ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第一〇話:防戦》

 暗い洞窟の奥。秘密の出産診療所は、戦火に包まれている。

 

「……ッ、こいつら、次から次へと!!」

 

 オビトは肩で息をしながら、襲いかかる白ゼツを木遁の術で対処(たいしょ)していく。

 地面からは、あのマダラの地下拠点で自分を介抱(かいほう)してくれた者たちと(うり)二つの、不気味な白い異形の者達:白ゼツが際限なく()き出している。

 

「先生、ここは俺が何とかする! 里とあの仮面の男、このままじゃマズイだろ?」

 

 オビトが叫ぶ。

 ミナトは(くちびる)()()め、教え子たちを見た。

 そして決断を下す。

 

「カカシは三代目の元に急行し、状況の報告! オビト、お前はここでリンとクシナを死守してくれ!」

 

「了解!!」

 

「任せろ先生!!」

 

 ミナトは飛雷神の術の印を結び、洞窟診療所を脱出し、闇に消えた仮面の襲撃者を追う。

 カカシは白ゼツの大群を()(くぐ)り洞窟を抜け出すと、俊足(しゅんそく)で里へと駆け出して行った。

 

「リンはクシナおばさんの治療に専念してくれ!」

 

 残されたオビトは、地面から次々と湧き出す白ゼツの軍勢を(にら)()える。

 

「どこの誰だか知らねぇけど……リンとクシナおばさんには、指一本触れさせねぇ!!」

 

 写輪眼。

 オビトの瞳が、怒りと決意で血の色に染まる。

 

 

 

「(なんでだ……!? なんでじいちゃんの部下だった白ゼツたちが俺たちを襲う!? 誰がこいつらを操ってやがるんだ!!)」

 

 戸惑(とまど)いが、焦燥(しょうそう)が、オビトの心を激しく揺さぶる。しかし、背後で力なく横たわるクシナの気配を感じ、彼は己の迷いを無理やり散らし、封じ込めた。

 

「リン! クシナおばさんの容態はどうだ!?」

 

「……(ひど)いわ、これ……」

 

 リンの声は震えていた。

 彼女の両手からは、ありったけの医療チャクラが(まばゆ)いほどに放出され、クシナを包み込んでいる。

 クシナの容態は、筆舌(ひつぜつ)()くしがたい惨状(さんじょう)であった。

 九尾のチャクラを半分、すなわち陰のチャクラを強引に引き抜かれたことによる肉体的な負荷(ふか)に加え、封印解除のため行使された仮面の男による写輪眼幻術による精神侵食が、彼女の心を深い闇に閉じ込めていた。

 

「九尾の半分が抜かれた衝撃で、経絡系(けいらくけい)が焼き切れる寸前(すんぜん)よ……それに、精神世界への干渉(かんしょう)が強すぎて、クシナさんの意識が戻らない……!」

 

 深く息をし、己の動揺(どうよう)を抑えるリン。

 瞳を閉じる。

 

「……磯撫、力を貸して……」

 

 リンの体が三尾のチャクラを宿す。

 リンを媒介に、三尾の膨大(ぼうだい)なチャクラがクシナへと流れ込む。

 

「……うぅ……あぁ……」

 

 陰の九尾チャクラを失った、クシナの体内の隙間(すきま)()めるように。

 荒れ(くる)う火を(しず)める清涼(せいりょう)な水の(ごと)く。

 

「クシナさん、戻ってきて……!」

 

 リンが必死に呼びかける。

 

「ヒヒッ……」

 

 だがその時、白ゼツの一体がリンとクシナに(ねら)いを定めた。

 オビトを筆頭とした、診療所に残る忍の防御網(ぼうぎょもう)の突破し、白ゼツの一体がリンの背後を取った。

 (いびつ)な笑みを浮かべる白ゼツ。

 

「リンッ!!」

 

 気づいたオビトが叫ぶ。

 即座に右手をその白ゼツに向かってかざす。

 

「木遁・()し木の術!!」

 

 オビトの右手の平から、鋭い一本の枝が勢いよく撃ちだされる。

 今まさにリンに飛び掛かからんとする宙の白ゼツに枝が突き刺さる。

 次の瞬間、白ゼツの体内から無数の枝葉が突き出てきた。

 

「……ハァ、ハァ……」

 

 その様は、さながら枝葉が白ゼツを養分にするかのごとく。

 白ゼツは樹木に串刺(くしざ)しにされ、即死(そくし)した。

 

「たとえ何が来ても、俺が二人を護り抜いてやる……」

 

 三つ(どもえ)の写輪眼。

 オビトの右目に決意の色が浮かぶ。

 仲間の忍たちと共に。オビトは押し寄せるゼツの白波相手に必死の防戦を繰り広げる。




・あとがき

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 それでは、またお会いしましょう。
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