この素晴らしい世界に"元"呪いの王を!   作:蠅頭

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宿儺ならこれくらいできるやろと冬将軍ならこれぐらいできるやろが混じってるのと独自設定入ってます


第8話

 

 飛ばした冬将軍に向かって宿儺はダッシュする。

 即座に冬将軍は構え刀を振るう。

 宿儺は四つの手で攻撃を放つ。

 

 上の手を刀を弾くために使い下の手を攻撃に使う。

 拳に斬撃を纏わせることで斬撃ダメージが来るのを防ぐ。

 

 宿儺は頭上に魔虚羅の方陣を出す。

 魔虚羅が冬将軍に対し適応を始めた。

 

「鵺」

 

 宿儺は下の手で鵺の掌印を結ぶ。

 これで攻撃に雷撃ダメージが乗る。

 

 冬将軍が雷に襲われる。

 

「──」

 

 冬将軍は冷気の嵐を解き放った。

 宿儺は迎撃するように解を放つ。

 冬の嵐が斬撃によって蹴散らされた。

 

「くはっいいぞ!」

 

 宿儺は興奮する。

 この世界に来て二度目の強敵だ。

 ベルディアも強かったがあれは少々物足りなかった。

 それに対しこの冬将軍というふざけた名前のモンスターは非常に強い。人間換算の特級にもなるだろう。

 

 宿儺はわざと距離をとる。

 

 上の右手で標準を定め解を放つ。

 

 冬将軍は宿儺の解が見えているのかすべて刀ではじいた。

 高速の剣技だ。速すぎて宿儺でなければ認識できないだろう。

 

 ならばと宿儺は急接近する。接近戦だ。

 

 拳に解を纏っての打撃だ。冬将軍の刀と衝突し合う。

 先の焼き直しのような戦いが繰り広げられる。

 

 冬将軍が足を使って蹴りを繰り出すが宿儺も蹴りを放つことで相殺する。

 

「いいぞ!」

 

 宿儺は歓喜する。この世界に来てからの初めての強者だ。

 

 更なる打撃と斬撃を持って攻撃していくが冬将軍は平気な顔で耐える。

 

 ならば、とばかりに宿儺は後ろにジャンプすることで距離をとろうとする。

 だがそれをさせぬとばかりに冬将軍は急接近する。

 それを読んでいた宿儺は最大出力の解を放った。

 

 冬将軍が真っ二つ、縦に斬られた。

 

「死んだか?」

 

 しかし次の瞬間冬将軍はくっついて再生した。

 

「いいぞ! そうでなくてはな!」

 

 宿儺は更なる笑みを見せ、冬将軍に突撃した。

 

 

 

 

 

「うぉー! 退避退避」

 

 カズマたち一行と裏梅は走って逃げていた。

 冬将軍と宿儺の戦いは超次元の物だ。斬撃で大地が斬られ冬の嵐が襲う。

 カズマたちの元にも冬将軍がはじいた宿儺の斬撃が来たところでこれはあかんと逃亡を選択した。

 魔力で強化できる裏梅と素で硬いダクネス以外はアクアの補助魔法が無ければ余波でダメージを負っていただろう。

 

「おい愚図。もっと速く走れないのか」

「元引きこもりなめんな! これでも全力です!」

 

 一番足が遅いのはカズマだ。元引きこもりでステータスも低い冒険者なのでスピードが足りない。

 

「ねぇちょっと待って! せめて雪精捕まえさせて!」

「このアホ! 今そんな余裕ないのわかるでしょうが!」

「いいからとっとと逃げるぞ。馬鹿言うならその舌ねじ切るぞ」

「あっはいすみません」

 

 裏梅の殺気の籠った台詞に女神アクアも思わず謝った。

 

 そうして走っているとようやく余波の届かない距離になる。具体的には二百メートル以上離れた。

 

「ここならいいだろう」

「え、もっと離れた方がよくないすか?」

 

 カズマが裏梅に問いかける。

 

「ここでいい。お前たちもせっかくなら観るといい。素晴らしいものが見れるぞ」

 

 にやり、と裏梅は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宿儺は斬られた上の手を反転術式で再生させた。

 高速で戦闘をこなし、空を飛ぶ冬将軍に対し宿儺は空気の面を掴んで跳躍することで戦闘を成り立たせている。

 解も捌もあびせたが消えることなく自己を維持している。

 

(HPが多く防御力も高いタイプに加え今が冬というのがあれだな。呪霊と同じく人の想いを元にしている以上今の冬将軍は無敵に近い)

 

 この世界の精霊は人の想いを糧にしている。

 人が想像した通りの姿と力を得ることが多いのだ。といっても一部の精霊は違ったりするが。

 そして今、季節は冬。その関係で冬の具現化である冬将軍は人の想い……つまりエネルギーが無尽蔵に供給されている。

 持久戦化すれば負けるのは宿儺だ。

 

 だからこそ、宿儺は切り札を切った。

 

(裏梅もカズマたちも既に遠い。ならば問題ない)

 

 宿儺の優れた魔力探知技術ならばある程度離れていても相手を感知できる。

 宿儺は下の手で閻魔天の掌印を結んだ。

 

「領域展開」

 

伏魔御廚子

 

 

 閉じない結界という神業が披露される。

 この世界でも結界術は存在する。

 主に使うのはプリーストたちだ。アンデッド除けや退魔の結界を張る。

 宿儺は己の心象世界を現実に具現化する。巨大な口が入った社が顕現した。

 

 瞬間宿儺を除いた社を中心とした半径二百メートルに解と捌が浴びせられる。

 魔力を持つ者には捌を。持たない者には解が間無く与えられる。

 当然冬将軍も受け、解と捌両方を食らう。

 

 だが──耐える。

 

 己の能力を一時的に自己維持に全力で回すことで防御力の上昇と再生能力の上昇に振ったのだ。

 そのために攻撃能力はもはや下位モンスターと同程度まで下がったが不可逆ではないので問題はない。

 当然耐えるのを読んでいた宿儺は次の手を放つべく上の手で構えた。

 

「竈──(フーガ)

 

 炎の矢がつがえられた。

 

 それに危機を感じ取った冬将軍は宿儺に接近しそれを阻害しようとするがもう遅い。

 

 宿儺が炎の矢を放った。

 

 冬将軍に命中し、大爆発を起こしたのだった。

 

 

 

 

 

 

「なぁにこれぇ」

 

 

 カズマは目の前の光景を見てそう呟いた。

 

 何かよくわからない音が聞こえたと思ったら斬撃の嵐が起こりそのあとは大爆発だ。

 残ったのは巨大なクレーターのみ。

 

 そのクレーターから宿儺が歩いてくる。右手の下の手に刀を持って。

 

「す、宿儺さん? 冬将軍は?」

「ああ、殺した」

 

 宿儺は下の手に持っている刀……冬将軍の一部を放り投げた。

 すると刀は光の粒子となって消えていった。

 

「ここにも殺したと書いてあるぞ」

 

 宿儺は冒険者カードを示した。

 

 その討伐欄にはちゃんと冬将軍の名が刻んであった。

 

「え、えぇ、ぇぇぇ?!」

 

 あんな化け物を倒した宿儺にカズマは驚愕し顎を開いた。

 

「す、すごいですね。何百年も誰も倒せなかった冬将軍を倒すとは……ていうか最後の爆発何です? 爆裂魔法ですか?」

「最後の爆発は俺の技の一つだ。しかしなかなかに歯ごたえのある敵だった」

 

 それじゃあギルドに戻って報酬を貰おうか、と宿儺は歩き出し、遅れてカズマたちもそれに着いて行くのだった。

 

 

 

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