【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア!   作:Cran

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ペルソナ3の主人公にしてP3Pの男主人公こと愛称キタローもそうですが、両主人公ともとんでもない大食いなのはキャラ付けなのか常人に比べてはるかに多くのペルソナを操るワイルドだから活力を必要とするとかの理由でもあるのでしょうか。ないかな。

予定より長くなってしまったので、②の1みたいなわけわからないことになってしまいました。反省。


2回目の中学生時代②~相澤消太の述懐・前編~

(随分とまあ、元気になったもんだ)

 

 久しぶりとは公子の弁であるが、たかだか1週間ぶりの戦闘訓練でも始まる前からはしゃぎ、それが終わったあとである今の合格祝いを兼ねたOB・OG+α会でも、「私、活力余ってます」とばかりに賑やかな振る舞いを見せ可愛がられている様子に、なんとはなしに思う。

 

 と、食事の手が止まっていたらしい。

 

「相澤くーん、早く食べないとピザなくなるわよー」

「ピザってのは片手で食える分マシですけど、いちいち手が汚れるのは気に入らないんですよね。この前も現場に持ってきた奴がいましたが、まったく合理的じゃない」

「ンなこといってしっかり食ってたじゃねえかよ!?」

「まあまあ、放っといたらお父さん塩おにぎりで済ませちゃいますからよかったですよ。ゼリー飲料を卒業しただけマシですけど」

「キミちゃんのお手柄のひとつよねぇ。でも脂で汚れた手で『もう大丈夫、俺が来た!』なんて手を差し出されてもちょっと困るのは同意だわ」

「こいつはシヴィー!」

「ヒーローにはウェットティッシュの携行が必要かもしれませんね」

「だそうだ山田。次は合わせて持って来い」

「こいつもシヴィー!」

 

 訓練の後に二人ともしっかり身を清めて迎えた夕飯である。

 雄英高校OB・OGという仲*1ではあるとはいえこの3人が仕事の後で集まって誰かの自宅で食事といったものは公子が来るまでは数えるほどもなかったように、消太はつらつらと思い返す。

 

 あったとして、せいぜいがどこかの飲み屋に軽く寄る程度だ。

 

 それも山田ひざしパーティーとでもいうのかというくらいにやたらとしゃべる山田と、オフだと意外なほど騒がない香山と、基本不愛想に相槌を返すだけの消太という悪くはないが控えめなものだった。

 

 何しろ、全員そろって多忙なお仕事であるからして、生徒の補習やら自主活動の監督などのイベントがいつでも発生するし、そうでなくても各種書類の作成や整理などやるべきこともやっておきたいことも毎日のように山とわいてくるため、意図しない限りは退勤時間が合うことなどほとんどない。

 

(子はかすがいなんていうんだったか。あれは夫婦関係だから当てはまらないが、似たようなもんかもしれないな)

 

 公子の保護から今に至るまでには結構な人間がかかわってきたが、消太がこの少女の父親になるにあたり、その実現のためにもっとも率先して取り組み、気を回してきたのが香山睡と山田ひざしの2人であり、そういったこともあってか消太の関係者の中で公子が一番なついたのもこの2人で、自然とお友達仲間が結成され、いまのような付き合いに変化している。

 

 もくもくとピザを飲み下し、そのままサイドメニューのから揚げに手を付ける。横目に、山田にグラスになみなみとビールをお酌する公子や、あふれそうになる泡を慌てて吸っているところに、ついでにそのまま一気飲みするようにけしかける香山の姿なんかも見える。

 

(ま、元気なのも平和なのもいいことだ)

 

 公子が意識を最初に取り戻した際の事件はとんでもなかった。あの日の自分に、後にこうしたある程度平和な日常が来るなど教えても、到底信じてはもらえないだろう。

 

(マジでな)

 

 

 υ´• ﻌ •`υ

 

 

 消太が重傷の少女をリカバリーガールに預けた後のこと。

 

 少女が例えば敵組織の犯罪に巻き込まれ、例えば身柄を追われている可能性があり、ひとまずは医療も防犯も優れた雄英高校でかくまうことが校長主導で速やかに決定され、警察や病院の協力のもとでリカバリーガールが引き続き看護にあたることとなった。なお、前述の可能性と雄英高校での保護を強く訴えたのは消太であったが、彼がいわずとも自然とその形に落ち着いたと思われる。

 

 消太は通常通りに教師としての仕事に取り組むかたわら、時間を見ては少女のもとへ訪れるようにしている。この日は休日のため、巡回帰りの立ち寄りで面会に来ていた。

 

 リカバリーガールが個性を駆使しながらの治療に入って数日。

 体力の回復は驚くほどに早く、もっと日数がかかるかと思われた外傷の治療はとっくに終わっているが、

 

「まだ眠りっぱなしですかね」

 

 という状態である。

 

 ベッド横の椅子に座るリカバリーガールに、消太も近づいて少女の顔を覗き込むと、穏やかな表情で静かな寝息を立てている。各種の計器はつながれているが、保護当初のような凄惨な様子はない。

 

「状態は安定しているんだけどねえ」

「やはり、心因性の問題と考えたほうがよさそうですね……」

 

 リカバリーガールは他者の傷をその体力の消費と引き換えに癒す能力を持っている。その個性柄か、相手の体の状態を診る目については余人の追随を許さないものがある。その彼女からしても肉体的にはすでに正常の状態で、脳波等も含んだ各種の検査の結果にも問題はない健康状態だ。

 

「事件か事故かはまだわかりませんが、何があったことやら」

「ああ、そっちの進展はどうなんだい」

「さっきも確認しましたが、ヒーロー関係、警察、病院、どれも収穫ゼロのまま進捗なしです」

 

 駆けつけてきた警察の立会いの下で少女が身に着けていた衣類や持ち物は回収され、身元の確認が開始されたのだが、消太のいうとおり大した成果はなかった。

 

「学生証が出てきたときには話が早いなんて思いましたが月光館学園なんていう学校法人は国内に確認できない、埋め込まれたICチップは規格が違うのかどうやっても解析できない、ついでに記載された生年月日を信じればこの子は100年以上前に生まれたっていうことになっちまう。

 着ていた服にしたって、あの時はそれどころじゃなかったから気が付きませんでしたが、どう考えてもサイズが合わない。

 この子が突然若返りでもしたんでなけりゃ、姉か誰かの服としか思えないですし、あのまったく手放そうとしなかった武器だって専門家でなくともひと目でわかるほどの業物*2ときた。

 何もかもがちぐはぐで不可解すぎますし、総じてわかったのは、何もわからないということだけです」

 

 ぼやきながら頭をかき回す消太だが、どことなくほほえましそうな表情をするリカバリーガールに、胡乱げな目を向ける。

 

「なんです」

「いやね、あんたがそんなにぼやく様子は久しく見ないからね。なんだか、娘の素行に悩むお父さんみたいな表情をしてるじゃあないか。新米教師が新米パパってのも面白いもんだと思っちまってね」

「からかわんでください」

 

 いやな顔をして手をぴらぴらと振る。その手には包帯がされていて、うっすらと血のにじんでいる。

 

「なんだい、怪我でもしたのかい」

「来る前に性質の悪いガキを見つけましてね」

「敵相手でもないのに珍しいじゃあないか」

「……追い払ったのはいいんですが、絡まれていた女性に新手の不審者と思われて噛まれました」

 

 おぼれた人を助けに行って逆におぼれさせられそうになるやつである。ヒーロー活動においても暴漢に襲われてパニック状態の被害者を助ける場合などに発生するケースはあり消太も普段は備えているのだが、さすがに素行不良のチンピラによる軽い問題ということで、注意がおろそかになってしまったのであった。

 

 気まずそうに経緯を話す消太に、リカバリーガールもあきれたようなため息をつく。

 

「あんたいい加減に身なりに気をつけな」

 

 雄英高校のみんなのばーちゃんからの指摘に、返す言葉もない。

 

「まったく、ちゃんと消毒はしたんだろうね」

「一応洗いはしましたがね」

 

 舐めておけば治るという言葉はあるが、人間の口内は細菌だらけであるし、特に噛まれた場合には感染症などの恐れもある。するすると包帯をとくと、まだ新しい傷口からは出血している状態だ。

 

「仕方ないね、消毒した後で治癒してあげ……!」

「……!?」

 

 道具を取ろうと立ち上がりかけたリカバリーガールは絶句し、消太も何事かとその目線を追って、目を見開く。

 

「……けが……」

 

 それまで身じろぎもせずに眠っていたはずの少女がわずかに瞼を開け、そしてゆったりと伸ばした手で、消太の手を取っている。

 

「意識、戻ったのか……?」

 

 突然のことに固まった消太に反応せず、少女は再び口を開く。

 

「≪ピクシー≫……、【ディア】……」

 

 かすれた声で何かを呼ばわる声、それから続いた現象に、消太は再度一層大きく目を見開いた。

 

 少女の身体のうちからあふれるように現れた光輪と、続くように姿を現す羽のある存在。

 半透明の妖精のようなそれは楽しそうに羽ばたき、くるくると宙を舞うと、やおら消太に手をかざす。同時に、消太も優しい光に包まれる。本来、ヒーローならば警戒し、何かの攻撃と思って動くべきだったかもしれないが、そういった反応はできなかった。

 

「妖精かね……?」

 

 光が輝きを増していくのと合わせるように、消太の手に刻まれていた傷がゆっくりと塞がっていく。妖精はまた楽しそうに身をひるがえし、宙に溶けるように消えた。

 

 唖然としている2人を他所に、

 

「ふふ……」

 

 その回復を安心した風に見届けて、少女は再び瞼を閉ざして寝息を立てだす。

 戻ってくるのは、沈黙。

 

「……これは」

「傷が塞がっている、ねえ……」

 

 いち早く自分がやるべきことを思い出したリカバリーガールが消毒液を掛けながら手に残っていた血をぬぐうと、それはやはりきれいで、傷の痕跡はかけらもない。

 

「塞がっちまっちゃ、消毒にはならないですかね……」

「まあ、そうだろうね……」

 

 この後、腫れとかが出たら検査しないとねえ。

 出ないことを願いたいもんですね。

 

 そんな、どこか間の抜けた会話が少しの間、続くのであった。

*1
別に珍しいほどではなく、割とみられる関係である

*2
岩融ですから、多少はね?




現代日本で学生証にICチップが導入されたのは2009年だそうですね。そしてペルソナ3の舞台は2009年。あの世界でならこれくらいは余裕だろうということで捏造してます。
少し校正が足りませんので、後でちょこちょこ修正する可能性が大です。

結城公子さんのコミュの恋人関係は? 必ず設定に反映するというアンケートではなく、皆さんはどのように感じていらっしゃるかなというものなので、お気軽に。

  • 真田先輩(熱血アニキ、真田 明彦)
  • 乾くん(侮れないショタ、天田 乾)
  • 荒垣先輩(我らがオカン、荒垣 真次郎)
  • 男主人公(禁断の双子の弟、男主人公)
  • いない
  • 全員
  • 全員-男主人公
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