業なんだから、ね!」

「ん。うん!」

「ヨシ可愛い、バッチリ!」

 

 公子も笑顔になってぎゅっと三奈を抱きしめた後、ぐるりと更衣室を見渡した。

 ばっと腕を上げて、

 

「というわけで、みんなも元気よく行こうぜ!」

 

 その一声に「おー!」と元気印メンバーその1である透が手袋を上げて応じ、他の一同も続く。

 

(みんな元気になってよかったです。むむむ、でもそれはそれとして、トガは気になります。私がキミちゃんと一緒にいるようになってからですが、そんな彼氏みたいなひと、姿を見たことも話を聞いたこともないです)

 

 男子にも女子にも大いにモテていた公子の身の回りについては、独占欲もあれば悪い虫を寄せ付けたくないという保護欲もあった被身子はいつも神経をとがらせていたため、そういった話があれば、少なからずヒミコの耳にも入っているはずである。公子が3年生のときの学校生活のことであればわからないが、恋愛関係の話であれば公子が被身子に話してくれないとも考えにくい。

 

 であれば小学生以前の話ということになり、となると亡くなっちゃったご家族のことのようなあまり踏み込んじゃいけない過去との関係も疑われるわけで。教えてくれるのを気長に待つしかないけれど。

 

(キミちゃんはひとのことばっかりで、大事にしてくれてるのはわかっていますけど、私たちだってキミちゃんのこと大事にしてるんですからね。ショートくんもとっても気にしていた風ですし、キミちゃん、わかってますかね。キミちゃんのことになるとショートくんはしつこいんです。こういう何かあったときに質問攻めにされるのはトガなんです。まったく、ほんの僅差ですけどショートくんのほうが私よりキミちゃんと付き合い長いんですから自分で考えてほしいものです。ほんの僅差ですけど)

 

 こちらはこちらで、別の方向性でうだうだとする被身子であった。

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

「うーん、めっちゃ見られてる。すごく見られてる」

「さもありなんです」

 

 女子たちの気分は入れ替えることは出来たものの、同じ更衣室で着替えているわけもなし、男子たちのほうは先ほどの件が持ち越されているままのようである。さすがに、切り替えの早いメンバーもいるが、生真面目な飯田や優し気な口田などは今も気遣わしそうな視線を向けているし、誰より何より焦凍が何を隠すこともなくまっすぐに公子を見据えている。視線が痛い。

 

 それはともかく、授業である。

 焦凍もそれ以外の男子も、聞きたいことや話したいことはあるかもしれないが後回しだ。

 

 戦闘訓練と銘打った今回の授業について、オールマイトが途中途中でカンペを見るなどといった、たどたどしさこそ見受けられるけれども懸命に教師の役割をこなそうとしている。

 

「2対2の屋内対人訓練か。ちょっと楽しそうだね」

「でも、5組はできますけど、2人あまっちゃいますよね?」

「そのとおり! いい疑問だね、渡我少女。そう、あまりが出てしまうため、2つのチームは3対3だ!」

 

 ビシィっと三つの指を立ててみせるオールマイト。

 

「ヴィランに対する数的不利がない保障なんて現場ではないんだけどね、そこは訓練だと大目に見てくれ! 今回は2対2と3対3での同数さ。さて、組み合わせと人数は、くじで決める! さあ、時間は有限、次々引いてくれ!」

 

 事情があって巻き目で進行するオールマイトから一部イレイザーヘッドナイズドなフレーズが飛び出たりしたが、誰も気にせずにクジを引いていく。

 

 その結果は、次の通りであった。

 

 

①Aチーム VS Dチーム

 Hero :緑谷・麗日

 Villain:爆豪・飯田

 

「デクくん、よろしくね!」

「う、うん! 麗日さん」

 

「爆豪君とか。よろしく頼む」

「ケッ!」

 

 

②Bチーム VS Cチーム

 Hero :砂藤・切島・耳郎

 Villain:芦戸・蛙吹・葉隠

 

「ヨッシャア! 男のヒーロー魂、見せてやろうぜ!」

「おうよぉ!」

「ウチやだ、相手チームに行きたい……」

 

「女の子パワー、見せちゃおう!」

「ケロ、三奈ちゃん、元気になってよかったわ」

「耳郎ちゃんが悲しそう」

 

 

③Eチーム VS Fチーム

 Hero :瀬呂・上鳴

 Villain:峰田・渡我

 

「なんか今、俺のキャラが食われそうな気がしてる」

「大丈夫だ、俺に任せとけー!」

 

「戦闘の最中にうっかりぶつかっちまっても仕方ねぇよなぁ…!?」

「なんか相手じゃなく味方から禍々しいものを感じます」

 

 

④Hチーム VS Gチーム

 Hero :八百万・青山

 Villain:常闇・障子

 

「戦う前から勝負は始まっているとはいいますものの、どうしたものでしょう」

「僕のキラキラタイムの始まりさ!」

 

「テストにて見た個性を考慮すると……、不利かもしれん」

「異形型同士でペアか。さて、この相性はどうなるかな」

 

 

⑤Iチーム VS Jチーム

 Hero :相澤・口田

 Villain:轟・尾白

 

「このカードかー。ごめん、口田くん、君が頼りだわ」

「……!*2

 

「……尾白、わりぃ。俺は公子の相手で手一杯になる。頼らせてくれ」

「とんでもない気迫だ……、うん、任せてくれ!」

 

 

「出揃ったね、それでは――、訓練開始!!

*1
上鳴「冤罪です!」

*2
「う、うん。よくわからないけど、頑張るよ!」といっている。




戦闘訓練はこうなりました。なお、前書きでの「原則ランダム」には事情がありまして、公子、トガちゃん、焦凍くんは同じチームにはならないようにしました。話として散らした方が面白いかもしれないし、入試上位が集まりすぎて戦力バランスが悪いし、という都合の問題です。乱数で該当する組み合わせがでたら、全員ダイスを振り直ししました。

そこにきて、4回も振り直しをさせてくれたこの3名はカップリング?を乱数の神様に期待されすぎだと思います。

さて、どうなることやらですね。

次は、訓練開始です。
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