【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア! 作:Cran
こんな風に、タグには不定期更新とはあるように不定期になっちゃっていますが、なるたけ早めにお届けできればとは思っています。がんばるぞい。
時系列的にちょっと投稿順がおかしいのではと指摘を受けましたので、おいおい調整いたしますね。
今日の午前に、まとめて投稿のつもりでしたが、事情があり、いったん片方だけです。申し訳ねえ……。
爆豪勝己は憤っていた。いや、それは正確ではない。くすぶっていた。熾火のような怒りと悔しさと、もしかすると憎しみ、それも他者でなく自分に対する憎しみとがあいまった様々なものの混ざりものの中で、沸き立つような感情に心の幾割かを支配されるかのようなものを抱えていた。
だが、いつでも彼の中には確固たる怜悧さがある。
冷静な判断力も、判断に必要な知性も、それらを活用するための知能も、知識や経験を集めるための努力もあれば、それらを最大限に発揮するための最良の手順を導き出すための天性の直感もある。付け加えていえば、そういった内的なものを十分以上に余さずに外に出力させられるだけの肉体的な下地もあるし、そこに普段の鍛錬によってより上へ上へと積み上げられるための努力をもはや無思考でも行えるような才覚もあった。
だからこそ、爆豪は嗅ぎ取っていた。
(実力が見れたわけじゃねェが)
個性把握テスト、戦闘訓練、どちらを見ても思い知らされたことがある。
(クソ赤目女、クソ紅白野郎、気狂いクソ女。こいつらはどれをとっても、必ず俺が勝てるだなんざ、言い切ることができねえ)
クソクソ、と枕詞のようにつけるのはもはや習慣のようなものではあるかもしれないが、クラスメイトの特徴をきちんと見て記憶しているのは、決して彼がそれらあれらをないがしろにしていないことの傍証ともいえるのだろうか。
(クソ赤目は、見たこともないような個性で、神話的な存在を呼び出して力を使うことができる。その振れ幅は測定しようと思っても無理だろうぜ。それこそ、太陽神ラーなんざ、ゲームでもよくある名称だが、太陽を呼ばれたとしたら、そんじょそこらの人間なんざ一瞬で塵以下の存在になり果てるしかない。星ごと滅びるしかねえ。まあ、それをするには代償があるのは間違いないが。加えて、こいつの場合は、あの紅白との少しの肉弾戦を見ただけでもわかる。神話的なものに頼りきりになるでもねェ、個性にあぐらをかかずにきっちり鍛えている、うちに入るんなら当然だろうけどよ。あの見た目であの武器を棒切れみてえに振り回せるだけの腕力も相当だし、手も足も速ぇ)
爆豪は、着火すればすぐ爆発するというイメージや実際の行動から同世代はおろか中学校までの教員からすらもなかなかそうとは思われないが、実のところは極めてクレバーで、かつストイックな性質だ。つまり、情報を重視し、それを収集し、分析し、活用する。そのうえで、恵まれた身体能力や観察眼、何よりも克己心を発揮し、障害を乗り越えるための行動を重ねることができる、稀有な人材だ。だから、気に食うとか食わないとかで、侮ったり過分な評価をしたりすることはしない。見たものと聞いたものを無感情に振り分けて判断することができる。ただし、とある緑色の髪の毛の少年に対してだけはそういった面がおかしな働きをするようになってしまうのだが、今のところは本人にはっきりとした自覚はない。
(クソ紅白野郎。何の疑いの余地もない天敵だ。クソ赤目とやりあってた際に見せたような接近戦能力だけじゃねえ。問題は、ノータイムで放てる氷結、冷気だ。俺の“個性”の特性上、身体を冷やされるのは純粋にデバフになりやがる。それまでの状況をどれだけ有利に運んでも、少しの油断でひっくり返されるかもしれねえ。汗ひとつもかけなくなったら、こっちだけが個性抜きの戦いを強いられる)
個性ありとなしと、純粋な戦闘でいえば、ありのほうが有利になるというのはしごく当然の話であって、肉体の鍛錬とは別の土俵での勝負での勝敗にかかわる。フィジカルで勝利していても、個性によって殺されるのであればどうしようもないのだ。
(気狂いクソ女、これは読めねえ。読み切ることができねえ。変身だとかいっていたし、それだけでクラスのモブどもは納得していたが、その先を考えられねえのか。いつどこで、どのように戦術が変化するのかがわからないっていうことだし、そのわからないを常時強いられる戦闘になるっつうことだ。実際に目にしたのは先公の姿をとった時だけだが、姿だけじゃなく個性まで変身している可能性もあるんだ。それができるかできないかの正否はどうでもいい、できると考えたほうがいい。となれば、俺が、ここぞと仕込んだタイミングで、切り札にしていた個性がそのタイミングで抹消されることもありうる。抹消に加えて、いきなりクソ赤目女やクソ紅白野郎の個性を使ってくることも、それ以外の知らねえ誰かのものだって使ってきておかしくねえ。使ってくると想定すべきだ。何より、この2人よりも技術面がきめぇ。曲芸をする猫みてェな身体の使い方については俺ですら初見じゃ不意を打たれることだってありうる。女だ男だなんぞたわけたことをいうつもりはねえが、それでも、女特有のしなやかな動きと表現するようなやつだ。なんてのか、こんにゃくみてえにぬるっとした動きをしやがる。個性抜きの武器抜きで相手をしたら、お互いに致命的な攻撃が当たらない展開になりそうだ。クソが。俺の攻撃はぬるっといなされ、あいつの攻撃はあたっても痛手にならねえ。……だが、あいつが刃物を持っていたらどうだ? 一瞬の隙で太ぇ動脈部分なり手足の腱なりを切られれば負けだ。俺はだれを相手にしても恐れる気はねえが、刃物を持ったあいつとやりあうとするなら、命がけになりそうな毛が逆立つような気がしやがる)
などと考えが浮かんでくるが、結局のところ。
どれもこれも、むかつくんだよ。
これに尽きる。
そして、彼が何よりも“むかつく”のは、そう、クソデク。緑谷出久だ。
(無個性で、いつでも俺の後ろをついてきた、俺の、そう、オプションのひとつだ。ひとつだった。そのはずだった。その癖に俺を助けようとしやがるうぜえだけのモブオブモブだ。それが、無個性だったやつのそれが、俺を出し抜いて戦闘訓練で俺に勝ちやがった。いや、そりゃあもうどうでもいい。もらった個性だかなんだか知らねえが、もらったもんだろうが生来のもんだろうが、個性は個性だろうし、力は力だ。それを使いこなせるかどうか、どこまで成長できるか、それらをできてこれたその結果が、勝負での結果だ。それで、俺が負けたのは事実だ)
あのとき、なぜだかオールマイトがフォローに来やがったが、あのときに改めて思い知らされたことだ。もらった個性だかなんだか知らねえが、そいつぁ手前ぇの力だろうがよ。
(むかつくが。むかつくが、認めなくちゃならねえ。俺は、最低でもこいつら4人を足元に傅かせるだけの力を身につけなくちゃならねえ、それも、早急にだ。なんでかっていうなら、俺はオールマイトすら超えるヒーローになるからだ。ならなきゃならねえからだ。俺の名は勝己、いつだって自分自身に勝って、勝ち上がって、誰が相手でも勝って、たまに負けることはあっても仕方ねえが、そんな負けた自分にも勝って、最終的に頂点に立つ。そうでなくちゃ、俺じゃねえ。泥水を啜ることなんてこともあるだろうぜ、報道をされてねえだけでオールマイトだってエンデヴァーだって何かに負けたことなんざいくらでもあるに違いねェんだ*1。問題は、先も思ったとおりその負けた俺に勝ち、負かしたやつに勝つことだ)
だから、戦闘訓練が終わった日の翌朝、相澤先生のところに行った。
「おい」
「……」
この時間に来た自身でもいうのも妙だが、結構な早朝の職員室でデスクに座っていた相澤先生に声をかけると、ちらっと見るだけで何も答えやしない。
「あんただよ、あんた。相澤先生よ」
「……」
手元のパソコンに目を向けていたそれから今度は視線を変えないまま、ため息をつきやがる。
かっちゃんは感傷と感情に引き摺られるところあります(ました)けど、本当に才能マンでもあるし努力マンでもあるんですよね。なんか、ハム子がレベル50相当とかまで復活できたとしても、普通に肉薄してきそうですし、勝利したりしそうな感じがあります。原作最終でも、言動だけがネックというかなんというか。
あのへん、言動についてですが、当人の自覚部分をどう考えるかによってかっちゃん評価はいろいろと変わりそうな気がするんですよね。