ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第一二話:仮面の襲撃者》

 闇に包まれた木の葉の里近郊の深い森林地帯。

 木々の合間を()うように疾走(しっそう)する仮面の男を、波風ミナトは追跡(ついせき)していた。

 

「……()いたか」

 

 仮面の男が、自身を追跡していたミナトの気配が消えたことを感じ取る。

 さながら、フッと空気に溶けるように。

 

「――ここだッ!」

 

 仮面の襲撃者が油断した。その瞬間を、ミナトは見逃さなかった。

 飛雷神の術。

 襲撃の際、仮面の男に刻み込んでいたマーキング。

 

「これで終わりだ!!」

 

 ミナトの手の平には、青白く(たけ)(くる)う高密度のチャクラの集合体:《螺旋丸(らせんがん)》。

 マーキングを頼りに、空間を跳躍(ちょうやく)したミナトは、無防備な男の背後に瞬間移動し、奇襲を仕掛ける。

 死角からの一撃。

 轟音(ごうおん)と共に、螺旋丸が男の背中を粉砕(ふんさい)していく――

 

「ほぅ……」

 

 さながら紙屑(かみくず)のように。

 いや――

 

「さすがだな四代目火影。俺の想定した通りの実力者だ」

 

 まさしく紙屑そのもの。

 螺旋丸がまき散らしたのは、男の《肉片》ではなく、《紙》。

 

「扉間に勝るとも劣らない。この俺が認めてやろう。お前は、飛雷神の術最強の使い手だ」

 

 螺旋丸の衝撃で巨木に叩きつけられた仮面の男。

 男は折れ曲がった首をゴキゴキと、およそ人間らしくない不自然な動きで戻しながら、ゆっくりと向き直る。

 千切れ飛んだ肉体の破片が、まるで磁石に吸い寄せられる砂鉄のように元の場所へと戻り、直ちに修復されていく。

 

「馬鹿なっ……! こんなにも早く、忍術で傷を回復出来るはずが……」

 

 信じがたい光景を目にして、ミナト。

 

「いや、これは医療忍術じゃない……これは――」

 

「《穢土転生(えどてんせい)の術》。そう、お前の想像通り」

 

 ミナトの顔から血の気が引いていく。

 

「俺は(よみがえ)った死者だ」

 

 男は修復されたばかりの衣を指先でなぞる。

 

「この体は不死身であり、チャクラが尽きることもない。そして――」

 

 ミナトは戦慄する。

 

「邪魔な《(マーキング)》は外させてもらった。お前のあの必殺忍術でな。全く、扉間の奴、厄介な術を編み出してくれたものだ」

 

 襲撃者の体には、ミナトが刻んだはずの飛雷神マーキングの術式が、欠片も残っていなかった。

 己が手で、螺旋丸で、襲撃者の不死身の体ごと吹き飛ばしてしまったのだ。

 

「アイツはいつも卑劣(ひれつ)だった」

 

 男は《わざと》隙を見せ、ミナト最大の持ち札であった《マーキング》を消し去ってしまったのだ。

 その見事な戦略眼、まさしく歴史に残る《かの伝説の忍び》が如し。

 

「お前との(たわむ)れ、中々に楽しめたぞ」

 

 仮面の奥。写輪眼が不気味に(うごめ)く。

 

「陰の九尾よ、戻れ!」

 

 男が印を結ぶ。

 遠く離れた里の方角から、天地を震わせるような九尾の咆哮が響き、直後にその巨大な気配が霧散(むさん)した。

 《逆・口寄せの術》。

 続けて――

 

「木遁・樹海降誕!」

 

「ま、待て――!!」

 

 ミナトが仮面の男を捕縛(ほばく)せんと()み込むが……男の周囲から突如、巨大な樹木が奔流(ほんりゅう)のように()き出した。

 

「こ……この術は……」

 

 仮面の男を信源に、地面が盛り上がり樹海が形成されていく。

 男の姿を飲み込んでいく。

 

「初代火影様の……それに、写輪眼」

 

 瞬身の術で、(はる)か上空に場所を移してミナト。

 地表を埋め尽くす樹木の海。深き森。仮面の男とミナトが交戦していた、もとより木々の生い茂っていたその一帯は、もはや一ミリの隙間なく木々が密集する(いびつ)な空間に変貌(へんぼう)している。

 

「一体、何者なんだ……?」

 

 マーキングを消され、仮面の男を完全に見失ったミナト。

 ()すすべなし。

 

「いや今は……彼が何者なのか気にしている場合じゃない」

 

 彼は目的を切り替え、印を結ぶ。

 九尾に襲われ、火の海に包まれた里を救わんと。




・あとがき

 お楽しみいただけていたら幸いです。

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 それでは、またお会いしましょう。
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