ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第一三話:嵐の後》

 厄災。陰の九尾の猛威(もうい)過ぎ去った木の葉の里。

 

「九尾の半身を奪われ、里に甚大(じんだい)な被害に(こうむ)らせた」

 

 その首脳部。里の復興会議。

 (すす)けた火影装束を纏う四代目火影:波風ミナトと、瞳に鋭い刃に宿した里の相談役:志村ダンゾウが対峙(たいじ)していた。

 

「この失態、火影としての資質を疑わざるを得ん」

 

 猿飛ヒルゼン、水戸門ホムラ、うたたねコハル。

 里の最高指導者たちの居並ぶ会議室にダンゾウの追及が響く。

 

「……責任は、全て私にあります」

 

 オビトやリンたちの活躍により、うずまきクシナの命は守られた。紅の活躍により、幻術も解かれた。

 里の抑止力たる九尾の力も、未だ半分は健在。

 

「責任を取るというなら……いや、これ以上は言うまい」

 

 ミナトを鋭い視線で射抜くダンゾウ。(かば)い立てする声はなかった。

 

「里の安定には、経験豊かな指導者の力が必要だ」

 

 しかし里に甚大な被害があったのは事実。数多の人命が、膨大(ぼうだい)な資産が失われたのは、紛れもない事実。

 誰かが責任を負わなくてはいけない。

 この日、《波風ミナトの火影辞任》と《猿飛ヒルゼンの火影再任》が、復興会議の場で満場一致により可決することとなったのである。

 

 

 

 九尾事件収束よりこの方、里には復興作業の槌音(つちおと)が響いている。

 

「木遁・連柱家の術!」

 

 崩壊した家屋の瓦礫(がれき)が山をなす場で、オビトは額に汗を浮かべ、印を結び術を発動していた。

 地響きと共に巨大な材木が組み上がり、簡易的な住居の骨組みが次々と形成されていく。

 

「さすが、オビト先輩」

 

 その隣では、まだ少年の面影を残す若い忍が、オビトの術を補助していた。

 

「僕の木遁じゃあ、ここまでは無理です」

 

「ヘヘッ、お前も筋がいいぜ、テンゾウ」

 

 名を、やまとテンゾウ。

 カカシの部下で、オビトと同じく木遁忍術の使い手である。

 

「オビト、少しいいか?」

 

 復興作業に取り組むオビトの元に、カカシが歩み寄ってきた。

 

「どうしたカカシ、深刻そうな顔して」

 

 カカシの顔は影を帯びている。

 オビトはヤマトにその場を任せ、カカシと共に近くの休憩所(きゅうけいじょ)へ――

 

「オビト、あの《仮面の男》のことだが……」

 

 向かう途中。カカシがオビトを人気のない瓦礫の影に誘い込み、小さな声で(ささや)くように言う。

 

「奴は写輪眼を有していた。そして白ゼツの大部隊を率いていた」

 

 カカシの次の言葉を察し、オビトの表情が固まる。

 

「これだけの条件が揃っている以上、マダラ(あの爺さん)と無関係だとは思えない」

 

「……何が言いたい」

 

 剣呑(けんのん)なオビト。二人の間に不穏(ふおん)な空気が(ただよ)う。

 

「俺達が埋葬(まいそう)したあの(じい)さんの死体が、偽物だった可能性がある……つまりマダラは生きていて、あの仮面の男は――」

 

「ふざけんな!!」

 

 オビトがカカシの胸ぐらを(つか)んだ。

 

「あの爺ちゃんが、里を襲うわけねぇだろうが!?」

 

 激昂(げっこう)するオビト。

 

「確かに偏屈だったけど、俺たちを助けてくれたのは本当だ! 死体だって、俺たちがこの手で埋めたんだぞ!」

 

 オビトはカカシを鋭い眼差しでにらみつける。

 

「恩人を疑うような真似、すんじゃねぇ!!」

 

 だがカカシは対照的に、あくまで冷たい眼差しで、

 

「オビト、冷静になれ。里に……いや、ミナト先生にこのことを報告するべきだ」

 

 あくまで冷静な口調で、オビトに相対(あいたい)する。

 

「感情で目を(くも)らせるな」

 

 その言葉に、オビトが遂に感情を爆発させて――

 

「二人とも、やめて!!」

 

 カカシに(なぐ)りかかろうとしたその時、二人目掛けて声が飛んできた。

 

「こんな時に仲間割れしてる場合じゃないでしょ!」

 

 のはらリン。

 里の負傷者の治療に当たる彼女が、休憩がてらオビトの様子を見に復興現場へ足を運ぶ途中、喧嘩(けんか)する二人を発見し、仲裁に入る。

 

「オビトの気持ちも、カカシの言うことも、わかるわ」

 

 彼女の言葉には冷静さと同時に、温かみがあった。

 

「悪かったな、カカシ。少し熱くなり過ぎた」

 

「いやオビト、俺の方こそ……」

 

 頭を冷やす二人。

 頃合いを見計らい、リンは二人を見据(みす)え、沈痛(ちんつう)な面持ちで口を開いた。

 

「オビト、確かに私も仮面の男とマダラさんの関係は気になってる……」

 

 顔をそむけるオビト。

 

「でもねカカシ……今、先生のところへその話を持っていくのは、あまりに(こく)よ」

 

 (ばつ)の悪そうな表情のカカシ。

 

「ミナト先生は、四代目の座を追われてしまった。その上、クシナさんが九尾の人柱力だってことが露見(ろけん)して、里中からの冷たい視線にさらされてる……」

 

 ミナト一家は今、政治的にも社会的にも精神的にも(がけ)っぷちに立たされている。

 

「今、ナルト君を抱えて必死に()えている先生に、不確かな疑念をぶつけて、これ以上心を(まど)わせるべきじゃないわ」

 

 リンの言葉は、正論だった。

 オビトは拳を握りしめ、地面を睨みつけた。

 

「ああ、わかってるよリン……クソッ……先生もクシナさんも、あんなに頑張ったのに……!」

 

「すまない……色々配慮(はいりょ)に欠け過ぎていた」

 

 少しの沈黙が流れた後、リンが二人に提案する。

 

「ねえ……まずは私たち三人でもう一度、あの地下拠点に行ってみない?」

 

 リンは二人ともそれぞれに顔を向ける。

 

「埋めたはずのマダラさんの遺体がどうなっているのか……自分たちの目で確かめるの」

 

 (うなづ)くオビトとカカシ。

 

「あぁ確かに……まずはそこからだ」

 

「……わかったよリン。爺ちゃんの潔白(けっぱく)は、俺たち自身の手で証明してみせよう」

 

 三人は、かつてマダラを(とむら)ったあの地下拠点へと再び向かう決意を固めたのであった。




・あとがき

 お楽しみいただけていたら幸いです。

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 それでは、またお会いしましょう。
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